内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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第八十一話 合流

 

七色星団の沖にてガミラスの三段空母であるランベアと遭遇して救助・補給活動を終えたアリゾナがランベアとともにヤマト、アマテラス、雪風・改に合流するべくワープした頃…

 

「まさかこんなことになるなんてね…」

 

「まったくだな…」

 

ヤマト、アマテラス、雪風・改もアリゾナ同様、ガミラス艦隊と遭遇していたのだ。

 

あと少しでイスカンダルがあるサンザー星系に到達する所まで来たヤマト、アマテラス、雪風・改だったが、イスカンダルまで最後のワープを行う直前にガミラスの大艦隊と遭遇したのだ。

 

遭遇したガミラス艦隊の編成は以下の通りだ。

 

 

ゼルグート級超弩級航宙戦艦×3

 

ハイゼラード級航宙戦艦×5

 

ガイデロール級航宙戦艦×2

 

ゲルバデス級航宙戦闘空母×2

 

ガイペロン級多層式航宙母艦×10

 

メルトリア級巡洋戦艦×10

 

デストリア級航宙重巡洋艦×33

 

ケルカピア級航宙軽巡洋艦×42

 

クリピテラ級航宙駆逐艦×56

 

次元潜航艦×5

 

補給艦×17

 

という大艦隊だったのだ。

 

こんな大艦隊相手にヤマト、アマテラス、雪風・改の三隻のみではとても太刀打ちできるわけもなく、諦めムードになっていたのだが、幸いというべきか双方ともに交戦する意思はなかったので戦闘にはならなかった。

 

そこで双方ともに情報の交換と共有を行うべくガミラス側に交信を行った所までは良かったのだが…

 

「まさか相手の艦隊司令官が、ガミラスでは艦隊総司令官だったとはねぇ~‥‥」

 

「ああ‥‥しかも、鬼竜と同等といってもよい覇気を持っておったな」

 

モニター越しながらもガミラス側の交信相手と土方には通ずるものがあった。

 

「あれは、ガミラス版鬼竜だよ」

 

「うむ、確かに‥‥」

 

なんと交信相手はガミラス艦隊総司令官のガル・ディッツだったのだ。

 

自分たちの上官ではないとは言え、ディッツの眼光の前に土方からしごきを受けた者たちからしては自然と体が萎縮してしまうのだ。

 

 

ディッツによればデスラーからの召喚命令の電文を受け取った際に彼はちょうど各地に分散してしまっていたガミラスの残存艦隊を集めて統率を取ろうとしていた時であったので急ぎイスカンダル星へと向かってきたそうで付近に残留していた基地要員も補給艦に乗せ、その基地を放棄させて根こそぎ連れてきたという。

 

そしてこちらからの情報提供でガミラス星が崩壊して、引力バランスが崩れイスカンダルは軌道から外れこのままでは、サンザー星系の太陽であるサンザーに飲み込まれようとしていた。

 

さらにガミラス星崩壊の要因となったであろう謎の盗掘艦隊がイスカンダルも狙っており、それをデスラーが直属の艦隊と共に守っていると聞かされて大慌てになっていた。

 

「まぁ、自分が遠くで軍務をしていた最中に自分の生まれ故郷の星が崩壊して国家元首が直々に戦っているというのだ。慌てるのも当然であろうな」

 

「まぁ、それはそうだけど‥‥」

 

束は何だか煮え切らない様子だ。

 

「ん?どうした?」

 

「いや、もうすぐ増援としてアリゾナが無人艦と一緒に来るはずなんだけど面倒な事態にならないかな?」

 

「「「「「『『あ‥‥』』」」」」」

 

そう、実は七色星団からのワープ後に防衛軍総司令部から護衛戦艦アリゾナとダガー級無人重駆逐艦五隻を増援としてイスカンダル救援艦隊へ急行させているとの通信が入ってきていたのを確認しており、サンザー星系に入る前に合流できると束は踏んでいたのだがその前にこうしてガミラス艦隊と遭遇してしまったのだ。

 

「絶対面倒な事態になりそうなんだけど‥‥」

 

