ボイロ探偵W   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今まで説明回だらけだったのでバトル回となります。楽しんでいただけると幸いです。


第六十七話:AtoZフォーエバー/ハーフボイルド・デッドヒート

「残念ながらヒートとファングのT2メモリを手に入れればあなた方に用はないのです」

 

「ま、待て!」

 

 

 ダブルドライバーを装着し身構えた私たちを右掌を突き出して制したミリアルが変身したヒート・ドーパントは傍の赤いバイクに跨り、発進。私も慌ててハードボイルダーに跨り、ジョーカーメモリを鳴らしてドライバーに装填し仮面ライダーWサイクロンジョーカーに変身、追いかける。

 

 

「私達は奴を追います!キリエさんは先にもう一つの場所に!」

 

「分かったわ!」

 

 

 サイクロン・ドーパントにもう一つのメモリの場所に向かわせ、ヒート・ドーパントとバイクチェイスする私達。万宵川沿いの道路を爆走しながら左手でハンドルを握りつつ右手を振るって火炎を後方に飛ばしてくるヒート・ドーパント。特殊能力特化だったブリュンヒルデ・ドーパントや火力特化だったフレア及びプロミネンス・ドーパントと違って精密な炎操作だ。私も蛇行する様にして炎を回避、次々と爆発炎上していくのをバックにスロットルを回してスピードを上げる。すると高速で進んでいく道路の脇に、白黒の服を着た男がいたのが尻目に見えた。

 

 

「全然振り切れてないじゃないかミリアル。手を貸そう」

 

《ルナ!》

 

「…?」

 

『ゆかりさん、今の!アベルーニです!』

 

 

 強化された聴力が男の声とガイアウィスパーを聞き取り、きりたんが声を上げる。振り向けば、両腕の長い触腕が目立つ金色の三日月を思わせるドーパントが両腕を振るうと金色の光が輝き、そこからバイクに乗ったマスカレイド・ドーパントが四体現れて追いかけてきた。

 

 

「マスカレイド!?ミュージアムやエル・ドラードの様に戦闘員が!?」

 

『いいえ、聞いた限りあのドーパントはルナ!即ち「幻想」の記憶です!あれはルナ・ドーパントに作りだされたまやかし、言うなればルナ・マスカレイドです!』

 

「なるほど!なら遠慮なく倒していいですね!」

 

 

 本物のマスカレイドはメモリブレイクしても死んでしまうのでできれば相手したくないドーパントのひとつだ。まやかしだというのなら遠慮はなしだ。

 

 

『撃ってきました!』

 

「撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだとおやっさんが言ってました!」

 

《トリガー!》《サイクロン!トリガー!》

 

 

 ルナ・マスカレイドが手にした拳銃を撃って来たので、こちらもトリガーメモリとジョーカーメモリを換装してサイクロン・トリガーに変身。疾風を纏った弾丸を放ってルナ・マスカレイドの一体のバイクの後輪を浮かして引っくり返し、爆散させる。

 

 

「!」

 

「うわあ!?」

 

『メタルに交代です!』

 

《メタル!》《サイクロン!メタル!》

 

 

 すると命知らずにもスロットルを限界まで回してスピードを上げて肉薄してきたルナ・マスカレイドが蹴りを放って来て、横転しそうになるのを咄嗟にサイクロンメタルに変身してメタルシャフトをつっかえ棒代わりにして転倒を回避。つっかえ棒代わりにされた反動で外れたメタルシャフトを左手で上手く掴んでくるくる回し、横のルナ・マスカレイドに叩きつけて吹っ飛ばし、爆散させると、トンネルに差し掛かった。前には何も知らずに走っている乗用車が数台。不味い。

 

 

《ジョーカー!》《サイクロン!ジョーカー!》

 

「くっ…無事でいてくださいよ…!」

 

 

 するとルナ・マスカレイド二体が前の乗用車目掛けて銃を乱射。驚いたドライバーがハンドルを切って乗用車二台が横に回転してぶつかり止まってしまい、私はドライバーたちの無事を祈りながらハンドルを握って上に引っ張って前輪を持ち上げ、乗用車二台のボンネットの上を擦り抜ける様にして回避。するとスロットルを全開にしたルナ・マスカレイドの一体が横を通り抜けていき、前方でバイクを反転させると突撃してきた。見れば後ろのルナ・マスカレイドと共に加速してながら座席の上に立ち上がって殴りかかる体勢に。どうやら挟み撃ちにするつもりのようだ。

 

 

「…本当にまやかしですか?それにしては能があるような…」

 

『言ってる場合ですか!申し訳ないですがあの車を利用しましょう!』

 

 

 すると私達と同じく挟み撃ちにされて困ったらしい前方の車が停まってくれたのでまた前輪を持ち上げて乗り上げる。そして空中に舞い上がる私達は車体を横にし、前方からのルナ・マスカレイドを轢き飛ばしながら下半身を捻って後方から追いかけて車を乗り上げ空中に舞い上がったルナ・マスカレイドに蹴りを入れて吹き飛ばし、二体は共に反対方向に吹き飛んで爆散。私達は気を取り直してはるか遠くに見えるヒート・ドーパントの追跡に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは…歩色町、万宵川沿いの工場地帯?」

