内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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お待たせしました!

今回は少し差別用語が出てきてしまいますが作者は差別を擁護はしていません!!

ところで宇宙戦艦ヤマトという時代で出てきた火星海軍の宇宙戦闘艦の正式名称って何なんでしょうか?一応出す予定なんですが‥‥


感想お待ちしております!


第七十八話 七色星団慰霊祭

第二次七色星団空中戦は地球艦隊の圧倒的勝利で終了した。

 

しかし完全な勝利というわけでもなかった。

 

「おい!生きているか!?」

 

「救助急げ!」

 

「ストレッチャーをこっちへ!!早く!!」

 

「修復不能な機体は放棄しろ!!」

 

流石に艦載機部隊の損害は0にはできず、その救助作業が行われていた。

 

「まだ時間がかかりそう?」

 

「うむ、一応航空隊の戦闘服にはベイルアウトをした際に救助しやすいよう発信機を取り付けてあるから、その信号を頼りに捜索しているがここはイオン乱流が激しい。すべて救助できるかは怪しいなぁ‥‥まぁ、敵兵に関しては調査もかねて遺体を何体かは収容したがな」

 

「それはなによりだよ‥‥ところでなんで私は正座してなきゃいけないの?ねぇ?」

 

「当たり前だ!!この大うつけ者がぁ!!」 (#゚Д゚) ゴルァ!!

 

束は内惑星系艦隊司令官として部下を心配していたのだが、何故かディアーチェに艦橋で正座させられていたので格好がついていなかった。

 

しかもご丁寧にブーツを脱いで硬い艦橋の床で正座をしている。

 

彼女が正座させられている理由はしごく単純明快であり、束が出雲梨花(IS世界の篠ノ之束)とともにアマテラスに搭載してあった三式融合弾すべてを勝手に改造して波動砲と同じ波動エネルギーを詰め込む改造を行っていたことが発覚したからだ。

 

「いい発想だったのはヤマトの真田や大山も認めているし我も同意見だ。だがな!一言も話さずに勝手に軍の備品を改造するでないわ!!」

 

「えっ?でも、ヤマトの真田くんもイスカンダルの航海時に色んなモノを勝手に改造していたような‥‥?」

 

ヤマトが使用している反重力感応器、

 

一度しか使用されていないが、あのデスラー砲さえも跳ね返した空間磁力メッキ

 

継ぎ目のない特殊機体のシームレス機

 

これらの発明品は真田が作ったものだが、どれも当時のヤマト艦長である沖田艦長の了承前に製作し、事後承諾となったモノばかりだ。

 

「彼奴は例外だ!!たわけ!!」

 

まぁ、あの真田さんの口癖である『こんなこともあろうかと』も結構勝手に改造したりしている可能性もあるがほぼ諦められているのと『真田さんだからな』と思われている事、そしてどれもこれも結果的にヤマトを救ったモノばかりなので気にされていなかったために問題になる事も特に真田が罰せられる事は無かった。

 

「大体、お前は士官学校の時から‥‥」 ( `ロ´)

 

ガミ!ガミ!ガミ!

 

ディアーチェのお説教は今日の事だけではなく、士官学校時代にまで遡って束にお説教をしている。

 

この様子ではどちらが艦長なのか分からない。

 

「ディアーチェさん結構怒っていますね‥‥」

 

そんな二人の様子をギンガはちょっと引きながら見ている。

 

「いや、王様と月村司令のあれはいつものことだよ~二人のじゃれ合いだと思って軽~くぅ~流しちゃっていいよ」

 

一方のレヴィは既に見慣れた光景なのか全く気にする様子もない。

 

「は、はぁ‥‥」

 

(やっぱり、ディアーチェさん、はやてさんに似ているし、世話好きと言うかなんかお母さんみたいなのよね‥‥)

 

自分が遭難した時もそうであるが、ディアーチェはギンガが知る管理局のエリート局員であるはやてと瓜二つの容姿をしている。

 