事情を知らなければ、ヤマト、アマテラスがガミラスに包囲されていると思い込み、ガミラス艦隊へ発砲するのではないかと言う疑念が束にはあったのだ。

 

「ああ。だが、アリゾナの艦長であるアイロの性格は明るく人当たりが良いそうだし、士官学校の成績も優秀であるからイスカンダルへ向かうのであるなら、ガミラスとの遭遇と共闘もありえると判断すると思うから大丈夫だろうが‥‥」

 

司令部とて、何の情報も無くアリゾナを増援に出すとは思えない。

 

それに自分たちに追いつくのであるならば、デスラーから送られた連続ワープ機関が必要不可欠である。

 

ならば、司令部はアリゾナにある程度の情報は与える筈だ。

 

アイロは士官学校でも人格面では問題がある人物であるが、学業の成績は優秀な士官なので、司令部からの情報でイスカンダルの救援にはガミラスとの共闘が予測されることぐらいは判断がつくはずだ。

 

「万が一、政治家なんかが乗っていたら騒ぎたてるだろうからな~」

 

実は防衛軍内部でもアリゾナ級の建造で一悶着あったことは士官クラスから下士官クラスの者まで誰もが知っていた。

 

アリゾナ級は打倒ヤマトを目指して建造し、地球連邦政府の主導権を狙っているなんて噂が流れるくらい北米管区の野心は警戒されていたのだ。

 

アメリカがそうなのだから昔からアメリカをライバル視しているロシア管区や中国管区も同様だったが、ロシア管区は現在ストーンヘンジの修復で手一杯でキーロフ級護衛戦艦の建造以外に新造艦の建造計画は考えていないので特に問題はない。

 

中国管区は地ガ戦争の復興が終わっていないうちにガトランティスの攻撃を受けた為に復興に要する時間が大幅に伸びた上に復興作業にかかる費用も予定の倍以上の額になってしまったのでやむなく定遠級の護衛戦艦計画に使う予定だった予算を復興に回さざるを得なくなったので第一次護衛戦艦建造計画から外れた。

 

欧州管区は連邦政府の権力争いに介入するよりも自分らの管区内におけるドイツ派とイギリス派の対立にかかりっきりな為、政府の主導権を狙っていない。

 

そのため現在連邦政府の主導権は英雄の艦ともいえるヤマトを輩出した極東管区が握っており、ナンバーツーに北米管区とオーストラリア管区、東南管区がついているのだ。

 

なので現在北米管区の野心を極東管区やオーストラリア管区、そして北米管区の良識派が抑えている状況である。

 

(ちなみにアイロ艦長とサラ副長は良識派です)

 

「ハハハ、政治家連中がはるばるイスカンダルまでの航海に来るわけないじゃない。連中は地球にふんぞり返って国民から税金を搾り取るか軍事会社からのリベートをちょろまかすしか能のない奴らばかりだよ」

 

「そ、そこまで言うか?束」

 

束の政治家批判にやや引くディアーチェ。

 

しかし、束の場合には家柄故かそうした大人の汚い部分を小さな頃から見てきているので、権力者に対する反発と苦手意識があるのだ。

 

「まっ、なんかあったら私が物理的にO・HA・NA・SHIして止めるよ。減給になっても安い、安い」

 

「いや、しかしなぁ~!?」

 

(物理的って‥まさか、フルボッコにするつもりか?)

 

またもや束の言葉に引っかかりを覚えるディアーチェ。

 

「大丈夫だって、問題ないよ。だってウチら(内惑星系艦隊)がなんて言われているか知っている?イレギュラーズだよ?イレギュラーズ。別に司令官が政治家を殴っても『またか』で済まされるって!」

 

 

そう、内惑星系艦隊はガミラスとの戦争の際にヤマトがイスカンダル星へ旅立った後に極東管区が独断で編成した予備役部隊が原型でその際の編成が実力は優秀なれど問題児扱いされていた束が司令官を務め、ストッパー役でディアーチェと医務官のリニスが直属で配属となったが両名ともに同じく問題児扱いとまではいかないものの扱いに苦慮されていたので同じようなものだった。

