今回はエターナルVSダブル。楽しんでいただけると幸いです。
うちとリリィは襲撃してきたアリアルを前に顔を見合わせ、頷いて同時に変身。それぞれが控えていたドーパントに飛びかかってその場から遠ざける。アリアルはゆかりたちがなんとかするはずや。
「ゲームスタート」
「ぐっ!?…まだまだあ!」
青いドーパントの右腕と一体化しているライフルが腹部に突きつけられ、接射された衝撃で吹き飛ばされる。この声、ゆかりのそっくりさんか。確か名前はウララやったな。言動はまるで似とらんが。
「トリガーメモリ、私と引き合ったメモリ。これならあの私にも負けない」
「あの私?ゆかりのことをえらい意識しとるようやな!」
放たれる光弾をエンジンブレードで斬り裂きながら挑発する。一回の攻防で分かる、こいつは冷静に攻撃を組み立てられる奴だ。ゆかりとよく似ている、冷静にメモリの組み合わせを考えられるあいつと。怒らせて冷静さを欠かせないと反撃もままならない。
「誰が誰を意識しているだと…!」
「わかりやすいやっちゃな!」
《ジェット》
激昂して乱射して来て狙いが甘くなった隙を突いてエンジンブレードの引き金を二回引きながら刺突を叩き込み、切っ先からエネルギー弾を超高速で射出して胴体を撃ち抜く。
「があ!?」
「このまま…!」
《エンジン!マキシマムドライブ!》
さらに四回引き金を引いてマキシマムドライブを発動、炎を纏ったエンジンブレードを刺突してAの形の炎の斬撃を飛ばして青いドーパントを貫き、爆散させた。転がったのはトリガーメモリ。本当にトリガーのドーパントやったのか。
「…なんやあっさりやな」
「いやだ、私は、まだ……死にたくない……」
予想通り、爆発跡から出てきたウララと言う名前らしい黒服に身を包んだゆかりとそっくりの少女は手袋に包まれた手を伸ばし、トリガーメモリを手に取ろうとして力尽き、服だけ残して消滅した。
「は!?」
慌てて駆け寄る。空っぽの服とトリガーメモリしか残ってない。服を掴み上げると、何かが転がり落ちてそれも拾い上げる。
「…チップ?」
焼け焦げたそれは、マイクロチップかなにかだった。
☆
ついなと目配せして、直感で赤い方のドーパントに殴りかかる。ドーパントには珍しく、オレが変身したマネー・ドーパントの時と同じで女性的なフォルムが目立つ。蟲みたいな顔だが何のドーパントだ?
「お前さえ、お前さえ殺せば姉さんの憂いは晴れるんだ!」
「思念波か…無駄だ、俺には精神攻撃に耐性がある。お前がキクと西友を洗脳した奴だな!」
脳を襲ってきた違和感を頭を振って振り払い、右手に灯した炎を飛ばしてくる攻撃をパイレーツカリバーで薙ぎ払う。
「生憎と炎のドーパントとは三連続で当たってるんだ!いい加減飽き飽きだ!」
《パイレーツ!マキシマムドライブ!》
ダブルドライバーNEOから引き抜いたパイレーツメモリをパイレーツカリバーの柄のスロットに装填、グルングルンと振り回して溢れだした黄金の光を刀身に集束させて振るい、黄金の斬撃を飛ばす。
「ゴールデンストラッシュ!」
「なんの!」
右足に炎を纏い、炎を膨れ上がらせて爆発させ、その反動で跳躍して斬撃を回避、オーバーヘッドキックを叩き込んでくる赤いドーパント。右手に握ったパイレーツカリバーに左手を添えて受け止め、弾き返す。アクロバットな奴だな、変身者も徒手空拳が得意だと見た。
「強い…!能力だけの奴じゃなかったの…!?」
「失礼なやつだなお前。頭は弱いようだ」
「そっちこそ失礼ね!」
両手に炎を灯し、それを右手に集束させて炎を膨れ上がらせた火球をサッカーボールかのごとく蹴りつけてくるが、もう三度目なんだよ
《ゴールド!マキシマムドライブ!》
「もろとも、吹き飛べ!」
ゴールドメモリをダブルドライバーNEOから引き抜いてマキシマムスロットに装填、全身を光り輝かせると突撃。右手に黄金の光を集束させ、火球を殴りつけると黄金に染まり、黄金の液体と化した火球を拳に纏うと右腕を振りかぶりながら加速、叩きつけると大爆発が起きて赤いドーパントを吹き飛ばす。
「ゴールデンバーン!」
「きゃああああああっ!?」
赤いドーパントは爆散、黒づくめの少女と共にヒートメモリが転がる。ヒートのドーパントだったのか。だが様子がおかしい。少女の指先から崩れ始めている。
「あうあ……姉さん、ごめんなさい…また、私は…」
その言葉を最後に黒い少女は完全に瓦解。残ったのは衣服とヒートメモリ、そして…
「こいつは、マイクロチップか?」
ショートして焼け焦げた精密機械だけだった。
☆
「はあああ!」
疾風を纏った蹴りを何度も何度も叩き込むが、エターナルはマントを翻して攻撃を捌き切ると右拳の一撃。とんでもない衝撃に私達はよろよろと後退、そこにナイフを手に斬りかかってきたので掌で横から押して攻撃を逸らす。
「私に生半可な攻撃は通じない、どうする仮面ライダー?」
「戦い方を変えるまでです!」
『相手の武器はナイフ、距離を取りましょう!』
《トリガー!》《サイクロン!トリガー!》
サイクロントリガーに変身して風を纏った弾丸を乱射、しかしそのすべてをナイフ一本で撃墜しながらエターナルは悠然と歩いてくる。威力を犠牲にスピードに長けているサイクロントリガーの弾丸を全て防ぐなんてどんな反射神経ですか!?
