ボイロ探偵W   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。新キャラ登場、エル・ドラードとの全面対決、新技ラッシュと激動の話となります。

前回、水都の歌姫IAを助けて護衛を依頼されたゆかりたちだったが…?楽しんでいただけると幸いです。


第十話:Eは極楽/黄金郷の女帝

 その日、水都にとある少女がやってきた。鬼の面を被ったアルビノの少女は目の前の地面に突き刺さっていた剣を軽々持ち上げると持って来ていたゴルフバッグに入れて、彼方に見える水都タワーを睨みつける。

 

 

「ここが水都…なんや、嫌な匂いがぎょーさんするなあ。欲望に塗れたドーパントの匂いや。そんなの持ってくるなんて、嫌な風やなあ」

 

 

 そんなことをぼやきつつ少女は足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「探偵!姉がいると聞いてきたぞコノヤロー!」

 

「朝っぱらから五月蠅いですね……」

 

 

 騒々しい聞き覚えのある声が聞こえて目を覚ます。時間は七時半。事務所内を見渡せばあかりがデスクで寝落ちしていて、寝床は空で………………って、なああああっ!?

 

 

「起きなさい!あかり!起きんかいこら!」

 

「ふにゃ…おはよーござまーす、しぇんぱい…」

 

「起きないと朝食抜きですよ」

 

「はい!紲星あかり、ただいま起床しました!」

 

 

 脅すと飛び起きるあかり。色々怒りたいところだが今はそれどころじゃない。

 

 

「IAさんは!どこですか!」

 

「え?IAさんならそこに…って、あれえええええ!?」

 

「このお馬鹿。寝ずの番だと言うのに何で眠ってるんですか!」

 

「そんなこともあろうかと」

 

 

 私達の慌てる声を聞いたのかひょこっと顔を出すきりたん。夜通しゲームをしていたのか眠そうだ。

 

 

「ゆかりさんがど忘れしてたようなので昨夜IAさんにスパイダーショックの発信機を付けておきました」

 

「でかしたきりたん!」

 

 

 言われるなりスパイダーショックのモニターを確認する。2キロ先を結構な速度で移動していた。車か?いや、一定感覚で止まっている…まさか跳躍か?

 

 

「しかし戸締りしていたはずなのにどうやって…あ」

 

 

 ドアを開けて出ようとすると、ドアが真っ二つに斬られていた。しかも触るまで分からないぐらい正確に綺麗に斬られている。ええ……涙が出てきた。

 

 

「修理代がー!?」

 

「ギロチン・ドーパントの仕業ですね。でもどうして居場所が…」

 

「それより追いかけかないと!」

 

「ですね、ゆかりさん早く戻ってきてください。留守は下の鳴花ミコト達に頼みましょう」

 

「え?きりたんも行くんですか?」

 

「奴に対抗する術を思いつきました」

 

 

 そう言って降りて行くきりたんに続いて降りて行く。すると有阿刑事が怒り心頭といった表情でそこにいた。

 

 

「おい探偵!姉さんは何処だ!なんでこんな奴に依頼したのか文句言ってやる!」

 

「貴方が裏では褒めてるのは知ってますよ…それより大変です、うちの所長が寝落ちしてる間にIAさんを攫われました!」

 

「な、なんだって!?」

 

「車は持ってますか?居場所は分かってるので全員で追いかけたいんですが」

 

「ま、任せろ!車を持ってくる!」

 

 

 そう言って近くの鳴花ーズ備え付けの駐車場に走って行く有阿刑事。その間にきりたんが交渉したのかヒメさんミコトさんと共にでてきた。

 

 

「事情は把握したよ!留守はヒメ達に任せとけー!」

 

「修理もしておくから安心して行っておいでよ」

 

「助かります!行きますよきりたん、あかり!」

 

 

