ボイロ探偵W   作:放仮ごdz

14 / 110
どうも、放仮ごです。アクセルこと如月追儺が本格参戦。楽しんでいただけると幸いです。


復讐鬼A
第十三話:復讐鬼A/路地裏の殺人鬼


 水都の路地裏にて。深紅の血溜まりの上で、狂笑を浮かべるドーパント。

 

 

「血祭りだ…血の海だ…水都を血で染めてやる…」

 

 

 跳躍してその人物が去った血溜まりの中には、滅多刺しにされた遺体が浮かんでいた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、通報を受けてやってきた有阿刑事と不破刑事を始めとした水都署の警察たちは凄惨な現場に辟易としていた。

 

 

「今回で血だまり殺人は二件目か…大丈夫かい、緒音。復帰早々こんな事件だけど」

 

「心配は結構っす、不破先輩。しかしまさか水都でこんな事件が起こるなんて…」

 

「緒音が休んでた間に起きた事件と同一犯だろうね。ドーパントの事件でもここまでなのは早々ない」

 

 

 血だまりの中に沈んだ惨殺死体。しかも顔がわからないぐらいにグチャグチャにされている。相当な恨みがあったのだろうか。すると路地裏の入り口から警官の制止も聞かずにずかずか入ってくるゴルフバッグを抱えた少女がいた。少女は血塗れに沈んでいた遺体から金のバッジを手袋に包んだ手で摘み上げると取り出した透明な袋に入れて封をする。

 

 

「なんや血生臭いなあ。やっぱりこの街は嫌な風を運んでくるわ」

 

「な、何だとこの餓鬼!」

 

「待て、緒音。…貴方はまさか」

 

 

 その少女、ついなに食ってかかる緒音を止める花。頭に浮かぶは今朝の辞令。少女は警察手帳の様な物を取り出すと中身を見せると、警視の二文字が目立つ。

 

 

「うちは国家特別捜査官の方相氏(ほうそうし)如月追儺(きさらぎ ついな)や。水都署の皆さん、よろしゅう頼んます」

 

「け、警視ぃいいいいい!?」

 

 

 狭い路地裏で緒音の絶叫が木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エルドラド事件から一週間も経たないこの日、紲星探偵事務所には珍しい客が来ていた。

 

 

「はあ、国家特別捜査官で方相氏…?方相氏って鬼は外ーってやるあの?」

 

「その方相氏や。なんや姉ちゃん、詳しいのう。簡単に言うと国に認められた怪奇事件専門の捜査官や。警視という階級と権限はあれど純粋な警察やない。その街の警察に許可取らんと逮捕することもできひんしな」

 

 

 そう説明するのはいきなり押しかけてきた高校生にしか見えない少女、如月追儺。こう見えて花さんより偉いらしい。

 

 

「あー!思い出しました!あなた、たしかこの間のエルドラドの事件の時に事務所の前から跳躍してビルに跳んでいた人!」

 

「は?…あー、あかりが騒いでたやつですか。寝ぼけてたんじゃ」

 

「あ、それはうちやな。間違いない」

 

「いやどう聞いても人間業じゃないんですけど。まあいいや、それでご依頼とは?」

 

「警察じゃ頼りないから連続殺人鬼を捜す手伝いをしてほしいんや」

 

「いや頼りないって貴方の組織じゃ…」

 

「うちは外部の人間やからな。国に仕えはしとるけど、警察は頼りにならん。超常現象を信じもせんからな」

 

「…水都署の刑事たちはドーパント事件に慣れきってるのでそんなことはないと思いますし花さんは頼りになりますよ」

 

 

 水都の警官達を馬鹿にされたと思ってムッとして言い返す。この如月追儺とやらからは水都を侮っている節がある。…いや、あの表情から感じるのは嫌悪だろうか。

 

 

「そうかい。そう言うなら頼らせてもらうわ。でも今はこの事務所にいる検索娘の力を借りたいんや」

 

「なんできりたんのことを…?」

 

「そんなんどうでもいいやろ。はよ出さんかい。隠すのも時間の無駄やで」

 

「…生憎と怪我人なんです。捜査は私が…」

 

「私なら大丈夫ですよ」

 

 

 怪我人なのもあって断ろうとしたが、当の本人が隠し部屋から顔を出した。ゲームできないからと寝てたんじゃないんですかね…。

 

 

「きりたん、安静にしとかないと…」

 