違いがあるとすれば髪と眼の色、口調くらいで、ディアーチェとはやての二人は声もそっくりであり、同じセリフを同時に言われたらどちらが言った判別が出来ないだろう。

 

ディアーチェの髪を茶色に染めて眼もカラーコンタクトで色を変えれば、容姿もはやてになる。

 

そんなディアーチェであるが口調は、はやてと異なり独特な口調であるが、性格は料理上手で世話好きなところもはやてと瓜二つであり、はやてを知るギンガとしてはディアーチェに親近感を抱く。

 

「ところでレヴィ戦術長は‥『あっ、レヴィでいいよ』‥は、はい。それでレヴィさんは航空隊の元に行かなくていいんですか?」

 

「ああ、僕は戦術長としての仕事で忙しいし何より玲ちゃんに任せてあるしね~。ただ変に絡まれてないか心配だけど…」

 

「か、絡まれる?アマテラスには男性隊員は少ないから大丈夫かと思いますが…」

 

ギンガの言う通り、アマテラスの乗員の割合は女性の方が多いが、それでも少なからず男性の乗組員が居る。

 

男性乗組員にしてみれば肩身が狭いかもしれないが、見方を変えると周囲には女性ばかり‥‥異性との交際相手を見つけやすい環境でもある。

 

限られた空間で禁欲性活をしながら男女が居るのであるならば、間違いも起こる可能性もあるが、問題が発覚すれば困るのは当事者たち‥‥

 

防衛軍の軍人と言う地位に着いたその時から命の危険と責任に関して認識している筈だ。

 

そもそも山本は女性ながら結構気が強いタイプなので、チャラチャラしたナンパに引っかかるとは思えないし、体術の心得だってある。

 

なので、そのような間違いは起きないだろうとギンガはそう思ってはいるが、万が一、いくら女性乗員の人数が多くても、多勢に無勢な状況下で口を塞がれて人気のない場所へ誘い込まれたらと思うと不安になる。

 

「違う、違う。あの子はマーズノイドだからだよ」

 

しかし、ギンガの不安を他所にレヴィは山本が絡まれるかもしれない原因が性別ではなく、山本の出生にあると言う。

 

「えっ?ま、マーズノイド?なんですか?それ?」

 

「えっ?ギンガ、マーズノイドを知らないの?マーズノイドって言うのは‥‥」

 

『マーズノイド』と言う聞きなれない単語に首を傾げるギンガに対し、レヴィは『マーズノイド』について話を始めた。

 

第一次第二次内惑星戦争後、火星に住んでいた火星移民の二世や三世は地球に反感を持っていない一部の市民を除いてほとんどが地球に強制的に移住させられ、地球にて『マーズノイド』と呼ばれて差別を食らっていたのだ。

 

この『マーズノイド』は火星で生まれた移民二世・三世を差す言葉(いわゆる蔑称)なのだが見た目は地球に住む一般人と大差なく、純粋な地球人との違いがあるのは眼の色が赤いのと髪が銀色なだけなのだ。

 

これは火星が地球そっくりにテラフォーミングをして人類が住める環境にしたのだが、太陽までの距離関係や火星独特の放射線や環境の影響である。

 

しかし、戦後の火星への恨みから火星出身者に対しての差別が横行するという惨事が起きてしまったのだ。

 

大航海時代にアメリカにおいて先住民であるインディアンに対して入植してきた白人が人種差別や移住地を強制的に変更させたりと、宇宙に出ても地球人類は歴史を繰り返していた。

 

その十数年後にガミラス戦争が勃発したので今では差別は、一旦はなりを潜めたものの、一部地域ではいまだに差別は横行していたのでそこをレヴィは心配していたのだ。

 

「そ、そうなんですか…」

 

ギンガ自身も人種差別に関しては他人事ではなかった。

 