 そして私はハードボイルダーに搭乗して先行し、それを追いかけるようにきりたんとあかりを乗せた有阿刑事の車が続く。無事でいてください…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 反応を追って走って行くと、水都大橋を通って水都の南、歩歌路町(ぼかろちょう)まで来た。万宵川北にある歩色町の事務所から結構な遠出だ。水都タワーも遠くに見える距離である。周りを見れば、あからさまな倉庫だらけの埠頭だった。…以前、マッド・ドーパントと決着をつけた付近である。

 

 

「むっ」

 

 

 ブレーキ。すぐ先の倉庫からIAさんにつけた発信機の反応がある。後続の車も止まり、三人が降りてきた。…有阿刑事がいるから変身できないな、でももしものときは目の前で変身しなければ…。

 

 

「ここは慎重に…」

 

「警察だ!姉を返せコラー!」

 

「馬鹿!?」

 

 

 拳銃を手に入り口から怒号を上げて威嚇する有阿刑事を余所に私達はそそくさに隠れる。やはりというかぞろぞろとマスカレイド・ドーパントが出てきて有阿刑事は結構奮闘したが、突如氷漬けにされて身動きが取れなくなってしまう。奥から出てきたのは、以前見たことがあるドーパント。

 

 

「…あれはたしか、アイスエイジ」

 

「アイスエイジ…氷河期ですか?私は知りませんけど」

 

「あかりさんが来る前に戦ったことがあるドーパントですね。別個体か」

 

 

 さらに奥からマグマ・ドーパントやコックローチ・ドーパントまで出てきてマグマ・ドーパントが氷を溶かしたかと思えばコックローチ・ドーパントが有阿刑事に腹パンして気絶させ連れて行ってしまった。

 

 

「有阿刑事が…」

 

「しっ、あかり。我慢して」

 

 

 アイスエイジなら氷漬けにすれば殺せたはずなのにそうしなかった。恐らくIAさんの姉妹だから何かしらの価値を感じたのだろう。アイスエイジ・ドーパントが顔を出してきょろきょろと辺りを見渡し、誰もいないと断じたのか変身を解く。現れたのはダークブルーのスーツに金色のネクタイ、青いサングラスをかけて帽子は被らず飛び跳ねた様な髪に一本だけ入れてる金メッシュが特徴の、大きな青い宝石付きな黄金の指輪を左手の人差し指に付けている年若い男。なんか情報量が多いし他のマスカレイドとは一線を画してる格好だしナンバー3だろうか。

 

 

「周囲……警戒を怠るな。リリィ様の手伝いに……俺は戻る。邪魔者は……消せ」

 

「承知しました、西友(にしとも)さま」

 

 

 西友というらしい男の命令でマスカレイド・ドーパントが何人か見張りなのか出てきて辺りを探っているが、どうするか。

 

 

「どうします?きりたん」

 

「…当初の作戦は使えなくなりましたね。まさかあんなに多種多様のメモリを持っているとは。アイスエイジを警戒してヒートジョーカーで行きましょう」

 

《ヒート!》

 

「あかりはきりたんの身体を連れてここで待機しておいてください」

 

《ジョーカー!》

 

「わかりました、お気をつけて」

 

「「変身!」」

 

《ヒート!ジョーカー!》

 

 

 ダブルに変身すると同時にハードボイルダーに搭乗し、突撃する。バイク音に気付いたマスカレイドが何体か止めようと前に出るが、弾き飛ばして倉庫の中に突入する。

 

 

「これは…」

 

 

 すると中にあったのはこれでもかといわんばかりの数の黄金像たち。ビニール袋がかけらているが、美しい女性や逞しい男性の金の像が美術品と言わんばかりに並べられている。まさかこれって…

 

 

「エルドラドの、犠牲者たち…!?あの時言っていたコレクションとは、これ…」

 

『これで狙いが分かりました。奴はIAさんを黄金像にするつもりです』

 

「止めなければ…!」

 

『検索した通りだと倒せば元に戻せるはずです』

 

 

 さすがにこのまま爆走すれば傷つけかねないのでハードボイルダーから降りて先に進む。立ちはだかるマスカレイド・ドーパントは炎を纏ったパンチ一発で仕留め、倉庫の奥まで進む。そこにいたのは、燃え盛るマッシブな怪人マグマ・ドーパント、女として正直見たくないコックローチ・ドーパント、そして筋肉モリモリマッチョマンの変態バイオレンス・ドーパントの三体。…いやあ、今まで相手してきたドーパント(マッドとホークみたいなのもいるけど基本単体)と比べ物にならない規模ですね。ミュージアムと大差ないまでありません?

