《アクセル!》《バード!》《サイクロン!》《ダミー!》《エターナル!》《ファング!》《ジーン!》《ヒート!》《アイスエイジ!》《ジョーカー!》《キー!》《ルナ!》《メタル!》《ナスカ!》《オーシャン!》《パペティアー!》《クイーン!》《ロケット!》《スカル!》《トリガー!》《ユニコーン!》《バイオレンス!》《ウェザー!》《イエスタデイ!》《エクストリーム!》《ゾーン!》
《マキシマムドライブ!!!!!!!!!!!》
ゾーンメモリのマキシマムドライブで呼び出された、エターナルに所有権が移った全てのT2メモリが次々とエクスビッカーに装填されていき、きりたんとキリエさんが悶え苦しむ地獄の様な光景を見ていることしかできない私とあかり。
「ぐうう、ああぁああああっ!?」
「うあああああああっ!?」
「きりたん!」
「キリエさん!」
二人の悲鳴と共に、エクスビッカーから緑色の光線が頭上に向けて放たれる。その先は…水都タワーの巨大風車。あれを発射台に…!?するとアリアルはカメラを自身に向けて機械を操作し、中継を再開した。
「水都の諸君、朗報だ。これから緑色の光が街に降り注ぐ。それを受けた諸君らは、死ぬ」
己の首にナイフの切っ先を向けてかき切るショッキングな光景を中継するアリアル。すぐさま治って行く様はお茶の間には到底見せられないグロい光景だ。
「だが安心しろ。エクスビッカーの光が、諸君らの肉体を変質させて、この私と同じ不死身の怪物に変えてくれるだろう。もっとも、適合しなければそのままあの世行きだがな?生き残りたければ神にでも祈れ!生き残った暁には我が仲間として迎えよう。さあ市民諸君、地獄を楽しみな!」
それはまさしく死刑宣告。アリアルは嗤っていた。そのまま中継を切ると、狂ったように機械を操作していく。
「ははははははっ!感じる、感じるぞ!心が無い私にもわかる!この昂揚感!いい気分だ!もう私は孤独じゃない!怪物は私だけじゃない!みんな私と同じ、生ける死者になれ!」
「くっ…やめなさい!」
「うあああああっ!」
隙だらけなアリアルに、あかりと共に飛びかかる。エターナルじゃない今のアリアルなら勝機があるかもしれない。しかしアリアルはナイフを逆手に持ち替えると刃の峰で私の脇腹に一撃、両腕を振り回すあかりの襟元を掴むと持ち上げ、背後に向けて投げつけられて柱に背中からぶつかりダウンするあかり。
「があっ…」
「まさか実力の差がメモリの違いだけだと思っていたのかい?」
そのままアリアルはその小柄な体で胴廻し回転蹴りを繰り出し、踵が私の側頭部に炸裂。ふらついた私に、さらに右の掌底を鳩尾に叩き込まれ、激痛に悶えた私の顎をサマーソルトキックで捉えて蹴り飛ばすアリアル。なすすべもなく私は壁に叩きつけられ、崩れ落ちた。
「ゆかりさん!?」
「ぐ、う…」
「安心しろ、痛みに悶えるのは少しの間だけだ。NEVERになるか死ぬかの神のみぞ知る答えの時間がすぐにやってくる」
待ちきれないとと言わんばかりに喜悦に歪んだ下手くそな笑顔を浮かべるアリアル。終わりの時は近い。
一方其の頃、東北家では帰還し傷の手当てをしていた幹部の面々が放送を目に当たりにしてお通夜もかくやという空気だった。
「…最悪ですわ。こんなところで我が野望が……そんなギャンブルに等しい方法で不死身になど、それもゾンビのようになどなりたくありませんわ。神に祈るしかないというのですか」
ミュージアムの首魁が好き勝手言っているが水都市民全員の代弁だった。奇しくも別の悪意が水都最大の悪意の目的をくじくとはなんたる皮肉だろうか。
同時刻。緑色に輝く水都タワーを一望できる水都総合病院の屋上に集まった民衆の中で、T2メモリでドーパントにされここに運び込まれていた琴葉葵と琴葉茜の双子が寄り添って様子を見守っていた。
「お姉ちゃん…私、怖いけど…お姉ちゃんだけは守るから…」
「うちがついてるから大丈夫やで葵…って言えたらよかったんやけどな。ゆかりみたいにはいかへんわ。なにしてるんやゆかり、このままじゃ…水都、全滅や」
