今回はアクセルVSホワイトアウト・ドーパント。楽しんでいただけたら幸いです。
「…です。面白いです、あなた!私の「白の視点」を越えてくるなんて!これが面白さ!ああ、素晴らしい!」
「何も面白くあらへんわ。さあ、振り切るで!」
感動から両腕で自身を抱えて打ち震えるホワイトアウト・ドーパントに、容赦なくエンジンブレードで斬りかかるアクセル。しかし凍り付いた足場に溶け込むようにしてホワイトアウト・ドーパントは姿を消して、アクセルは大きく空ぶってスリップしかけるも脚部のタイヤを回転させてブレーキ、踏みとどまる。
「っ…白に溶け込む能力か!狐もどっか行きおったし…どこや!?卑怯やぞ、出て来い!」
「隙だらけの相手を狙う人に言われたくないです」
「お前の騙し討ちにもいい加減慣れてきたところや!」
アクセルの背後から水面に浮上する様に出現、手にした氷の三つ又槍を振るって攻撃するホワイトアウトの攻撃を、アクセルは後ろ手に構えたエンジンブレードで防御。脚部のタイヤを回転させて反転、振り返りざまに斬撃を叩き込むも、砕け散ってしまう。
「この間の遊びとは違う、全力でお相手しましょう…!」
すると次々と凍り付いた地面から生えてくるホワイトアウト・ドーパント。その数、総勢50体。各々がレイピア、ヌンチャク、
「偽物の軍団か!なら……!」
《トライアル!》
アクセルはトライアルメモリを取り出しドライバーに装填、アクセルトライアルに変身してスイッチを押したトライアルメモリを放り投げ、加速。次々とホワイトアウト・ドーパントを斬り捨てて行くも、何体かが斬り捨てられるとすぐに対応してきて10秒経っても5体も減らすことができなかった。
《トライアル!マキシマムドライブ!》
「くそっ…10秒じゃ無理か、ぐあっ!?」
トライアルでは分が悪いと見たのか通常のアクセルに戻ったアクセルに、次々と雪崩込むように襲いかかるホワイトアウト・ドーパントたち。斬り刻まれ、突かれ、殴打され、頑丈な装甲がズタボロとなって行き、大柄に形成されたホワイトアウト・ドーパントのメリケンサックによる拳を受けて殴り飛ばされるアクセル。
「いくら偽物を倒そうが意味ありませんよ。ホワイトアウトとは漂白。漂白された世界で私は無敵です。初めて戦った時にも同じように負けたのに忘れたのですか?」
「無茶でもやるんや。兄と親友を失って傷心気味の恵まで巻き込んでおってからに。どうせうちを人質に脅迫してメモリを使わせたんやろ。これ以上失ってたまるか。それにうちの今の仲間にも手を出したんや、倒さなきゃ嘘やろ」
エンジンブレードを杖代わりに息絶え絶えながらも立ち上がるアクセル。その視線の先には氷像にされたダブルと恵がいた。負けられない戦いがそこにある。すると氷人形たちが次々と砕け散って行き、一人になるホワイトアウト・ドーパント。手にした
「いいです、面白いですよ!そうです、私はそうなることを期待して貴方の記憶を奪った!記憶を取り戻して復活、決して敵わない強敵に立ち向かう……なんてドラマ!なんて面白さ!素晴らしい!ならば直接戦って力の差を見せて、どう反応するかを見るのも面白いッ!」
「舐めプしたことを後悔しても知らんで!」
そして
「うおおおおおっ!」
《エンジン!マキシマムドライブ!》
「ダイナミック、エースッ!!」
一回蹴り飛ばして距離を取るとエンジンメモリをエンジンブレードに装填、A状に空を斬り裂いて斬撃を叩き込み、ホワイトアウト・ドーパントに直撃。爆散する。
「やったか?」
「残念。やっぱりそれも偽物です」
「があっ!?」
《スチーム!》
倒したと思った目の前にいきなりニョキッと出てきたホワイトアウト・ドーパントのモーニングスターで殴られ、咄嗟にエンジンブレードの引き金を引いてスチームを起動して反撃するも、エンジンブレードを手放し装甲が火花を起こして吹き飛んだアクセルの変身が解かれ、凍り付いた地面を転がって行くついな。瞬時に「白」に溶け込み、偽物を生成できるホワイトアウト・ドーパントの能力に打つ手が無かった。
「く、そ……何か、何かないか…!?」
「アハハハハッ!生身で対抗するとか嘘みたいですね!面白いですねえ!」
空中に形成された氷の礫のミサイルを、血塗れになりながらも素早い身のこなしでなんとか回避していくついな。凍った大地が砕け散り、えぐれていく。とんでもない威力に寒気がした。もしこんなのが当たれば凍っている人々はひとたまりもない。自然と、離れて逃げて行くことしかできなかった。
「くっ…ガンナーA!」
「こんな隠し玉まであるんですねえ!」
ビートルフォンを操作し、頼れる自立戦車を呼び出すついな。しかし氷でごつい剛腕を両腕に装備したホワイトアウト・ドーパントに突撃を受け止められ、投げ飛ばされるガンナーA。
《アクセル!》
「変…身!」
《アクセル!》《エンジン!》
その間にアクセルに再変身してエンジンメモリをアクセルドライバーに装填してバイクフォームに変身、体当たりでホワイトアウト・ドーパントを跳ね飛ばしてガンナーAと合体、アクセルガンナーとなって砲弾を叩き込んでいくも、手を翳したホワイトアウト・ドーパントの目前で撃ち込んだ砲弾全てが凍り付いて砕け散って行く。
