「…サンジェルマン…さん」
『さん付けはしなくていいぞ』
「…サンジェルマン、このマンションは…」
『私たちが管轄しているマンションだ。響の部屋は上層だぞ?』
「…アーク、これ何階建てかな…」
『見た感じでは六十五階だな…しかもかなり広い』
『まだ広い方が良かったか?』
「いや、大丈夫…」
響は高層マンションを見上げながらサンジェルマンと話し合い、自分の家となる部屋に入るとその広さに驚く。
「…家賃何万するんだろこれ…」
『あと、テーブルに通帳があるからな』
サンジェルマンはそう言って通話を切ると、響は置かれていた通帳を見る。
「…8桁…サンジェルマン、金額壊れてるよ…」
響は唖然としつつそう言うと棚に仕舞う。
「…よし、とりあえずこれからどうしよっかな…」
『体を休めておけ、それだけだ』
「…とりあえず、近くの店で食べよっか」
『…休めておけと言ったんだが…まぁいいか』
響はそう言って家から出た。
そして、ある程度の金を下ろして街を歩くとふらわーと言う店を見つけ、中に入る。
「いらっしゃい」
注文をしてお好み焼きが出ると、響はゆっくりと食べ始める。
「…おいしい…」
そうして、注文したものを食べ終えると金を払い外に出る。
『響、口に調味料がついているぞ』
「あっ…」
『全く…』
「…あはは…」
響はアークにそう言われ照れながら帰っていく。
「…あれ?」
その背後では、とある少女がその後ろ姿を見ていた。
ー
「…フィーネ…か」
「どうしたの、サンジェルマン?」
「いや、響がいる場所で起こる事変の首謀者の名前が気になってな」
「…確か、アダムが残した書物には身勝手な恋心扱いされていた奴か…」
「あぁ、もしそのフィーネなら…どうやって今も生きているのかと思ってな」
「…それより、セレナも行かせた方がいいんじゃない?」
「セレナは無理だ。今はアダム派の残党狩りをしているからな…全く、自分1人で大丈夫と言って1人で行ったのは無茶だろうが…あの力があるなら大丈夫だろう」
「セレナらしいわね…」
「なら、私は響の元に行くワケダ」
「待てプレラーティ…まさか」
「先にしておいて良かったワケダ」
プレラーティはそう言って石を見せる。
「あっ!あーしも行く!」
「…はぁ」
部屋から出ていったカリオストロとプレラーティを見たサンジェルマンはため息をついた。
「…しかし、アメリカでも何やら変な動きがあるみたいだからな…気をつけなければ…」
サンジェルマンはボソッとそう言うと、テーブルに置いていた紅茶を飲み干した。