内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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どうも!次回はしばらくかかると思いますので気長にお待ちください!


感想お待ちしております!!


第九十一話 結婚式後日談

 

ヤマト艦内で行われた古代守とスターシアの結婚式。

 

挙式はつつがなく終わり、今は記念写真の撮影に移っていた。

 

守とスターシアの二人、次いでサーシアを交えた一家。

 

それが終わると、親しい者たちとの撮影が始まった。

 

古代や雪、真田、束、ディアーチェらが一緒に写真に収まる。

 

「ハラオウンさんたちも一緒に撮らない?」

 

束がフェイトたち管理局組を手招きしている。

 

それはスターシアたちと一緒に写真にとらないかと誘っているのだ。

 

「えっ?でも‥‥」

 

「私たちが‥‥」

 

「よ、よろしいんですか?」

 

「一緒に撮っても‥‥」

 

「うん。遠慮しないで」

 

緊張を隠せないまま、フェイトたち管理局組も守とスターシア夫婦と一緒に写真に収まった。

 

「よーし、次はブーケトスをやるぞ~!!」

 

雪をはじめ、参列していた艦の女性クルーが集められ、さらにフェイトたち管理局組も参加したのだが、

 

「えっ?私も参加するの?」

 

「我もか!?」

 

困惑した声を上げたのは束とディアーチェの二人。

 

「当たり前だ。むしろブーケが必要なのはお前たち二人だろう?」

 

「ちょっ、それはどういう意味かな!?それに結婚に階級や年齢順なんか関係ないじゃん!!」

 

「いい度胸だ!!真田!!その喧嘩買うぞ、ゴラァ(# ゚Д゚)!!」

 

真田に対して吠える二人であったが、束とディアーチェもブーケトスには参加した。

 

スターシアには守がブーケトスを説明していたが、どうやらスターシアも意味を解したようだ。

 

「よーし、やるぞ!!女性陣諸君!!心して受け取れ!!」

 

真田の声が響く、そして

 

「3、2、1…、よしっ!」

 

守のカウントダウンと合図に合わせ、スターシアは背後の女性陣に向けてブーケを投げ放った‥‥

 

「じゃあ、撮りまーすっ!」

 

撮影担当のクルーのかけ声に合わせてシャッターが切られる。

 

ブーケトスを終え、出席者全員による集合写真だ。

 

ブーケトスに参加した女性陣は全員、ブーケの花を一本ずつ手にしていた。

 

スターシアが投げたブーケは、短い滞空の間にバラバラになり、結果として参加した女性陣全員が一本ずつブーケの花を手にするというオチで決着していた。

 

写真に写った者は皆、自分なりの笑顔を浮かべていた。

 

フェイトたち管理局組も写真を受け取り彼女たちにとっても生涯忘れ得ない思い出になった。

 

 

写真撮影を終えた一行は、ヤマトの左舷展望室に設えた披露宴会場に場を移した。

 

簡素だが飾り付けをした展望室にテーブルが並び、夫婦がつく「上座」には、燭台とともに、大きな枕形のケーキが鎮座していた。

 

このケーキは言うまでもなく、ディアーチェが作った渾身の一品である。

 

展望室には挙式の参列者はもとより、当直外のヤマトの乗務員も詰めかけ、入りきれない者は食堂のモニターで様子を見ている他、アマテラス、アリゾナの艦内食堂にも中継されていた。

 

ケーキカットが終わると同時にヤマト、アマテラス、アリゾナの食堂には乗組員分のケーキが用意され、当直が明けた者が順々に食べられるようになっていたが、やはり、この時当直外だった者は嬉しげな表情をしていた。

 

「では、古代守とスターシアさんの結婚を祝し、乾杯!!」

 

『乾杯!!』

 

披露宴における乾杯の音頭をとったのは真田だった。

 

束が結婚式の立会い人をしたので、披露宴の司会ぐらいはと言う事で真田が披露宴の司会を務めている。

 

しかし、一応ヤマト、アマテラス、アリゾナはまだ作戦行動中であるので、夫婦の意向で、披露宴はそこまで時間は使用せず、用意された飲み物はノンアルコールビールやソフトドリンクで披露宴の料理も軽食であった。

 

それでも皆、守とスターシアの結婚を祝し、あちこちで笑い声が響いていた。

 