「当分戦えないってだけなので検索ぐらいは大丈夫です」

 

「そらよかった。早速力を借りるわ」

 

「あ、勝手に…」

 

「知りたいのは犯人の手掛かり。まず最初は「歩歌路町の路地裏」や。そこで連続殺人が起きた」

 

 

 止める私とあかりを無視して検索を始めるきりたんと如月追儺。

 

 

「次に…このバッジや。水蓮と風車のマークが刻まれてるな」

 

「それは多分、潮風高校の校章ですね。私とあかりの母校です」

 

 

 如月追儺の取り出した証拠品の中身を見てそう言ってみるときりたんが頷く。

 

 

「確かに歩歌路町の潮風高校の校章ですね。こういうのは私の検索よりゆかりさんの方が詳しいかと。検索で出た結果は被害者はどちらも共に潮風高校の二年生。名前は明峰春(あきね はる)沖田寝郎(おきた ねろう)ですね」

 

「助かったわ。あとはこちらで調べる。依頼したんやから手伝ってくれるよな?結月」

 

「いやまあ協力しますけど…」

 

「あ、私も行きますよ!」

 

 

 如月追儺とあかりと一緒に潮風高校に向かうことになったが、なんか釈然としない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、ゆかりさんじゃん。どうしたの?」

 

「またなんか事件?」

 

 

 潮風高校にやってきて如月追儺と別れて聞き込みしていると、六花と花梨と出会った。そう言えばここのJKだったなこの二人。今は夕方。二人もいまから帰るところだったらしい。

 

 

「ちょうどよかった。明峰春と沖田寝郎について話が聞きたいんですけど」

 

「あ、その二人なら私の同級生っす」

 

「確か数日前から行方不明だって話だったわよ」

 

 

 六花の同級生。これは如月追儺を出しぬけるかもしれませんね。

 

 

「同級生ですか。どんな二人だったんですか?」

 

「まあ普通の子たちっす。強いて言うなら…真面目な二人だったかな。よくうちのクラスの不良に注意してました」

 

「その不良とは?」

 

遠祢理奈(おんね リナ)さん。女の子なのに特攻服を着てるこわーい人です」

 

「誰が怖いって?」

 

「ひえっ」

 

 

 後ろから話しかけられて背筋を伸ばす六花。振り向くと、白いズタボロなコートの下にセーラー服を着た、赤い大きなリボンが特徴のアルビノの少女が立っていた。彼女が遠祢理奈か。近づくなオーラが凄い。

 

 

「小春六花、お前が人に陰口をたたく輩とは思わなかったよ…」

 

「い、いやそんなつもりは…」

 

「夜道に気を付けな…クククッ、ギャッ」

 

「なにがクククッだ、いい加減にしろ」

 

 

 すると悪い笑みを浮かべていた理奈さんの後ろから灰色のシャツと青いネクタイ、黒いズボンを着た色素の薄い黒髪の、煙草を吸った男の人がやってきてチョップ。頭頂部をどつかれた理奈さんは怒りに顔を歪ませながら怒鳴り散らした。

 

 

「なにしやがるクソ親父!?」

 

「友達は大事にしろ。まったく…頭が痛いぜ」

 

 

 どうやら父親らしい。私が見ていたことに気付くと煙草を取りながら会釈してきた。

 

 

遠祢照(おんね テル)っていいます。こいつの父親です。何かご迷惑をおかけしましたか?」

 

「い、いえ。なにもありませんでしたよ。むしろこっちの六花が悪口言ったのが悪いと言うか…」

 

「ええ!?私、こわいって言っただけっすよ!?」

 

「本人の目の前ではどうかと思います…」

 

「失礼なのは変わりないわよ、馬鹿六花」

 

 

 私とあかりと花梨に総ダメだしされて涙目になる六花。理奈さんが中指を建てようとして照さんに殴られた。

 

 

「ご、ごめんね理奈ちゃん…」

 

「…ふん。さっさと帰るぞ、馬鹿親父」

 

 

 謝る六花に対しそっぽを向く理奈さんは照の手を引いて校門まで向かって行った。…なんかすごい子でしたね。

 

 

「で、あれが?」

 

「うん、アルビノで体調をよく崩すから父親がよく迎えに来るっす。あのお洒落?もアルビノが関係してるとか」

 

「なるほど…」

 

 

