ボイロ探偵W   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。アンケートを始めたのでご協力していただけるとありがたい。

今回はギロチン・ドーパントとの決戦。ある真実が明らかに。楽しんでいただけると幸いです。


第十一話:Gの道の果て/断頭台に立つ君の名は

 水都南埠頭……だったはずの爆心地近くの路地裏にて。ダブルと交戦し逃げ延びた上級構成員だった三人は、あのあとやってきた呪怨キクの口車に二つ返事で頷き一足早く逃げ出して合流場所に向かっていたが、その途中で前の通路を氷塊で行き止まりにされ、背後からやってきた怪人に腰を抜かして命乞いしていた。

 

 

「マグマ、コックローチ、バイオレンス……裏切り者は消す」

 

「待ってくれ!め、メモリは砕けたしよお…もっと強いメモリをもらうために頭を下げないと…」

 

「り、リーダーは負けたんだ!なら次の強い奴に従うのは当然だるぉ!?」

 

 

 そんなことを喚いた二人が一瞬で氷漬けにされ、残ったバイオレンスだった男はガタガタとみっともなく震えて逃げ出し、氷壁を素手で削って逃げようとする。

 

 

「特にお前は……地下室の在処を話した」

 

「ヒッ、ヒイ!西友の兄貴、やめてくれ…あれはしょうがなかったんだ、アンタだって死にたくねーだろ!?仮面ライダーはリーダーだって倒したんだぞ!?」

 

「リリィ様の為に命を捨てる……それが、エル・ドラード」

 

「ギャアアアアア………」

 

 

 みっともなく足掻きながら断末魔を上げて凍り付いていくかつての部下を見下ろしたアイスエイジ・ドーパントは振り返る。

 

 

「お前たちの砕ける音を聞け」

 

 

 そう宣言した瞬間、凍り付いた全てが砕け散る。そして人間の姿に戻りながら西友は路地裏を歩いて行く。

 

 

「リリィ様は……仮面ライダーに負けはしない。あの女が……邪魔をした。仮面ライダー、呪怨キク……俺が潰す!」

 

「それはやめておけ。頼むよ、西友」

 

 

 そしてそれを制止する女の声。

 

 

「貴方は…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アレから半日。なんとか事務所に戻ってきた。ヒメさんたちが直してくれたらしい扉を開けて全員でぐったりと雪崩れ込む。あとでお礼を言わないとな…有阿刑事は記憶が混同していて私達がダブルだったとは気付いてない。安心したのかソファで並んで眠る有阿姉妹を尻目に、悔しさから握った拳を壁に叩きつける。

 

 

「…やられました。全部あの女の掌の上で転がされていた…」

 

「敵ながらあっぱれと言うほかないでしょう。名無しの女が地位と大金を手に入れた。手がかりもない、完敗です」

 

「IAさんと有阿刑事を救えただけでもすごいことかと…」

 

 

 きりたんとあかりと共に項垂れながら記憶を掘り起こす。そこでいくつか気になるところがあるのを思い出した。

 

 

「……いや、気になるところがいくつかあります」

 

「というと…呪怨キクで?」

 

「はい。まずは何と言っても、どうしてIAさんが休暇で水都に来ることを知っていたか、です」

 

「「!」」

 

 

 そこからまずおかしい話だ。SPがいようと簡単に誘拐できただろうが、それでも休暇中に偶然出くわすだろうか?本拠地を持たないエル・ドラードと、普段世界中を飛び回っているIAさんが。こんな日本の地方都市で。いや、ない。

 

 

「次に気になったのはなんでこの事務所でIAさんが寝泊まりしていたのにギロチン・ドーパントに居場所を知られ攫われたのか」

 

 

 これもかなり謎だ。IAさんに発信機の類がついてないことは確認したし、尾行されてないこともちゃんと確認しながら事務所まで戻ったのだ。変身前の私が見られた可能性もあるが、夜中だったためそれもないだろう。

 

 