計器を見守るアリアルは、その数値が目的に達したのを確認して右手を振り上げた。あの手が振り下ろされる時、水都は終わる。だけど駄目だ、痛めつけられた体は、動かない…。
「――――充填完了。発射だ」
「やめろぉおおおおおおおお!」
せめて声だけでも叫んで止めようと試みるが虚しく、ボタンを押したアリアルだったが、その瞬間。突如エクスビッカーがギュゥウウウン!と凄まじい音を立てて停止した。カチカチカチ、ダンダンダン!と強めにボタンを連打するアリアルだが、エクスビッカーが停止したことに気付いたのか視線を向ける。
「なんだ?何が起きた?」
「ぐう……完全に制御しようと二人にしたのは、失敗でしたねえ…!」
そう言って苦しげにしながらも不敵に笑うのはエクスビッカーに繋がれたきりたん。その後ろでは、キリエさんも踏ん張っていた。
「アリアル・ボルコフ…お前に……水都を滅ぼさせたりさせません!」
「私だって、東北記理子だ…!」
「まさか、お前たち……発射プログラムを書き換えているのか!?」
アリアルの言が正しければ、生体制御システムにされていたきりたんとキリエさんが力を合わせてエクスビッカーのプログラムを逆に書き換えてエネルギーの発射を食い止めているらしい。……相棒が、依頼人が頑張ってるんだ。私も、寝てなんていられない…!
「待っていてくださいゆかりさん!今、エクスビッカーに繋がっているエターナルメモリの力を壊せば…!」
「また、あなた達の…仮面ライダーのガイアメモリが使える!」
「させるかあ!」
さらに起死回生の策に出ようとするきりたんとキリエさんに、ナイフ片手に襲いかかるアリアルの前に、私と…同じく奮起したあかりが立ち塞がる。
「それはこっちの台詞です!」
「二人には近づかせません…!」
「私の邪魔をするな!」
今までになく激昂したアリアルの猛攻を、あかりが自らの二の腕にナイフを刺させることで受け止め奪い取り、そこに私のミドルキックが炸裂。あまりのことに驚愕するアリアルの胸部に直撃、蹴り飛ばす。
「なっ…あかり!?バカなのか君は!?」
「何を驚いているんですか、私を同じバケモノだと言ったのはアリアル、貴女だ!」
「あかりはバケモノなんかじゃありませんけどね。仲間のために自らの体を張れる…立派な探偵です!」
「「うおぉおおおおおっ!」」
その間にもきりたんとキリエさんの雄叫びが起こり、次の瞬間バチバチと火花を散らして飛び散るT2メモリたち。咄嗟に私はきりたんに駆け寄り拘束を外しつつ、ジョーカーメモリを取り出してボタンを押してみた。
《ジョーカー!》
「……どうやら切札が私の手元に戻って来たようですね」
「だからどうした。君達が私に勝てる道理はない。失敗した時のプランもちゃんと考えてある…!」
エターナルメモリとゾーンメモリを拾い上げながら睨み付けてくるアリアル。
「仮面ライダー。君たちは、大事な街のピンチに駆けつけないハードボイルドではないだろ?」
同時刻、水都タワーの下では、なんとかビッグ・オクトパスを倒したもののハードガンナーから投げ出されたついなが異変に気付いてアクセルドライバーを腰に装着、ヒートルナ・ドーパントと相対、手にしたアクセルメモリを鳴らしていた。
《アクセル!》
「どうやら仲間がやってくれたようやな。さあ思いっきり、振り切るで。変…身!」
《アクセル!》
そしてアクセルに変身、放たれた炎の触手をエンジンブレードで薙ぎ払うと、ヒートルナ・ドーパントは片腕でアクセルと斬り結びながら裾の長い袖の様な手を顎にやり考える。
「ふむ。これは想定外だが想定内だ。仮面ライダー、君達には明確な弱点がある」
「ほう、言ってみい。それはなんや?」
「ヒーローである故に、人々を守らなきゃならないということさ。ふん!」