スターシアは、雪、フェイト、ティアナ、シルビア、神堂らと談笑し、娘のサーシアはというと‥‥

 

「なかなか板についていますよ!!艦長代理!!」

 

「きっと良いパパさんになれますよ!!古代さん!!」

 

「ほら、もっと笑顔で‥‥はい、チーズ!!」

 

南部や相原、太田らヤマトの第一艦橋のメンバーから冷やかされ、写真を撮られ、戸惑った表情の古代の腕の中に居た。

 

束もそんな古代の姿に苦笑しながら見ている。

 

(進君も将来雪さんの尻に敷かれるな)

 

兄である守とスターシアの関係から古代家の男はどうも女の尻に敷かれるイメージが強かった。

 

それと同時に、

 

(もし、進君と森さんの間に女の子が生まれたらサーシアちゃんそっくりな子になるんだろうか?)

 

古代は守とは兄弟であり、雪はスターシアの妹の方のサーシアと似ているらしいので、もし古代と雪との間に女の子が生まれたら、その子は今、古代の腕の中に居る姪のサーシアに似ているのだろうか?と言う疑問を束は抱いた。

 

「真田、月村、ちょっといいか?」

 

そんな中、守が二人に話しかけてきた。

 

「ん?どうした?」

 

「構わないけど‥‥」

 

「スターシアと相談したんだが、地球に帰って少し落ち着いたら、俺は雪風の乗組員の家族を訪ねようと思うんだ」

 

「雪風の‥‥?」

 

「‥‥」

 

「艦長の俺が生き残ってしまったからな。それをやり残したままじゃあ、いつまでも俺の中のあの戦争が終わらないんだ。たとえ遺族から罵倒されたとしても、これだけはやっておきたいんだ」

 

「古代。お前がそうしたいなら、俺たちは何も言わん。だが、お前たち一家が笑顔でいる事。これがあの戦争で死んでいった部下や戦友たちへの何よりの手向けなんだ。それを忘れるなよ」

 

真田が守の目を真っ直ぐ見て言う。

 

その様を、フェイトとティアナは少し離れた所で見ている。

 

「大切な人を失った悲しみは、世界共通だよね……」

 

「ええ……」

 

「それに、信頼できる仲間たちがいる事もね‥‥」

 

唯一の肉親だった兄ティーダを失ったティアナにすれば、コンビパートナーだったスバルを筆頭に、師匠格のなのはやフェイト、チームメイトのエリオやキャロら、機動六課のメンバーは紛れもなく大切な仲間で、その思いは今も変わらない。

 

訓練校と卒業後の救助隊、そして機動六課においてティアナのパートナーを務めたスバルも母を失い、機動六課稼働前には姉であるギンガを失った事になっている。

 

彼女も姉を失った深い悲しみをバネにして機動六課では頑張っていた。

 

フェイトもPT事件で唯一の家族であるプレシアを失った。

 

まさか、それから十年以上の月日が経ってから再会するとは思ってもみなかったが、今の彼女は記憶が後退しているので、今のプレシアにフェイトの記憶がないが、フェイトとしてはプレシアとアリシアが生きている事が嬉しい。

 

それに自分にバルディッシュを授け、魔法を教えてくれたリニスにもまた会うことが出来た。

 

そして、PT事件以降はなのは、はやて、シグナムたち、後見人のエリオ、キャロ、ヴィヴィオ、部下のシャーリーら大勢の友人、仲間に恵まれた。

 

しかし、失ったモノの多さでは、ここにいるメンバーたちはその比ではないだろう。

 

ガミラスとの戦争では、遊星爆弾は貧富、老若男女、人種を問わずに降り注ぎ、人類を含む地球の生物の過半が消え、生き残った者も、家族や友人等、大切な存在を全く失わなかった者はいないのだ。

 

「この世界に比べれば、私たちの世界はだいぶ平和ですね」

 

「うん。そうだね」

 

この世界とミッドを比べる中、

 

『マスター』

 

フェイトのデバイスであるバルディッシュがフェイトに話しかけた。

 

「何?バルディッシュ」

 

『先程お目にかかったスターシア陛下ですが、魔力反応がありました…。ランクはS乃至オーバーS。リンカーコアは全く損耗しておりません』

 

「そう、やっぱり‥‥」

 

フェイトも、スターシアから発せられていたオーラに違和感を覚えていたのだが、それが裏付けられたことを認識した。

 