「そして最後に呪怨キクの発言です。「それにIAにはもっと稼がせてもらわないとですしねえ」これ、最初はまた誘拐して身代金でもとるのかと思ったんですけど…もっとってのはつまりこれまでも稼がせてもらってたことになります」

 

「…IAさんの稼いだお金で私腹を肥やしてるってことですか?」

 

「でもそれができるとするなら身内以外ありえないですよ?」

 

「そうなんですよね……うん?きりたん、それは?」

 

「うん?ああ、ギロチン・ドーパントと戦った時にくっ付いたみたいですね」

 

 

 きりたんの右手にくっ付いていた紅い髪の毛らしきものを摘み上げてジーッと観察する。思い返す。キクは般若のお面を被って常に顔を隠していた。さらに言えば変身前後で共通する血の様に紅いロングヘアー…あれはまさか、カツラ?ドーパント態になっても被ってると考えれば説明がつく。おやっさんも変身後に帽子を被ってたし。

 

 

「IAさんが休暇にこの水都に来ることが把握できて、この事務所で寝ることを知っていて、IAさんに稼がせてもらってる人物…そしてお面にカツラ……まさか?」

 

「そのまさかです。今検索しました。……やはり、あの名前はありませんでしたよ」

 

 

 そう笑って本を閉じるきりたん。私より先にあの可能性に行きつくとはさすがだ。あかりは首を傾げているが多分話す時間はない。そろそろ夕方だろうか。IAさんと有阿刑事はゆっくり眠っているが、IAさんは先程自身が所属する芸能会社に連絡していた。そして私達の推理が正しければ、犯人はあちらからやってくる。次の瞬間、ドアノブが回されて一瞬の躊躇のあとに件の人物が顔を出す。

 

 

「ご迷惑をおかけしました!IAを引き取りに………あれ?どうしたんです探偵さん達。怖い顔をして」

 

 

 扉を開けて現れたのは黒髪をポニーテールにしたスレンダーな赤縁メガネをかけた、ショルダーバッグを肩にかけたスーツ姿の女性。IAさんのマネージャー、北村苅奈は困惑した顔をむけてきた。どうやら面の下も仮面を被ることが得意らしい。

 

 

「お待ちしてましたよ、呪怨キク」

 

「え。や、やだなあ。人違いですよ。私は北村…」

 

「とぼけなくても結構。貴方はまず、こう聞かなければならなかった。呪怨キクとは誰ですか?とね。その反応は貴方が呪怨キクを知っている証左だ」

 

「そ、そりゃあ知ってますよ。エル・ドラードは有名ですし…」

 

「そうですね、有名ですね。裏社会で……真っ当な企業のマネージャーである貴方がなんで知ってるんですか?ついでに言うと今の躊躇。扉が破壊されてないから戸惑ったのでしょう?」

 

「っ!」

 

 

 動揺する北村さん。…いや、呪怨キク。きりたんは言っていた。こいつは名無しだと。故にデータがない。逆に言えば、どんな名前だろうが名乗ることができる。

 

 

「貴方はキクがいる時、常に不在でした。タイミングも完璧で何も違和感がなかった。でもスレンダーな体型は一致しますし、私達の前で一度もお面を外さない理由も知り合いでない限りわからない。貴方ならIAさんの休暇の時間と場所を知ることは息を吸うように簡単ですよね」

 

「そして、IAさんがうちの事務所にいたことを知っている部外者は妹の有阿刑事と貴方だけだ。ギロチン・ドーパントとして連れ去るのは簡単だったことでしょう。まさか身内に裏切り者がいるとは私ですら思わなかった」

 

 

 そう首をすくめるきりたん。犯人が分かっているからと油断した私の責任だ。

 

 

「エルドラド・ドーパントとの決戦で遅れてきたのも、IAさんがいなくなったことを会社にごまかすために根回しをしてたから、じゃないですか?これから黄金像になるかもしれないのだから対策しないと怪しまれるのは貴方ですしね?」

 

「ち、違いますよ…やだなあ、私がIAを裏切るわけがないじゃないですか…」

 

「では聞きましょう。あなた、どの大学の出ですか?」

 

「え?」

 

 

