一撃必殺を夢に見て   作:だめねこ

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第10話

ふとしたことから幽霊に取り付かれた俺坂本銀次。

 

しかも、困ったことに幽霊の顔はクラスメートのアリサ・バニングスと同じ顔で同じ名前。

 

さて、どうしたことか?

 

「よし、ローウェル・・・で良いか」

 

『一つ屋根の下に暮らす事になったんだから苗字で呼ぶのは感心しないわ。名前で呼びなさい』

 

「と言ってもなァ~知り合いにお前さんと同じ名前が居るから区別しないと頭がこんがらがっちまうぜ」

 

『それは銀次の事情であって私には関係ないわ』

 

「全くもって気が強い幽霊だ。じゃあリサって呼ぶ事にする。これで妥協しなさい。」

 

アリサは俺が言った言葉を聴くと納得したのか表情を柔らかくした。

 

『まるで私が駄々を捏ねた子供みたいに言うんじゃないわよ!!!少なくとも私の方が年上よ。まー銀次にしては良いネーミングセンスだし、今回はそれで許してあげるわ。』

 

「毛も生えてないくせに年上ぶるのは関心しませんなぁ~」

 

『~~~~~!!』

 

顔を真っ赤にして動揺する金髪美少女はたまりませんなぁ~

 

「じゃあ俺はそろそろ寝るからお休み。」

 

『ちょっと銀次待ちなさいよ!!ようやく喋れる相手を見つけたのだから今日はオールよ』

 

その後は明け方までリサとおしゃべり・・・・

 

リサは幽霊だから大丈夫かもしれないが、今の俺はまごう事なき正真正銘の9歳児。眠くて眠くて叶わない。

 

小学校をサボれたらどんなに楽か・・・・まぁ、サボったら三人娘が家に押しかけてきそうだ。

それは非常にめんどくさいことこの上ない。

 

そんな事を考えつつ学校に向かう。

 

そして、告げられる現実

 

一時間目体育・二時間目体育

 

「マジかよ。眠れねーじゃん。」

 

俺の呟きを聞いていた三人娘が駆け寄る。

 

「銀次あんた授業をなんだと思っているわけ?」

 

「そうだよ。それに銀次君は運動得意なんだからやる気出そうよ」

 

「なのはもがんばるから銀次君もがんばるの」

 

「あーはいはい、わかりましたよーっと」

 

そういって俺は着替え始める。

 

「ちょっと銀次いきなり着替え始めるな!!!」

 

「それにしてもすごい身体だね。銀次君」

 

「銀次君傷だらけなの。それ痛くないの?」

 

三人が三人とも手で顔を隠しているが、指の隙間から覗いているのが丸分りである。

 

「お前らも速く着替えといた方が良いんじゃね?授業に遅れても知らんよ」

 

「う、そうだった。なのはすずか速く行くわよ。(それにしてもすごい身体しているじゃない)」

 

「そ、そうだね。じゃあまた後でね銀次君(もう少し見ていかったけど仕方ない)」

 

「あ~待ってよ。ありさちゃんすずかちゃん」

 

それだけ言って三人娘はクラスを出て行った。

 

『あらあら、銀次モテモテじゃない。少し焼けちゃうわね』

 

「(子供の身体を見て鼻血が出る事に俺は驚きだ。)」

 

『銀次の肉体がそれほど魅力的って事よ』

 

「(さいですか)」

 

 

 

そして、本日の体育は体力測定

 

行う種目は握力・50M走・長座体前屈・走り幅跳び・ソフトボール投げ

 

考えてみれば今世では自分が今どれほど出来るのか図った事が無かった。

 

クラスの男子達は女子には負けねーと叫んでいる。

 

その輪から外れている黒縁メガネ君はため息を吐いているが彼は運動が苦手なんだろう。

 

逆に女子を見てみるとアリサの目が血走っていて、すずかは鼻息荒く俺を見ている。

 

