今回はプリズナー・ドーパントVS三大ライダー。楽しんでいただけると幸いです。
第五十九話:AtoZフォーエバー/地獄の始まり
私達ダブルとついなさんことアクセル、リリィことエルドラゴが水都第二屋外ステージで暴れるドーパントと相対していた。
「さあ、振り切るで!」
《アクセル!アップグレード!》《ブースター!!》
「さあ、派手に行こうか!」
《ゴールデンルーラー!》
「祭りの場所はァ、ここだあ!」
対する「脱獄囚」の記憶を有するドーパント、プリズナー・ドーパントはその白黒のボーダーラインが目立つ巨体を揺るがせて両手首に付けられた手枷から伸びた鎖につけられた家屋を振り回すと言うとんでも攻撃を仕掛けてくるが、一瞬のうちにアクセルブースターが鎖をエンジンブレードでバラバラに斬り裂いて、宙に浮いた家屋をエルドラゴがルーラチェインでキャッチして近くにゆっくりと下ろす。
「水都の人々の家を武器に使うとは言語道断!」
『観念しなさい!脱獄囚、
《エクストリーム!》
「「さあ、お前の罪を数えろ!」」
「うおおおおおっ!」
鎖を両拳にグルグル巻いて殴りかかってくるプリズナー・ドーパントの攻撃を、サイクロンジョーカーエクストリームに変身しプリズムサーバーから出現させたプリズムビッカーで受け止め、弾き返して四隅のスロットにメモリを装填していく。
《サイクロン!マキシマムドライブ!》《ヒート!マキシマムドライブ!》《ルナ!マキシマムドライブ!》《ジョーカー!マキシマムドライブ!》
プリズムビッカーの中心に七色のエネルギーが集めてからプリズムソードを引き抜くと、七色のエネルギーが剣身に移動、プリズナー・ドーパントを十字に斬り裂いた。
「「ビッカーチャージブレイク!!」」
「さばぁああああ!?」
プリズナー・ドーパントは鎖の破片を撒き散らしながら吹き飛び、爆散。まあダブル、アクセル、エルドラゴの最強形態が揃ったのですから楽勝ですね。私達は変身を解除し、四人で並び立つとついなさんが歩み寄って変身者だった旦椋竹志に手錠をかけた。
「お疲れや三人とも。おかげで逃亡中の凶悪犯を捕まえることができたわ」
「まさか刑務所で何者かが手引きしてガイアメモリを渡して脱獄させるとは……」
「上手い手だよな。オレが捕まった時もそうすればよかったよ」
「馬鹿言わないでください。しかし一体何者なんでしょうか?」
「記録によれば若い女やな。旦椋の友人を名乗って接触したようや。こいつ問い詰めて吐かせたるわ」
そう意気揚々と笑顔で説明するついなさん。ホワイトアウト・ドーパントとの戦いで手に入れたガイアメモリ強化アダプターによる新しい力、アクセルブースターも使いこなせている様ですし刑事としての仕事もどことなく生き生きしている。ホワイトアウト・ドーパントとの決着がついて憑き物が落ちた感じだ。
「若い女と言うと……ミュージアムの純子さんか東北至子?」
「いや、東北至子みたく真っ白けやったけど別人みたいやったで。名前は…ちょっと待ちい」
ビートルフォンを取り出し、操作して写真を探すついなさん。目当ての物を見つけたのか嬉しそうに顔を輝かせる。
「念のために撮っといたんや。こいつや。公式記録によればアリアル・ボイスというらしい」
そう言って見せたビートルフォンの画面には、監視カメラが撮影したのであろう白髪でだぼだぼのパーカーの様な服を着た白づくめの少女の写真と書類が写っていた。
「……アリアル。どこかで聞いた名前だな」
「リリィが覚えがあるってことは…裏社会の人間ですか?」
「さすがに覚えてないが、出会ったなら以前のオレなら黄金像にしていただろう容姿だな」
「…うん?」
すると何かに気付いた様子のきりたんがビートルフォンの画面に指を指す。見てみれば、すました顔のアリアルと名乗ったらしい少女が後ろ手でピースしているのが写っていた。
「これ、撮影されるのを見越してますね。まるで、警察…もしくは私達に向けたメッセージ…?」
「うちも今気付いたわ。さりげなさ過ぎやろ」
「なめてんですかねこの女」
「…おい待て。こいつがオレ達に向けたメッセージなら、こいつをドーパントにして逃がした理由はなんだ?」
そう言うリリィに、ハッとする私達。一つだけ頭に浮かんだ。
「…こいつは、囮?」
「私達がプリズナー・ドーパントを倒した後情報を探るのを見越してでしょうか」
「目的はオレ達をここに誘き寄せる事だろうな」
「罠か!?」
慌ててエンジンブレードを構えて周りを警戒するついなさん。私もきりたんを庇うように構えるが、特に異常は見当たらない。
