ところで何故stage5になれば理性を取り戻すのかというと……
本来は強化段階が進行するに従い、脳の大部分が身体能力向上にリソースを割かれてしまう関係で戦闘を除けば頭が働かなくなっていくのですが、ある強化段階を超えると命の危機を感じた脳が常に火事場の馬鹿力を発揮し始め、戦闘以外に脳のリソースが回る余裕が生まれるからです。(妄想設定)
まさに“灯滅せんとして光を増す”ってヤツですね。
しかしアンケートを見てると、ステラちゃんをストライク系に乗せてクロトくんを曇らせたい派も結構いますね……
〈64〉
アークエンジェルは意外にも最初の難所と思われるインド洋をあっさり抜けられたのだが、マラッカ海峡でのザフトの大部隊との交戦以降、毎日のようにザフトの襲撃を受けていた。
もちろんG兵器の現物がアラスカ基地に届けば地球連合軍のMS開発が大幅に進むため、なんとしてもそれを阻止したいという理由はマリュー達も理解出来たのだが、ザフトの攻撃頻度は異常だった。
たかが新型戦艦一隻を沈めるには、あまりにも過剰過ぎる戦力投入だったのである。
そんなザフトの猛攻には理由が有った。
ここ数週間、モラシム隊を含む多くのザフト部隊が
その正体──鹵獲したボスゴロフ級潜水母艦を用いて通商破壊作戦を行っていたオルガ達とは異なり、水上を移動するアークエンジェルがその厳重な警戒網に引っ掛かってしまうのは当然だったのである。
連日の戦闘でアークエンジェルは傷付き、オーブ領海域付近で4機のグゥルとG兵器で構成されたアスラン隊の襲撃によって遂に重大な損傷を受けた。その事態を重く受け止めたカガリは、領海線上に部隊を展開していたオーブ軍に自らの素性をカガリ・ユラ・アスハだと明かしたのである。
その直後に被弾し、オーブ領海に落水したアークエンジェルを追っていたアスラン隊はオーブ軍の自衛権発動を受けて撤退を余儀なくされ、アークエンジェルもオーブ軍に連行される形になったのだった。
「そろそろ貴方も正体を明かして頂けるのかしら?」
マリューは思わぬ正体を明かしたカガリに向けた視線を外し、おそらくカガリや
「オーブ陸軍第21特殊空挺部隊レドニル・キサカ一佐。これでも護衛でね。……どうやら貴女は彼から何も聞いていないようだな? ……ブエル中尉は最初に接触した時から、我々の正体に勘付いていたようだが」
キラと共にCICに戻って来たクロトを見て、キサカは意外そうな口調で言った。マリューとナタルは血相を変えると、自分達に重大な秘密を隠蔽していたクロトを問い質す。
「なぜ私に報告してくれなかったの?」
「“明けの砂漠”がアークエンジェルに便宜を図る見返りに、二人の素性を誰にも話さないと約束しましたからねえ」
「ブエル中尉の行為は重大な報告義務違反です!」
「バジルール副長に話せば、また人質に取ろうとしたでしょう? ラミアス艦長はともかく、バジルール副長に話すことは有り得ませんよ」
ナタルの批判を飄々と受け流すクロトに溜息を吐きながら、マリューは二人の口論を見ていたキサカに話し掛けた。
「我々はこの措置を、どう受け取ったらよろしいのでしょうか?」
「それはこれから会われる人物に直接聞かれる方がよろしかろう。……オーブの獅子、ウズミ・ナラ・アスハ様にな」
「!」
オーブ連合首長国前代表首長であり、五大氏族アスハ家当主であるウズミ・ナラ・アスハ。
ヘリオポリス崩壊の責任を取って一線を引いたものの、今もオーブの実質的なトップと目される人物の名前を出され、マリューは気を引き締めたのだった。
〈65〉
「……」
キラはクロトの部屋で退屈そうに外の様子を見ていた。既に私物や着替えの大半はこの部屋に持ち込んでおり、もしもの時に備えて合鍵も持っている。
そもそも最後に自室に戻ったのは何日前だろうか。
マリュー、ナタル、ムウ、クロトの四人はウズミ・ナラ・アスハに呼び出され、先程現れたオーブ軍人らに連れられてアークエンジェルを後にしていた。
キラも同行を希望したが、指名された四人以外の入国許可は下りなかった。
クロトはどうせ退屈な政治の話だと言っていたが、キラと年齢が大差ないクロトが呼び出されたことから、ウズミはクロトを単なる少年兵だと見做していないことは明らかだった。実際、クロト以上に各勢力の政治状況について詳しい者はいなかったのだが。