それはギンガの出生が大きく関係していた。

 

「まぁ、火星軍はガミラスの遊星爆弾のような隕石落としを連発していたしね~この『マーズノイド』って言葉も火星出身者を現す言葉なのかもしれないけど、本人たちからすれば差別用語にも聞こえるから、山本ちゃんの前では言わないでね」

 

「分かりました」

 

「あっ、王様。司令官へのお説教はもう終わったの?」

 

火星の歴史をギンガに語っているといつの間にかディアーチェの束へのお説教は終わっていた。

 

ただ、ブーツを脱いで正座をしていたので、足が痺れたのか束は立ち上がることが出来ずに床でのたうち回っている。

 

「うおおぉぉ~‥‥あ、足がぁ~‥‥ビリビリと電気が走るぅ~‥‥」 (*0*)

 

(うわぁ~司令官、足が痺れたのかな?苦しみに耐えきれず叫びながら右往左往しているよ‥‥)

 

(釣られたばかりの魚みたい‥‥)

 

床でのたうち回る束の姿を見て朝田と知床は憐れんだ眼で束を見ている。

 

「ああ、今は救助やイスカンダルへの救援が最優先だからな。あとレヴィにギンガ、その件について心配は要らん」

 

そんな束を尻目にディアーチェは山本が絡まれているかもしれない可能性を否定する。

 

「「へ?」」

 

「そんな差別意識がある馬鹿者を我らの元教官の土方総司令や山南教官(現副総司令官)が放っておくと思うか?」

 

「「あ、ああ~」」

 

土方のしごきを経験した二人はそんな差別主義者はえらい目に合わされるのが目に浮かんだ。

 

「さっ、今は救助を行おう!あっ、ギンガちゃん」

 

 「は、はい」

 

足はまだ痺れていて立ち上がれないみたいだが、束は床に転がりながらギンガに指示を出す。

 

「地球防衛軍総司令部に現状を報告。あとヤマトに航行中でいいから慰霊祭を行う意見具申をお願い」

 

「は、はい!」

 

束からの指示を受けたギンガはすぐに地球防衛軍総司令部と連邦政府に現状を報告した。

 

何しろ、ガミラス、彗星帝国、時空管理局以外に新たな勢力の存在が確認できたのだから警戒は必要である。

 

 

地球防衛軍総司令部

 

「なんだと!?ベテルギウスで!?」

 

「ガミラス、彗星帝国、時空管理局でもない未知の敵の存在‥‥」

 

「どうするのだ!?」

 

「それに管理局とやらの人間がまた増えたみたいだぞ!?」

 

アマテラスからの報告を受けた防衛軍総司令部は混乱の憂き目にあった。

 

まず時空管理局員のさらなる救助。

 

まぁ、これに関しては地球に戻って来た艦隊の臨時旗艦アナンケ級『ユリシーズ』艦長ニルソン中佐から報告を受け、艦の残骸を改コロンブス級工作艦明石が回収してきた上にジャブロー基地の病院にいまだ入院中の次元航行艦『ノア』唯一の生存者であるシャルロット・デュノアがいるので問題ないが、不明艦隊(暗黒星団帝国艦隊のこと)と交戦したのは問題だった。

 

確かに状況から見ても地球を守るためや自艦隊を守るための行動なので防衛軍軍人としての行動としては間違ってはいない。

 

だが、勝手に交戦をしたのは問題だ。

 

「土方君、どう思うかね?」

 

護衛戦艦アリゾナの就役式を終えてキャリフルニアベースから戻って来た藤堂長官は謹慎を終えて防衛軍総司令官の職に復帰したばかりの土方に問いかけた。

 

「はっ、私としては彼らの行動は間違っているとは思いません。しかし、ガミラス星で盗掘行為を行い、イスカンダルを狙っているであろう謎の艦隊と同じ勢力の艦隊と見なしますが、分艦隊でこの規模の戦力なのですから彼らには増援を送るべきかと判断します‥‥」

