ボイロ探偵W   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。導入というか書きたいところへの繋ぎが難しいと痛感するぐらい今回は難産でした。

今回はアリアル達の謎に迫る。楽しんでいただけると幸いです。


第六十話:AtoZフォーエバー/不死身の傭兵団

「雨漏りが酷いですね…どこかに穴でも開いたんでしょうか?」

 

 

 誰かの涙の様に雨が降りしきる中できりたんを回収し、事務所に戻ってきた私達。ついなさんは旦椋竹志を警察に引き渡すために残ったため、今いるのは私、きりたん、リリィ、そして事務所で待っていたあかりだった。デスクの傍が雨漏りしていてびしょ濡れになっていたのでバケツを手に丁寧に拭いてから、皆が待ってるガレージに向かう。

 

 

「ミリアル、アベルーニ、ブロッサ……アリアル・ボイスの仲間でしょうか」

 

「ミリアルと呼ばれていた少女はアリアルと色以外瓜二つでした。恐らく血縁だと思われます」

 

「ブロッサという名前の私とそっくりな怪力な女の子?……私に姉妹はいませんし、親戚もいないので……単にそっくりさんじゃないですかね?」

 

「それにしては声もそっくりでしたが…なんなんですかね?」

 

「アリアル、ミリアル、アベルーニ……やっぱり聞いたことある名前だな。西友に聞いてみるか」

 

 

 電話するために一度ガレージから出て行くリリィを見送り、白紙の本を片手に意識を集中するきりたんに視線を向ける。検索開始だ。

 

 

「検索を始めましょう。キーワードは「アリアル・ボイス」「ミリアル」「アベルーニ」「ブロッサ」」

 

 

 とりあえずと名前を入れて検索するきりたん。しかし個人名は地球の記憶にはそれこそいくらでもある。やはりそれだけでは難航している様子だった。

 

 

「…どうやらアリアル・ボイスは偽名、もしくは自称の様です。ゆかりさん、何か他にキーワードありませんか?」

 

「そうですね…」

 

 

 あの仮面ライダーらしき存在が気になるが、名前もわからない以上手がかりにならない。どうしたものか…そう考えていると、リリィが戻ってきた。

 

 

「わかったぞ。アリアル、ミリアル、アベルーニの三人はCOEFONT(コエフォント)を名乗る傭兵集団で、世界各国で破壊活動を行うテロリスト集団だ。一度、エル・ドラードもかち合ったことがあるらしい」

 

「らしいって、あなたボスでしょう」

 

「いやな。ミュージアムのスポンサーとしてオレ達を襲ってきたらしいんだが、そのときはキクの奴がミリアルとかいう女の首を落として撤退させたらしいんだ。だからオレの記憶にもそんなに残ってないわけだな」

 

「…は?いやいや、首を落としたってつまり……死んだってことですよね?」

 

 

 償うと言う言葉を信じてるから今更咎める気はないが、それはおかしい話だ。

 

 

「ミリアルという少女は生きてこの私と会いました。それはありえません」

 

「同じ名前を名乗ってるだけの別人じゃないのか?」

 

「死んだ人間が生きてるなんて、そんなゾンビみたいなこと……」

 

「ゾンビ…」

 

 

 あかりの言葉に、あることを思い出す。そう言えば。アリアルはヘリコプターを急襲する際、プロペラに巻き込まれることをまるで気にしてないようだった。まるで替えが効くみたいな……そしてアリアルと瓜二つで死んだはずのミリアルに、あかりを幼くしたようなそっくりさん。まさか、そんな小説みたいなことが……荒唐無稽すぎる。

 

 

「とりあえずCOEFONTで検索しましたが、傭兵集団だということとメンバー名しかわかりませんでした。リーダーはアリアル、構成員はミリアル、アベルーニの計三人。ブロッサは新規のメンバーみたいですね」

 

「……つまり、最近加入したと」

 

「それにしても一切情報が無いんですよね。この感じはそう…呪怨キクの時と同じです。名無し、存在しないものは検索できないのとよく似ています」

 

「ゆかり?なんか思いついたのか?」

 

「…いやあ、シンプルにドッペルゲンガーかなにかなのかなと。まさかクローンとかなわけありませんし」

 

 

 リリィに問いかけられて考えを話してみる。幼い容姿なのも相まって、クローンだと言われたらしっくりくるのだ。

 

 

「いやほら、ミリアルも首を斬られて死んだはずと言ったじゃないですか。クローンとして再誕したのかなって」

 

「クローンって映画とかのあれか?それこそありえないだろ、第一あかりの遺伝子をどこで手に入れるんだ」

 

「ですよねえ」

 

「クローンってなんですか?」

 

 

 本当に知らないのかあかりがそう問いかけてくる。クローンがなにかと言われたら難しいですね…。

 

 

「クローンとはまったく同じ遺伝情報を持った別個体が作られることであり、生物学による科学技術…いわゆるバイオテクノロジーの一つですね。あかりさん、なにか遺伝子情報を外部に漏らした覚えはありませんか?」

 

 

 検索したのか詳しく語ったきりたんがそうあかりに問いかける。すると少し考えて、何か思い出したのか目を見開くあかり。

 

 

「もしかしてあれかな…数年前、中学生の頃にお母様に連れられてどこかの研究機関で遺伝子検査されたことがありました」

 

「遺伝子検査?またなんで」

 

「いくら食べても太らないし食欲も減らないので変に思われたんです」

 

 

 ああ、たしかにあかりの食欲と胃袋は無限大だ。まともな精神の持ち主なら何かの病気かと思って調べるのもおかしくないか。

 

 

「そのとき、代謝効率がどうのこうのの超人体質とか言われた記憶があります」

 

「超人体質……その研究機関の名前は?」

 

「えーと、財団なんとか…だったかな?」

 

 

 なんとかじゃわからないんですけど、とツッコもうとしたら思わぬ反応があった。リリィだ。

 

 

「もしかして財団Xか?」

 

「財団エックス?」

 

「ミュージアムのスポンサーの一つだ。エルドラドのメモリを巡ってそこの幹部と一戦交えたことがある。たしか、兵器になりそうなものには片っ端から出費している死の商人たちの通称だ」

 

「死の商人……紲星財閥ほどの富豪なら関係を持っていてもおかしくないですね。もしや、アリアルが襲っていたヘリがその財団の…?」

 

「検索してみます」

 

 

 そうきりたんが再度検索しようとしていた時だった。スタッグフォンに着信。ついなさんだ。

 

 

「ついなさん?どうしました?」

 

《「大変やゆかり!今、水都署にとんでもない数の通報が来とる!その全てが全て、怪物事件が起きたと言っとって緊急出動や!自分等も手伝(てつど)うてくれ!場所は……」》

 

「はい、はい……千絵美尾大学に水都総合病院、琴葉神社に水都アウトレットモール、水都第二屋外ステージに歩歌路町の倉庫街、水都市民ホールに水都大橋、潮風高校…!?そのすべてで、ドーパントが現れたというのですか…!?」

 

「オイオイ、何の冗談だ!?」

 

 

 私の絶叫に異常事態だと察したのかリリィも焦躁に満ちた表情を浮かべる。

 

 

「こうなったら片っ端から行くしかありません!リリィ、歩歌路町方面は任せました!」

 

「任されたよ畜生!タービュラー借りるぞ!」

 

 

 リリィと共に慌てて外に出て、それぞれの愛車に跨る。一体、何が起こってるんですか…!?




地味に判明、あかりの闇。そして財団Xについてゆかりたちも知ることに。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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