内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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次回は本編です!

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閑話 蜘蛛女 後編

 

翌日‥‥

 

星奈の姿は昨日箒と昴と一緒に訪れた隣町の町外れにあるトンネルの前に来ていた。

 

「‥‥」

 

昨日、箒と昴は気付かなかった‥というよりも星奈が帰宅を促した為に気付かなかったと言った方が正しい。

 

星奈はトンネル付近のガードレールに括りつけられた板をジッと見ていた。

 

板には、

 

『くもおんなさん もう出て来ないで下さい』

 

と、書かれていた。

 

板が括り付けられたガードレールの下にはバッタ、イナゴ、コオロギなどの虫が沢山入った小瓶が幾つも置かれていた。

 

(噂話に便乗した誰かの悪戯でしょうか‥‥?)

 

いつの世でも噂話に便乗して人々を驚かせたり、困らせたりする輩は居る。

 

この看板も虫が入った小瓶も蜘蛛女は本当に居ると見せかけた悪戯なのだろうかと星奈は思う反面、もしかしたら本当に蜘蛛女は居るのかもしれないと言う思いがあったので、今日星奈は一人でこのトンネルへ来たのだ。

 

星奈がジッと看板と虫が入った瓶を見ていると、

 

「あの‥‥」

 

「えっ?」

 

星奈は背後から声をかけられた。

 

振り向くとそこには自分と同い年くらいの少女が居た。

 

そして、彼女の手には虫がたくさん入った瓶があった。

 

(あの瓶‥‥彼女がこの看板や瓶を持って来たのでしょうか?)

 

虫が入った瓶を手に持っていた事から星奈は彼女も昴同様、蜘蛛女を信じているのかと思った。

 

「なんでしょう?」

 

「も、もしかして、貴女も蜘蛛女に会いに来たの?」

 

「は?」

 

少女は突拍子もない事を星奈に言ってきた。

 

「それはどういう意味でしょう?」

 

星奈は少女に尋ねる。

 

少女‥鑑 純夏の話では同じ学校に通う友人がこのトンネルで蜘蛛女に襲われたのだと言う。

 

星奈は冗談かと思ったが、純夏はこの後、蜘蛛女に襲われた友人のお見舞いに行くと言うので本当か嘘なのかを確かめるために星奈は彼女について行く事にした。

 

「むっ?」

 

その際、星奈は純夏から漂ってくる香水の臭いがきつい事に顔をしかめた。

 

(まだ私と変わらない年齢なのにこんなに香水をたっぷりとかけるなんて‥‥)

 

自分もまだ小学生であり香水をつけるのは早いのではないかと思っているのだが、純夏は成人女性でもつけないくらいの量の香水を自分にかけているみたいだ。

 

(背伸びして香水をつけるにしてもこれから友人のお見舞いへ行くのにこんなにも沢山の香水をつけるものなのでしょうか‥‥?)

 

純夏に違和感を覚えつつも星奈は蜘蛛女に襲われたと言う彼女の友人の家に向かった。

 

着いた先はごくごく普通のマンションであり、マンションの周辺には人工樹木が植えられている森林地帯が広がっている。

 

純夏は『夕樹』と書かれた友人の部屋に着くと呼び鈴を鳴らすが中から応答は無い。

 

そこで彼女がドアノブを握ると部屋には鍵が掛けられておらずドアが開く。

 

「おーい、美玖ちゃーん!!」

 

純夏は玄関で声をかけながら中へと入っていく。

 

「ちょ、良いんですか?勝手に入って‥‥」

 

いくら友人の部屋でもちゃんと許可を取ってから入った方が良いのでないかと星奈が窘めるが、

 

「居る筈ですから大丈夫ですよ」

 

「えっ?でも‥‥」

 

「大丈夫です。いつもこうですから」

 

そう言って彼女は友人の部屋へと進んでいき、星奈もその後を追う。

 

「美玖入るよ。どう?元気?」

 

部屋に入った彼女は友人の美玖に声をかける。

 

「うっ‥‥」

 

星奈もその友人の部屋に入るが、部屋に入った途端思わず顔をしかめる。

 

その友人の部屋は余りにも甘ったるい臭いで満たされていたからだ。

 

部屋の中には沢山の置き型の消臭剤や消臭スプレーが沢山置かれていた。

 

(この部屋‥あまりにも変‥‥消臭剤が置かれ過ぎている‥‥それに、消臭剤の臭いの他に何か別の臭いがほのかに混じっている‥‥)

 

星奈が部屋中に漂う消臭剤と消臭スプレーが混ざった臭いに顔をしかめていると、

 

(マイ・レディー‥‥)

 

(ん?なに?ルシフェリオン)

 

ルシフェリオンが星奈に念話で話しかけてきた。

 

(この部屋、臭いだけではない)

 

(えっ?)