 

 

《メタル!》

 

「それでも一度倒したドーパントです、負ける理由がありませんね!」

 

《ヒート!メタル!》

 

 

 ヒートメタルにハーフチェンジ、殴りかかってきたマグマ・ドーパントの顎をかち上げ、汚い液体を飛ばしてきたコックローチ・ドーパントの攻撃を回転させたシャフトで払いのけ、バイオレンス・ドーパントのパンチを真正面から右手で受け止め燃やして怯ませてメタルシャフトを左手でスイング。バイオレンス・ドーパントの側頭部を殴打する。

 

 

「時間がないんで一気に行きますよ!」

 

《メタル!マキマムドライブ!》

 

「『メタルブランディング!』」

 

 

 メタルメモリをメタルシャフトのスロットに装填、両端に纏った炎で推進力を得てバイレンス・ドーパントに一撃、爆散させる。爆発跡からは気絶した黒服サングラスが出てくる。上級戦闘員だろうか。

 

 

《ルナ!》《ルナ!メタル!》

 

「逃がしませんよ!」

 

 

 逃げようとするコックローチを伸縮するメタルシャフトで巻きつけて捕まえ、引っ張ってぶん投げてマグマ・ドーパントの放とうとしていた炎にブチ当てる。

 

 

「素早いなら、避けられない量の攻撃をすればいいまでです」

 

《メタル!マキシマムドライブ!》

 

「『メタルイリュージョン』」

 

 

再度装填。振り回したメタルシャフトで金色の輪を大量に描き、一気に飛ばすとコックローチ・ドーパントは逃げきれずに爆散。最後のマグマ・ドーパントが火球を飛ばしてくるが伸縮するメタルシャフトを振り回して防御、メタルメモリをトリガーメモリと入れ替える。

 

 

《トリガー!》《ルナ!トリガー!》

 

「これで決まりです」

 

《トリガー!マキシマムドライブ!》

 

「『トリガーフルバースト!』」

 

 

 ルナトリガーに変身してトリガーマグナムにトリガーメモリを装填。エネルギーを溜めて変幻自在に軌道を変える、黄色と青の破壊光弾を多数同時に発射。マグマ・ドーパントは狼狽えて何もできずに全弾撃ち込まれて爆散した。転がった男たちのうち、バイオレンス・ドーパントだった男が目を覚ましていたので襟首を掴み持ち上げる。倉庫を見た限りどこにも奴はいない。だがこいつらが守ってた理由がある筈だ。

 

 

「教えなさい。貴方達のリーダーはどこにいる?」

 

「ち、地下だ!一番奥にボタンで行ける地下室が!」

 

「なるほど。では」

 

「ぐえっ」

 

 

 軽くデコピンしてやると失神したので投げ捨てて奥に進むと何も置かれてない空間の奥の壁にボタンがあり、押し込むと床が開いて階段が現れる。

 

 

「…よし」

 

『待ってくださいゆかりさん。一度戻ってファングジョーカーになりましょう』

 

「それが秘策ですか?」

 

『はい。この先にいるのがエルドラド・ドーパントとギロチン・ドーパントなら有効なはずです』

 

「分かりました」

 

 

 変身を解きながら外に向かっているとファングメモリを持ったきりたんとあかりも走って来て、私達は立ち止まって向かい合ったままメモリを構える。

 

 

《ファング!》《ジョーカー!》

 

「「変身!」」

 

《ファング!ジョーカー!》

 

 

