サイクロンファング・ドーパントとジョーカーたちが対峙していた頃。水都タワー前公園では激闘が繰り広げられていた。
「はっはっはっは!ダブルに負けた時と同じだと思うなよ!」
両腕に灼熱の炎を纏い、さらに両腕を縦横無尽に伸ばしてとんでもない範囲を一斉に攻撃するヒートルナ・ドーパント。ついなは炎を纏った腕をエンジンブレードで斬り弾きながら突進、突きを喰らわせるが炎の壁に阻まれ弾かれてしまう。
「ガンナーA!」
「無駄だ。そうだな、こいつとかどうだ?」
ゆかりたちの置いて行ったハードボイルダーに搭乗し、さらにガンナーAを呼び出してハードガンナーにしたついなは砲撃を浴びせるが、金色の光を纏った腕を振るってヒートルナ・ドーパントが繰り出してきた巨大なタコの怪物に阻まれる。
「なんや!?」
「ビッグ・オクトパス・ドーパント。君はその戦いに参戦してないから知らないのかな?」
「岳に化けてたっちゅうあのタコかいな!マスカレイド以外も出せるんか、厄介やな!」
「陽炎が如き灼熱の幻影に勝てるかな?」
背後に侍らせたビッグ・オクトパス・ドーパントの触手を向かわせるヒートルナ・ドーパントに、ついなはハードガンナーの上でエンジンブレードを構えた。
「ちい!」
一方、メタルトリガー・ドーパントの鉄のスティック二本による攻撃を、頑丈な身体で受け止め押し返していくリリィ。
「ヒート以外は使いにくい…!」
すると後退してスティックの一本を伸ばし、もう一本を変形させてL字にすると伸ばしたもう一本と合体。簡単な構造のライフル銃にすると構え、弾丸を乱射する。
「くそっ!」
近くの木に隠れて耐え凌ぐリリィだったがぶち抜かれ、できた大穴に冷や汗を流すと別の木まで駆け抜ける。
「逃がすか!」
そう言って左手を振るうメタルトリガー・ドーパントの手から複数の鉄のスティックが発射。それは放物線を描いて地面に突き刺さり鉄棒の壁を作り上げると、弾丸を撃ってそれに跳弾。背後から肩を撃ち抜かれるリリィ。
「ぐっ…こっちだ!」
次々と隠れる木を変えて行くリリィ目掛けて、鉄の壁を次々と作り上げながら弾丸を連射するメタルトリガー・ドーパント。しかしいつの間にかリリィを見失い、ライフル銃を元の鉄のスティック二本に戻すと辺りを見渡しメタルトリガー・ドーパントは警戒する。
「残念、上だよ!」
「ぐっ、あっ…!?」
すると木に登って上を跳躍して回り込んできたリリィに上空から飛びかかられて長い脚で首を締め上げられるメタルトリガー・ドーパントは、そのまま回転したリリィに投げ飛ばされて地面を転がった。
「リリィ金堂、お前…!」
「いいね。借りるぞこの武器」
転がった鉄のスティック二本を手に取り構えるリリィに、メタルトリガー・ドーパントもジャキン!と鉄のスティック二本を取り出して構え、二人は甲高い金属音を立ててぶつかるのだった。
「これで君もまごう事なき怪物だ。一緒に堕ちようじゃないか、東北記理子」
「ウォオオオンンッ!!」
「くっ……」
きりたんが変貌したサイクロンファング・ドーパントから竜巻の如く牙の様な風の斬撃がばら撒かれる。器用にもエクスビッカーやアリアルに当たらなかったそれは私とルクスには炸裂、私は火花を散らして吹き飛ばされる。
「くっ……つまりきりたんの意思が戻ってくればいいんでしょう?あかり、こいつの相手は私に任せてあのエクスビッカーを破壊してください!」
「わ、わかりました!」
風の刃を受けてもビクともしてなかったルクスが突き進み引き抜いたメタルシャフトを振り上げるが、それはエクスビッカーからメモリを一本引き抜いたアリアルの手で止められる。
「やあ、痛いなあ。同じ運命的に科学から生まれた怪物同士じゃないか私達は。それに今は同じ仮面ライダーだ。仲良くしようじゃないか、あかり」
「同じじゃありません、仮面ライダーはこの街の希望なんです!戦争屋の貴方が名乗っていい名前じゃありません!」
「傷付くな。私はこの街の新たな希望だ。間違ってないさ…変身」
《エターナル!》
アリアルが変身したエターナルの拳を受けて怯んで後退するルクス。さらにサイクロンファング・ドーパントの放った風の牙が襲いくるも、それはルクスの頑強な装甲とエターナルのマントで弾かれる。羨ましいなこの野郎!こちとら身一つで受け止めてるってのに。ルクスの方も一人でエターナルを相手するにはきつそうだ。
「止まって!止まってください、きりたん!」
「ウォオオオオオオオオンッ!!」
サイクロンとファング、二つのメモリの力に振り回され暴走するサイクロンファング・ドーパント。きりたんの意識が無いとしても、少しは残っている可能性もある。しかし全身に生えた牙による斬撃を連続で受け、風の牙を纏った回し蹴りを受けて蹴り飛ばされる。
「こうなったら無理にでも止めます!」
《ジョーカー!マキシマムドライブ!》
「ライダーパンチ…!」
腰のマキシマムスロットにメモリを装填。紫色の炎を右拳に灯して殴りかかるも、サイクロンファング・ドーパントは自身の身体から疾風の牙を竜巻の如く放出して弾き飛ばされる。とてつもない風圧で近づくことすらままならない…!
