一撃必殺を夢に見て   作:だめねこ

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第4話

あれから10日が経ちました。

 

そこには元気にラジオ体操をしている俺の姿がありました。

 

え!?傷はどうしたって?そんなもの気絶から目覚めた後激痛に耐えながら冷蔵庫に入っている仙豆(せんず)って豆を食ったら治った。

 

そんな訳で今俺はラジオ体操したり、跳んだり、走ったり、掴んだり、登ったり色々して仙豆で得たカロリーを消費している。

 

うん、実は仙豆食べてから今まで水しか飲んで無いんだ。

 

まさか満腹度100%を今日まで維持するとは夢にも思わなかったとです。

 

そんな訳で今日まで震脚の練習は出来なかったのだよ。

 

ま、傷も治って適度に腹も減って来たから震脚するけどな

 

そして、俺の人生二回目の震脚が行われた。

 

結果?

 

おそらく全身の骨に致命的なダメージが入ったと思うが、仙豆を食べて回復した俺には死角は無かった。

 

 

そんな生活を過ごしていたある日

 

俺はいつもの様に震脚を行って自身の身体を頑丈に作り変えていた時である。

 

「きゃああああああああああ、お父さん、お母さん来てーーーーーーー」

子供というかなのはちゃんの声が響いたのであった。

 

それも当然であろう。何せ10日に一回我が家の庭から大きな音が響き渡るのだから、それに好奇心を刺激されたなのはちゃんが覗きに来て、案の定血まみれの俺を見てびっくりしたって所だろう。

 

ちなみになんで俺がそんなに冷静だって言うと

 

気絶はしなくなったが、激痛のせいで身体を一歩たりとも動かすことが出来ないからだ。

 

自分自身を客観的に分析しているとなのはちゃんの声を聞きつけた士郎さんと桃子さんが駆けつけ俺はそのまま病院に担ぎ込まれた。

 

 

 

病院に担ぎ込まれた俺はすぐに全身に包帯を巻かれた。

 

まぁその際に震脚の練習により体中の傷を見られた事は些細なことですよ。

 

それを見て医者は驚愕し、この子の親は一体何をしているんだと憤慨していたがそもそも俺には親は居ない

 

なんだか面倒な事になったと思うが、気にしたら負けだと思いとりあえず寝る事にした。

 

 

 

寝て起きたら何故か俺の前に医者らしき人が居た。

 

その後ろには何故か高町家の人たちも居た。

 

共通していることは全員が全員目を赤くして陰鬱そうな雰囲気を醸し出している。

 

そんな中医者が意を決したように語り掛けた。

 

「すまない。僕たちも全力を尽くしたんだが、君の身体を元に戻すことは出来なかった」

 

医者がそういうと後ろにいる高町家が全員が泣き始め、士郎さんにいたっては手から血が出ていた。

 

しかし、俺としては元の身体に戻すことが出来ないという医者の言葉に驚き慌てて自身の身体を見たが、どこか欠損しているわけでも無かった。俺をビビらせるなんてやるじゃないか!!!!

 

ま、身体に関しては仙豆を食べれば元通りになるんで気にしないでくださいっと言いたかったが、この世界にそんなものが流通している訳が無いので言ったら最後没収されかねないので黙っていることにした。

 

そんな事を考えていると桃子さんが話しかけてきた。

 

「所で君の親は今どこにいるの?早く連絡しないといけないわ」

 

うん、一般的に考えればそうだよね。誰だってそう考える。俺だって普通ならそう考える。

 

しかし、親ねぇ~転生してから会ったこと無いからたぶんだけど居ないんじゃないかな?

 

少なくとも一ヶ月以上は家に帰ってきたことが無いからもしかしたら長期出張とかしているのかもしれないが、可能性をあげればきりが無い

 

「生まれてから会ったこと無いので分からないですね。」

 

その俺の発言を聞いて部屋の空気が一気に張り詰めたような気がした。

 

「(桃子さん・・・決めたよ僕はこの子を引き取ろうと思う)」

 

「(ええ、士郎さん私もこの子をほっとけない無いわ)」

 

その時何故か俺の背中に言い知れない悪寒が走った。

 

そしてそれは見事に的中した。

 

「もし、よかったら家の子に成ら・・・・成ろうか!!!」

 

「そうよ。親が居ないなんて不謹慎だわ。家の子になるべきよ」

 

「家族が増えるの~」

 

二人がそういうとなのはちゃんがツインテールをピコピコ動かしながら全身で喜んでいた。

 

それは部屋内の陰鬱な雰囲気を一気に払拭させる程であった。

 

しかし、それに流されるのは巻き込まれ系転生者。

 

ここにいる俺は嫌な事・面倒な事・空気を読む事はしない・やらない・読みませんをモットーに生きようと思っているのではっきり・くっきり・しっかりと相手の耳に聞き間違いが無いように告げた。