アクセルを大きく弾くと、ヒートルナ・ドーパントは両腕を長く長く伸ばしてそれを頭上で回転。まるで炎の竜巻のようになったそれから、次々と異形が現れ水都中に飛び散ってていく。それは、ビッグ・オクトパスを出したのと同じ、ルナメモリの能力で生み出した実体を持つ幻影だった。ホーク、マッド、シャーク、ダンデライオン、エルドラド、ギロチン、ジャックザリッパー、バステト、イレイザー、フレンジー、サーカス、スコーピオン、ウェブ、タンク、パキファケロサウルス、スピノサウルス、ラプトル、オクトパス、フェアリーテイル、トゥース、ブリュンヒルデ、フレア、プロミネンス、プリズナー、さらにはT2メモリのドーパント達まで。それも一体ずつではなく複数もだ。
「なんやと…!?」
「俺なんかを構っている暇があったら行った方がいい。街に被害が及ぶぞ」
そう言って行くことを促すヒートルナ・ドーパントだったがアクセルはその場を動かず、エンジンブレードを手に斬りかかって来てヒートルナ・ドーパントは慌てて受け止める。
「なんのつもりだ!?街が滅ぶぞ!?」
「お前が出どころやろ。お前を倒したら全部消える、違うか?」
「…違わないね!薄情な奴だ!」
炎の鞭と化した両腕を振るい、アクセルのエンジンブレードと斬り結ぶヒートルナ・ドーパントだったがしかし、アクセルは仮面の下で不敵に笑んだ。
「それになあ。…これまで各地で鬼どもを退治してきたうちから言わせりゃ、仮面ライダーはうちらだけやないんやで」
「…なんだと?」
同時刻、歩色町と外の町を繋ぐ道で、ちょうど落ちてきて暴れているホーク、マッド、ギロチン、ジャックザリッパー・ドーパントと相対しているバイクに乗った青年がいた。
「大変なことが起きてると聞いて来て見たら予想以上だな。妖怪じゃないみたいだが…人でもないな。これ以上、被害は出させない」
《ゴクオードライバー!》《ラセツ!》
青年はバイクから降りるとゴクオードライバーと言う名のバックルと、アヤカシバレットと言う名の掌大の弾丸型アイテムを取り出すと、アヤカシバレットをゴクオードライバーから展開されたマガジンに装填、荘厳な待機音声が鳴り響いて赤と黒のエネルギーが円柱型に現れて男を取り囲む。
同時刻、歩歌路町の商店街でも、赤・橙・黄・緑・水色・青・紫のメッシュを入れた純白の髪を持ち眼鏡をかけた性別不詳の人物が、イレイザー、タンク、フェアリーテイル、オクトパス・ドーパントが暴れる中に訪れていた。
「酷い有様だ……この街の光景は美しいものであるはずなのに、君達はそれを
『COLORS DRIVER!』『WHITE!』
「始まり。全てはここから……万能の白」
『CHOICE the COLOR?』
その人物はカラーズドライバーと言う名のバックルを腰に取りつけると、取り出したリライントペンと言う名の白いクレヨン型アイテムのスイッチを押し込み、カラーズドライバーに装填。
水都とは異なる街の守護者が二人、別の場所ながら全く同じタイミングでそれぞれ構えを取り、その言葉を唱えた。
「「変身!」」
《ジゴク・レンゴク・ヘンゴク!》
《ゴクオー・ラセツ!!》
「――俺は、獄王。仮面ライダー獄王。お前たちを地獄へ送る者の名だ」
『CHANGE! COLORS of WHITE!』
「ボクの名は、仮面ライダーカラーズだ……!」
現れたるは対照的な二人の戦士だった。赤と黒色の鬼のような仮面ライダー…獄王と、白と虹色の絵具筆を模した仮面ライダー…カラーズ。
ある人は言った。彼等は人間の自由のために戦うんだと。無辜の人々が危機にさらされる時、仮面ライダーは必ず現れる。
というわけでヒートルナの脅威を前に特別ゲスト、いつもお世話になっているお二方のオリジナルライダーを使わせていただきました。アーニャ@オタクさんの「仮面ライダー獄王(ゴクオー)」から桜井カズキと、蒼ニ・スールさんの「仮面ライダーカラーズ」から染谷色希です。
きりたんが二人と言う利点から原作と異なり結構スムーズにエクスビッカーを打開。それでもかなり強いアリアルさん。原作と異なり分解酵素無しです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。