 そして私は倒れあかりに受け止められると同時にきりたんがファングジョーカーに変身、暴走しないことを確認するとすばやい身のこなしで地下に突入する。

 

 

『IAさん!有阿刑事!』

 

「無事ですか!」

 

 

 駆け下りて行くと暗幕が一部の壁にかかった広大な地下空間が広がっていて。そこには猿轡をされ首輪をつけられローブでコンクリートの壁に繋がれたIAさんと有阿刑事、そしてその前で顎に手をやり何やら考え込んでいる金髪をロングヘアーにした碧眼の美女がいた。マスカレイド・ドーパントたちと同じ黒服だが金色のネクタイを付けたシャツの上から黒の上着を肩にかけていて金色のサングラスを身に付けている。眩しくないのだろうか。そして何故かIAさんは踊り子の様な格好に、有阿刑事はミニスカポリスの様な格好になってる。…え、変態?

 

 

「おお、来たか仮面ライダー。おや、中々にそそる姿をしてるじゃないか。歓迎するよ、ようこそオレのアトリエへ」

 

 

 女性は私達に気付くなりサングラスを額にずらして両手を広げて笑顔で歓迎の意を見せる。IAさんや有阿刑事の訴えの視線には素知らぬ顔だ。

 

 

「あなたがリリィ金堂……ガイアメモリマフィア、エル・ドラードのリーダーですか」

 

「そうだ。オレの名はリリィ金堂…自己紹介はいらないかな?やはりあの程度のメモリじゃ時間稼ぎにもならないか…君達が来る前に衣装と構図を決めておきたかったのだが。まったく、キクはIAを連れてくるなりどっかに行ってしまうし西友はあの仕事を任せてるし…オレが相手するしかないわけだ」

 

「衣装と構図…?」

 

「そうだ。この水都は美しいもので溢れている。しかしそれは永遠ではない。年を取り、疲弊し、美しさが失われていく。かつての栄光はある日あっけなく崩れ落ちてしまう。オレはそれが耐えられない。だがオレならばそれを永遠に留めることができる、美しい金の像として美しさを永遠に残せる!」

 

 

 そう言って壁にかけられた数多の衣装に視線を向け、指でフィルターを作って有阿姉妹を入れてにんまり笑ったリリィ金堂は衣装かけに歩み寄って餞別していく。隙だらけだが謎の迫力で動けない。その言葉からはとてつもない覚悟を感じ取れた。

 

 

「美しいものはオレのコレクションとして未来永劫輝き、美しくない物も資金源として有効活用し新たな美しさへの糧となる。金さえあれば何も失わない、得る事だけができる。この地下室もその一つ。この衣装も全てがオーダーメイド品だ。ただの服なんか有象無象の為に作られた三流の品だ。その人間をもっとも飾り立てる衣装と構図が存在する。刑事の妹くんには失望したよ。素材はいいのにまるでお洒落に気を配ってない。このままではその美しさが損なわれてしまう」

 

 

 そう言いながら無理やり今着させられてる衣装を脱がしてIAさんにはガラスの靴を履かせてお姫様の様なドレスとティアラを、有阿刑事にはヘッドドレスに濃紺に近い黒のワンピースに白のエプロンドレスと本場英国式メイド服で着飾って行くリリィ金堂。…私達が男だったらどうする気だったんだ。

 

 

「うむ、やはりオレの見立ては正しかった。美しい…オレのコレクションの中でも最高のものとなるだろう。あとは構図だ、最高のポーズをしたまえ。さもないとギロチンか氷漬けだ。遅いぞ、キク」

 

「すみませんねえ、野暮用があったもので…」

 

 

 気に入ったのか大きく頷いていたリリィ金堂がIAさんたちを脅してポーズを強要していると、階段から呪怨キクが降りてくる。図らずも挟まれた形になってしまう。

 

 

「ああ、しかしオレは待とう。君達が自分の美しさを自覚してオレに降りコレクションに自ら加わることを。そしてそのコレクションには仮面ライダー…君も加わるのだ。」

 