 

「そのお気遣いに感謝いたしますがお断りします。そこまでしていただく事はありません。後治療費も自分で支払いますので大丈夫です。病院まで運んでいただきありがとうございます。では俺は帰ります。さようなら」

 

俺はそれだけ言うとポケットから財布を出し福沢先生を10枚医者に渡して部屋を出た。

 

 

その後病室からは血相変えて医者が追いかけてきたがパルクールを日常的にやっている俺に追いつけるわけも無く無事振り切って家に帰ることが出来た。

 

家に帰って早速やったことは仙豆を食べる事であった。

 

その結果俺の身体能力は劇的に上がったと思える。

 

主に骨が硬くなっただけだが

 

振り返ってみると今日は色々とめんどくさいことになったが、無事に一日過ごす事が出来たのでよしとしよう。

 

さて、寝る前に日課のラジオ体操をして眠ることにした。

 

 

 

翌朝

 

雲一つ無い澄み渡る青空の下俺は朝のラジオ体操を行っていた。

 

やはり、ラジオ体操は良いものだ。

 

全身の筋肉を解し、血流を良くし、その上身体を柔らかくするのだからまさに理想的な体操である。

 

それを俺は朝と昼と夜寝る前に毎日三回行っているのだ。

 

実に健康的である。

 

そして、ラジオ体操が終わった俺は一本下駄(通称天狗下駄)を履いてランニングを行う。

 

未だにバク転・側転・前転などの動きは怖くて出来ない。

 

しかし、走る・跳ぶ・掴む・登る事等は誰にでも出来る事なのでこれらを行っていた。

 

それはもはや俺のライフワークになりつつあるので、いまさら辞めることなど考えてはいない

 

例え目の前に血走った目をした士郎さんと恭也さんと美由紀さんが居たとしてもだ。

 

「ようやく見つけたよ。君とは少しO☆HA☆NA☆SHIをしないとね。」

 

何故だろう士郎さんを見た途端脳内の緊急警報が最大レベルで鳴り始めた。

 

それに伴い悪寒が全身を走る。

 

「・・・・・抱きしめる抱きしめる抱きしめる抱きしめる」

 

美由紀さんが俺を見ながら何かぶつぶつ言っている。

 

「・・・・・例え家族になったとしてもなのははやらん」

 

恭也さんにいたっては目がやばい

 

俺は逃げると結論した瞬間にはもう逃げ始めていた。

 

「「「ふっふっふ御神流から逃げられると思うなよ」」」

 

そこからは地獄だった。

 

猛ダッシュで逃げている俺を三人は追いかける。

 

しかし、その距離は一向に離れない。いや、むしろ徐々にだが縮まってきている。

 

バランス感覚を鍛えるために一本下駄を履いているので、速度は普段より出ない。

 

寧ろ転ばないように走るだけでも精一杯なのだ。

 

ならばどうするか?

 

答えは決まっている。

 

悪路を走って巻くしかない。

 

この場合の悪路は塀の上や屋根などだ。

 

さすがに高町家もそんなところは走り慣れては居ないはず・・・ならば逃げ切れる。

 

だが、俺のそんな浅い考えなどあざ笑うかのように彼らは俺を追いかける。いや、追い詰める。

 

二メートルある壁を飛び越えるってどんな身体能力ですか?

 

嘘でしょ!!!

 

壁を垂直に走ってるよ!?

 

そして30分後俺はあえなく捕獲されてしまった。

 

今現在俺は美由紀さんにがっしりホールドされて高町家のリビングに居る。

 

その様子を桃子さんはあらあらと言いつつ見て、なのはちゃんは俺の横に座っており、俺は美由紀さんの膝の上に座っている。

 

なので後頭部に柔らかい母性が当たるのは仕方の無いことなのです。

 

だから恭也さん血涙を流しながら俺を睨まないでください。

 

「そういえば士郎さんこの子の名前知ってる?」

 

桃子さんが恭也さんをスルーしながら士郎さんに尋ねる

 

「いや、僕も知らないなぁじゃあまずは自己紹介からだね。僕は高町士郎。高町家の大黒柱さ」

 

「私は高町桃子。ママって呼んでね。」

 

「長男の高町恭也だ。」

 

「長女の高町美由紀だよ。よろしくね」

 

「次女の高町なのは。なのはって呼んで欲しいの」

 

士郎さんを皮切りに全員が自己紹介をし始める。

 

「じゃあ最後は君の番だ。名前教えてくれるよね。」

 

士郎さん目が笑ってないです。

 

名前ね・・・よしアレにしよう。

 

「分かりました。別段教えたからと言って困るものでは無いですしね。俺の名前は坂本銀次です。」

 

 

 

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