あ、それと今更ですが昔から仲良くさせてもらってるアーニャ@オタクさんがオリジナル仮面ライダー小説「仮面ライダー獄王」を投稿しているのでそちらもぜひとも。完成度が高い逸品です。
今回はホワイトアウト無双。楽しんでいただけたら幸いです。
千絵美尾大学で起きた大火災事件。その火元から現れたフレア・ドーパント。太陽風の記憶を有するドーパントに私達は返り討ちにされ、どうしたものかと攻めあぐねていた時にやってきたのは、事務所に置いてきたはずの、メモリに関する記憶を失っているついなさんだった。
「なんでや、恵…!」
「飛んで火に入る夏の虫ィイイイッ!!」
ついなさんを見つけた途端、さらに全身を燃やして突撃するフレア・ドーパント。その火力はブリュンヒルデ・ドーパントのそれと大差ない。ついなさんは方相氏としての心構えなのか、慣れない手つきでエンジンブレードを構えて迎え撃たんとする。だけど、変身もしないで挑むのは無謀です!
「ついなさん!逃げて!」
《ルナ!》《ルナ!メタル!》
「ったく、世話が焼ける…!」
《サンダー!》《ゴールデンサンダー!》
咄嗟にルナメタルに変身してメタルシャフトを伸ばしてフレア・ドーパントの腕に巻きつけて引っ張り、ゴールデンサンダーに変身したエルドラゴがついなさんの前に駆け寄りイナズマサカリを全力で叩き込んでフレア・ドーパントを殴り飛ばす。
「やめろ!あれは恵や、説得すれば戻ってくれるはずや…!」
『言ったでしょう、メモリの毒素は例え善人だろうと蝕み悪意の塊にしてしまう』
「私達がメモリブレイクして止めるので、ついなさんは隠れてください!」
「そうはいくか!うちかて方相氏や、親友のピンチになにもしないとかできるわけないやろ!」
そう言ってエンジンブレードを両手で持って、エルドラゴの頭上を跳躍し着地と同時に踏み込んで斬りつけるついなさん。体勢を立て直したフレア・ドーパントも炎を集束させ太刀を作って迎え撃ち、ぶつかる両者。
「恵!そんなもんに負けるとは弱なったなあ!」
「ウゥアアアアアッ!!」
やみくもに、なれど凄まじい動きで炎の太刀を振るうフレア・ドーパントに、重いはずのエンジンブレードを振るって受け流していくついなさん。変身してないのにここまでできるとは、さすが方相氏か。だが見てるだけというわけにもいかない。
「ついなさん、離れてください!メモリブレイクします!」
《メタル!マキシマムドライブ!》
「オレの名前を覚えて逝きな!仮面ライダーエルドラゴ、ってなあ!」
《ゴールド!マキシマムドライブ!》
私達はメタルメモリをメタルシャフトに装填、振り回したメタルシャフトで金色の輪を大量に描いていく。エルドラゴはゴールドメモリを引き抜いてイナズマサカリの刃の後ろについてるスロットに装填、斧が黄金を纏って巨大化し、頭上で回転させて跳躍。回転するイナズマサカリから雷が発生して降り注ぎ、炎の太刀を振るって弾き返していくフレア・ドーパントと、たまらず退避するついなさん。今だ。
「『メタルイリュージョン!』」
「ゴールデンシャイニング!」
私達が金色のエネルギーの輪を一斉に飛ばし、エルドラゴは斧の回転をやめると両手に持って急降下、一気に振り下ろす。
「ウアァアアアアアアアアッ!」
「そんな!?」
「なに!?」
するとフレア・ドーパントが白熱し、大爆発。その炎を纏った衝撃波でエネルギーの輪は全部打ち消され、エルドラゴに至っては直撃を受けて空中から吹き飛ばされ、変身解除されてしまう。
「リリィ!」
「ウゥアアアアッ!」
「させるか!」
駆け寄ろうとしたところに白熱化したままのフレア・ドーパントが炎の太刀を高速で振るって伸びる斬撃の嵐を叩き込んできたのを、私達を庇うように前に出たついなさんがエンジンブレードを高速で振るって斬り弾いて行く。
『失ったのはメモリに関する記憶だけだから、本人の戦闘能力は健在ということですか…』
「…すごい」
「なにぼけっとしてるんや!その派手女連れてとっとと下がれえや!」
「は、はい!」
怒鳴られて思わず返事し、慌ててリリィを引き摺ってその場を離れる。結局ついなさんに任せてしまった、リリィを安全なところに置いて戻らねば。すると、事務所の方からあかりが駆け寄ってきた。
「すみません!ついなさんの気迫に負けて止めることができず…リリィさんは任せてください!」
「頼みます!きりたん!」
『エクストリームでいきますよ!』
リリィをあかりに受け渡すと、踵を返してついなさんがエンジンブレードでフレア・ドーパントの炎の太刀とぶつかっている場に戻り、飛来したエクストリームメモリを手に取りドライバーに装填、展開する。
《エクストリーム!》
「「はああああああ!」」