ヴィヴィオも大きくなったら、スターシアみたいになるのかと内心思いつつ、ティアナにスターシアについての意見を求める。

 

「ティアナはどう思う?」

 

「スターシアさんについてですか?」

 

「うん。スターシアさんが魔力保有者であることを管理局に報告すべきだと思う?」

 

フェイトが関係したPT事件や闇の書事件で、管理外世界にも天才的魔導師資質を持つ者が少なからず存在することが判明した結果、時空管理局は管理外世界からも魔導師を積極的にスカウトする方針をとっていた。

 

そして今、自分たちの目の前にはなのは以上‥大魔導師と言われた自身の生みの親である全盛期のプレシア並みの魔力保有者が居る。

 

プレシアを管理局へ護送できないならばスターシアをミッドへ‥‥

 

なんて思いを管理局員ならば、抱いてもおかしくはない。

 

「フェイトさん‥‥私は、スターシアさんについては報告すべきではないと思います」

 

しかし、意外にもティアナはプレシア同様、スターシアの存在は管理局へは伝えない方が良いと言う。

 

「どうしてそう思うのかな?」

 

「率直に言いますと、管理外世界出身の魔導師の時空管理局入りは自由意思ということになっています。なのはさん自身も自らの意志で管理局へ入りました。しかし、実際のスカウトでは強引・執拗な勧誘が行われ顰蹙を買っていると聞いています。不慮の事とは言え、故郷を失った辛い思いをしたばかりのあの人を、これ以上傷つけるのは忍びない事ですし、ここの人たちから受けた恩を仇で返すことにもなります。私は管理局員とは言え、ティアナ・ランスターと言う一人の人間としてそこまで恩知らずで恥知らずな行為は出来ません!!」

 

それをじっと聞いていたフェイトは微笑を浮かべた。

 

「うん。私もティアナと同じ考えだよ。スターシアさんには、このまま静かにご主人の守さん、娘のサーシアに沢山の友人たちと地球で過ごしていただくのが一番だと思う‥‥プレシア母さんとアリシアもね‥‥だから、バルディッシュ。スターシアさんと恐らくはサーシアも持っているであろう魔力データは記憶しないでおいてね」

 

『それがよろしいかと。マスター』

 

「クロスミラージュ、あんたもね」

 

『了解です』

 

「シルビアと慧理那にも後で伝えておかないとね」

 

バルディッシュも積極的に同意したため、フェイトとティアナはテスタロッサ親同様、スターシア親子の件も封印することにし、シルビアと神堂にもこの件を伝えておくことにした。

 

フェイトたち管理局組がスターシアに秘められた力について所属する組織を半ば裏切るような決定をした頃、

 

「古代守さん、スターシアさん、初めまして」

 

「おや?君は?」

 

「私は地球防衛軍、北米艦隊所属、護衛戦艦アリゾナの艦長、アイロ・ウミノと申します」

 

アイロが守とスターシアに声をかけた。

 

「このような祝いの席で恐縮なんですが、皆さんに少々お話が‥‥」

 

「ん?話?なんだい?」

 

「できればアマテラスの艦長とヤマトの上の方とも交えて話をしたいのですが‥‥」

 

アイロの様子から何かあると判断した守たちは地球への出航時間を少し遅らせてヤマトの一室へと集まる。

 

一室に集まったのは守、スターシア、真田、古代、束たちそれぞれの艦の幹部たちだ。

 

「ウミノ艦長、お話と言うのはもしかしてスターシアさんについてかな?」

 

束がアイロの話にはスターシアが関係していると予測する。

 

「はい。月村艦長のおっしゃる通りです。今回私たちアリゾナのイスカンダル派遣はただ単にヤマト、アマテラスの援軍だけではありません。北米管区の意向も含まれております」

 

「北米管区の?」

 

「それってどんな意向なんですか?」

 

「北米管区上層部の一部は今回のイスカンダル救援任務でアリゾナの戦果を期待していました。北米管区はご存知の通り、ガミラスとの戦争で力を失い、ヤマトがイスカンダルへの航海の成功でアメリカは国際的にも極東管区と差をつけられました」

 

『‥‥』

 

束たちは神妙な面持ちとなる。

 