 いきなりの質問に呆ける女。すぐに意図に気付いたのか、三日月の様な笑みを浮かべる。

 

 

「なんなら高校でもいいですよ…っと、演技はもうやめましたか」

 

「何故わかった……私が金を使って今の会社に入ったことを」

 

「私の相棒は地球の記憶を有していましてね。以前呪怨キクの名を調べた時に何も出なかったことから孤児か捨て子の出で名前がない、と推理しました。そしてついさっきも貴方の名前を調べたんですよ」

 

「この地球上に、北村苅奈なんて人間は存在しません。敢えて名付けるならば…名無し(ネームレス)それが貴方だ」

 

「ギロチンとはぴったりなメモリを選びましたね。首を落とせばそれが誰だったか関係ない…貴方にぴったりです」

 

「アハハハハハハハッ!やりますね、やりますねえ!さすがは元リーダーを追い詰めただけのことはある!」

 

 

 そう言ってショルダーバッグの中に手を突っ込み、紅い髪のカツラと般若の面を取り出して被る呪怨キク。片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたままメモリを手にした右手を前にした優雅なお辞儀…カーテシーを行いにやりと笑う。

 

 

「改めまして初めまして……私は北村苅奈と呪怨キクを名乗るもの。新たにエル・ドラードのリーダーとなりましたただの名無しでございます」

 

《ギロチン!》

 

「私達にばれてないと見くびって顔を出したのは失敗でしたね」

 

《ジョーカー!》

 

「構成員も呼んでないとみました。ここで決着をつけます」

 

《ファング!》

 

「「変身!」」

 

 

 呪怨キクはメモリをジャグリングしてからキャッチして髪をかき分けたうなじに挿入してギロチン・ドーパントに変貌、私はドライバーにジョーカーメモリを装填して意識を失い床に転がるところをあかりがキャッチ、きりたんがファングジョーカーに変身。すると運が悪いことに有阿姉妹が目を覚ましてしまった。

 

 

「そんな、追いかけて!?」

 

「ど、ドーパントに仮面ライダー!?なんでここに!?」

 

「IAにはまだ利用価値があるんでぇ…諦めるのは惜しいのでもらっていきますよぉ!」

 

「待て!」

 

 

 IAさんの襟首を掴みあげると両足の間に刃を出してそれを落とした衝撃で跳躍、窓を突き破って外に出たギロチン・ドーパントが跳躍を繰り返して逃げて行く。

 

 

「ぐへっ!?姉さん…」

 

『あかり!有阿刑事を!あと私の身体を一応リボルギャリーに運んどいてください!』

 

「わかりました!」

 

 

 有阿刑事は衝撃で引っくり返って気絶し、あかりに任せた私達も窓から飛び出して追うと、飛び降りた所で人とぶつかりそうになった。ゴルフバッグを持っていた女子高生ぐらいの女の子は尻餅をつき、私達は謝罪しつつハードボイルダーに跨り追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ごめんお嬢ちゃん!』

 

「なんや?慌ただしいのぉ…あれが仮面ライダーというやつか?」

 

「やあ。まってたよついなちゃん。あの剣のふりごこちはどー?」

 

「もしかして、あんさんが月読アイか?」

 

 

 ダブルが去った後、鳴花ーズから出てきた場違いな幼稚園児にしか見えない女の子がついなちゃんと呼ばれた少女に話しかけると、月読アイと呼ばれた女の子はレモンキャンディを取り出すと舐めながら手を上げて挨拶する。

 

 

「そだよー。わたしが月読アイ。ついなちゃんにちからをあたえるなぞのおんなだよー」

 

「さよか。あんさんがそう言うなら信じるわ。…もしかしてうちのドライバーができたんか?」

 

「ごめんねーまたせてー。でもばっちり、できてるよー」

 

 

 黄色い帽子を被ったアイはピンク色のスモックの上に着たダボダボの白衣のポケットからバイクのハンドルの様な物を取り出すとついなに手渡した。受け取ったついなはにやりと笑ってそれをゴルフバッグ中に入れるとポケットの中から取り出した、ダブルの物と同じ形状のスピードメーターの様なAと描かれた紅いメモリを手にして笑う。