 

(放射線の量がやたらと多いぞ)

 

(放射線?)

 

(ああ‥今の所人体に影響はないが、あまり長時間此処に居るのはオススメできん)

 

(分かった)

 

ルシフェリオン曰く、この部屋は臭いだけではなく放射線の量が外よりも高い数値であると警告した。

 

純夏の友人である夕樹 美玖はベッドの上におり、上半身を起こして、星奈をジッと見ている。

 

確かに顔色は青白く、目の下には薄らと隈を作り、何かしら病んでいる様子であるが、純夏と美玖は偏見かもしれないが容姿などから性格が真逆な印象を受ける。

 

純夏はいかにも優等生な印象を受けるが、美玖はやや不真面目な印象で高校生にでもなればギャルっぽい高校生になるような印象だ。

 

純夏がこうして美玖の家に来たのも学校の先生に頼まれたから来たのかもしれない。

 

「これ、今日までの授業内容のノートね、こっちが国語でこっちが算数、それでこっちが理科ね。それとこれが配られたプリント」

 

純夏が学校の授業内容を記したノートやプリントを部屋に会った学習机の上に置きながら説明するが、美玖は純夏の耳に入っているのか入ないのか分からないが、頷くだけで純夏の方に視線を向けず、相変わらず星奈をジッと見つめている。

 

「あっ、気を悪くしないで‥‥美玖、怒っているの‥‥誰も信じてくれないから‥‥」

 

「そ、そうですか‥‥」

 

「美玖、この子は蜘蛛女について調べているの‥‥だから、大丈夫。辛いかもしれないけど、話してあげて、あの日の事を‥‥」

 

純夏に説得されて、美玖は了承したのか首を縦に振った。

 

そして、彼女は徐に口を開いた‥‥。

 

「あの日、部活で学校から帰るのが遅くなって普段はあの道全然使わないけど、あの日は偶々早く帰らなくちゃからあのトンネルを通ったら後ろから凄い足音が聞こえてきて私が後ろを振り返ったら遠くに女の人ゆっくり歩いているだけで別にヘンに思わなかったんだけど距離が全然縮まらなくておかしいなって思って‥‥」

 

美玖はアナウンサーも舌を巻くような早口で蜘蛛女に襲われた日の事を話すが、早すぎて聞き取れない。

 

「美玖、もう少しゆっくり話して。落ち着いて‥‥ねっ?」

 

純夏が美玖を宥める。

 

美玖も少し興奮していたのか息遣いも荒い。

 

「貴女は学校帰りにあのトンネルで蜘蛛女に襲われたのですね?」

 

星奈が美玖に確認するかのように尋ねると、美玖は頷き再び襲われた日の事を話し始める。

 

「あのトンネルを通ったら後ろから凄い足音が聞こえてきて私が後ろを振り返ったら遠くに女の人ゆっくり歩いているだけで別にヘンに思わなかったんだけど距離が全然縮まらなくておかしいなって思っていたら、女の人が急に四つん這いになってこっちに近づいてきて大きな口を開けて飛び掛かって来て目が八つあって足も凄いいっぱいあってガッチリ動けない様にされて口から糸が出てそしたら全然動けなくなって私は怖いから声あげようとしたんだけど口も鼻も糸塗れにされて全然動けなくなっていつの間にか気を失って次に気がついた時は体も糸でグルグル巻きにされてトンネルの天井に吊るされて頭が下だから私、頭に血が昇って苦しいからもがいたけど、声が出なくてでもかすれた声だけは出ていて‥‥」

 

美玖は相変わらず早口で蜘蛛女に襲われた日の出来事を話す。

 

ただ、彼女の口の中に何やら白い粘着質の様なモノがチラチラと見えた。

 

彼女が早口で話したので、この時星奈は唾液の類かと思った。

 

そこに、

 

「あら?純夏ちゃん‥‥と‥誰?」

 

「あっ、おばさん」

 

美玖の母親が帰宅した。

 

「お邪魔しています」

 

「ええ‥‥それで、その子は?見ない子だけど?」

 