「今回のイスカンダル救援任務においてスターシアさんを救助したのはアマテラスの乗員たち‥つまり日本(極東管区)の艦でした。残念ながらアリゾナは北米管区が期待する程の戦果を残したとは言えません」

 

「でも、ガミラスとの航空機の交換をした実績があるではないですか?それは十分な戦果ではありませんか?」

 

古代がアイロにコスモパイソンとスヌーカ、ドルシーラを交換して得た事を言う。

 

「確かに今後、あの二機を調査・解析し、新型機を製作できれば北米管区は軍に置いてその新型機のライセンスを得ることができます。ですが、それ以前に極東管区がガミラスから新型のワープ機関のデータも得ています。新型のワープ機関、そしてスターシアさんの救助実績では、どちらの功績が上なのかは一目瞭然だと思いますが‥‥?」

 

『‥‥』

 

アイロの指摘に何とも言えない一同。

 

「ウミノ艦長。それで、北米管区上層部は今後どう動くと思うのですか?」

 

「‥‥考えたくはないのですが旧CIAあたりが刺客を放ち、スターシア陛下を暗殺し、極東管区側の要人保護の脆弱性を指摘し、国際的に極東管区を批難し、政府内においての極東管区の力を弱めようという動きに出るかもしれません」

 

「なっ!?」

 

「そんなバカなっ!?」

 

スターシアを暗殺と聞いて古代兄弟は驚愕する。

 

北米管区がそんな暴挙をするなんて信じられなかった。

 

スターシアは地球における恩人である。

 

それを国際的にトップの座に就くためにその恩人を暗殺するなんて恩知らずにも程がある。

 

「いや、考えられなくもないよ」

 

しかし、束はありえない事ではないとアイロの考えを肯定する。

 

「月村さんは本当に北米管区がそんな暴挙をすると?」

 

「過去の歴史であのケネディ大統領の暗殺事件でもCIAの陰謀説があるくらいだしね」

 

『‥‥』

 

過去のアメリカにおける陰謀を聞き、一同は神妙な顔つきとなる。

 

「仮にケネディ大統領暗殺の件にCIAが関わっているとしたら、彼らは自国の大統領さえも平気で手にかけた事になる‥‥そうした連中にとって地球人ではないスターシアさんの命なんて何とも思わないだろうから命の危険は十分にあるな‥‥いや、スターシアさんだけではなく、守くんやサーシアちゃんの身も危険に晒される可能性があるな‥‥」

 

「いや、アメリカだけではないぞ、中国、ロシア管区における上層部の一部も日本がこれ以上力や発言権を持つ事を面白くは思わないだろうな」

 

真田はアメリカ以外にも中国やロシアと言った大国も要注意しなければならないと言う。

 

「はい。実は出航前に北米管区の管区長官と地球連邦大統領から直通の特別暗号文にて『旧CIAや各管区や北米管区内の一部派閥に不穏な動きあり。帰還の際には司令部か大統領直通回線を用いて詳細な報告を求む』との連絡を受けていまして‥‥」

 

そしてアイロは緊急出航直前に地球連邦大統領と北米管区の管区長官から忠告に近い私信を受けていたことを明かした。

 

実は彼女の父は北米管区長官で、大統領は叔父に当たるのでこの内容を信用していたのだがそこについては明かさなかった。

 

彼女は親族が有名人だからと言って特別扱いされるのはごめんだったからである。

 

「軍としても全力でスターシアの安全は確保するつもりだが、ほんのわずかな隙が命取りになるだろうからな‥‥」

 

「軍の他にも家からバックアップをするつもりだよ。忍さんあたりにお世話兼警護用の自動人形も派遣するだろうから‥本当なら、スターシアさんはイスカンダルと運命を共にした事にしようかと思ったんだけど、結婚式を大々的にやったからね。秘匿するのはもう難しいだろうからね」

 

(まぁ、問題はスターシアさん以外にも管理局にテスタロッサ親子と他にもあるんだけどね‥‥とりあえず、管理局については帰りにヘリオポーズに立ち寄ってコンタクトを取らないとな‥‥その次は忍さんに頼んでスターシアさんのお世話兼警護用の自動人形の製作を頼まないと‥‥)

 

(はぁ~地球に帰る前にやるべきことが多々あるな‥‥)

 

やる事の多さに束は思わず蟀谷を押さえるのであった。




次回 報告と混乱

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
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