なのはちゃんは黒縁君と一緒のところに居る。

 

何かしらシンパシーでも感じたのだろう。

 

「次は岸本君」

 

「分りました。」

 

呼ばれて返事をしたのは黒縁君だった。

 

彼は心底だるそうに握力計を握る。

 

先生が測り終わったそれを見ると驚いて叫びだした。

 

「わ、岸本君右・左ともに握力60kgすごいじゃない」

 

「そんな大したこと無いですよ。(やべっ!!力入れすぎた)」

 

右・左共に握力60kgかやるな黒縁君

 

「じゃあ岸本君にみんな負けないように次は坂本君」

 

「はーい、よっと」

 

俺はそういって渡された握力計を全力で握った。

 

「さーて坂本君の握力は・・・・って嘘でしょ。メーター振り切ってる。最低でも100kg・・・おかしいわね壊れているのかしら?」

 

ちなみにすずかはそれを聞いて本気で握ったところ53kgだったとかで落ち込んでいた。

 

アリサは女子の平均より少し上で、なのはは右6kg・左4kg

 

続いて50M走は結果だけ言うと俺5秒ジャスト

 

すずかは7秒5、アリサは8秒6、なのは15秒4

 

その結果黒縁君から熱い視線を感じるようになったが些細なことだ。

 

そして、長座体前屈

 

一日三回ラジオ体操を行っている俺にとってはこの程度何の問題も無かった。

 

身長123cmに対して60cmというのがすごいのかどうかは分らない。

 

ただ、クラスの平均は29cmだったと明記しておく。

 

そして、走り幅跳び・・・・これは出ました新記録

 

走らず飛んだら砂場を余裕で越えてしまった。

 

それにはクラスの全員が驚いた。

 

そして最後のソフトボール投げ

 

「銀次君ソフトボール投げ勝負しない?」

 

「良いけど俺が勝ったら何するよ?」

 

「そうだね。私とデート出来るってのはどう?」

 

「う~ん、すずかとデートね~。あんまり興味ないからそうだね。勝者は敗者に一回だけなんでもお願い出来るにしない?もちろん俺はハンデ有りでいいぜ」

 

「乗ったよ!!!ちなみにハンデの内容は?」

 

「手首の力だけで投げる。これなら勝負になるでしょ?」

 

「ふふふ、銀次君本当にそれでいいんだね?」

 

「ああ、武士に二言は無い」

 

そうして、始まったソフトボール対決

 

校舎を正面に構えるすずか

 

勢いを付けて全力で投げた玉は校舎にまで届いた。

 

先生を含めまわりはポカーンと驚いている。

 

そりゃそうだ。ここから校舎まで約120mはある。

 

投げた張本人はドヤ顔を決めている。

 

「さあ、次は銀次君の番だよ。・・・・ふふふ、これで銀次君は私の物」

 

「まぁ勝負にすずかが勝ったらね。」

 

「いくら銀次君でも振りかぶる事が出来ない状態じゃあ私の記録は越せないよ。」

 

「じゃあ見せてやるよ。現実って奴をっな」

 

そして、俺はソフトボールが壊れない程度に握り手首のスナップだけで投げた。

 

ボールは校舎の時計に突き刺さり、そのままめり込んだ。

 

「ありゃりゃ運が悪い、引き分けだわな」

 

クラス全員開いた口が塞がらない状態になった。

 

すずかに至っては落ち込み具合が半端ないが事勝負において手を抜くのは俺の流儀に反するので仕方が無かった。

 

そんなこんなで放課後

 

リサと共に帰っていると頭上から声が聞こえた。

 

「リサ今喋った?」

 

『私じゃないわよ。あの子よ』

 

リサが指差した先には金髪で黒のスクール水着にマントを付けた如何わしい少女がビームシザースを持って飛んでいた。

 

「あ、あのあなたが持っているジュエルシードを渡してください。それは危険なものなんです。」

 