 

 

「仮面ライダー、ええやないか。うちは鬼やらバケモンやらよく言われたけど、あいつがそう呼ばれてるならうちも名乗らせてもらうわ。仮面ライダー……」

 

《アクセル!》

 

 

 手にしたメモリのガイアウィスパーが鳴り響く。振り返ると月読アイが消えてるのを確認するついな。

 

 

「ってところかあ?なあ、月読アイ……ってなんや、いないやないか。しかしダブルと言うたか……忙しそうやったな。挨拶がわりに手伝ってやろうやないかい」

 

 

 そう言ってゴルフバッグを担ぎ直すとついなは側頭部にかけていた鬼の仮面を正面に被ると両足に力を入れて跳躍。人とは思えない身体能力で次々と屋根を乗り継いでダブルを追いかけていき、それを窓から見ていたあかりはぽかーんと呆けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《トリガー!マキシマムドライブ!》

 

『ファングショットレイザー!』

 

「うわっ、いきなり技名言わないでくださいよ」

 

 

 マシンハードボイルダーを操縦しつつトリガーメモリをマキシマムスロットに装填、左胸に出現したトリガーマグナムを左手に持ってIAさんに当たらない様慎重に狙って剃刀の様な弾丸を飛ばすも、刃を生やした腕で防がれてしまう。エルドラドが強すぎて忘れていたがファングジョーカーと普通に張り合える実力者だった。

 

 

「このまま狙うとIAさんに当たるかもしれません」

 

『ルナトリガーにするべきでしたね、まさか逃げるとは…』

 

 

 トリガーメモリをスロットから抜いてトリガーマグナムを消しつつ追跡に専念する。跳躍を続けるギロチン・ドーパントは海岸沿いにそびえるビル群のひとつの前まで来ると人目も気にせず入って行く。

 

 

『あれは…IT企業イディガル・コーポレーション…?』

 

「恐らく大金で買い取ったビルでしょう。リリィ金堂と違い大胆不敵な奴です」

 

『金の力で何とでもなると思ってるのでしょうか』

 

「突入しましょう」

 

 

 ハードボイルダーから降りて徒歩で駆け込むと、大量のドーパントがひしめき合っていた。バイオレンスが五体、マグマが三体、コックローチが十体、マスカレイドが二十体……いやふざけんなですよ。

 

 

「奴はエレベーターで最上階に向かったようです、強行突破しましょう!」

 

『技名はファングヘブンズトルネードでどうでしょう』

 

《サイクロン!マキシマムドライブ!》

 

「いいですね、ノッてきましたよ~!『ファングヘブンズトルネード!』」

 

 

 サイクロンメモリをマキシマムスロットに装填すると私達はバク転、両手を床について回転、ブレイクダンスの様な動きで竜巻を発生させ、風の牙が吹き荒れてドーパント達は爆散。メモリブレイクされ、私達はエレベーターに転がり込んだ。結構な企業だからかかなり広いし外が見える。

 

 

『向かうは最上階…社長室ですね』

 

「マフィアのリーダーの次は社長気取りですか…」

 

『名無し…もしかして、自分が存在することを世界に知らしめたいのかも…』

 

 

 私には結月ゆかりという名前がある。記憶がない相棒にも、唯一覚えていたきりたんという名前がある。あかりにだって、IAさんにだって、あのリリィ金堂にだって名前がある。だけど彼女にはそれがない。IAさんを再び攫った理由はわからないけど、リリィ金堂を裏切った理由は分かったかもしれない。

 

 

「はい、一名様…二名様のご案内ィ!」

 

『っ!』

 

《アームファング》

 

 

 最上階について扉が開いた瞬間、飛び蹴りを繰り出してきたギロチン・ドーパント。咄嗟にタクティカルホーンを叩いたきりたんが右腕の刃で受け止め、さらにギロチン・ドーパントが開閉ボタンを足で押して扉が閉まり狭い密室のエレベーター内で凄まじい攻防が繰り広げられる。外が見えるガラス張りの壁にギロチン・ドーパントの右腕の刃が突きたてられ、容易く裂いてしまうとギロチン・ドーパントは足裏に刃を展開し壁に突き刺すと蜘蛛の様に壁を張って犬の様な顔を笑みに歪める。