「罠じゃないとすれば……目的は歩歌路町に俺達を誘き寄せるってところか。あれか?」
そう言ってリリィが指を指した先にあったのは、万宵川を挟んだ反対側、私達の事務所がある歩色町の上空を飛ぶ黒塗りの大型ヘリコプターと、それに近づくもう一機のヘリコプターの光景。思わずバットショットを取り出し望遠機能で見やる。
「…あれは!」
黒塗りの大型ヘリコプターに向けてもう一機のヘリコプターからパラシュートもなしで飛び降りたのは、件の白づくめの少女。
「死ぬ気ですか!?」
思わず度肝を抜くが、急降下して無理やり機内に乗り入れた少女。何が起きているのかわからない。そのうち、黒塗りの機体は爆発。色とりどりのなにかが水都中に散らばった。
「爆発したぞ!?」
「一体何が起きてるんや?」
「私が行きます!」
エクストリームメモリを呼び寄せて向かうきりたん。ついなさんとリリィと共に愛車に急ぎながら、私は一人考える。なにかが散らばる直前に、黒いマントを身に纏った誰かが飛び降りるのが見えた。全身白く、黄色い複眼のそれは……。
「……仮面、ライダー?」
これが水都史上最悪の事件に繋がるとは、この時私はまだ知らなかった。
エクストリームメモリに入った私が黒塗りのヘリコプターの残骸が落ちた付近にやってくると、炎上する残骸を物ともせず調べている三人の男女がいた。
「あー、やっぱりなにもありませんね。全部水都中に飛び散ったみたいです」
「なに、心配しなくてもいいさミリアル。アリアルの様に俺達にも運命のメモリが引き寄せられるはずだ」
「なんでもいいからさー、私は早く暴れたいの!まだなの、アベルーニ!」
「…あかりさん?」
物陰で実体化し様子を窺っていると思わず声が出てしまう。そこにいたのはアリアル・ボイスと瓜二つだが髪から服まで黒づくめの少女、白黒の服を身に着けた長身の男性、そしてあかりさんを幼くしたような容姿のタンクトップで鉄の棒を肩にかけた少女だった。
「おや。ブロッサ、どうやら君のお望み通り、仮面ライダーの片割れが来たようだよ。想定より早いね」
「誰かは知りませんが出てきた方が身のためですよ?」
「こっちから行くの!」
ブロッサと呼ばれたあかりさんによく似た少女が鉄の棒で地面を突いたかと思えば人間とは思えない怪力で地面を突いた反動で跳躍、私のいる路地裏の壁に勢いよく鉄の棒が叩きつけられ粉砕される中私は横に転がり逃れながらやってきたファングメモリをキャッチ。変形させボタンを押す。
《ファング!》
「ゆかりさん!」
【《ジョーカー!》】
「【変身!】」
《ファング!ジョーカー!》
そして腰につけっぱなしだったダブルドライバーの左サイドに転送されてきたジョーカーメモリを装填してからファングメモリを装填し展開。ファングジョーカーに変身する。
『え、あかりさん!?それに黒いアリアル!?何事ですか!?』
「私はあかりじゃなくて、ブロッサだあ!」
そう言ってブロッサは鉄の棒を横に突いてダブルの腹部に一撃浴びせ、吹き飛ばす。なんとか受け身を取りながら未だに混乱しているゆかりさんに言う。
「この力、普通の人間じゃありません!本気で相手しないとこっちが死にます!」
『でもだからってメモリも使ってない人間を攻撃するわけにも…』
「なにをごちゃごちゃ言っているう!」
《アームファング》
ブンブン鉄の棒を振り回して竜巻の様な連撃を叩き込んでくるブロッサの攻撃を、アームファングを展開して鉄の棒を斬り裂くことで防ぐ。すると斬り裂かれた鉄の棒にブロッサは不満げに頬を膨らませた。
「こんな得物じゃ物足りないー!アベルーニー!」
「やれやれ。今戦うのは得策じゃないと戦う前に気付いてほしかったねえ」
そう言って何かを投げるアベルーニと呼ばれた男。それは地面に落ちると煙を噴き出し、あっという間に隠れてしまった。
「煙幕!?」
『しまった…!』
「ではまた会おうダブル。今度会う時は、俺達が君達に成り代わる番だ」
そんな声と共に煙が晴れて行ったとき、やつらの姿は影も形も無かった。…なんだったんですか?
新キャラ、アリアル、ミリアル、アベルーニ、ブロッサ登場。特にブロッサはあかりと瓜二つという、謎の連中です。
・プリズナー・ドーパント
『脱獄囚』の記憶を宿したドーパント。どんな壁をも突破するパワーを有し、武器の鎖を自由自在に操れる。変身者は
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。