「あっ、この子は高町星奈ちゃん。蜘蛛女について調べているみたいで美玖に話してもらったの‥私は今日の授業内容を美玖に教えにきたんです」

 

「そう‥ありがとう」

 

「いえ、それじゃあ、私はこれで…」

 

そう言って純夏は帰って行った。

 

「あの子、まだショック状態が酷いらしいので、知らない人になるべく会わない様にってお医者さんからもそう言われているんですが‥‥」

 

「そうですか。それはどうもすみません」

 

星奈も放射線の件があるので、部屋から出て行こうとすると、

 

「かわりに私がお話をいたしますわ」

 

「えっ?」

 

(私は蜘蛛女について調べている訳じゃあないんだけどな‥‥)

 

何か妙な流れになったが、星奈は美玖の母親にリビングへと案内された。

 

ただ、この時も美玖の母から純夏同様、掛け過ぎでは?と思うぐらいの香水の臭いがした。

 

服装と手に持っている買い物袋から察するに美玖の母は親近所のスーパーへ買い物に行った様子だが、それにしてはこんなにも臭うぐらいの量の香水をつけるのは不自然だと星奈はそう思った。

 

リビングのテーブルには例の蜘蛛女の特集が書かれた雑誌が置かれていた。

 

「あの‥‥貴女はどう思っているんですか?」

 

「蜘蛛女‥ですか?」

 

「ええ」

 

星奈はテーブルの上の雑誌を手に取り、蜘蛛女のイラストが描かれているページを開き、美玖の母親に見せる。

 

「これが、あの子を襲ったって言うんですか?」

 

「本人や先程のお友達はそう言っていましたが‥‥」

 

「ホントにあの子にも困ったものだわ。私も昼間、なかなか家に居てやれないものですから、寂しい思いをさせてしまっているとは思っているんですけど‥‥」

 

「失礼ですが、旦那さん‥美玖さんのお父さんは?」

 

「死にました」

 

「えっ?」

 

「あの子が生まれる少し前に‥‥」

 

「それは失礼しました」

 

星奈が美玖の父親の事を尋ねた後、妙な空気がリビングを覆った。

 

先程まで香水の臭いがきつかった美玖の母親からはいつの間にか香水の臭いが薄れ、代わりに妙な臭いがしてきた。

 

(マイ・レディー)

 

(うん‥‥ルシフェリオン、いつでも展開できるようにして)

 

(承知)

 

星奈もルシフェリオンも警戒度を高めた。

 

何せ星奈の足にはいつの間にか粘着質な糸が薄らと絡まっていたからだ。

 

星奈がチラッと窓の外を見ると、既に日は傾き始めていた。

 

(夕日‥‥確か蜘蛛女は‥‥)

 

「‥‥蜘蛛って残酷ですよね?」

 

星奈は蜘蛛女の噂話の中で蜘蛛女がその正体を現す時間帯の噂を思い出していた。

 

そんな中、美玖の母親が突然、蜘蛛について星奈に話しかけて来た。

 

「は?」

 

「貴女は知っているかしら?蜘蛛の後尾?」

 

「‥‥ええ‥確かカマキリ同様、メスの蜘蛛は出産の為、交尾した後のオスを襲って食べてしまうってヤツですよね?」

 

「よく知っているわね」

 

「こう見えて虫は結構好きなんですよ‥‥あれ?どうかしましたか?先程から何やら落ち着きが無いようですが?」

 

「いえ‥‥別に‥‥」

 

美玖の母親は何ともないと言うが、明らかに挙動不審で腕や肩を動かすたびにボキ、バキ、とまるで骨を折るような、軋ませる様な音がする。

 

「‥‥もうすぐ日が暮れますね‥‥そう言えば今日は満月の様ですよ」

 

「‥‥」

 

ボキッ

 

バキっ

 

メキメキッ

 

「知っていますか?人って満月の夜になると凶暴になるらしいですよ‥‥だから、満月の日の夜は‥‥通常の夜の日と比べて‥‥事件が多いみたいですよ!!」

 

そう言い終わると、星奈は美玖の母親に殺虫剤を噴きかけた。

 

この殺虫剤は念のため御守り代わりに星奈が持っていたものだった。

 

「ぎゃあぁぁぁぁー!!」

 

殺虫剤を受けた、美玖の母親は人とは思えない悲鳴をあげた。

 

これが人ならば傷害罪だが、既に美玖の母親は人間の顔では無く、蜘蛛の様な目が八つあり、手も八本に増えていた。

 