 

 

「アッハァ…こんな狭い場所で私の断頭台から逃げることは不可能…!」

 

「そうとも限りませんよっと!」

 

 

 アームセイバーで斬撃を逸らしつつ、押された勢いで肘をエレベーターのボタンに叩き込むきりたん。首を動かして視界をずらせば、一つ下の階が選択され、エレベーターが下降した勢いで跳躍していたために天井に頭をぶつけるギロチン・ドーパント。

 

 

「ぐえっ」

 

「とりあえず広い所に…!」

 

 

 最上階の一つ下の階につくなりエレベーターから転がり出る私達。振り向くと五指を刃に変えたギロチン・ドーパントがエレベーター外の壁を掴んで斬り裂きながら出てきた。その姿は夥しい数の刃に包まれている。

 

 

「さすがにお強いから本気です……刃全力展開!…切り刻んでやりますよぉおおお!」

 

 

 両腕、両肩、五指、頭頂部、両頬、側頭部、背中、胴体、両太腿、両爪先、両足の間にと刃を展開して跳躍、オフィス内を高速で駆け巡るギロチン・ドーパント。机だろうが椅子だろうがコーヒーメーカーだろうが切り刻んでいくそれはもはやシュレッダーである。

 

 

《ショルダーファング》

 

「フッ!」

 

「無駄ですよぉ!」

 

 

 ショルダーセイバーを展開して投擲するきりたん。しかし弾かれて意味をなさず、逆に弾かれた傍からまたギロチン・ドーパントの刃に当たり弾かれまくって複雑な軌道を描いて行くショルダーファング。

 

 

『ファングの牙をも弾くとは…!』

 

「いえ、それを待ってました」

 

《ルナ!マキシマムドライブ!》

 

 

 勝利宣言するかの様にルナメモリをマキシマムスロットに装填するきりたん。すると複雑な軌道を描くショルダーセイバーの軌跡が金色の線として実体化、複雑な軌道の黄金の蜘蛛の巣を作り上げ、今度はギロチン・ドーパントが弾かれまくりパチンコかなにかの様に跳ねて行く。

 

 

「うぎゃああああああ!?なぜぇえええ!?」

 

『…名付けて、ファングバインドトラップ、でしょうか』

 

「ファングジョーカーはメタル、トリガー、サイクロン、ヒート、ルナ、五つのメモリを通常時、アームセイバー展開時、ショルダーセイバー展開時でそれぞれ別の技を使用することができると理論上わかってました。あとは特性を考えてある程度予測すればどういう技になるかは計算できます。もちろん、弾かれることも考慮して、その位置に行くように反射角度も計算しました」

 

『きりたんすごい!』

 

「うっ、ぎゃぁあああああ!?」

 

 

 最終的に何度も天井の中心にぶつかり続けたギロチン・ドーパントは10回目の激突時に天井を斬り崩して上階に移動、私達もそれに続くと、一人のマスカレイド・ドーパントと縛られて捕らえられているIAさんがいた。社長室と言うだけ合って机が一つと棚がいくつかだけでかなり広い。ギロチン・ドーパントは机に激突したのかその上でのびている。

 

 

「おのれ……罠にはめ追い詰めて餓鬼をミュージアムに手土産として持っていく計画がぁああああ!」

 

「やはり私が目当てでしたか。ミュージアムのスポンサーですし、私の事も知ってたんでしょうが」

 

『それわかってたら私の肉体で来たんですけど…』

 

「居場所が割れてる事務所を急襲されて私の身体持ってかれたらどうする気だったんですか」

 

『ぐっ』

 

 

 ぐうの音もでない。ゲームも推理も計算も全部きりたんに勝てません…年上のお姉さんとしての尊厳ぐぬぬぬぬ。

 

 