「ならば!」
《メタル!》《サイクロンメタル!》
接近してきたエターナルのナイフを、サイクロンメタルに変身してメタルシャフトで防御。しかしメタルシャフトを掴まれて持ち上げられ、エターナルはメタルシャフトを振り下ろして、私達はメタルシャフトを手放して事務所の半壊した壁に向けて投げつけられてしまう。
「ゆかりさん!?きりたん!?」
「あかり!キリエさん!ガレージから逃げてください!」
半壊した壁から飛び込み事務所に客席の机を粉砕しながら転がると、きりたんの身体を抱えて怯えているあかりとキリエさんがいて。逃げるように促しているとマントを翻しながらエターナルが跳躍して事務所内まで入ってくると、ガレージに逃げ込もうとするあかりとキリエさんの目の前の壁にナイフを投げつけて突き刺し制止させる。
「キリエは逃がすわけにはいかないね。そこで大人しくしてるといい。すぐ終わる」
「どっちが、ですかね!」
《ヒート!》《ヒート!メタル!》
もう事務所を壊しても構わない覚悟でヒートメタルに変身、再び装備されたメタルシャフトを手にして振り回し、エターナルを玄関に叩きつける。
「あいたた…なかなかやるね。さすが仮面ライダー。T2メモリを借りるとしよう」
すると扉の残骸の中から立ち上がったエターナルは半壊した机の上からT2メモリと呼んだガイアメモリの一本…Aのアクセルメモリを手に取ると広げたマントの下の全てがマキシマムスロットのプロテクターの一つに装填。
《アクセル!マキシマムドライブ!》
「ぐっ!?がっ!?」
気付いた時には私達は宙に浮かび、四方八方から殴りつけられていた。ただでさえ強いのに、他のメモリまで…
「複数のメモリを扱えるのは君達だけじゃない。次はこいつだ」
《アイスエイジ!マキシマムドライブ!》
いつの間にか手にしていたナイフの柄に付けられたマキシマムスロットにIのアイスエイジメモリを装填。そのまま床に突き刺すとそこから冷気が発生し私達を氷漬けにしてしまう。
「こんなもの、ヒートの熱で…!」
「一瞬動けないなら十分だ」
《ウェザー!マキシマムドライブ!》
さらにアイスエイジメモリを引き抜いたナイフのマキシマムスロットにWのウェザーメモリを装填、雷を纏った風の渦をナイフから展開すると振り上げ、雷を伴った竜巻が事務所内で発生し装甲が火花を起こして吹き飛ばされておやっさんの机の傍まで転がった。もう事務所の天井の一部も吹き飛んで半壊している。
「があっ…」
「「ゆかりさん!」」
変身が解け、駆け寄ってくるきりたんとあかり。すると散らばったメモリを拾い上げていたエターナルがこちらを見て変身を解除する。
「紲星あかり。会いたかったよ、我が姉妹」
「えっ、…姉妹?」
「そうとも。君も私達COEFONTの一員たる資格がある。私達につかないかい?」
そう手を差し出して勧誘してくるアリアルに、あかりは「いやっ!」と悲鳴を上げて近くにあったコーヒーカップを投げつける。咄嗟に手にしたナイフで切り弾くが中のコーヒーまでは防げなかったようで右手に火傷を負うアリアル。
「やれやれ。勧誘は失敗か。寂しいことだ」
言いながら右手をひらひらさせるアリアル。すると不思議なことが起こった。その手の火傷が、みるみるうちに治っていったのだ。
「まあ効かないけどね」
「ば、化け物…」
「酷いじゃないか。同類だろ?」
「させるかあ!」
そう言って近づこうとするアリアルに渾身の力で飛びかかるも、簡単に蹴り飛ばされダウンする。強すぎる、どうすれば……するとアリアルの背後。キリエさんが、一本のメモリを取り出し起動したのが見えた。
《サイクロン!》
「させない!」
すると宙を舞ったそのメモリ…サイクロンメモリがキリエさんが髪をかき上げて見えたうなじに突き刺さって仮面ライダーを思わせるドーパントに変貌。
「キリエさん!?」
「しまった、メモリを持っていたか」
サイクロン・ドーパントは疾風を纏って私ときりたんにあかり、外からこちらに来ようとしていたついなさんとリリィも回収してどこかへと天高く飛び去って行った。
「私達の秘密も自ずとばれる、か。…ウララとミリアルはやられたか。迎えに行くとしよう」
飛び立つ中、アリアルが踵を返して事務所から立ち去るのが見えた。
倒されると消滅するウララとミリアル。対して傷がすぐ治るアリアル。この違いは一体。何故かあかりも同類と呼ばれるもその理由とは…?
エターナルの強さを少しでも表せていたら幸いです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。