ボイロ探偵W   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。原作でもこうだったらよかったなシリーズ。楽しんでいただけると幸いです。


第六十八話:AtoZフォーエバー/本物の悪魔

「あなたは…」

 

「水都を脅かそうとする存在、許しません!」

 

 

 ルナ・ドーパントの触腕を斬り裂いて解放してくれたのは、鮫を模した騎士の様なドーパント、シャーク・ドーパント。東北星香さんだ。

 

 

「邪魔するななの!」

 

「そいつは僕らの台詞なのだ!」

 

 

 シャーク・ドーパントに怒って襲いかかるメタル・ドーパントの目の前に着地し鉄棒を握って受け止めたのは、筋骨隆々の巨人。エクスタシー・ドーパント…東北蛇門。まさか、まさか?

 

 

「排除する…!?」

 

「させない…!」

 

 

 すると高所に陣取ってたらしいトリガー・ドーパント…ウララの声が聞こえたと思えば、空中で弾丸に矢が激突して爆ぜた。見れば倉庫の屋根の上にアルテミス・ドーパント…東北純子さんが弓を構えて佇んでいた。

 

 

「ミュージアムの幹部…!?仮面ライダーを倒すまでは邪魔しない筈なんじゃないんですか、アベルーニ!」

 

「そのはずなんだが…」

 

「薄汚い亡霊共が立ち入っていい街ではないのですわ」

 

 

 困惑していたヒート・ドーパントとルナ・ドーパントが、突如伸びてきた九つの尻尾に締め上げられて持ち上げられる。その尻尾の伸びてきた方向から地面を揺らしながらやってきたのは、目を釘付けになるほどの美貌の怪物。ナインテイルフォックス・ドーパント…東北至子。倒したホワイトアウト以外のミュージアムの幹部と首魁が勢ぞろいだ。幹部三人が私たちを守る様に並び立ち、その前方で率いる様にナインテイルフォックス・ドーパントが立つ。

 

 

「仮面ライダー。この亡霊共の始末はこちらが受け持ちますわ。大事な水都に手を出すなど許せませんので」

 

「誰が任せてたまりますか。T2メモリを奪って貴方の目的の糧にしたいだけでしょう、貴方にとって水都はどうでもいいはずだ!東北外道(ソトミチ)!」

 

「なんだ。わかってるじゃないですの。引っ込んでおきなさいな」

 

 

 そう言って刃物を展開した九本の尻尾を伸ばし、丁寧に幹部陣や私達を避けながらCOEFONTに攻撃、同時にヒート・ルナ・メタル・トリガーのドーパントを切り刻み、圧倒するナインテイルフォックス・ドーパント。私たち相手の時は遊んでいたと確信したぐらいに、あまりにも圧倒的すぎる。

 

 

「こいつは大物が出てきたな……だが対策していないと思わないことだ、ミュージアム」

 

 

 するとルナ・ドーパントの変身を解いて、取り出したタブレットの様な端末に何やら打ち込んで不敵な笑みを浮かべるアベルーニ。すると圧倒されるだけだった他三体の動きが変わる。トリガー・ドーパントの弾丸が次々と刃を撃って弾き飛ばし、ヒート・ドーパントの炎を纏った蹴りが蹴り飛ばし、メタル・ドーパントの鉄棒が尻尾を巻き取るようにして殴り飛ばす。あの動きに、対応してきた…!?

 

 

「脳のリソースを動体視力に回した。自我すらなくなっただろうが、一時的なものだ。対応できない動きなら演算全てを宛がって、見てから対応すればいい。まあ俺はできないんだけどね」

 

「ぐっ、私の演算能力を超えてくるなど面倒な…!」

 

「至子さま!」

 

「加勢するのだ!」

 

「助太刀します!」

 

「「「…」」」

 

 

 ヒート・ドーパントに守ってもらいながら首を竦めるアベルーニに妙に引っかかる悪態を吐くナインテイルフォックス・ドーパントに加勢する様に、シャーク・エクスタシー・アルテミスがそれぞれメタル・ヒート・トリガーを攻撃するもそれすら対応している。つまり今、CLEARの三人は自我を失う代わりにナインテイルフォックス・ドーパントの強大な力に対抗する術を得たと…?あの終始楽しげだったブロッサすら黙々と機械的に対処している姿は不気味にも程がある。クローンとはいえ、人を何だと思っているんだあのマッドサイエンティスト…!