《ゾーン!マキシマムドライブ!》
《アクセル!マキシマムドライブ!》
「君の防御力は厄介だからね」
「ぐっ、あああっ!?」
ZとAのメモリを引き抜いたエターナルが、腰とナイフのマキシマムスロットに装填。ルクスの死角に瞬間移動しながら高速で斬撃を叩き込むと言う攻撃を繰り出し、防御力があるルクスでもその速さの衝撃に吹き飛ばされる。防御力があってもあれは不味い。
「きりたんとキリエさんをこんな目に遭わせて…なにが目的なんですか!?」
「データ人間とそのできそこない。彼女たち二人が揃えばエクスビッカーの補助回路として機能し、26のT2ガイアメモリの力を完全に引き出して水都の人間全てをNEVERに変える…!それが私の悲願だ。さっさとメモリを引き渡してくれないかな、仮面ライダー!」
《ユニコーン!マキシマムドライブ!》
「があああああっ!?」
そして己の目的を語ったエターナルは、それにルクスが怯んだ隙を突いて腰のマミシマムスロットにメモリを装填。ドリル状のエネルギーを纏った拳でルクスの装甲を貫き、殴り飛ばして変身解除させる。そんな…!
「くっ…!」
サイクロンファング・ドーパントを蹴り飛ばして距離を取ると、エターナルに殴りかかる。しかしマントの裾を持ったその手で拳を全て受け流され、バサッとマントを広げたエターナルの拳を逆に受けて後退、さらに首を掴み上げられて床に叩きつけられ、勢いよく壁に投げつけられて叩きつけられ床に転がる。身体能力を上げるジョーカーでも、敵わないなんて…!?
「T2を使ったところで私との差は埋まらない。エターナルは全てのメモリの王だ。それに、素人格闘技と訓練で培った戦闘技術を一緒にするな」
《クイーン!マキシマムドライブ!》
「エクスビッカーは私が守るから全力を出せサイクロンファング・ドーパント。私の猟犬としてかつての相棒に引導を渡してやれ」
「不味い…!?」
メタルメモリとエクストリームメモリを拾いながら引き抜いたQのメモリを腰のマキシマムスロットに装填し、ドーム状のバリアを張りながら言うエターナルに、私は変身が解除されて転がっているあかりを庇うと同時、風が爆発した。
「ウォオオオオオオオオオンッッッッ!!」
周囲の空気を吸い込んで、それの全てを牙に変換したサイクロンファング・ドーパントが爆発でもしたかのように一斉放出。水都タワーの壁の一角を吹き飛ばした。私はあかりを庇うように全身を切り刻まれ、崩れ落ちて変身が解除される。コツコツと靴音を立ててやってきて、ジョーカーメモリを拾い上げるエターナル。クイーンの防御でエクスビッカーごと無事だったらしい。
「ご苦労。お前はもう用済みだ」
《ジョーカー!マキシマムドライブ!》
そのまま腰のマキシマムスロットに装填、右足に紫の炎を灯して跳躍し、飛び蹴りを叩き込んで容赦なくサイクロンファング・ドーパントを蹴り飛ばすエターナル。たまらずサイクロンファング・ドーパントの変身が解けて、ズタボロのきりたんの身体とメモリが二本、転がった。
「AtoZ…26本全てのメモリが揃った。始めるぞ」
そう言って容赦なくメモリと共にぐったりとしているきりたんの身体を掴み上げ、エクスビッカーの椅子に無理やり座らせると器具を取り付けて行くとZのメモリをエクスビッカーのマキシマムスロットの一番端っこに装填した。
《ゾーン!マキシマムドライブ!》
「今度は起動だけじゃない。先に起動しておいたエクスビッカー内でこの二人の精神を用いてプログラムを組み立てて置いた。安心しろ、一瞬で終わる。結月ゆかり、紲星あかり。お前たちもNEVERになれたら歓迎しよう、我が楽園に…!」
するとエターナルの変身も解け、その手に握られたメモリたちが空を舞い、次々とエクスビッカーに装填されていく。こんな、こんなことで全てが終わるんですか……
生身でドーパントと張り合っている人たちがいるらしい。エターナルとサイクロンファングを前にゆかりとあかり、敗北。ついにT2メモリが揃い…?
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。