そしてサイクロンジョーカーエクストリームへと姿を変えながら突撃、プリズムビッカーから引き抜いたプリズムソードを振りかぶるが、それは一瞬で形成された真っ白い壁に受け止められた。燃えている現場だと言うのに凍てつく冷気…氷塊だった。
「「なっ、氷……ということは!?」」
「せっかく面白くなってるんですから白けさせないでくださいよ~」
瞬間、氷塊の中に溶け込んでいた純白のイブニングドレスを着た全身が凍てついた女性的なフォルムで白熊を思わせる装甲を身に着けた美しい妖精、とも言うべき姿のホワイトアウト・ドーパントが出てきて蹴りを叩き込んできた。咄嗟にビッカーシールドで受け止めるが、一瞬で凍てついてしまい慌てて投げ捨てる。
「「ホワイトアウト……、東北奏楽…!」」
「お久しぶりです、仮面ライダーW。このたびは大変面白い喜劇を提供、まことにありがとうございます」
「「やはり、ついなさんの記憶が消えたのは貴方の仕業でしたか…」」
「ご明察。この間のブリュンヒルデ事件の際に彼女とばったり出くわして倒させていただいたので、拷問した後メモリに関する記憶を漂白させていただきました。ええ、予想以上に面白くなって私感激してます。面白いですよね?」
「「どこも面白くありません!プリズムビッカー!」」
一度凍り付いたビッカーシールドと手にしているプリズムソードを消し去り、もう一度プリズムビッカーをプリズムサーバーから出してプリズムソードを引き抜いて斬りつける。しかしホワイトアウト・ドーパントはあっさり砕け散ったかと思えば、いつの間にか凍り付いていた地面から現れ平手打ちを仮面に叩き込まれ、踏ん張れない凍り付いた足場だったのもあり転倒してしまう。
「「なん、で……?」」
「私のガイアメモリは漂白の記憶。「白」を生み出し、自在に操れるのが強みです。今のは氷人形です。元々はただ凍り付かせたり記憶を消去したり文字通り「漂白」するだけだったのですが、私自身で研究してここまでの力に仕上げました。面白いでしょう?氷雪系ドーパント最強と謳われているのですよ」
そう言って漂白させた大地から生えた氷の剣を二本手に取るホワイトアウト・ドーパント。地球の記憶の「
「そして私は幹部にすら恐れられる組織の掃除屋でもあります。何故だかわかりますか?」
「「一気に決める…!」」
《ヒート!マキシマムドライブ!》《サイクロン!マキシマムドライブ!》《ルナ!マキシマムドライブ!》《ジョーカー!マキシマムドライブ!》
プリズムソードを納刀したプリズムビッカーの四隅のスロットに、ヒートメモリから順にメモリを装填、プリズムビッカーの中心に七色のエネルギーが集めてからプリズムソードを引き抜くと、七色のエネルギーが剣身に移動、剣身が燃え盛ったそれを振りかぶる。
「「ビッカーチャージ・ファイアブレイク!!」」
「話を聞かない人たちですねえ」
「「!?」」
言いながら真っ二つに切断され、溶解するホワイトアウト・ドーパントにギョッとしていると、いつの間にか右に立っていたホワイトアウト・ドーパントの氷塊を纏った横蹴りが叩き込まれて氷塊が砕け散る勢いで吹き飛び、ゴロゴロと転がって変身が解け、きりたんと共に地べたを転がる。エクストリームメモリも飛んで行ってしまった。
「がはっ…何時の間に氷人形と入れ替わりを…!?」
「ゆかりさん…こうなったらファングジョーカーです!」
《ファング!》
「了解…!」
《ジョーカー!》
ピンチに現れたファングメモリを手に取って立ち上がったきりたんに頷き、私もジョーカーメモリを鳴らしながら立ち上がる。
「「変身!」」
《ファング!ジョーカー!》
《アームファング》
「『さあ、お前の罪を数えろ!』」
ファングジョーカーに変身してアームセイバーを生やして斬りかかり、ホワイトアウト・ドーパントは氷剣二本で受け止め鍔競り合う。
「はあ!」
きりたんが腹部を蹴りつけて蹴り飛ばし、そのまま左足を振り上げ回し蹴り。ホワイトアウト・ドーパントは蹴り飛ばされ受け身を取る。確かな手ごたえ、あれが本体か。
《ショルダーファング》
タクティカルホーンを二回弾いてショルダーセイバーを装備、腰のマキシマムスロットでヒートメモリを装填する。
《ヒート!マキシマムドライブ!》
ショルダーセイバーを手に取り、炎を纏い熱を刃に集中させて投擲、綺麗な弧を描いてホワイトアウト・ドーパントの両手の氷剣をバターの様に斬り裂き、私達自身は突撃して、戻ってきたショルダーセイバーを手に取り跳躍、縦一文字に斬り裂く。
「『ファングバーンザッパー!』」
しかし切り裂いた瞬間、ホワイトアウト・ドーパントは爆発して氷煙が周囲を充満。周りが何も見えなくなる。嘘っ、これも偽物…!?