 

『敵もメモリの居場所が分かっているという事ですか…?』

 

 

 水都通の私だからこそ知っている裏道を駆使し、なんとかヒート・ドーパントの駆るバイクに追い付いた私達。しかし既に工場地帯に入っていて、嫌な予感がしつつも再びサイクロントリガーに変身、トリガーメモリをトリガーマグナムに装填して構える。

 

 

《トリガー!》《サイクロン!トリガー!》

 

《トリガー!マキシマムドライブ!》

 

「『トリガーストームボム!』」

 

 

 そしてヒート・ドーパントのバイクの前方に弾丸を撃ち込み、その撃ち込まれた弾丸を起点にした爆弾のように発生させた竜巻に巻き込んで吹き飛ばすと、高所から道路に叩きつけられ爆散するバイクとギリギリで降りて受け身を取るヒート・ドーパント。よし、なんとか追い詰めたぞ。

 

 

「お転婆はここまでです、ミリアル」

 

『観念しなさ…ゆかりさん、横です!』

 

「っ!?」

 

 

 きりたんの声に、咄嗟に防御態勢を取るとメタルシャフトの様な鉄棒で殴り飛ばされ、防御していたにも関わらずとんでもない衝撃に引っくり返る。見れば、そこには肩に鉄棒をかけた、腰に大きなウェストポーチを付けた黒いズボンと灰色のブーツに、上半身は灰色のタンクトップのみを身に付けたあかりを幼くしたような容姿で凶悪な笑みを浮かべた少女がいた。彼女がブロッサ…あかりの妹…!?

 

 

「会いたかったの、仮面ライダー!私と戦うの!さあ!さあ!」

 

「くっ…!?」

 

 

 手にした鉄棒を突き、薙ぎ、払い、次々とダブルの生体アーマーに打撃を叩き込んでくるブロッサ。一撃一撃が、重い。打たれた箇所が痺れる。強い…!

 

 

「この、いい加減にしなさい!」

 

「わきゃあ!?」

 

「あっ、しまっ…」

 

 

 思わず両手で鉄棒を受け止めて、工場の壁に向けて投げつけてしまう。資材の山に激突して見えなくなるブロッサ。不味い、やりすぎた…!?

 

 

「あははは、中々やるなの、仮面ライダー!」

 

「…なんで、そんな状態で笑えるんですか…」

 

「死ななきゃ儲けもんなの!」

 

 

 頭から血を流し、右肩が脱臼し左足が変な方向に曲がりながらも立ち上がり豪快に笑うブロッサに、思わず恐怖する。そのまま左手で右肩をはめ直し、左足を無理やり元の位置に戻すと、ポーチに手を突っ込んで拳大の包みを取り出したかと思えば包みを開けてハンバーガーを出すと口を大きく開けて二口で頬張るブロッサ。もぐもぐしているとまるで逆戻りするかのように足が元に戻り、血も止まってしまった。

 

 

「ごちそうさまでしたー!」

 

「…あかりの腹ペコの理由が分かった気がします」

 

「…ん?ついに見つけたの!私のメモリー!」

 

『なっ…!?』

 

 

 すると資材の中に落ちていたのか、Mのイニシャルの入った銀色のメモリ…メタルメモリを手に取り喜ぶブロッサ。最悪だ、キリエさんが回収する前にここにあると言うメモリを取られてしまった。

 

 

《メタル!》

 

「おおー!力がみなぎるのー!」

 

 

 すると起動したメモリを放り投げ、タンクトップを脱いでスポーツブラ姿になったブロッサの背中にメモリが吸い込まれていくと、銀色の体色をした金属質の身体をしている大男の様なメタル・ドーパントに変貌。手にしたダンベルに刃がついたようなクローで何度も斬撃を受け、トリガーストームボムのダメージから回復したらしいヒート・ドーパントの炎を纏った蹴りも受けて蹴り飛ばされる。

 

 

「があ!?」

 

「どうだい?俺の作ったCLEARの形状記憶遺伝子は」

 

 

 するといつの間にか、転がった私達の先にルナ・ドーパントがいて。触腕で締め上げて持ち上げられる。くそっ、メモリチェンジができない…!

 

 

「初めまして。俺はアベルーニ。COEFONTの生みの親さ」

 

「貴方が、あんな狂った物を…!」

 

「狂っているとは人聞きが悪い。あれは全て、願いの結晶さ。東北記理子の居場所を吐いてもらおうか。ああ、そうそう。東北記理子の出来損ないは今頃ウララが押さえているはずさ」

 

「ぐう!?」

 

 

 ルナ・ドーパントに締め上げられ、ヒート・ドーパントとメタル・ドーパントに囲まれる。キリエさんも捕まったらしい。絶体絶命だ。どうすれば……すると次の瞬間、斬撃が襲ってルナ・ドーパントの腕が斬り裂かれて私達は解放される。

 

 

「やらせはしませんよ」

 

 

 そこに現れたのは、思いがけない援軍だった。




アベルーニ/ルナ・ドーパントとブロッサ/メタル・ドーパント参戦。どちらも曲者です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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