その日管理局内は大いに荒れていた。
「クロノくん今言ったのはほんまなんか!?」
「ああ、コールドスリープされていた銀次が居なくなっていたんだ。ご丁寧に映像も残してだ!」
歯を食い縛り耐えているクロノだが、拳を強く握り過ぎて血が滴っているのだ。
10年前の裁判からクロノは自身の無力を嘆いていた。
弁護席に立ちながらも何一つ弁護を赦されず。
寧ろ死刑に成らない程度に重い罪に課さなければならない
しかも、被告人であった銀次本人に土下座までされて頼まれてだ。
執務官として、人して、やってはいけなかったと後悔ばかりしている日々だが、それでも銀次が守りたかったものは・・・
「クロノ君映像送ってくれへんか?こっちで必ず見つけ出してぶちのめすわ」
だいぶ過激になっていたのであった。
もし、この光景を銀次が見ていたら遅い反抗期かなと遠い目をしながらつぶやいていただろう
「ああ、その時は僕も必ず参加させて貰う」
クロノ提督が艦隊を引き連れて、三期に登場することが確定しました
そんなことは露知らず岸本は苛立ちながら管理局内を歩いていた
「ちくしょー何ではやては俺を機動六課に誘ってくれなかったんだ!」
グチグチと文句を洩らしているが、それはむしろ当然である
なのは、フェイト、はやて率いるヴォルケンリッターといった超一流の魔導士が全員枷を外した状態での部隊の運用を行ってしまったのだから・・・
それに対してミッドチルダの地上の英雄レジアスが猛反発したのは当然である
だが、交渉役で来たのがはやてではなくアリサ・ローウェルだったのが、レジアスの運の尽きであった
やれ予算が足りないと言えば、金(無論銀次の)ならあるからむしろ要らないわよと突っ張られ
近隣部署からクレームが来たらどうするんだ!
役に立たない部署なら潰してあげるわよ?そうすればなけなしの予算も少しは回るんじゃない?
そもそも高い魔力持ちはリミッターを付けるのが決まりだ!何かあったらどう責任を取るつもりだ!
うるさいわね!部下のミスは上司の責任なんだから、なんかあったら最高評議会に文句を言いなさい!そもそも試験的な運用なのだから何かがあってくれないとデータが取れなくて困るのよ。そんなことも分からないからあんたはメタボなのよ
魔力持ちやレアスキル持ちには弱者の気持ちがわかるまい
ずいぶん甘ったれた事をいうのね。自ら鍛える努力をしないものが強くなれる訳が無いじゃない
傷ついて、血を流して、骨を折って、漸く強者になれるのよお分かり?
だが、それをするには時間が足らん!そのためには質量兵器が必要ではないか
だったらその辺に転がっている石でも投げなさいよ
それでは格好がつかないではないか
自身の腹見ていえメタボ
レジアスがあー言えば、アリサはこー言う
会話のレベルは極めて稚拙ではあるが、驚異的なレスポンスの速さに狼狽える事も無く案も出しているので一応かろうじで建設的とも言えなくもないやり取りではあったが、レジアスが最終的に折れる形で話は着いたのであった
なお悪口はご愛敬である
そして、岸本がそんなやり取りを知っているはずがなく、仕方がないので三期に備えて地上に配属してもらい偶然を装って助けに行く作戦を考えたのは言うまでもない