殺虫剤に怯んだが殺虫剤で死ぬことは無く、美玖の母親‥もとい蜘蛛女は星奈へ飛び掛かろうとしたが、

 

「ルシフェリオン!!セットアップ!!」

 

「了解!!」

 

星奈は素早くデバイスであるルシフェリオンを起動させ、

 

「ルシフェリオンクロー」

 

炎を纏う拳で蜘蛛女を殴りつけた。

 

「ぐぎゃぁぁぁぁ!!」

 

再び蜘蛛女から悲鳴が上がる。

 

星奈は管理局のエースであるなのはに似て、その魔力レベルは高いが属性に関してはなのはとは異なり、シグナムの様な炎属性の魔力保持者であった。

 

蜘蛛女は身体の一部が燃え煙を上げつつ星奈を一睨みした後、ベランダ側の窓を突き破って外へと逃げた。

 

星奈は慌てる様子も無くソファから立ち上がり、美玖の部屋へと向かう。

 

その美玖の部屋では、美玖本人の身体にも変化が生じており、彼女の手足は蜘蛛の様に八本となっていた。

 

蜘蛛女と化した美玖は部屋に入って来た星奈を睨む。

 

「そうなってしまってはもう人間に戻る事は出来ませんね‥‥」

 

「ぎぇぇえぇぇぇー!!」

 

蜘蛛女となった美玖が星奈目掛けて飛び掛かって来る。

 

それを星奈は先ほどと同じくルシフェリオンクローに炎を纏わせ、蜘蛛女と化した美玖を殴りつける。

 

すると、美玖は悲鳴を上げると背中が割れ、中から先程よりも小さい蜘蛛女が出て来た。

 

【挿絵表示】

 

そして床には美玖の生皮がドサッと落ちた。

 

「これが蜘蛛女の正体‥‥人間の体内へと寄生し、中身を食い、生皮を被っていたわけですか‥‥人の生皮の腐敗臭を悟られない様に香水や消臭剤を沢山使って誤魔化していたのね‥‥」

 

「ぎぇぇえぇぇぇー!!」

 

蜘蛛女(小)は口から糸を吐こうとしたが、

 

「パイロシューター!!」

 

殺傷設定のパイロシューターを放ち蜘蛛女(小)の首を吹っ飛ばした。

 

(ん?きつい香水の臭いが腐敗臭を防ぐためなら、此処まで案内したあの子も‥‥)

 

星奈は先程外へ逃げた蜘蛛女を追いかけるため、外へ出るとどこからか香水の臭いがしてきた。

 

「ホントだったでしょう?蜘蛛女」

 

すると上から純夏の声が聞こえて来た。

 

星奈が声のした方を見上げると、マンションの壁にへばりついた純夏が居た。

 

純夏の姿も先程の美玖同様、手足が八本ある半蜘蛛女の姿だった。

 

「ええ、そのようですね‥‥あっ、そうそう、貴女のお友達ですがついさっきお亡くなりになりましたよ」

 

「っ!?」

 

美玖に寄生していた仲間の蜘蛛女が退治された事を知ると純夏蜘蛛女は怒りで顔を歪める。

 

「きしゃぁぁぁぁぁー!!」

 

純夏蜘蛛女(小)は純夏の生皮を脱ぐと星奈に飛び掛かって来たが。

 

「飛んで火にいる夏の虫ですね‥‥ブラストファイアー!!」

 

何も策無しに上から飛び掛かって来た蜘蛛女(小)はブラストファイアーでこんがりと焼けた。

 

「さて‥‥そろそろ決着をつけましょう?蜘蛛女さん」

 

星奈はマンションの周りにある林の中にある開けた野原で潜んでいる蜘蛛女に話しかける。

 

ガサガサと草を掻き分ける音を立て、蜘蛛女は姿を現した。

 

蜘蛛女は美玖の母親の生皮をその場で脱ぐと星奈に襲い掛かって来た。

 

しかし、蜘蛛女は星奈の攻撃魔法を警戒して、遠距離からの攻撃‥口から糸を吐いて、まずは星奈の動きを封じようとしてきた。

 

だが、

 

「ルベライト」

 

星奈はバインドで蜘蛛女の動きを封じる。

 

蜘蛛女はまさか自分がやろうとした事を人間相手に後れをとることになった。

 

「集え、明星(あかぼし)全てを焼き消す炎となれ‥‥ルシフェリオンブレイカー!!」

 

