内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

119 / 212
お待たせしました!

感想お待ちしております!!!


第九十四話 第二の地球

地球軌道にてスターシアたち一行を出迎えに展開していた防衛軍の宇宙艦艇を見て驚いているフェイトたち。

 

すると、部屋をノックする音がした。

 

「どうぞ」

 

フェイトが入室を許可すると、

 

「フェイト、皆さんも少しよろしいですか?」

 

リニスが入って来た。

 

「あっ、リニス。どしたの?」

 

「地球に降りる前に皆さんにお伝えしたいことがありまして‥‥」

 

「ん?何かな?」

 

「この後、地球へ降りましたら、皆さんはこの艦の艦長の実家に滞在していただきますが、その際、イスカンダルでスターシアさんたちと共に救助されたテスタロッサ親子も皆さんと同じ住居で滞在します」

 

「‥‥」

 

リニスは管理局組にテスタロッサ親子の滞在場所が自分たち同じ束の実家である月村家であると知らされる。

 

暫くの間、テスタロッサ親子とひとつ屋根の下で過ごすことになる件についてフェイトは複雑そうな顔をしている。

 

いくらプレシアにあの時の記憶がなく、管理局へ知らせなくとも、自分はあの時の事を鮮明に覚えているとなるとフェイトの心境が複雑なのも頷ける。

 

「それで、皆さんが管理局の人間である事はプレシアの前では内密にしていただけますか?」

 

リニスはフェイトたちに管理局員であることをプレシアには口外しないで欲しいと頼んできた。

 

「理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

 

するとティアナがリニスに質問する。

 

「プレシアに関係した事件の資料を見たのであるならば、分かるかと思いますが、アリシアが亡くなった事故の原因は、管理局がプレシアに無理なスペックと納期でヒュードラの開発を急がせたせいであり、プレシアは管理局に対してあまり良い印象をもっていません」

 

『‥‥』

 

「そんなプレシアの前に管理局の関係者がひとつ屋根の下で過ごすとなると、余計な軋みを生じさせます。そうなれば、皆さんに滞在先を提供された家主の方にもご迷惑をかけることになるので、無用なトラブルを避けるためには皆さんの素性を隠してもらう必要があるのです。どうぞ、ご理解をしてください」

 

「うん、分かったよ。リニス」

 

リニスの頼みを最初に理解したのは他ならぬフェイトだった。

 

自分がアリシアになりきれなかった事でプレシアを失望させてしまった。

 

しかし、今のプレシアにはあの時の記憶はないが、リニスの言う通り苦手意識を持つ管理局員が傍にいるとそこでも不協和音を生んでしまう可能性が高い。

 

プレシアには娘ではなくともせめてアリシアのそっくりさんな人物として接してもらいたいと言う思いがフェイトにはあったからだ。

 

「フェイトさんがそう言うなら‥‥」

 

「私たちはそれに従います」

 

「リニスさんの言う通り、無用なトラブルを起こすと厄介ですからね」

 

確かにリニスの言う通りで、自分たちはこれからもう一つの地球で暫く居候させてもらう立場なので、そこで問題を起こす訳にはいかないので、ティアナたちもリニスの頼みを聞くことにした。

 

「でも、プレシア母さんやアリシアにはバレていない?」

 

スターシアたちの結婚式の時は管理局の制服ではなく、ドレスを着用していたので制服から自分たちの素性はバレていないが、アマテラスの医務室で鉢合わせした際、フェイトたちはスターシアに自分たちの素性を明かしていた。

 

その際、プレシアも医務室に居たので、彼女に自分たちの素性が既にバレているのではないかとフェイトはリニスに訊ねる。

 

「あの時、プレシアは直ぐに眠ってしまいましたし、アリシアには説明してありますから、大丈夫です」

 

リニスは此処に来る前にフェイトたちの素性を知っているアリシアと話して彼女にはフェイトたちの事は秘密にしてもらっていた。

 

「では、間もなく地球に到着しますので、退艦の準備をお願いしますね」

 

リニスはそう言い残し、医務室へと戻った。

 

 

地球に降下して東京湾へと入港したイスカンダル星救援艦隊だったが、入港する前にトラブルが起きた。

 

「sit!!なんてざまよ!!」

 

「す、すみません!!」

 

なんとアリゾナが座礁事故を起こしてしまったのだ。

 

まぁ通常の海上船舶ではなかったので、すぐに離脱できたがアリゾナの船底には不名誉極まりない傷がついてしまった。

 