 

「ふむ、増援か…」

 

土方の提言に防衛軍司令部は頭を抱えた。

 

増援を送りたいのはやまやまであるが、大山、真田、束の三人が、デスラーが送ってきたワープ機関の設計図を基に改造した新型波動機関は未だに一部の艦にしか搭載されておらず牽引する為の無人艦も少なかったからだ。

 

現在、ヤマト、アマテラス、雪風・改の三隻は七色星団まで進出している。

 

増援を送って追いかけるにしても今からではやはり、デスラーから送られてきた連続ワープ機関は必要不可欠だった。

 

そこにある下士官の提言が状況を変えた。

 

「長官、いっそアリゾナを先行建造型のダガー級五隻と一緒に送りますか?」

 

「「「それだ!!」」」

 

そう、先日就役式を終えてアクシズ基地に到着したばかりの護衛戦艦アリゾナを先行試作建造され牽引用機関を搭載していた新型ダガー級無人駆逐艦とともに送ろうというものだ。

 

 

[ダガー級重無人重駆逐艦]

 

白色彗星帝国との戦いで壊滅し、人的被害も深刻だった地球防衛軍が建造した無人重駆逐艦だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

艦の速度はこれまで使用してきた秋月型駆逐艦(欧州・北米管区呼称はフレッチャー級)やそれより前の磯風型突撃駆逐艦よりも無人故に艦内にかかる重力を無視している為、快速で機動力も抜群だ。

 

さらに武装も砲は連装砲を船体上下に一基ずつだが雷撃能力を特化させており、居住区が無いのでレパント級フリゲートやパブリク級艇、秋月型よりも搭載しているミサイル・魚雷の搭載数が多い為に雷撃力が高い。

 

[武装]

 

・12.7㎝連装陽電子衝撃砲×2

 

・三連装魚雷発射管×3

 

・艦下部八連装VLS×2

 

このダガー級は他の無人艦の建造が有人艦の建造を優先していた影響で遅れていたので先行して十数隻が先行建造されており、各基地において不足していた駐留艦の穴埋めをしていたのだ。

 

「よし!すぐにアリゾナに連絡してダガー級とともにイスカンダル救援の増援に向かうように指示しろ!」

 

「はっはい!」

 

こうして護衛戦艦アリゾナの初陣が急遽決まった。

 

 

小惑星帯防衛基地アクシズ 宇宙艦船ドッグ 護衛戦艦アリゾナ 艦橋

 

「What!?それは本当!?really!?」

 

「本当ですよ、艦長!我々は今すぐにダガー級五隻を連れて七色星団に急行せよとのことです!」

 

防衛軍司令部からの緊急電を受け、アリゾナ艦長のアイロは副長に顔を寄せて司令部からの緊急電が間違いないかを確認する。

 

アイロに詰め寄られた副長はタジタジになりながらも司令部からの緊急電が間違いない事をアイロに伝える。

 

「Umm…北米管区は?」

 

「はぁ、『政治パフォーマンスにもってこいだ!』と政治家は燥いでます。本国としては我々がイスカンダルを救援したと言う結果を期待しているのではないでしょうか?」

 

最初のイスカンダルへの航海は日本のヤマトが達成し、地球を救った。

 

その後の世界情勢では、日本が何かと優遇された様に思えたのだろう。

 

何しろ、防衛軍の長官と艦隊総司令官の二人が日本人だからだ。

 

ここで、就役したばかりのアメリカ版宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルの危機を救ったと言う実績が出来れば、アメリカも国際情勢の中で幅を利かせる事が出来るだろうとアメリカ政府と軍のアメリカ出身者は判断したのだろう。

 

「まったく私たちは地球を守る為の軍であり、アメリカ政府の為に戦う訳じゃないのに‥‥でも、ヤマトと行動を共にできるかもしれないのはいいことね。それに長距離航海と実戦経験も積めるかもしれないし!」