 今のところ被害者と接点があるのは彼女だけだ。…一応念のため、かな。

 

 

「あかり、ここに残って聞き込みを続けてください。私は二人を送り届けます。六花と同じクラスの学生が被害者ですし」

 

「え?あの二人、なにかあったんですか?」

 

「…もしかして、最近起きてるあの事件?」

 

「そういうことです。あかり、後は任せます」

 

「わかりました」

 

 

 あかりを置いて潮風高校を後にし、二人を連れて歩歌路町を歩く。もしものときは二人を逃がして、ダブルに…ですかね。バットショットとかをいつでも使えるように準備しときましょう。

 

 

「ゆかりさん、春と沖田が殺されたって本当なんですか?」

 

「はい、残念ながら…」

 

 

 六花に聞かれて答える。きりたんがそう言ってたから間違いないだろう。何時もならカラオケやスイーツ屋に寄り道する二人も今回ばかりは怖がっていた。そう言ってるうちに商店街に入る。事件があったからかほとんどの店が閉まっていてゴーストタウンの様だ。この近くでも犯行があったらしいから気を付けないと…。

 

 

「ね、ねえ…あれって」

 

「っ、キャアァアアアアア!?」

 

 

 二人の一歩後ろを歩いて警戒していると、路地裏の入り口に差し掛かった二人から悲鳴が上がる、慌てて二人を守るようにその前に出ると、血の海となった路地裏にそれはいた。

 

 

「…はあ、見られるとはな。頭が痛いぜ」

 

 

 誰かの亡骸の頭部を踏みつける細身の人型で、女性を思わせるマネキンの様な顔で、全身に黒いぼろ布の破片を身に纏っているが、その下は白のナース服とドレスを合わせた様な意匠かと思えば、警官を思わせるズボンの意匠の足の先はハイヒールを履いていて女性の様だが、両腕は太く男の様で右手首に腕時計を付けて左手には短剣を握っている。高い女の様な低い男の様な不思議な声だ。つぎはぎの様な謎のドーパントだった。

 

 

「見られたからには死んでもらうぜ…」

 

「させません!」

 

《スパイダー!》

 

 

 ドーパントは消極的な態度でこちらに向かって来て、私は咄嗟にスパイダーショックにギジメモリを装填してライブモードにすると路地裏の入り口を塞ぐように蜘蛛の巣状のワイヤーを展開、時間稼ぎする。

 

 

「今の内です!早く逃げて警察を呼んでください二人とも!」

 

「で、でもゆかりさんは…」

 

「そうだよ!一緒に逃げよう!」

 

「私なら大丈夫です!ほら、早く!」

 

 

 二人を説得して逃がして、見えなくなったことと周りに人がいないことを確認するとダブルドライバーを取りだして腰に装着してジョーカーメモリを取り出す。

 

 

《ジョーカー!》

 

「ちっ、こざかしい…お前、仮面ライダーか」

 

「知っているなら話は早いです。変身!」

 

《サイクロン!ジョーカー!》

 

 

 転送されてきたサイクロンメモリと共にジョーカーメモリを装填してドライバーを展開、ダブルに変身して突撃する。ドーパントは短剣でワイヤーを斬り裂くと長い脚を曲げて跳躍、近くの店の屋根に飛び乗ると壁を蹴ってこちらに向けて突撃、ハイヒールによる飛び蹴りを行ってきた。

 

 

「でやあ!」

 

 

 風を纏った右足を振り上げて迎撃。すると奴の身体から靄が広がってその姿が掻き消えたかと思うと背後から斬撃を受けてよろめいてしまう。

 

 

「瞬間移動!?」

 

『何のメモリですか!?』

 

「仮面ライダー、この程度かよ…頭が痛いぜ」

 

 

 そう言って右手を掲げるドーパント。その手首についてる腕時計が変なことに気付く。長針しか…ない?と思った次の瞬間、腕時計から飛び出るようにして長針が長剣として奴の手に渡る。あの短剣は短針か…いや、本当に何のドーパントですかこれ?