後にこの事態の原因が究明されたがその理由がなんとまぁアメリカらしい凡ミスであったと発覚した。

 

なんと試験的に開発・搭載されていた地上にて距離間を計測することになっていたシステムが実はいまだにヤード・ポンド法で計測する方式であったことを伝達ミスで伝えられておらず、メートル法で計測員が読み取ったことが原因であったとか…。

 

 

ちなみにこの凡ミスは実際にNASAが起こしている。

 

マーズ・クライメイト・オービターという火星探査用人工衛星に359億円をかけて開発し、長期の火星探査ミッションを行わせる予定で1998年12月11日に打ち上げた。

 

打ち上げその物は大成功と言っていい物であり、機体自体にもなんら問題はなかった。打ち上げ直後の軌道修正も上手くいき今回も完璧に成功かと思われた矢先に事件が起きた。

 

火星の影に隠れた探査機との通信が途絶えて以降行方不明になってしまったのだ。

 

その後この事態の調査が行われた所、開発チーム内でのヤード・ポンド法とメートル法の伝達ミスを起こしていたことが発覚した。

 

実はこの衛星開発の際に複数のチームを組んで開発に挑んでおりエンジン開発のチームはアメリカではおなじみのヤード・ポンド法に基づいて計算していたのだが他のチームはすべてメートル法を採用して作業しておりエンジン開発チームが送って来たデータもメートル法だと勘違いされたまま処理されてしまい探査機のソフトにヤード・ポンド法で生成された数値が同じ数値のままメートル法で入力されてしまうという事態に…。

 

まぁ当然軌道計算がうまくいくわけがなく探査機は予定よりもはるかに低い高度で火星へ侵入し、想定よりも濃い火星の大気に突入した探査機は圧力等で宇宙の塵と化したか宇宙のかなたへ飛んで行ってしまったと思われている。

 

(実はこの軌道侵入の際に高度が低いと衛星から警告音がバンバン出ていたようなのだがこの時凡ミスに気づいていなかった現場のチームは無視していたとか…)

 

この事態の遠因は度重なる予算の削減で本来の30%程度も予算不足で開発を強行して事前の試験さえも予算の関係で一切行わずにいたのが原因だとか‥‥。

 

(なお弟分の衛星も同様に墜落したとか)

 

とまぁそんな北米管区としては宇宙関係の失態を再発するという事態が発生したものの艦隊は無事に東京湾へと入港した。

 

 

「捧げ‥‥銃!!」

 

「イスカンダル女王スターシア陛下に対し、敬礼!!」

 

アマテラス、ヤマト、アリゾナからタラップが降ろされると同時に儀礼隊が敬礼した。

 

「いや~政治家も本気だね~♪」

 

「そうだな。それに隣にも新造艦を配置して祝砲を上げておるしな」

 

そう実は隣にジャブロー基地にて艦政本部主導で進められていた多機能複合型戦艦構想にて建造された新型戦闘空母DCV-01アカギとDCV-02カガが出張ってきており政府や軍もそれほど張り切っているのだ。

 

アカギ級戦闘航空間機母艦

 

(同型艦 ACV-01アカギ・ACV-02カガ・ACV-03トサ・ACV-04アマギ・ACV-05カツラギ・ACV-06ウンリュウ・ACV-07スペリオール・ACV-08ヒューロン・ACV-09エンタープライズ・ACV-10ホーネット・ACV-11イセ・ACV-12ヒュウガ・ACV-13ヒリュウⅡ・ACV-14ソウリュウⅡ・ACV-15グラーフツェッペリン‥‥)

 

ドレッドノート級戦闘空母シリーズにおける主力空母級の艦艇。艦容としてはPSシリーズに出てきたキエフ級に似た攻撃空母松島や2205のヒュウガに酷似している。

 

ジャブロー基地にて新規航空機動艦隊建造計画に基づいて建造中に多機能複合型標準戦艦構想によって改装を受けて建造された航空戦艦であり、性能の高さから多数が建造されていた。

 

初陣は第七艦隊や内惑星艦隊特別編成艦隊とともに長距離航海訓練に数隻が参加。デザリアムとの戦いに突入していくことになった。

 

 

〔武装〕

 

・30.5センチ三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×2基

・六連装大型エネルギー砲×1基

・12.7センチ連装副砲×2基

・拡散波動砲×1基

・四連装対艦グレネード投射機×1基

・その他対空兵装多数

 

〔搭載機〕

 

総搭載数64機

 