星奈は動けなくなった蜘蛛女へ炎の収束砲を撃ち込み蜘蛛女の全てを燃やし尽くした。

 

「ルシフェリオン」

 

この場に居た蜘蛛女を全て倒した星奈はルシフェリオンに蜘蛛女の正体を尋ねた。

 

「なんだ?マイ・レディー」

 

「あの蜘蛛女は本当に妖怪‥‥だったのでしょうか?」

 

「ふむ、その事なんだが、恐らくあの蜘蛛はガミラスの遊星爆弾による放射能で普通の蜘蛛が巨大化したものではないだろうか?」

 

「遊星爆弾の放射能?」

 

「うむ。放射能の影響で突然変異したのであるならば、あの部屋の放射線の量が異常に多かったのも頷ける」

 

「‥‥そう」

 

ルシフェリオン曰く、星奈が倒した蜘蛛女は決して雑誌に載っていた様な妖怪の類ではなく、遊星爆弾の放射能の影響を受けた蜘蛛ではないかと考察した。

 

「あっ‥‥」

 

「どうした?マイ・レディー」

 

「夕樹家の蜘蛛女は倒しましたが、純夏さんの家‥‥大丈夫でしょうか?」

 

夕樹家の母子が蜘蛛女となっており、その友人?であった純夏も蜘蛛女であった。

 

ならば、純夏の家族も既に蜘蛛女ないし、化け物蜘蛛になっている可能性が高かった。

 

「とは言え、我々は彼女の家の所在は分からぬ‥‥ここは訳を話し忍殿に協力を仰いだ方が良いのではないだろうか?」

 

「信じて貰えないと思うけどそれしかないか‥‥」

 

人類にとって有害たる巨大な蜘蛛がいるかもしれないと言う事で星奈は忍に今回の件を話すことにした。

 

もし、忍が自分の話を信じてくれなければこの町、そして海鳴の街には人知れず人食い蜘蛛がはびこる事になるかもしれなかった。

 

だが、意外にも忍は星奈の話を信じてくれた。

 

その訳は忍自身も夜の一族と呼ばれる吸血鬼だったからだ。

 

忍は急ぎ純夏の家を調べノエルとファリンを戦闘モードにして向かわせた。

 

しかし、純夏の家である鑑家では純夏の両親らしき遺体が発見された。

 

蜘蛛女化したのは純夏だけで被害としては最小限で今回の件は解決することが出来たが、それでも五人の尊い命が犠牲になってしまったのは心が痛む事件となった。

 

そして月村家経由で遺体の回収と供養を行うことになったが不思議な問題が起こった。

 

夕樹親子と鑑 純夏の両親の遺体は回収できたのだが鑑 純夏の人皮のみが何故か見つからなかったのだ。

 

ところが翌日、星奈にとって思いもよらない事態が起こった。

 

「星奈様。お手紙が…」

 

「私宛に手紙ですか?……こっ、これは!!」

 

その手紙には『鑑 純夏より』と書かれていた。

 

星奈が手紙を開くとまず『あの蜘蛛を殺してくれてありがとう』と書かれていた。

 

そうして読み進めると事情が分かった。

 

なんでも鑑 純夏に寄生したのは女王蜘蛛だったようで寄生された後も意識が残っていたという。

 

そして星奈が女王蜘蛛女を倒したおかげで他の蜘蛛女も死滅したようだが倒した際に焼け焦げた蜘蛛女の細胞が純夏の皮に入り込み、さらに長期間放射線にさらされていた影響も重なって蜘蛛女の再生能力が純夏の皮に作用して人間時の肉体を再生することが出来た。

 

肉体は人間の時そのままに戻ったが蜘蛛女の細胞が入ったせいで壁を手と足で這い回ることができたり、糸を吐くことすらできるようになってしまったらしく人間世界に戻ることができなくなってしまったと言う。

 

その為、すでに使用されていない旧地下都市の最下層に住むことにしたがいつか恩返しさせてほしいとのことだった。

 

「‥‥ルシフェリオン」

 

『なんだ?』

 

「私は助けることができたということでしょうか?」

 

『‥‥』

 

星奈の問いにルシフェリオンは答えることが出来なかった。

 

これが束たちが地球へ戻ってくる前に起きた出来事であった。

水星の魔女を見て重力戦線の兵器やオリジンの艦艇を出して話を書いてみようかと思ったのですが面白いでしょうか?

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  • 短編でもいいから書いてみて。
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