 

 

「お前の身体も血に塗ってやるぜ…」

 

《メタル!》

 

「それは勘弁ですねっと!」

 

《サイクロン!メタル!》

 

 

 長針と短針を構えて同時に振り下ろしてきたので、サイクロンメタルとなりメタルシャフトで受け止め弾き返す。すると長針と短針を合体させてダブルセイバーにしてくるドーパント、跳躍して商店街の店の壁を跳躍しまくったかと思えば靄に包まれ瞬間移動するのを繰り返すと不規則的に死角から斬撃を繰り出すのを繰り返し、反撃する暇がない。

 

 

「くっ…」

 

「なかなか傷つかないな…どういう身体をしてるんだ?」

 

『メタルでこのダメージはやばいですね…』

 

 

 骨まで響く一撃が何度も何度も叩き込まれる。こんなの一般人が受けたらひとたまりもないだろう。どうしたものかと攻めあぐねていると、足音が聞こえてきた。まさか一般人が!?と振り向くとそこにいたのは、ゴルフバッグを担いだ如月追儺だった。

 

 

「こっちに来たんやな。潮風高校で次の事件が起こると思ったが外れたかあ。なんや、路地裏になんか恨みでもあるんか?」

 

「如月追儺!?なんでここに!?」

 

『危ないですよ!?』

 

「なんか文句があるんか結月。うちに質問するなやボケ。うちも混ぜろ言うてんねん」

 

 

 そう言ってゴルフバッグからバイクのハンドルのようなものを取り出して腰に取りつける如月追儺。するとベルトが展開されて腰に巻かれ、懐からAと書かれた紅いメモリを取り出す如月追儺…って!

 

 

「ガイアメモリ!?」

 

『しかもあれは私達と同じ…』

 

《アクセル!》

 

「変……身!」

 

《アクセル!》

 

 

 そしてメモリをバックルに装填したかと思えばハンドルを捻り、如月追儺は無骨な紅い戦士へと姿を変えていた。青い複眼と背中、両足に付けられてるタイヤが特徴的だ。身長は私より大きくなっている。嫌味か。

 

 

「仮面ライダー…アクセル。さあ、振り切るで!」

 

「その赤い体をさらに染め上げて…ぐあっ!?」

 

 

 ゴルフバッグから今度はメカメカしい剣を取り出して握ると足のタイヤを回転させて凄まじい速度でドーパントに突撃、逃げる間もなく斬撃を叩き込む如月追儺改めアクセル。ドーパントは瞬間移動で対抗するが逃げた先にアクセルが追い付き斬撃を叩き込んでいく。

 

 

「はああ、嫌な奴だな。頭が痛いぜ」

 

「無駄やで」

 

《エンジン!》

 

 

 跳躍して翻弄しようとするドーパントに対し、アクセルは取り出したEと書かれた銀色のメモリを剣を中折れ式リボルバーの如く折ってそこに現れたスロットに装填。剣を元に戻して持ち手の引き金を引いた。

 

 

《ジェット!》

 

「飛んで火にいる殺人鬼ってなあ!」

 

「ぎゃああ!?」

 

 

 そして剣を振るうと跳躍していたドーパントに切っ先からエネルギー弾を超高速で射出して迎撃。叩き落とすと再び引き金を引いて突撃するアクセル。

 

 

《エレクトリック!》

 

 

 今度は電撃を纏った刃で斬り裂き痺れさせてダブルセイバーを落とさせるとグーパンチを叩き込んで怯ませ、エンジンブレードの柄でどつくアクセル。突然の喧嘩殺法に狼狽えながらも果敢にハイヒールの足で蹴りを入れるドーパントだがアクセルは回転していなして回避。ダブルの複眼がまた引き金を引いた瞬間を目撃する。

 

 

《スチーム!》

 

「ぐああああああ!?」

 

 

 すると今度は刀身から高温の蒸気を噴射、ドーパントの絶叫が木霊する。たまらず跳躍して逃亡するドーパント。

 

 

「これでとどめや。って、待てや!?」

 

 

 とどめを刺そうとしていたものの蒸気が晴れて逃げたことに気付くアクセル。私達はスタッグフォンでハードボイルダーを呼んでいると、目の前でとんでもないことが起きた。

 

 

「ほな、これや。逃がさへんで~!」

 

「『ハアア!?』」

 

 

 アクセルがドライバーのハンドルを両手で握って外したかと思えば変形し、少々歪なバイクへと変形してしまったかと思えば凄いスピードで走って行ってしまったのだ。とりあえずとやってきたハードボイルダーに乗って追いかける。

 

 

「な、なんなんですかあのライダー名乗るバイクになる変態!」

 

『久々にゾクゾク来ましたよ!』

 