・コスモタイガー×15

【挿絵表示】

 

・コスモパイソン×15

【挿絵表示】

 

・新型対艦攻撃機(予定)×16

【挿絵表示】

 

・新型対艦雷撃機(予定)×16

【挿絵表示】

 

・コスモシーガル×2

 

各艦の退艦準備が整い、軍や政府としてはスターシア親子といち早く対面したいところであるが人道的観点から先に派遣艦隊の重傷者を退艦させた後にスターシア親子は政府が用意した特別車に乗ると多数の警護車両と共に連邦大統領府へと向かった。

 

なお束とディアーチェ、アイロは艦内にて手続き等を行っていた。

 

(ちなみに進は親子の付き添い)。

 

そうして手続きを終えた束はまず管理局組とプレシア親子を先に実家に送る準備をさせておくようにリニスに伝え、藤堂長官と土方総司令官にディアーチェと共に挨拶に向かった。

 

「月村束、ただいま帰還いたしました!」

 

「同じくディアーチェ・K・クローディア帰還しました!」

 

「うむ、ご苦労だった。後日に不明艦隊や戦闘経過を報告してもらうことになるが今日から数日間はゆっくりと休んで英気を養ってくれ」

 

「「はっ!!」」

 

そうして束は総員下艦の前に艦長訓示を行った。

 

「総員傾注!!」

 

「今回の航海は演習と軽い実戦経験を積むことを予定していたけれど突然の予定変更でイスカンダル救援に変わり、大マゼラン雲まで往復三十万光年に及ぶ遠征と、未知の敵・暗黒星団帝国軍との交戦やガミラス軍との共闘という、極めて異例で厳しい任務の中イスカンダル星防衛は成功したとは言い難いが、スターシア陛下、我らが戦友・古代守、サーシア王女殿下を救出でき、しかも一艦たりとも脱落せずに帰還することができた!これは大変喜ばしく、大きな戦果だよ!これからヤマトや我がアマテラス、アリゾナ、雪風・改、そして無人重駆逐艦五隻はドックにおいて修理に入ることになるからしばらくの間は休暇となるけどその間も防衛軍人としての誇りや心得を忘れずに生活してくれることを祈っているよ。そして有事の際には即応できる心構えでいておいてね?では以上!!解散!!」

 

『『『『はっ!!!』』』』

 

その後、乗組員は荷物を纏め順次退艦していった。

 

乗員が下艦していく中、ドックには多数の救護車がやって来る。

 

乗員の下艦が終了すると防衛軍の公用車ではない、黒塗りのリムジンが二台ドックへやって来た。

 

ドックに来た黒塗りのリムジンの運転席には月村家のメイドのノエルが居り、助手席に束が座って後部座席にはディアーチェ、フェイト、ティアナ、神堂、シルビアが乗り込みもう一台のリムジンには運転席にファリンが乗って居り、後部座席にはギンガ、リニス、プレシア、アリシアが乗り込んだ。

 

そして二台のリムジンは束の実家である海鳴の街にある月村家へと向かった。

 

(す、凄い車‥‥)

 

(フェイトさんの車もミッドではそれなりの高級車だけど、月村艦長の車も凄い‥‥)

 

(リムジンなんて初めて乗った‥‥)

 

シルビア、ティアナ、神堂は初めて乗るリムジンに緊張していた。

 

(この世界の海鳴の街は一体どんな街なんだろう‥‥?)

 

一方、フェイトはもう一つの地球における未来の海鳴の街が一体どんな風景なのかを早く見たかった。

 

もう一台のリムジンでは、

 

「うわぁ~凄い、バスみたいな車だね」

 

「ええ、そうね。でも車内ではしゃいじゃあダメよ。アリシア」

 

「はーい」

 

アリシアも初めて見て、乗るリムジンに興奮していた。

 

 

夜のとばりが落ちた海鳴の街‥‥。

 

(これが‥‥この世界の海鳴の街‥‥)

 

フェイト自身も夜の海鳴の街をこれまで何度も見てきたが、今自分が見ている海鳴の街はかつて、自分が住み、見慣れてきた海鳴の街とは異なる。

 

自分が知る海鳴の街と違い、目の前に広がる海鳴の街は所々に夜の闇が覆っている。

 

それは全て戦災によるモノなのだと、直ぐにフェイトには分かった。

 

やがて、二台のリムジンは月村家の屋敷へと到着した。

 

フェイトの目の前には、自分が知る海鳴の親友が住んでいる屋敷と寸分たがわぬ姿の屋敷があった。

 