「…なんだって?」

 

「昨日は散々罵倒しておいて悪いが、あの窮地から脱した君の姿を見て心が揺れ動いたよ。そして君達の造形は美しい!シンプルながら奥深い!だが二色に分かれているのが残念だ…金色に染め上げればさらに美しくなると思わないか?!」

 

『アイデンティティを崩すとかふざけないでください!?』

 

「それもうダブルじゃねーです、仮面ライダー金ぴか野郎ですよ!?」

 

 

 ふざけたことを言いやがったリリィ金堂に二人してブチ切れる。他人に自分の趣味を押し付けるなんてなんて奴だ。ところできりたん、そのネーミングセンスはどうかと思う。とか考えていると上着のポケットからまるで横にした黄金の城の様にEとイニシャルされたゴールドカラーのガイアメモリを取り出す。あれはミュージアムの最高幹部のメモリ…!?道理で強いわけだ。

 

 

「オレは金儲けの天才でね。昔はマネーというメモリで人知れず稼ぎ、借金返済と同時に大金を得てミュージアムのスポンサーとなりこのメモリを手に入れた。スポンサー特権という奴だ。今はミュージアムに協力しているがそのうち水都の美しい風景もオレのものとして未来永劫金色に染め上げよう。奴らの目的など知ったことか。夕日を反射する金色の街はさぞかし美しいだろう……それがオレの黄金郷、すなわちエルドラドだ!」

 

《エルドラド!》

 

 

 そしてガイアウィスパーを鳴らしてガバッとシャツの胸元を開いて自身の胸の中心に出現した生体コネクタにメモリを突き刺すと、黄金魔人…エルドラド・ドーパントへと変貌するリリィ金堂。後ろを向くと呪怨キクも、断頭台とそれに乗せられた人間の首でGと描かれたメモリを《ギロチン!》と鳴らして髪をかき分けてうなじに突き刺すことでギロチン・ドーパントへと変貌していた。

 

 

『…仮面ライダーW史上最大のピンチ、ですかね?』

 

「この程度、始まりの夜(ビギンズナイト)に比べたら軽いもんでしょう。相棒?」

 

『それもそうですね。暴れてください、相棒!』

 

《アームファング!》

 

「『さあ、お前たちの罪を数えろ!』」

 

 

 アームセイバーを展開してまずはギロチン・ドーパントに斬りかかる。ギロチン・ドーパントは両腕に刃を展開して受け止め、背後から殺気。私が左手を操り裏拳を繰り出すと突進してきたエルドラド・ドーパントの伸ばしていた右手を払いのけることに成功。きりたんが右でギロチン・ドーパントを、私が左でエルドラド・ドーパントを同時に相手取る。

 

 

「ハハハッ、いいぞ!ダブルの名の通り二人で一人というのは本当らしい!ぜひともお前たちがミュージアムを相手にして壊れる前にコレクションに加えたい!」

 

「リーダー、片腕で捌かれて自信失うんですけどーうぎゃっ!?」

 

「勝手に壊れると思わないでほしいですね!」

 

《ルナ!》

 

 

 するとギロチン・ドーパントを殴り飛ばしたかと思えばルナメモリを取り出してガイアウィスパーを鳴らすきりたん。何も聞いてない私は困惑するがそのままエルドラド・ドーパントの手を受けないように続ける。

 

 

「相棒、技名!」

 

《ルナ!マキシマムドライブ!》

 

『え、えーと……ファングムーンエッジってのはどうでしょう?』

 

「じゃあそれで!『ファングムーンエッジ!』」

 

 

 ルナメモリを腰のマキシマムスロットに装填。アームセイバーが伸縮して三日月の様にダブルの身体を囲むように展開してギロチン・ドーパントとエルドラド・ドーパントに纏めて斬撃を叩き込んで吹き飛ばす。

 

 

「やはり、さすがのエルドラドと言えど刃に触れることは叶わない様ですね!」

 