「だぁれが変態じゃボケ!右の方がよっぽど変態やろがい!?」

 

 

 追走していると律儀にツッコミが飛んできた。人の形をしてないものから当たり前にツッコまれて違和感が凄い。なにこれ。

 

 

「連続殺人鬼だけは…うち、ぜーったい、逃がさへん!」

 

 

 トーンの違う真剣な声が聞こえて来たかと思えばアクセルは後部のマフラーから炎を噴出して跳躍、商店街の屋根を走っていたドーパントに激突。もみくちゃになって路地裏に落ちて行く。

 

 

「終わりや、覚悟せい」

 

《エンジン!マキシマムドライブ!》

 

 

 追い付くと、人型に戻って再度剣にエンジンメモリを装填して引き金を引いてるところが見えた。靄に包まれ逃げようとするドーパントを逃がすかと言わんばかりに、A字に軌跡を描いて斬り裂くアクセル。

 

 

「ダイナミックエース。絶望がお前のゴールや」

 

 

 そして爆散。大爆発が路地裏を飲み込んだ。私達は変身を解き、爆発が晴れるのを待つ。如月追儺が手にしてる剣は通常装備なのだろうか。すると出てきたのは、換気扇の残骸だった。

 

 

「なんやと!?」

 

「メモリの所持者は何処に…そこです!」

 

 

 見れば、路地裏の奥の方に逃げ込む人影。あの瞬間移動で呼び寄せて身代りにしたとでも言うんですか!?慌てて二人で追いかける。すると「きゃっ」と聞こえてきて、角を曲がると危うくその人物にぶつかりそうになった。咄嗟に如月追儺が振ろうとしていた剣を蹴り上げて惨事は回避できた。

 

 

「うわ、あぶねえ…あんた、確か探偵の…」

 

「たしか遠祢理奈さんでしたね?!今、誰とぶつかりました!?」

 

「え、いや、糞親父だけど…」

 

 

 そこにいたのは遠祢理奈。そして逃げて行ったのが彼女の父親、遠祢照だと言われて妙な既視感の正体を知る。そうだ、ドーパントがたびたび口にしてた「頭が痛い」は彼も口にしていた言葉だ。見れば、彼方に逃げて行く遠祢照の後ろ姿が見えた。

 

 

「家に帰ってすぐいなくなって捜してたんだ。あんなに急いでどうしたって…」

 

「なにを呑気に言うとるんや!お前の父親がメモリ使って人!殺してるんやぞ!?」

 

「如月追儺、落ち着いてくださいって!」

 

 

 転倒して尻餅をついていた遠祢理奈の胸ぐらを掴んで怒号を浴びせる如月追儺を何とか引き剥がす。何が琴線に触れたのかはわからないが、おかげで犯人を逃がしてしまった。

 

 

「…自分、父親の名前は?」

 

「遠祢照、だけど…」

 

「不破刑事たちに伝えて包囲網を張る。逃がしはせんで…このまま追いかける。お前はどうする?」

 

「もちろん私も追いますよ」

 

 

 遠祢照の逃げて行った先へ走って追いかける私達。なんか異様に速い如月追儺に何とか追い縋りつつ、気になったことを聞いてみる。

 

 

「…それより如月追儺。貴方は今、剣を生身の人間に当てようとしましたね」

 

「ああん?なにを言いだすかと思えば、それは…」

 

 

 そう言うと押し黙る如月追儺。横から見える顔は罰が悪いといった表情を浮かべている。

 

 

「…間違いや。ほんまは犯人に…」

 

「犯人が変身を解いていても躊躇なく斬ろうとしたでしょう」

 

「あんな殺人をしでかしてる犯人や。ここで止めんでどうする」

 

「ドーパントでもない人間を傷つけるのは仮面ライダーのするべきことじゃありません!」

 

「甘い、甘いで。凶悪犯相手にそんな考えが痛い目を見るで。…ほんまに悪い奴はな、加減なんて知らんのや」

 

 

 何か実感のこもった言葉に何も言えなくなる。結局その日、私達は遠祢照に追いつくことはできなかった。




如月追儺。原作と違って国家特別捜査官で方相氏で警視となってます。ドーパント事件以外にも数々の怪事件を解決してきた実績を持つ高校生となってます。

そして謎のドーパント。これで正体分かった人がいたらすごい。容疑者は遠祢理奈と遠祢照の親子となります。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。