「IAはもったいないけどここは仕切り直しを…!」

 

「これで決まりです。ゆかりさん、技名」

 

《トリガー!マキシマムドライブ!》

 

 

 何とか立ち上がらんとするギロチン・ドーパントに対し、ショルダーセイバーを持ちながらトリガーメモリをマキシマムスロットに装填するきりたん。えっと、通常時だとトリガーマグナムが出てファングショットレイザーだったから…

 

 

『ファングネイルブラスト、とか?』

 

「いいですね。『ファングネイルブラスト!』」

 

「え」

 

 

 青い光を纏って鋭く棒状になったショルダーセイバーを投擲。窓を粉砕して今にも逃げようとしていたギロチン・ドーパントを背中から撃ち抜き、爆散させた。ばたりと倒れて般若の面が砕け散り、うなじからメモリが排出され頭の上でブレイクされ残骸を乗せた姿となる呪怨キク。砕けた面の破片で切ったのか俯せの顔から血が流れ出ていた。

 

 

「そんな、ま、まだだ…この部屋にはまだ、メモリが…」

 

 

 カツラが取れ、面は砕け、メモリの残骸を頭に乗せ額から血を流しながらもながらも床を這いずっていく呪怨キクを止めようとするが手で制される。慌てて立ち止まると、コツコツと靴音を鳴らして歩いて行く人物がいた。

 

 

「無様だ、実に無様だ。オレを裏切った末路がそれか。キク」

 

「お、まえぇ…?」

 

 

 先程までIAを捕らえていたマスカレイド・ドーパント。それが変身を解いてメモリを捨てつつキクの前に立つ。上着のボタンを外して肩にかけなおし、懐から取り出した金色のサングラスをかけたその人物は、死んだはずの人物だった。

 

 

「リー…ダー…?そんな、確かに首を切ったはず…!」

 

「このオレが、仮面ライダーが本命だと言う技になんの対策もしてないわけがないだろう?」

 

 

 リリィ金堂。呪怨キクに首を断たれて死んだはずの女。それが五体満足で呪怨キクを見下ろしている。振り向く、既にIAさんは金の像に変えられていた。…今の一瞬の攻防の間に、だと…?

 

 

「黄金の壁を作った後、金でエルドラド・ドーパントとそっくりな分身を作り出して私は離脱していたんだ。そしたらキクが面白いことをし始めたからマスカレイドメモリを使って偽りつつクルーザーに乗り込んでたわけだ。そしたらオレに見張りを頼んできたから思わず笑いそうになったぞ」

 

「…そうか、エルドラドが死んだはずなのに黄金化は解除されていなかった…」

 

『そこに気付くべきだったという訳ですか…』

 

 

 知っていたはずなのに、あまりにも衝撃がデカすぎて忘れていた。リリィ金堂はエルドラドメモリを取り出してコネクタに挿入しドーパントへと変貌。その手をかかげた。

 

 

「リーダー、まさか…!?」

 

「無様ではあるがその足掻く姿は美しい。IAと同じくオレのコレクションに加えてやろう」

 

「い、いやだ…私は私が生きた証を…アァアアア!?」

 

 

 頭を撫でるように触れられ、断末魔を上げて一瞬のうちに金の像に変えられてしまった呪怨キクを尻目に振り向くエルドラド・ドーパント。

 

 

「第二ラウンドだ。オレのコレクションになりたくなかったら…足掻いて見せろ、仮面ライダー!」




キクと苅奈が同一人物だと気付いた人が何人いたのやら。今回の手がかりはまず気付けた人の方が少なかったと思います。名前がないから誰にでもなれる。首を切れば全てが平等のギロチンにぴったりな人物といえましょう。

前回重い剣を持ち歩いてた少女に接触し例のあれを手渡す謎の幼女、月読アイ。鳴花-ズから出てきたり色々怪しいです。あと関西弁書くの難しくて色々怪しい。変なところがあったら遠慮なく指摘してください。

そしてエルドラド復活。厳密には死んでませんでしたが。最初の方でアイスエイジに接触してたのもリリィ金堂です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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