今回は事実上のリリィ主役回となります。楽しんでいただけると幸いです。
「歩歌路町の倉庫街っていやあ、前にエル・ドラードがアジトにしていた場所だ…久しぶりだな」
マシンミダスホイーラーに乗って歩歌路町のドーパントをひたすら倒して回って何故かブレイクされないメモリを回収して周っていたオレはドーパントが出たって言う港の倉庫街、エル・ドラードのアジト跡まで来ていた。自爆して吹き飛んだあそこだ。金かけたんだがだいぶもったいなかったな。
「うん…?」
近づくにつれ、破砕音が聞こえてくるが違和感を感じる。これは、ぶつかり合っている?二体いる…!
「何故だ、何故お前は死なない…!」
「殺されてたまるか、あの人に見逃してもらった命だ…!」
そこにいたのは、マグマ・ドーパントの溶岩が激流の海を思わせる青いものとなった様な水を操るドーパントと、巨大な髑髏から骨の四肢が伸び、そこから肋骨を思わせる刃を装備したドーパント。海洋と、骸骨。オーシャン・ドーパントとスカル・ドーパントか…!
「大人しく死ね!」
「死体を殺せるか!」
オーシャン・ドーパントの巨大な水の砲弾にぶち抜かれたものの、体が崩れて空に飛び、空中で再形成。右腕の肋骨の様な刃をチョップの要領で叩き込むスカル・ドーパント。それを全てを受け止める海面の様に擦り抜けさせ拘束したオーシャン・ドーパントの前蹴りが叩き込まれ、右足が膨れ上がって爆発。吹き飛んだスカル・ドーパントの欠片がひとりでに動き出して組み立てられて戻って行く。海の広大さと柔軟さを併せ持った怪物と不死身の怪物か。
「周囲の被害お構いなしか」
いや、だがこの言い争う男と女の声…明らかに今までのドーパントと違う、理性ある行動。おいまさか。なにやってるんだ馬鹿どもが…!
《ゴールド!》《ルーラー!》
片手でミダスホイーラーを運転しながら二本纏めて鳴らしてあらかじめつけていたダブルドライバーNEOに装填、両手でバイクのスロットルを上げながら突き進む。
「変身!」
《ゴールデンルーラー!》
そして空中に展開されたいくつもの黄金の波紋から出現した鎖の様な装飾がある純白の彫刻を思わせる西洋風の鎧を全身に装着し背中に赤いマントが展開して仮面ライダーエルドラゴ ゴールデンルーラーへと変身。ミダスホイーラーで二体の間に割り込み、ルーラテインを握った手を振り抜く。
「止まれ二人とも!」
両肩の装甲からルーラチェインを伸ばしてオーシャン・ドーパントとスカル・ドーパントを拘束する。
「何故だ、何故、この裏切り者に償いをさせようとしない…!リリィ様!」
「やっぱりお前か、西友…!」
西友蒼司、オレの腹心の男。忠誠心が高すぎるのがたまに疵だが、こいつは洒落にならないぞ。メモリのせいで溜まってた鬱憤が爆発してやがるな。
「それでお前がスカルか。皮肉が効いているな、エル・ドラードを乗っ取った奴がエル・ドラードが崩壊しかけた原因の仮面ライダーと同じメモリとはな?キク」
「…あんなことして、あんなことして、なんで私は生きているんですか!?」
「お前の方は不安が爆発しているのか。…メモリのせいだけじゃないな?」
恐らくハイドープか、もしくは超能力者兵士クオークスか?なんにしても財団Ⅹが関わっていると見た。精神干渉系がいるな。
「邪魔すると言うのならリリィ様だろうと…!」
「むっ?」
「私は、殺されても文句言えないのに…!」
「おおっ!?」
するとオーシャン・ドーパントは両手から海水を放出して水圧でルーラチェインを潰して脱出、スカル・ドーパントは複数のパーツに分割して抜け出てしまう。ゴールデンルーラーとは相性が悪いか。
「裏切り者は、俺が始末する…!」
《サンダー!》
「独断専行が過ぎるぞ西友。派手に仕置きしてやる」
《ゴールデンサンダー!》
ルーラーメモリを抜いてサンダーメモリを装填してドライバーを展開。雷雲が発生して雷が落ち、それは黒に稲妻が描かれた和風の鎧武者風の装甲となり、右手に握ったイナズマサカリを振りかぶるとオーシャン・ドーパントは水流をウォーターカッターの様に放出してきた。俺に危害を加えようとは大きく出たな?
「水の出しすぎ注意だ」
イナズマサカリのグリップを回すとチェーンソーの様に刃が回転して帯電、水流の刃にぶつけて通電、感電させてダウンさせると空から骸骨のパーツが降り注ぐ。
「私がのうのうと生きていていいわけがあ!」
「ハハハッ、ラーメン屋自身が出汁になりそうな骨になってどうする!」
《サンダー!マキシマムドライブ!》
「痺れる程の信頼を喰らえ。サンダーバッシュ…!」
サンダーメモリを装填し、刃を高速回転させ大電流を放出させるイナズマサカリで縦一閃。迸る雷撃がパーツ一つ一つを撃墜し、空中で爆散させスカルメモリと一緒に転がってきたキクを受け止める。すると水流を放出し飛び上がって襲いかかってくるオーシャン・ドーパント。
「そいつを殺させてくれ、リリィ様…!」
「お前には悪いが駄目だ」
《ゴールドラッシュ!》
サンダーメモリを再装填したダブルドライバーNEOを一度閉じて再度展開。黄金の光を纏い、水流を纏った拳を右掌で受け止め膨れ上がった水の爆発からキクを庇ってもろに受ける。ホワイトアウト・ドーパント相手じゃ時間稼ぎされて負けてしまったが、こういう瞬間的な火力を出す相手には滅法強い10秒間の無敵時間だ。
《サンダー!マキシマムドライブ!》
「ゴールデンエレクトロ」
そしてサンダーメモリをマキシマムスロットに装填して電撃を纏ったミドルキックを叩き込み、オーシャン・ドーパントは爆散。西友が崩れ落ちた。
「お前ら二人がどう思おうと俺は気にしないがな。二人とも、一つ忘れているぞ。オレが許した。それ以外に理由がいるか?」
「ぐう……いいえ、ありません…」
「…私は、裏切ったのに…殺そうとまでしたのに」
「傑作の黄金像にした時点でチャラだから気にするな」
…さて、オレの部下を惑わせてくれた落とし前…つけさせてもらうぞ、COEFONT…!
その光景を、ガタガタ震えながら物陰から見ていた人物がいた。ミリアルと呼ばれていた黒づくめの少女だ。
「…失敗してしまった……せっかく二人を誘き寄せてドーパント化させて、不穏分子のリリィ金堂を始末できそうだったのに……姉さんに怒られる……わた、わたしが責任を取らないと…」
そのブルブル震える手には、Hと描かれたメモリが握られていた。
水流と水圧を自在に操るオーシャン・ドーパントと、バラバラになっても自由に動けるリリィの因縁の相手とも言えるスカル・ドーパントでした。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。