 

ちなみにディアーチェは訓練生時代に束とよくつるんでおり彼女のストッパー役をしていたし後輩の指導も行える上に料理も上手いなど優秀と言ってよかったのだが、束の影響なのか、束同様、権力者があまり好きではなく束が箒と昴、星奈を保護した際にその事情を束から聞いたディアーチェは激怒して保安部が急行するよりも早く孤児院に突入して孤児院の存在を裏で黙認していた管区の役人を発見してしばき倒した挙句に顔面を麻酔なしで整形手術したかのようになるまで殴りつつけて保安部のお世話になったことがあったのだ。

 

(もっともリニスに関しては使い魔なので事情を月村財閥から知った人事部が扱いに困っただけであったのだが…)

 

そんな経緯もあり国連から地球連邦に変わったあとも金剛型より旧式なマゼラン級やサラミス級・レパント級で構成され、隊員のほとんどが問題児だった内惑星系艦隊はそのまま主力艦隊とは別の戦力扱いを受けて内惑星系圏の哨戒や治安維持任務にあたるようになったのだ。

 

 

「あのなぁ~そんな事を言っておると‥「艦長、後方より多数のワープアウト反応を感知しました!!」…どうやらアメリカの連中が来たようだな?」

 

そうこうしているうちに増援であるアメリカ艦隊が到着した。

 

「そうだね。通信長、ガミラス艦隊に打電!『後方にワープアウトしてきた艦隊はおそらく友軍艦艇ナリ、発砲は控えられよ』と」

 

「はい!!」

 

ギンガはディッツが乗艦しているゼルグード級の戦艦をはじめ、ガミラス艦隊に通信を送る。

 

やがて、アリゾナ率いる増援艦隊とヤマト、アマテラス、雪風・改は合流することができた。

 

しかし、その中にはどう見ても地球ではない艦が一隻交じっていた。

 

「ん?あれ?ワープ反応が一つ多い‥‥」

 

「束、よく見てみろ、あれはどう見ても地球の艦ではなくガミラスの空母ではないか?」

 

アリゾナの直ぐ近くには紫色のガイベロン級航宙母艦が居た。

 

「な、なんで、アメリカの艦隊がガミラスの空母と一緒に居るの?」

 

「さ、さあ‥‥アリゾナの艦長に聞けば何かわかるかもな」

 

束もディアーチェも何故、アリゾナとガミラスの空母が行動を共にしているのか分かる筈もないので、何故、ガミラスの空母が居るのかアイロに尋ねる事にした。

 

 

護衛戦艦アリゾナ 艦橋

 

「What!?なんでヤマトとアマテラスがガミラスの大艦隊に囲まれているの!?」

 

(ガミラスとの共闘があると思ったんだけど、まさか違った?)

 

「艦長。今、通信が来たわ。なんでもガミラス側もデスラーからの召喚命令に従って周囲にいた艦を根こそぎ集めて参上するために航海していてたまたまヤマトらと接触したみたいよ?」

 

「な、なるほどね…でも、ランベアのバーガー少佐やジュラちゃんはホッとしているかもね?」

 

地球側はガミラス軍の軍規を知らないので、無理もないがバーガーたちランベアの乗員はガミラス軍の軍規に照らし合わせてみると敵前逃亡罪に当たる行為をしており、ガミラス軍の軍規では敵前逃亡罪は死刑となっている。

 

バーガー本人はジュラを連れて来たので、それで許してもらうつもりはなく、せめて自分以外のランベアの乗員だけでも助命嘆願する覚悟だった。

 

「そうね。いくら無人艦とはいえ地球の艦に周囲を単艦で囲まれながら航海するのは緊張していたでしょうし」

 

ヤマト、アマテラスの周囲に多数のガミラス艦が居るようにランベアの乗員たちも短期間とは言え、周囲に地球の宇宙戦艦であるアリゾナと無人駆逐艦五隻に囲まれていたのだから緊張かストレスは感じていたかもしれない。

 

そしてアリゾナはランベアの件を双方の艦隊に打電した。

 