 

 

『ゆかりさん、何はともあれ今です!キリエ・T・ノーマンを助けるなら今しかありません!思うところはあるでしょうが、ここは潰し合わせた方が得策です!』

 

「…そうですね、行きましょう」

 

 

 星香さんは水都好きの同士みたいなものだが、きりたんの言う通り潰し合いさせた方が得だしキリエさんも助けなければならない。こっそりとその場を移動しようとするが、金色の触腕に阻まれる。アベルーニが再変身したらしいルナ・ドーパントだ。

 

 

「おっと、キリエも出来そこないとはいえ運命の子。今回の計画には必要だ、アリアルは裏切られた怒りから殺そうとしてたけどね。東北記理子の居場所も吐いてくれると嬉しいのだけど」

 

「誰が…!」

 

「俺が言うのもなんだけど、ファング以外勝ち目ないと思うよ?」

 

 

 そう言って伸ばしてくる触腕に拳を叩き込むが、まるでゴムを殴ったかの様に跳ね返る。チョップもキックも跳ね返り、四方八方から伸びてくる触腕のラッシュで叩きのめされる。強い…CLEARの様な異常性はないのに…!

 

 

「物事は計算さ。ルナの幻想的な力と俺の頭脳は相性がいいらしくてね。あのナインテイルフォックス・ドーパントには負けるけどね」

 

「ぐっ…!」

 

 

 そのまま他のメモリを手に取ろうとした腕を弾かれ、そのまま再び拘束され、コンクリートの地面に頭から叩きつけられて変身が解除される。不味い、意識が……。

 

 

「結月ゆかり。君の遺伝子は優秀だ。CLEAR量産のためにもぜひとも解剖したいな…!」

 

「この、変態ですか……ぐああああっ!?」

 

「結月ゆかり!」

 

 

 触腕で締め上げられ、無理やり意識が覚醒されて悲鳴が漏れる。それでシャーク・ドーパント…星香さんがこちらに気付いたようだが、メタル・ドーパントに邪魔されて来れないらしい。

 

 

「ウララも喜ぶ。彼女がオリジナルになる日も近いぞ…!」

 

「くっ…」

 

 

 その時だった。空から超高速で何かが飛来、私を捕らえている触腕を斬り裂いて解放するとそれ…エクストリームメモリから粒子化されたきりたんが実体化、私に手を差し伸べてきたのでそれを手に取り立ち上がる。

 

 

「まったく、奴等が狙っていると言うのに貴方って言う子は…」

 

「ゆかりさんを失ったら意味がありません。全員倒して、切り抜ける」

 

《ファング!》

 

「それしかありませんね」

 

《ジョーカー!》

 

 

 その手に変形しながら飛び乗ったファングメモリが握られ、私もジョーカーメモリを鳴らして二人の腕でWを描く様に構える。

 

 

「「変身!」」

 

《ファング!ジョーカー!》

 

《アームファング》

 

 

 そしてきりたんがファングジョーカーに変身、アームセイバーを展開して伸びてくる触腕を斬り裂きながら突撃、獣の様に飛びかかってその肩にアームファングを突き刺し、胴体を蹴って宙返りして着地するとルナ・ドーパントは肩口から火花を散らしながらフラフラと後退する。

 

 

「ぐああああ!?」

 

「貴方の言う通り、ファングジョーカーが一番相性がいいようですね!」

 

《ショルダーファング》

 

 

 不意打ちでもしようとしたのか横から伸びてくる触腕に野生の勘で気付き、ショルダーセイバーで斬り裂きながら投擲するきりたん。幾重にも計算された複雑なゴムの様に反動で蜘蛛の巣の様な軌道を描く変幻自在な触腕を斬り捨てるショルダーセイバーに守られながら姿勢を低くして突撃、ミドルキックを叩き込んでルナ・ドーパントを蹴り飛ばす。

 

 

《ジョーカー!マキシマムドライブ》

 

「『ファングバイシクル!』」

 

 