 

「で、では‥‥」

 

「すぐに出航用意!二時間以内で出るわよ!」

 

「「「「「Yes, Ma'am!」」」」

 

そうしてアリゾナはダガー級『ダガーⅠ』『ダガーⅡ』『ダガーⅢ』『メイスⅠ』『メイスⅡ』とともに七色星団に急行する羽目になった。

 

そんな感じで地球側がバタバタしていた頃、七色星団では‥‥

 

「えっ?慰霊式?」

 

束からの提案がヤマトに齎された。

 

「はい、アマテラスの月村艦長が七色星団で戦死したヤマト、ガミラスの両戦士たちの為にやらないかと提案してきています」

 

ヤマト通信長の相原がアマテラスからの通信内容を読み上げる。

 

「うーん‥しかし、ヘリオポーズでの赤道祭、ペテルギウス、そしてこの七色星団での戦闘で多少時間的余裕が‥‥」

 

古代はこれまでの航海の赤道祭や予期せぬ戦闘の影響で時間的余裕が削られたことに懸念を示す。

 

その反面、この七色星団では大勢の宇宙戦士たちが命を落とした。

 

実際に最初のイスカンダルへの航海におけるヤマト乗員の戦死者の割合はこの七色星団とガミラス本星での戦いが大半を占めている。

 

「慰霊式も赤道祭のように時間を取る訳ではなく、黙禱と弔砲ですませる短いモノのようです」

 

(このあと、連続の大ワープをすれば何とかなるか?)

 

相原が追加に慰霊式の内容を伝えると、古代は時間も大事だが、人として戦死した戦友や宇宙戦士たちの御霊を慰めるのも大切であると判断し、急遽この七色星団にて慰霊式を行う事にした。

 

勿論、束と自分一人の判断で決める内容ではないので島、真田、雪とも相談した。

 

特に航海長である島に慰霊式後に連続大ワープをすれば時間のロスを取り戻すことが可能かを聞いた。

 

島たちヤマトの航海科がワープした際の航路計算を行い問題はないと判明したので、古代は束に慰霊式を行う旨を伝えた。

 

「ヤマトから、返信です。慰霊式後に連続大ワープを行えば、ロスは取り戻せるので慰霊式を執り行おうとの事です」

 

「よし、それじゃあ、急いで準備をしちゃおうか?」

 

慰霊式の開催はヤマト、アマテラスの乗員たちに艦内放送を通して知らされた。

 

「慰霊式‥‥?」

 

「此処で‥‥?」

 

「赤道祭みたいなイベント事でしょうか?」

 

「それともさっきの戦闘で戦死者が大勢出たのかな?」

 

慰霊式が行われる旨の艦内放送を聞き、フェイトたちは首を傾げる。

 

「リニスさんに聞いてみますか?」

 

ティアナがフェイトと親しいリニスに慰霊式について聞いてみるかと訊ねるが、

 

「ううん、リニス多分、今は忙しいんじゃないかな?ついさっき戦闘があったから‥‥」

 

「あっ‥‥」

 

戦闘が起きれば当然負傷者が出る。

 

医務官であるリニスと鏑木はきっと医務室で負傷者の治療を行っているだろうから、リニスたちの貴重な時間を奪う訳にはいかない。

 

「じゃあ、ギンガさんに聞いてみますか?」

 

リニスがダメならば、ギンガに聞いてみるかとし、フェイトはギンガに聞いてみる事にした。

 

「はい、どうしました?」

 

「あっ、ギンガ?今、大丈夫?」

 

「ええ、大丈夫ですよ」

 

「あのさ、さっき艦内放送で慰霊式をやるって聞いたんだけど‥‥?」

 