『なるほど』

 

「触れられないが攻撃することはできるぞ」

 

 

そう言って床に手を触れて黄金化させ、先端が鋭く尖った触手を複数伸ばしてくるエルドラド・ドーパント。伸縮する刃で迎撃するが圧倒的な数に押されていく。

 

 

「次、メタルです」

 

『了解』

 

《メタル!》《メタル!マキシマムドライブ!》

 

 

 今度は私が取り出したメタルメモリを右手に持ち替えてからマキシマムスロットに装填すると背中にメタルシャフトが出現。さらに両端に逆を向いた刃が出現し鎌状になったそれを手に取り振り回し触手を全てきり払う私たち。

 

 

『技名はファングスピニングサイズでどうです!?』

 

「採用!『ファングスピニングサイズ!』」

 

「むっ!?」

 

 

 エルドラドは床に黄金の壁を形成するが、それすら容易く斬り裂くシャフトの乱舞がギロチン・ドーパントとエルドラド・ドーパントを切り刻む。ギロチン・ドーパントの刃はズタボロで刃毀れし、エルドラド・ドーパントの装甲にも傷を与えた。

 

 

「素晴らしい!美しい、まるで死神の鎌じゃないか!キク、お前は下がってろ。全力で相手をせねばなるまい!」

 

「あ、じゃあ喜んでー」

 

 

 そう言って暗幕の向こう側に離脱するギロチン・ドーパント。追いかけたいがエルドラド・ドーパントを倒すのが先決だ。

 

 

「そちらが得物を使うならこちらもだ」

 

 

 そう言って床に手を付け、引っ張ると黄金の棍棒がその手に握られている。形状はメタルシャフトそのものだ。エルドラド・ドーパントが両手で軽く振るうと鞭の様にしなって伸びてくる棍棒を咄嗟にシャフトで受け止める。

 

 

「こう、だったかな?」

 

「っ、これは…!?」

 

『ルナメタル!?』

 

「上の戦いは見ていたよ。そしてこの武器が気に入ったのさ!」

 

 

 そう言って棍棒を振り回し、縦横無尽に四方八方から攻撃が襲いくるそれを左手に握ったシャフトと右手のアームセイバーで捌いて行く。まるで孫悟空の如意棒だ。こちらが使う時はかなり便利なのに敵が使うとこんなに脅威になるとは…!

 

 

「ならば!こうです!」

 

《ショルダーファング!》

 

 

 ぶん、とシャフトを回転させて投げつけ、エルドラド・ドーパントに棍棒で防御させるとタクティカルホーンを二回押し込んでショルダーファングを展開、投げつけて棍棒を切り刻むきりたん。さすが、相棒です。

 

 

《ヒート!》

 

「大本命行きますよ!」

 

《ヒート!マキシマムドライブ!》

 

 

 戻ってきたショルダーセイバーを手に取り、ヒートメモリをマキシマムスロットに装填するきりたん。それできりたんの秘策の正体を推理する。そういうことか。

 

 

『技名は、ファングバーンザッパー、ですかね!』

 

「無駄だ、オレに攻撃は届かない」

 

 

 そう言って両手を床に付けて黄金の触手を形成して包み込むように何重にも防壁を作成するエルドラド・ドーパント。対してショルダーセイバーに炎を纏い熱を刃に集中させていくきりたん。

 

 

「その技名、採用!なにをしようとしてるのかわかったようで!」

 

『さすがに高校で習いましたよ!』

 

「『ファングバーンザッパー!』」

 

 

 ある熱量まで達するとショルダーセイバーを投擲する。それは綺麗な弧を描いてエルドラド・ドーパントの防壁をまるでバターの様に斬り裂き、中のエルドラド・ドーパントを露出させると私達は突撃。戻ってきたショルダーセイバーを手に取り跳躍、縦一文字に斬り裂いた。

 

 

「…馬鹿な」

 

「貴方が操るのはあくまで黄金。腐食しにくいし強いのでしょう。ですが」

 