ディッツはその報告を受けてドメル艦隊の切り込み隊長だったバーガーが生きて帰って来たことに喜んだが、デスラーの娘であるジュラを保護していたことに驚愕してジュラにランベアよりも頑強なゼルグート級への移乗を望んだがジュラ本人が、

 

『ランベアの方々には大変お世話になりましたし、これから戦闘が予想されている状況で貴重な主力艦に私が乗ったことで後方に下げるようなわけにはいきません』

 

と断ったのでディッツは頭を抱えた。

 

ガミラス軍人として彼女の意見を無下にはできない。

 

しかし彼女はデスラー総統の娘、万が一のことがあれば銃殺刑では済まされない。

 

そこでヤマトとアマテラスに秘匿回線で事情を説明して会議した結果、ジュラはヤマトに移乗してもらうことになった。

 

実際に古代たちヤマトの艦橋員はジュラと面識があった事、

 

ゼルグード級に匹敵する堅牢度を持つヤマトは勿論、イスカンダルを救うために後方へ下がるつもりはなかった事もジュラがヤマトへ移乗する要因の一つである。

 

他にもジュラ本人がひた隠しにしている事として、彼女はアリゾナで食べたアイスクリームが気に入っていた‥‥その為、同じ地球の艦に乗艦すればそこでもアイスクリームがあるのではないかと思っていたりもする。

 

ジュラ以外にもアリゾナにて食事を摂ったランベアの乗員たちの中にはアリゾナで食べたアメリカン料理が気に居た者も居た。

 

こうして不覚にも地球・ガミラスの混成艦隊が編成され、イスカンダル救援の為、マゼラン星雲、サンザー星系へと向かった。

 

 

地球・ガミラスの混成艦隊が編成され、イスカンダルへ向かっているその頃、七色星団では‥‥

 

「申し訳ございません、提督。自分がもう少し早くあの宙域へ達していたら、あれらの艦艇を逃すことはありませんでした」

 

クラウディアのブリッジにて、航海長がクロノに謝罪をしていた。

 

現在、クラウディアはイオン乱流を航行した事から、機関を止めて艦内に異常が無いかのチェックが行われていた。

 

「いや、航海長のせいではない。あの宙域に第二の97管理外世界の宇宙艦艇が居たなんて予測できなかったのだから」

 

クロノはアリゾナらを逃してしまったのは決して航海長の責任は無く、あれは不可抗力なのだと諭した。

 

「しかし、この宙域に第二の97管理外世界の宇宙艦艇が居たと言う事は本星はこの近くにあると言う事なのでしょうか?」

 

副長がクロノにこの七色星団近海に第二の97管理外世界があるのかを指摘するが、

 

「いや、通信ポッドがヘリオポーズにあった事からこの近くに第二の97管理外世界の本星があるとは言い切れない」

 

フェイトたちの生存を知らせる通信ポッドがあったのはヘリオポーズのとある小惑星‥‥

 

そして今自分たちが居る七色星団はヘリオポーズとは真逆の方向‥‥

 

もしかしたら、ヘリオポーズ周辺に第二の97管理外世界の本星があるのかもしれないし、副長の言う通り、この七色星団の近くに第二の97管理外世界の本星があるのかもしれない。

 

一つの星を探し当てるには宇宙はあまりにも広大過ぎる。

 

(元々、そう簡単に見つかるとは思ってはいなかったがな‥‥)

 

(しかし、仮に見つけたとしてどうするつもりだ?)

 

(無理矢理管理世界入りをさせようとして勝てるのか?第二の97管理外世界に‥‥)

 

(相手は管理局の次元航行艦の戦闘能力を優に凌駕する性能を持つ宇宙戦闘艦だぞ‥‥)

 

(戦うにしても死ぬにはバカバカし過ぎる戦いをすることになる‥‥)

 

(まさに犬死じゃないか‥‥)

 

(そんな戦いをするのは御免だな)

 

クロノはこの密命の先のあり得る戦いに対して嫌悪感を抱いた。




次回 イスカンダル星沖

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
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