「フェイトさんとティアナは映像で見たかもしれませんが、此処はヤマトとガミラスのドメル将軍との古戦場跡でガミラス、ヤマト、双方大勢の犠牲者が出た宙域なんです‥もちろんさっきの戦闘でも‥‥」

 

「「「「‥‥」」」」

 

ギンガは七色星団がヤマトにとって二度の戦場となった事を説明する。

 

神堂とシルビアはヤマトの最初の航海やもう一つの地球が辿った歴史を知らない。

 

「えっ?此処って古戦場跡なんですか?」

 

「しかも、大勢の人が亡くなった‥‥」

 

「あっ、神堂もシルビアも知らなかったっけ?」

 

「ええ‥‥」

 

「はい‥‥」

 

「もし、知りたかったら慰霊式が終わりましたら見ますか?」

 

「えっと‥‥」

 

「どうしよう‥‥」

 

神堂とシルビアは此処が古戦場跡となった映像を見たとされるフェイトとティアナをチラッと見る。

 

「もし、気になるなら見ても良いけど、映像は戦闘の記録映像だから、覚悟してみる事をオススメするよ」

 

フェイトは二人に映像を見る前の心構えを予め言っておく。

 

「「‥‥」」

 

そう言われると何だか見るのが怖くなってしまう。

 

「ちょっと‥‥」

 

「考えさせてもらっても良いですか?」

 

「ええ、構いませんよ」

 

ギンガ自身も無理に勧めはしなかったので、二人が見たいと言う時に見せるつもりだ。

 

「それで、慰霊式ではどんなことをするの?」

 

フェイトがギンガに慰霊式の内容を尋ねる。

 

「ヤマト、ガミラス双方の戦死者に黙とうを捧げて、弔砲を撃ちます」

 

「じゃあ、このまえの赤道祭みたいなことじゃないんだね?」

 

「はい、ペテルギウスとさっきの戦闘で時間をロスしましたから、式が終わりましたら、ワープをするみたいです」

 

「わ、ワープ‥‥」

 

初めてのワープでワープ酔いをしたフェイトはワープに対して苦手意識を持っていた。

 

やがて、準備が整い慰霊式が始まる。

 

「勇敢に戦い倒れたヤマト乗組員、そしてドメル将軍以下、勇敢なるガミラス軍将兵の皆さん‥‥」

 

弔辞の言葉を述べるのはあの時の戦いを経験し、現在ヤマトでは艦長代理と言う最高位の位に就いている古代が述べた。

 

古代の弔辞はアマテラスの各部署にも放送され、ヤマト、アマテラスの乗員たちは自分の持ち場で静かにその言葉に耳を傾けながら、弔辞の言葉を聞いている。

 

ヤマト、アマテラスの、そして地球連邦、防衛軍と無関係ながらもフェイトたちも用意されたアマテラスの士官予備室で起立しながら古代の弔辞を聞いている。

 

「総員、敬礼!」

 

古代の弔辞が終わり、ヤマト、アマテラスの乗員は敬礼し手が離せない者は心の中で黙祷を捧げた。

 

勿論、フェイトたちもだ‥‥

 

ヤマト、アマテラスの舷側からは白い花束が宇宙空間に放たれる。

 

そして、ヤマトの第一、第二主砲が仰角を一杯に上げられると、弔砲がうたれる。

 

ヤマトが弔砲を撃ち終えると、次にアマテラスの第一、第二、第三主砲からも弔砲が放たれる。

 

二艦から放たれた光の矢はやがて消滅する。

 

「これにて、慰霊祭を終了する。三十分後にワープを行い、本日中に大マゼラン雲近海に入る。全艦、ワープ準備にかかれ!」

 

慰霊式が終わるとヤマト、アマテラスの乗員たちはワープ準備の為にバタバタと駆け足で配置につく。

 

ワープ準備が整うと、ヤマト、アマテラス、雪風・改は大勢の宇宙戦士たちが眠る七色星団を後にした。




次回 惑星イスカンダル

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
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