 そして左足に紫色のエネルギーを溜め、クルクルクルと回転してきたショルダーセイバーをオーバーヘッドキック。紫色の炎を纏わせてルナ・ドーパント目掛けて蹴り飛ばし、胴体を貫いて爆散させた。

 

 

「これが、ダブルの力……計算を間違えた……」

 

 

 ルナメモリが排出されながら崩れ落ちるアベルーニを尻目に、トリガー・ドーパントがいた方向にキリエさんを捜すべく跳躍する私達。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ロケット!マキシマムドライブ!》

 

「『ぐああああ!?』」

 

 

 次の瞬間、炎を噴いて飛んで来たミサイルか何かに撃墜され、工場内に落ちる私達。その入り口から現れたのは、白い体に黄色い複眼、黒いマントの仮面ライダーを名乗る悪魔。

 

 

「よう。私の兄が世話になったようだね?」

 

「アリアル…」

 

「仮面ライダーエターナルと呼んでくれ」

 

 

 アリアル…仮面ライダーエターナル。その手にZのメモリを取り出してベルトのマキシマムスロットに装填する。

 

 

《ゾーン!マキシマムドライブ!》

 

「そうだ、受け取れ。迷子のお届けだ」

 

「ついなさん!?」

 

『リリィ!?』

 

 

 そう言ってエターナルが持ってたらしいZ…ゾーンのマキシマムドライブで目の前に飛ばされてきたのは、ボロボロのついなさんとリリィ。歩歌路町方面のメモリを回収していたはず…。

 

 

「…悪い、ゆかり…きりたん。しくじったわ…」

 

「メモリは手に入れたんだが、それを拠点に置いてこっちに向かっているときに出くわして…気を付けろ、ホワイトアウトより強いぞ」

 

《アームファング》

 

 

 意識をなんとか保ちながらそう言ってくる二人を守る様にアームセイバーを展開して構えると、エターナルは驚きのことをしてきた。なんと、変身を解いたのだ。

 

 

「…なんのつもりですか?」

 

「エターナルを使うまでもないということさ。ナイフ一本で十分だ」

 

「後悔しないでくださいよ…ゆかりさん、相手は不死身のゾンビです。生身だろうと…」

 

『ええ、覚悟はできてます…!』

 

「ゾンビとはいただけないな。ネクロオーバー、NEVERと呼んでくれ」

 

 

 先手必勝と言わんばかりに野獣のような動きで斬りかかる私達。しかしアームセイバーの一撃をナイフを振り上げて弾き飛ばし、左手による拳もナイフを投げて左手に持ち替えた右手で受け止められ、引っ張られて膝蹴りを叩き込まれる。

 

 

「がっ!?…このお!」

 

「死神のパーティータイムだ」

 

 

 アームセイバーを振り回すが、全てナイフ一本で捌かれていく。右手と左手を巧みに持ち替え、ファングジョーカーの斬撃をすました顔で斬り弾いて行くアリアルの掌底を受けてよろめいて後退する。

 

 

『そんな、手も足も出ない…!』

 

「そんなことがあってたまるもんか…!」

 

《ファング!マキシマムドライブ!》

 

 

 焦りで闘争本能が刺激されているらしいきりたんが右手で荒々しくタクティカルホーンを三回弾き、跳躍して回転しながら急降下する。合わせるしかないか…!

 

 

「『ファングストライザー!』」

 

《エターナル!》

 

 

 直撃。しかし次の瞬間大きく弾かれて吹き飛ばされる私達。直前に変身したのは分かったが、なにが…?

 

 

《クイーン!マキシマムドライブ!》

 

「惜しかったな。もう少しでその牙が届いたかもしれなかったが、女王の守りは砕けない」

 

 

 …クイーンメモリのマキシマムドライブで守っていたのか。反則だそれは…。

 

 

「さあ、地獄を楽しみな」




ミュージアム参戦。原作でも共闘してほしかったなって。そしてルナ・ドーパントはファングジョーカーで倒してほしいと思ったんですよねって。いやまあキャラ全然違うとはいえ彼に倒されるのが流れとしてはよかったのでしょうが。

本物の悪魔が今回だけで三人いるっていうね。ナインテイルフォックスの秘密も地味に暴露していくスタイル。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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