『金の融点は1,064°C。それに達することができれば容易く突破することが可能です』

 

「見事……!」

 

 

 そしてふらふらと暗幕を引っ張りながらその奥に後退するエルドラド・ドーパント。暗幕が取れたことでその奥の空間がドックになっていて、クルーザーが置かれていることに気付く。逃げようというのかと結論付けて追いかけんとする、が。しかしそこで予想外の事が起きた。

 

 

「リーダーが負けちゃ世話ねーですよ。あとは私に任せてゆっくりお休みくださいませ、リーダー」

 

「キク…!?」

 

「『なっ!?』」

 

 

 クルーザーに隠れていたギロチン・ドーパントがエルドラド・ドーパントを背後から急襲。飛び蹴りを喰らわせるようにして、エルドラド・ドーパントの首を切断したのだ。あまりの出来事に固まる私達。そしてエルドラド・ドーパントは信じられない、と声を上げながら足を滑らせてドックに沈んで行ってしまった。

 

 

「リリィ様…!?呪怨キク、貴様…!」

 

「あー、西友くんはリーダーにゾッコンだったねえ…」

 

 

 クルーザーで準備をしていたのかアイスエイジの男…西友が複数のマスカレイド・ドーパントを連れて出てきてギロチン・ドーパントを睨みつける。その手にはメモリが握られており一触即発だ。しかしギロチン・ドーパントは肩をすくめてあざ笑う。

 

 

「でもね、エル・ドラードは実力主義…リーダーが死んだら次のリーダーは私なんですよ。君以外は納得してますよ。元リーダーの一番大事な高価なものや金を積み込んでくれてご苦労様。従わないってんなら…殺しますよ?」

 

「ここで死ぬつもりは…ない!この借り、必ず返す!」

 

《アイスエイジ!》

 

 

 西友は周りが敵だらけで不利だと悟ったのかドーパントになるとドックに飛び込んで海を凍らせて滑走し逃亡。追いかけたいが、今はギロチン・ドーパントだ。

 

 

『…まさかリーダーを裏切るようなやつだとは』

 

「人聞き悪いなあ。貴方達の代わりに断罪してあげたんですよ?感謝してくれなきゃ。それよりも、あの二人を連れて逃げたらどうです?」

 

「なにを…っ!?」

 

 

 突如ゴゴゴゴ…ッと揺れる地下空間。まさか、爆弾!?クルーザーに乗り込み変身を解除して楽しげに手を振る呪怨キクに対し、私達は有阿姉妹を助けるか奴を追いかけるかの二択に迫られる。

 

 

「証拠隠滅用の爆弾です。そのうちここら一帯を吹き飛ばします。安心してくれていいですよ、貴方達が無駄話してる間に上の像たちは運び出しておいたので。それにIAにはもっと稼がせてもらわないとですしねえ。はい、出してください」

 

 

 そう言ってクルーザーに乗って地下ドックから出て行く呪怨キクを諦め、私達は有阿姉妹を助け出して命からがら車とハードボイルダーに乗って脱出。埠頭は完全に吹き飛んだのだった。




とんでもない重い剣を軽々と持ち歩く少女登場。誰なんじゃろね。

地味に第一話以前に数多のドーパントと戦ってるのが判明。経緯は違えどマグマなどと戦ってます。

そして登場エルドラド・ドーパントの正体であるリリィ金堂。ゴールドメモリをスポンサー特権で持ってる…つまり加頭順みたいなキャラです。そりゃエルドラドも強いよね。キャラクターモチーフはサイコブレイク2のステファノ…のすっっっっっっごくまともにして、もっとも美しい色が「赤」が「金」になってる感じ。

そんなリリィを裏切ったギロチン・ドーパントことエル・ドラードの二番手、呪怨キクと地味に登場エル・ドラードの三番手ことアイスエイジ・ドーパントの西友さん。リアルでリリィに心酔している知り合いがモデルです。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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