「そんな物は持ってないぞ。大体なんだジュエルシードって?」

 

「ジュエルシードは人の願いを叶えるロストロギアで見た目は青い菱形の石で「もしや、これの事か?」ああ、そうです。危険ですので私にください。」

 

首から提げている石を見せると少女は大慌てで近寄ってきた。

 

しかし、それよりも速く動いたものが居た。

 

『銀次悪いけどちょっと借りるわね』

 

アリサはそれだけ言うと俺の首に掛かっていたジュエルシードを奪った。

 

『ジュエルシード。この私アリサ・ローウェルを生き返らせなさい』

 

その瞬間目がくらむほどの光が明かりを包む。

 

光が納まるとそこには・・・受肉したアリサ・ローウェルがそこに居た。

 

「やったわ、銀次。私生き返れたわ。」

 

裸足の状態でぴょんぴょん飛び跳ねる彼女がそこには居た。

 

しかし、彼女は気づいているのだろうか?

 

飛び跳ねていることによって、彼女の桃源郷が絶賛バーゲンセール状態になっていることに・・・

 

だが、それよりも俺は今この瞬間ならば許されるだろうことを行う。

 

それは

 

「リサちょっと確認するぜ。」

 

俺はそれだけ言うとリサの心臓に耳を押し当てて、右のおっぱい触る。

 

「どう?動いているでしょ?私の心臓」

 

「ああ、ドクン、ドクンって力強く鳴っているよ。」

 

「で、確認は済んだからもうおっぱいから手を離してくれないかしら?」

 

ちぃバレテタカ致し方ない

 

「おっとコイツァ失礼しやした。じゃあ石は返してもらいたんだけど一体どこ?」

 

「さあ?」

 

「なるほど一回限りの願い玉か・・・なくなったのならば致し方ない。露出狂の少女よ物は無くなった諦めてくれ」

 

俺がそう言った直後少女は大きな声を上げて泣き出した。

 

「う、うわああああああんせっかく見つかったと思ったのに無くなるなんてひどいよぉぉぉぉぉぉ」

 

少女の声が当たり一面に響き渡った。

 

そして、空からまたしても声が響き渡る。

 

「フェイトを泣かせるなァァァァァ」

 

顔を上げるとナイスバディな女性が拳を振り上げ俺に向かって飛んできた。

 

それは俺の顔面に直撃した。

 

その瞬間骨が砕けた音がした。

 

「ぐぁぁぁぁぁなんて石頭だい、魔力で強化した拳が砕けるなんて・・・・」

 

「いや、俺も想定したよりもすごい痛かったんだけど・・・・」

 

状況はどんどん悪くなっていく。

 

何せ金髪の少女は大声で泣いている。保護者と思われる女性は右の拳が砕けている。

 

それだけで俺が捕まる理由は十分だ。

 

速いとこあの女刑事が来ない内に撤退したいが、状況は更に悪化し始めた。

 

うわさをすればなんとやら、遠くの方から砂煙を上げて女刑事が走ってきた。

 

「やっべーリサ逃げるぞ。サツが来やがった。」

 

「いやいや、銀次あんた今まで何やってきたのよ」

 

「生きてりゃ色々あるさ。という訳であばよ」

 

俺はそれだけ言うとリサを抱えて走り出す。

 

それを黙ってみているわけが無いフェイトと呼ばれた少女が鎌を振り回して、保護者と一緒に追いかけて来た。

 

「返して!!!私のジュエルシードを返してよおおおおおお」

 

「こんなことして逃がすとでも思っているのかい」

 

そして、積年の恨みを晴らすかのように女刑事の声が響く

 

「今日こそ逮捕よぉぉぉぉぉ坂本ぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

そうして始まったリアル鬼ごっこ。

 

今回俺は悪いことしていないのに・・・

 

ほろりと頬に涙が伝う。

 

一体俺の何がいけなかったんだろう?

 

 

 

 

 

 

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