「化け物やな…!」
「お褒めに預かり光栄です」
手を地面に付けると、凍り付いた地面から巨大な回転する槍が飛び出してガンナーAを貫き、半壊。投げ出されたバイクフォームにアクセルは人型に戻って転がる。いつの間にか、水都タワー前に戻って来ていた。ホワイトアウト・ドーパントはゆっくりと歩み寄ってくる。
「ついなー!」
「恵!?」
そこに、エンジンブレードを抱えながら走ってきたのは、凍り付いていたはずの神威恵。スチームを起動したまま手放されたエンジンブレードが氷を溶かしたらしい彼女は、エンジンブレードをアクセルに手渡した。
「これ、必要でしょ。ごめん、私……」
「…気にすんな、うちのためやろ。そんなん怒る気にもならへんわ。あとで逮捕させてもらうけどな」
「うん、うん……そうだ、これ!ガイアメモリの強化アダプターなんだって。使えないかな…?」
そう言って恵が取り出したのは、フレア・ドーパントをプロミネンス・ドーパントにしたガイアメモリ強化アダプター。奇跡的に破壊されずに残っていたらしい。
「こいつは……そうか、これなら…!恵は下がっときい!」
「う、うん…!」
それを受け取ったアクセルは、直感のままにアクセルメモリをアクセルドライバーから引き抜いてガイアメモリ強化アダプターに取りつけ再度アクセルドライバーに装填する。
「変……身!」
《アクセル!アップグレード!》《ブースター!!》
すると脱皮するかの様に赤い装甲が剥がれ落ち、アクセルトライアルにも似た軽量のアーマーを身に着けた、全身メタリックイエローで、マスクのシールドは黒鉄色のシャッターで覆われ、胸部アーマーも巨大なジェットエンジンのような装甲に変化。バイクフォームへ変身するためのタイヤが失われた代わりに、飛行用のブースターが全身に設けられ、空に舞い上がるアクセル。その名も仮面ライダーアクセルブースター。強化アダプターによりアクセルメモリの能力が三倍まで強化された形態である。
「まさか、強化アダプターを…!?ならば!」
その危険度を感じたのか、再び50体もの分身を形成するホワイトアウト・ドーパント。弓矢を持った個体が引き絞って狙うも、アクセルブースターは宙返りで回避。全身のブースターから炎を噴射して猛加速し、ホワイトアウト・ドーパント軍団に突撃する。
「じゃあかしいわあぁああああああっ!」
斬る。斬る。斬る。斬る。すれ違いざまにひたすら斬撃を叩き込み、アクセルトライアル時よりも上がったパワーで一撃で粉砕するのを繰り返し、上空に舞い上がるアクセルブースター。10秒の制限もない、圧倒的なスピードとパワーに、ホワイトアウト・ドーパント軍団は全滅。なんとか氷壁を出して直撃を免れていた本体が信じられない物を見るかの様に上空のアクセルブースターを見上げる。
「そんな…!?そんな傷で加速し続けたら、死にますよ!?死んだら何も面白くないんですよ!?」
「うちは不死身や!親父や恵、ゆかりたちを置いて死ねるわけがないやろッ!!」
「そんな、何の根拠もない根性論…!面白く、ないです…!」
冷気を溜めた両手を勢いよく振り下ろし、空中に多数の氷の武具を形成し、それを射出していくホワイトアウト・ドーパント。アクセルブースターはそれを次々と斬り落としながら、隙を見てエンジンブレードにエンジンメモリを装填。さらに加速する。
《エンジン!マキシマムドライブ!》
「逃げ…!?」
「逃がすかあ!」
咄嗟に凍り付いた地面に飛び込んで逃げようとしたホワイトアウト・ドーパントを、形成していた偽物ごと叩き斬って上空に打ち上げるアクセル。打ち上げられた青空に、ホワイトアウト・ドーパントが溶け込める「白」は存在しなかった。
「こんな、こんなことが……!?」
「これで終わりや!」
《ブースター!マキシマムドライブ!》
さらにアクセルブースターは地面に着地してアクセルドライバーのグリップを捻ってマキシマムドライブを発動。全身のブースターから尋常じゃない炎を吹き上げながら勢いよく上昇し、急旋回して上空から急降下したアクセルブースターは右足をホワイトアウト・ドーパントの胴体に突き立てた。
「ブーストグランツァー!」
「ぐ、あ、ぎっ……ああ、なんて、おもしr…うああああああああっ!?」
そして地面に叩きつけられたホワイトアウト・ドーパントは爆散。凍り付いた水都は砕け散る様に元に戻り、砕け散ったガイアメモリと倒れた東北奏楽を見下ろしたアクセルブースターは変身を解除、倒れそうになりながらもしっかりと二本足で立つ。
「…絶望がお前のゴールや」
ホワイトアウト・ドーパントの攻略法→圧倒的なパワーとスピードによるごり押し。
ついな、アクセルブースター会得。アクセルの出せる力を全部出しきった大勝負でした。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。