それは普通の人が見たら異様な光景であった。
車椅子の少女を先頭にそれを押す白髪の少女のごとき少年。
その後ろは黒いパッツンパッツンなスーツの美人二人・幼女・犬耳としっぽをはやした筋肉質な男性
一般的な感性を持つ人なら、思わず2度見するレベルのものであった。
しかし、ここ海鳴市では違う
羽を生やして空を飛ぶ警察
神妙不可思議にて可愛い退魔剣士
お揚げを食べる事に異常な執着を見せる化狐
大福が好きな電撃を操る狐
猫又の少女
戦闘民族高町家などが居る
そう言った観点から見てみると彼らはさほど大した事はなく、驚かれる事は無かった。
ただ一人を除いて
「な、なんでヴォルケンリッターが坂本と一緒にいるんだ?」
少年特有の高い声、年齢の割りに高めの身長、黒髪、黒縁メガネの岸本隆がスーパーの前にいた。
その声はタイミングが悪く、場が静まり返った本の一瞬に発せられたため、八神家と銀次にも届いた。
当然、初めて会う人に自分達の正体が知られている事にシグナム、ヴィータ、ザフィーラ、シャマルは警戒心を高め、自分達の主であるはやてを守れるように前に出ようとしたが、それよりも早く銀次が行動を起こした。
不自然に腫れ上がった右手の一指し指を岸本に向ける。
その動作に誰もが緊張した。
事実、指を向けられた岸本はびくっと体を震わせていた。
そして、その様子を見ながら銀次は告げた。
「入り口で止まんじゃねーよ馬鹿!!入るか退くかとっとと決めろやボケナスが!!!!!!」
岸本は涙目になって入り口から退いた。
買い物も終わり一同お店を出てはやての家に向かう
はやてはとうとう我慢出来ずに銀次に声をかけた
「なぁ銀次君ちょっと聞きたいんやけどええかな?」
「なんだよ八神?難しいことはわからないぞ」
「そんな、難しい事でもないんやけど・・・後ろにおる黒めがね君は銀次君の知り合いなんか?」
聞かれた銀次は後ろを振り向く
そこにはさっきお店の入り口を塞いでいた岸本が居た。
手にはデバイスという名の西洋剣を握り銀次を見ている。
「いや、ただのクラスメイトだ。たぶん家も同じ方向なんじゃねーの?知らんけどね」
「あれ?おかしいなぁ、私も聖小に一時期通っていたんやけど何時から武偵みたいな制度になったんや?というかそんなニュース聞いてないで?シグナム達は何か知ってるん?」
「すみません。主はやて私達は今日始めて闇の書から出て来たんで、その、この辺りの事は詳しく無いです。」
シグナムがそう言うとはやてもそういやそうやったね。はやてちゃんうっかりしてもうた。てへぺろとごまかすのであった。
だが、そんな空気も一瞬にして無に返した。
岸本を中心に結界が張られ全員が閉じ込められたのだ。
「貴様一体何が目的だ!!事と次第によっては斬る」
「待ってくれシグナム。君達はそこの男にだまされているんだ!!!」
「なんだと!?我らの仲間であるザフィーラを愚弄するか?」
「なんて野郎だ!!ふざけたこと言いやがってアイゼン出番だ。」
「仲間を愚弄するなんて許せません。」
シグナム、ヴィータ、シャマルは同じヴォルケンリッターであるザフィーラが馬鹿にされたと思い激怒する。
その様子に対応を間違えたと思い岸本は即座に弁明する。
「ち、違うザフィーラの事じゃない。そこにいる坂本銀次の事だ。こいつははやてを洗脳しようとしているんだ。・・・・きっと、間違いない。だって踏み台みたいな髪の毛の色しているから絶対間違いない。うん」
最後の方になってくるともはやただの思い込みであった。
「・・・・銀次にそんな器用な事出来る訳無いだろうが、変な事いうな。なぁ銀次お前もなんか言ってやれ・・・よ」
岸本の言い草に飽きれたなヴィータはそう言って振り返った。
そこにはいつ準備したのか紐の先に札束を付けてはやての目の前で左右に振っている銀次の姿があった。
「さあ、八神はやてよ面白いアメリカンジョークを言え」
「む、無茶苦茶やで銀次君!!!!そもそもアメリカンジョーク自体がつまらないやんけ。」
しっかり反論するはやてで合ったが目は左右に揺れる札束に釘付けであった。
「お前をかばったあたしがバカだったよ!!!!!」
ヴィータ怒りの大上段唐竹割りは銀次の脳天に直撃。
銀次はなすすべなく一撃でヴィータに敗れた。