そんな中、ドアをノックする音が聞こえた。
本来不在の筈のクロトの部屋を訪れる者など、居候であるキラを除けば一人しかいない。
「フレイ?」
「やっぱりここだったのね。入るわよ?」
フレイは二つの飲み物を片手で持ち、部屋に入って来た。
サイとのトラブル以降、事実上カトーゼミ組との交流を絶たざるを得なかったキラとフレイは親交を深めていたのである。
「クロトの話では、上陸出来るかもしれないって。……フレイもオーブに家があるんでしょ?」
「オーブにもあるけど……でも誰も居ないもん。ママも小さい時死んだし。パパも……」
「……ごめん」
「なんで貴女に謝られなきゃいけないのよ。……あの人は
自分の軽率な言葉を謝罪するキラに対して、フレイは自嘲するように笑ったのだった。
一方その頃。
「──御承知の通り、我がオーブは中立だ。公式には貴艦は我が軍に追われ、領海から離脱したということになっておる」
「助けて下さったのは、まさかお嬢様が乗っていたから、ではないですよね?」
「国の命運と甘ったれた馬鹿娘1人の命、秤にかけるとお思いか?」
ウズミの言葉を聞き、クロトは笑いを噛み殺していた。
クロトの経験した前世において約3ヶ月後、大西洋連邦がオーブに対してザフト支援国と見なして侵攻を行う“オーブ解放作戦”を発動させるのだが、ウズミはその“甘ったれた馬鹿娘”やアークエンジェルを宇宙に逃がすために降伏を遅らせて、オーブ軍を大勢犠牲にしたではないか。冗談は程々にして欲しいものだとクロトは思ったのである。
「……あの船とMSはこのまま沈めてしまった方が良いのではないかと、だいぶ迷った。今でもこれで良かったものなのか、分からん」
「申し訳ありません。ヘリオポリスや子供達の事、私などが申し上げる言葉ではありませんが、個人としては本当に申し訳なく思っております」
マリューはウズミの批判に対して率直に謝罪した。
ヘリオポリス崩壊を招いた原因であるG兵器製造計画。
そして本来止めるべき立場にある筈の自分が他国の学生を志願兵として利用するという、客観的に見て恥ずべき行為。
彼等に何が起ころうと志願したのだから自己責任だと言えるほどマリューは自らの行いを正当化するつもりはなかったし、この任務が終われば責任を取る覚悟だった。
たとえ名誉や職どころか命を失うことになろうと、それだけの事を自分はキラに強いたのだとマリューは自覚していたのである。
「よい。あれはこちらにも非のある事、国の内部の問題でもあるのでな。我らが中立を保つのはナチュラル、コーディネイター、どちらも敵としたくないからだ。……が、力なくばその意思を押し通す事も出来ず、だからといって力を持てばそれもまた狙われる。軍人である君らにはいらぬ話しだろうがな」
「ウズミ様の話も分かります。ですが我々は……」
「ともあれこちらも貴艦を沈めなかった最大の理由をお話せねばならん。……レイダーとストライクのこれまでの戦闘データ、及びストライクのパイロットであるコーディネイター、キラ・ヤマトのモルゲンレーテへの技術協力を我が国は希望している。叶えばこちらもかなりの便宜を貴艦に計れる事になろう」
地球連合軍初となるMSであり、たった二機で北アフリカで快進撃を続けていたバルトフェルド隊を撃破するに至ったストライク、レイダーの戦闘データ。
そしてそれらのOSを日々改良している“キラ・ヤマト”。
既に真実を知る者は自分を含めて数人だが、養子として引き取った
ウズミはアークエンジェルを見逃し、ザフトの抗議から庇う事と引き換えにこの二つを獲得することでオーブ軍の戦力を増強しようとしていたのである。
そんなウズミにとって唯一の誤算は──この場にクロトがいたことだった。
「全く。娘が娘なら、親も親ですねえ」
クロトは凍り付いた空気の中で、失笑しながら言葉を続けた。
「オーブが中立を主張する理由は分かります。ザフトの地球方面軍総司令部であるカーペンタリア基地が、すぐ近くに存在しますからね。たとえザフトにヘリオポリスを崩壊させられようと、その結果自国民が千人……あるいは二千人犠牲になろうと、中立を主張するのは国を守る政治家として妥当な判断でしょう。……だから極秘裏に反ザフトのレジスタンス活動を支援したんですね?」
「……どういう意味かね?」