 

「うわぁ…」

 

「大きいですねぇ‥‥」

 

「豪邸じゃないの‥‥」

 

「「‥‥」」

 

とはいえ他の三人は驚いており、プレシア親子は言葉が出なかったようだ。

 

「あっ!お帰り束お姉ちゃん!!」

 

「「!!??」」

 

そこに偶々庭に出てきた昴がお帰りを言いに来たのだが彼女の姿にフェイトとティアナは驚いた。

 

「「す、スバル!?」」

 

そう、彼女たちが知っているスバル・ナカジマに年齢は違うが昴は外観がそっくりなのだ。

 

 

【挿絵表示】

 

「え?う、うん。私の名前は昴(すばる)だけど‥‥あたし、お姉さんたちに会ったことあったっけ?」

 

昴としては会ったこともない相手に名前を知られていることに驚いたがフェイトはすぐに

 

(あっ、ここはもう一つの第97管理外世界だったっけ?じゃあ私たちの知るスバルとは違うか…)

 

(ってことは、なのはのそっくりさんもいるのかな?)

 

自分にはやて、昴のそっくりさんが居たのだから、残るなのはのそっくりさんも居るのではないかと予測するフェイト。

 

「ご、ごめん。私たちの知っている人が貴女に凄く似ていてね?」

 

「へぇ~そうなんだ。でも同姓同名の人って本当にいるんだね~」

 

まぁ昴はフェイトの返答になんとか納得したようだ。

 

「さあ、どうぞ」

 

そう言って束が玄関のドアを開けると、

 

「ようこそ、月村家へ」

 

と、月村家当主の忍がフェイトたちを出迎えた。

 

「っ!?」

 

忍の姿を見て、フェイトは驚愕の表情をした。

 

(えっ!?すずかのお姉さん!?でも、この世界の地球って、私たちの知る地球から確か200年くらい未来の筈なのに何でこの人は今ここに!?)

 

フェイトとしては、親友の姉が200年先の未来に存在している事に物凄く疑問を感じていたが、

 

(あっ、でも、すずかか忍さんの子孫って言う線もあるかも‥‥)

 

と、目の前に居る親友の姉そっくりの人物が親友かその姉の子孫だと思っていたのだが、

 

「初めまして。月村家当主の月村 忍です」

 

と、自己紹介したら、フェイトは再び混乱の渦の中へと飲まれた。

 

(忍?しのぶ?シノブ?な、何で、目の前にいるこの人は名前までもがすずかのお姉さんと同じ名前なの!?何故なの!?それに車を運転して来たあのメイドさんもすずかの家で見たメイドさんとそっくりだし‥‥)

 

「は、初めまして。ティアナ・ランスターです。この度はお世話になります」

 

と、ティアナが忍に自己紹介をしていたため、フェイトたちも、

 

「初めまして。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。しばらくの間、お世話になります」

 

「は、初めまして!神堂慧理那(しんどうえりな)です。よろしくお願いします」

 

「初めまして、シルビア・アライアンスです」

 

管理局組が忍に挨拶を終え、

 

「プレシア・テスタロッサです。娘共々お世話になります」

 

プレシアが忍に一礼をする。

 

「いえ、テスタロッサさんの事は束より聞いています。優秀な研究者兼技術者であると‥‥私もこう見えて機械いじりが好きなんです」

 

「あら?そうなの?私たち、意外と馬が合うかもしれないわね」

 

「ええ、そうですね」

 

「あっ、この子が私の娘のアリシアです。さっ、アリシアご挨拶をしなさい」

 

「あ、アリシア・テスタロッサです」

 

「はじめまして、アリシアちゃん。見ての通り、家には昴や後二人の子が居るの‥みんなと仲良くしてあげてね?」

 

「は、はい」

 

「昴もいいかしら?」

 

「うん。箒姉や星姉‥それにリンネもアリシアちゃんの事を歓迎してくれるよ、きっと」

 

(箒姉に?星姉?‥‥姉ってことはこっちの昴の姉ってことよね?‥‥ギンガさんやチンクに似ているのかしら?)

 

ティアナは自分の知るスバルが姉と呼ぶ人物はギンガと新たにナカジマ家に養女となったナンバーズのメンバーである事から、こっちの昴の言う姉の姿は今のギンガを少し小さくした感じのギンガと自分が知るままの姿のチンクなのかと予測するが、後にその予測は大きく外れる事になった。




次回 地球での生活

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。