「そんな、どこに…!?」
「貴方達が今まで相手していたのは全て私の生み出した氷人形です。一人芝居、いや二人芝居?滑稽でしたよ」
そう言って氷煙に溶け込んでいたのか目の前に現れて、ダブルドライバーに右手で触れるホワイトアウト・ドーパント。すると次の瞬間、左半身の力が抜けて崩れ落ち、なんとか右側で支えるダブルの身体。な、何が起きたんですか!?
『きりたん、なにが!?』
「わかりません、急に左半身の力が抜けて…って!?」
驚くきりたん。視界には、白く染まった左サイド…ジョーカーだったはずの左手が見えて。しかもファングの右腕と違って、ラインまで全部真っ白だ。
「隙アリです」
「ぐうっ!?」
氷を纏ってまるで鍵爪のようになった右手で引っ掻いてくるホワイトアウト・ドーパントの攻撃に反応できず、吹き飛ばされて変身が解けごろごろ転がるきりたんの体。目を覚ました私は慌ててジョーカーメモリを取り出すが、端子に至るまで漂白されジョーカーのマークも消え、ボタンを押しても反応しないたただの小箱になってしまっていた。
「ファング!?」
きりたんの悲痛な叫びが聞こえて振り向くと、そこにはホワイトアウト・ドーパントの手に握られ黒い部分まで白く染められぐったりと動かなくなったファングメモリがあって。さらにホワイトアウト・ドーパントは地面に転がっていたヒートメモリを拾い上げると、瞬く間に白く染まって行く。
「驚きました?驚きましたよね?これがさっきの答えです。ホワイトアウトは、全てのメモリの記憶を漂白する。私がその気になれば至子さまのメモリだろうが無力化できます」
「そんな、反則じゃないですか…!」
ジョーカー、ファング、ヒートのメモリが漂白されてしまった。残るメモリがあるとはいえ、ホワイトアウト・ドーパントを相手にするにはあまりに不利だ。エクストリームメモリが逃げる訳だ、触れられたら終わりだ。
「東北記理子の身柄は必要ですが、結月
「ぐっ…こうなれば無理にでも!」
「駄目です、ゆかりさん!ここは撤退を…」
「できるならしていますよ!きりたん!」
《トリガー!》
やるしかない、そう構えた時だった。
《フレア!アップグレード!……プロミネンス!》
「おや?」
そんなガイアウィスパーが聞こえてホワイトアウト・ドーパントが振り返ると同時に、出現した紅焔が大きく広がり大きく怯む。
《ゴールデンルーラー!》
「選択肢はない、逃げるぞ馬鹿!」
そこにミダスホイーラーに乗ったエルドラゴ・ゴールデンルーラーがルーラチェインでついなさんを縛り上げて現れて、私ときりたんをルーラチェインで捕縛するとそのまま走り去っていった。
「ちぇっ、逃がしましたか。なんてタイミングでアップグレードしてるんですか、もうー」
変身を解いて膨れっ面を浮かべる東北奏楽の目の前には、日輪を背負った金剛力士像の様なドーパントが立ち尽くしていた。
フレアのアップグレード、プロミネンス…が霞むぐらいの強さのホワイトアウト。
・空間の漂白(氷漬け)
・氷武装
・無限の氷製
・白に溶け込む
・自在に動かせる氷人形
・記憶の漂白(人間・メモリどちらも)
これが主な能力となります。強すぎるホワイトアウトでした。ウェザー+ホッパー+ゼロ+デス・ドーパントのイメージで書いてます。ラスボスも行ける強さ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。