Fate/lost mythology   作:トッポ(チョコ無し)

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雁夜「胃が痛い…帰りたくない…でも、桜ちゃんを助けるんだ」





父と子

満月の夜

彼は間桐家に前に立っていた

 

間桐雁夜(まきりかりや)

 

それが彼の名前だ。

彼は間桐の家も名も、魔術も嫌いだった。

だから11年前に出奔し、それ以来フリージャーナリストとして海外を飛び回り一般人として生きてきた。

でも、1度ナニカに襲われてから少しは魔術を習った。

もう2度と冬木の土地を踏まないと決意していたが帰ってきてしまった。

それは初恋の人の子供、桜ちゃんが間桐の養子になったと風の噂で聞いたからだ。

あんな蟲倉に桜ちゃんを入れるとは!と帰っては来たものの、いざ敷地に入るとなると脚が動かなくなってしまいそうだ。

意を決して中に入る。

この肌を刺すような感覚。覆いたくなるような汚臭。帰ってきてしまったと少しの後悔し始めていた。

11年前によく居た書斎に向かう。

あれ?こんな大きな扉あったっけ?

そう思い扉を開くと同時にあの嫌な声が聞こえて来た。

 

「ーーその面。二度と儂の前に晒すでないと確かに申しつけたはずだがなあ」

 

見た目はそろそろ百歳に到達しそうなレベルの皺のある肌をしている禿げた老人。この間桐を支配している蟲妖怪の臓硯が居た。

 

「家出した息子が帰って来たんだ、喜ぶところだろう? ジジイ」

 

声が震えていないか心配になったが、このままの勢いで言い切ろう。

「相変わらず品の無い奴よな。して、何の用じゃ。儂は桜の教育で忙しいんじゃがのぅ」

「ぬかせよジジイ。どうせ兄貴にやらせているんだろう? ……まぁ、それは良い。今日はアンタの夢を叶えてやりに来たんだ。まぁ、タダじゃないがな」

「ほう?」

なにやら愉快そうな臓硯の顔を見て恐怖心が顔を覗かせるが、気合いで押さえ込み言い放った。

「今回の聖杯戦争に参加しないと聞いた。俺が参加して聖杯を取って来てやる。だから、桜ちゃんを解放しろ」

臓硯は嗤った。

「まだ始まってもいない聖杯戦争に早くも勝ったつもりでいるのか?主は聖杯戦争というものが如何なるものなのか、わかっていない。他の魔術師に追いつくどころか足元にも及ばぬというのに、桜を寄越せじゃと?あれの調整は子が生まれるまで続ける。60年後の聖杯戦争に賭けるつもりじゃ。」

やっぱりこうなったか

「俺はな。粘体のナニカに襲われてからな。多少魔術を習得しているんだよ。」

殺さないとわかっているが臓硯に炎を浴びせた。

「………何のつもりじゃ、雁夜」

責めるような口調で俺の背後に現れたのは無傷の臓硯。

「その炎は美味かったか?俺の実力は分かったか?」

とても嫌そうな顔をした臓硯は顔をして言う

「……良かろう。雁夜よ、桜の調整はこの聖杯戦争が終わってからにしよう。」

今ななんて言った?まだするつもりなのか

「ボケてるのかジジイ?俺は桜ちゃんを間桐から解放しろと言ったんだ。1言も延期しろとは言ってないぞ」

そう吐き捨てるように言うと臓硯は本当に驚いた顔になった。

ーー

半年間、桜ちゃんとの関係構築に頑張って来たおかげか俺に心を開いてくれた。ジジイにこの子の笑顔が壊されないように頑張らないと

その日の夜、左手の甲に血の痣の様な模様、令呪が浮かび上がった。

覗き見していた臓硯に呼び出され明日召喚する事になった。




臓硯「アツゥイ!アツゥイ!アァァァァ!」
再生
臓硯「ヤベェ。何だあの魔術は。気づかれぬ様に桜に寄生しておくか」
雁夜「桜ちゃん遊ぼうね」
臓硯「寄生できない…」
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