「言葉通りの意味ですよ。……アスハ家の次期後継者が反ザフトのレジスタンス活動に身を投じていた。しかもオーブ軍人の護衛を伴って。……ついでにレジスタンスに対する資金援助もあったみたいですね。……近い将来、ザフトはその事を理由にオーブを侵攻するでしょう。だから
クロトの言葉には得体の知れない雰囲気があった。まさに悪魔の囁きという表現が相応しい、全てを破滅に誘うような。
事実、カガリの行為はザフトに対する明確な敵対行為である。
五大氏族の中で最も影響力を持つアスハ家の正当後継者であるカガリの意思はザフトにオーブの意思だと捉えられても不思議ではなく、それは中立を掲げるオーブの国家体制そのものを崩壊させかねない出来事だったのだ。
言葉を失うウズミを嘲笑しながら、クロトは更に言葉を続けた。その内容はストライクやレイダーの戦闘データよりも余程価値のある、地球連合軍の軍事戦略だった。
「そんなウズミ様に一つだけ、僕から有益な情報を差し上げましょうか。……
「……」
ウズミからの提案を一度持ち帰り、検討すると告げたマリュー達が退出してからもしばらく、ウズミはクロトの生意気な態度に憤慨する側近達を意識から外して沈黙を続けた。
〈66〉
「……相変わらず無茶しやがるぜ。どこまで本当なんだ?」
「今のザフトにオーブを攻撃する余裕はありませんよ。ザフトの当面の目標はパナマ基地の占領による地球連合軍の分断です。もしも地球連合軍が防衛に失敗すれば、マスドライバーを保有するオーブに圧力を掛ける可能性は高いでしょうけどね」
マリュー達四人はアークエンジェルに戻ると、ウズミの提案を受け入れるのか、それとも拒絶するのか討論していた。
「くくっ。……それじゃあ中尉が強烈なカウンターを決めた所で、いったいどうしたもんかね?」
「私は反対です。この国は危険だ!」
「そう言われたってな。じゃあここで船を降りてアラスカまで泳ぐのか?」
「そういう事を言っているのではありません。修理に関しては代価をと……」
「何も言わなかったけど、ザフトからの圧力も、もう当然ある筈よ。それでも庇ってくれている理由は……分かるでしょ?」
両機の戦闘データ提供とキラの技術協力に相当する代価がある筈だと主張しつつも、そんなものはないと自覚しているのか言葉を濁すナタルに対し、マリューとムウは内心呆れていた。
「……艦長がそう仰るなら、私には反対する権限はありませんが、この件に関しましてはアラスカに着きました折に、問題にさせていただきます」
マリューの出した現実的な結論に噛み付きつつ、自分の正統性を主張し始めたナタルを見て、クロトは鼻で笑った。
「ふっ。自分は何の対案も出さず、無責任な人だ」
「ならばブエル中尉はどうすると? まさか1人で暴れてなんとかすると?」
ナタルの安い挑発を無視しつつ、クロトは見込みの甘いマリューとムウに釘を刺すように口を開いた。
「まず大前提として、地球連合軍の軍事機密を無断で中立国に提供する。……この事実が表沙汰になれば、実行者のキラは死刑になるでしょうね」
「……私が責任を取るわ。たとえ命に代えても、あの子にそんなことはさせません」
人一人の命で取れる責任ではないと思いつつも、クロトはマリューの迷いない言葉に満足げに笑う。
「僕が上層部の人間なら、
「……」
「結論から言えば、ここにいる全員で事実を隠蔽するか、それともアラスカまで泳いで帰るかの二択でしょう。……泳ぎはあまり得意じゃないんですけどねえ」
言葉に詰まるナタルを他所に、クロトは相変わらず本気か冗談か分からない口調で呟くのだった。
久々に狂犬モードのクロトくんが登場しました。狂犬国家オーブや無責任副長ナタルさんには狂犬をぶつけんだよ!
オーブ連合首長国、真面目に考えるとカガリちゃんに設定を盛るためだけに用意されただけの継ぎ接ぎ国家って感じがして、とても辛いですね……。
特権階級が存在するけどナチュラルもコーディネイターも平等な国だよ!でも国民はコーディネイターだと名乗り難い程度に差別意識のある国だよ!そんな国だけど国民からの支持は厚いよ!って説明の中で矛盾し過ぎだろ……
ナタルさん、ぶっちゃけ無責任の塊みたいな人なんだけど、本人は自分を責任感のある軍人だと思ってそうで可愛いですよね……。
ステラちゃんは何に乗る?
-
デストロイ試作機(!?)
-
ストライクダガー
-
105ダガー
-
スカイグラスパー
-
その他