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ハロウィンパーティーにてみんなのトラウマ級となる事態になった翌日。
束は守とスターシアに警護兼お世話用の自動人形たちを贈った。
「んじゃあこの子たちが守君とスターシアさん、そしてサーシアちゃんの護衛とお世話に当たるから」
「ああ。すまないな?」
守は束の好意になんだか戸惑っている感じだ。
「いいの、いいの~♪守君たちの安全が今の地球連邦政府の最重要課題だからね♪さっ、二人とも挨拶をして」
束はこれから自分たちの主となるスターシア一家へ挨拶をするように促す。
「琥珀です。よろしくお願いいたします」
赤毛にフリルのついた白いエプロンを身に着け、旅館の仲居みたいな着物を着た女性が屈託のない笑みを浮かべながらペコッと頭を下げて一礼する。
「ほら、翡翠ちゃんも」
「‥‥翡翠と申します。よろしくお願いいたします」
琥珀に促され、翡翠と呼ばれた赤毛に琥珀同様フリルのついた白いエプロンを身に着け、深赤色のメイド服を着た女性も目を閉じ一礼する。
「なぁ、束」
「ん?何?」
「この二人はお前の家の関係者なのか?」
守も束の家の規模は知っているので、手広く商売をしている事からこの二人も月村グループの関係先から派遣されたのかと思ったのだ。
「ああ、見かけは人間に見えるけど、この二人は自動人形‥所謂サイボーグってやつだよ」
束は守に琥珀と翡翠の正体を教える。
「えっ!?サイボーグ!?この二人が!?」
琥珀と翡翠の正体を聞き、守は思わず琥珀と翡翠をジッと見る。
守の抱くサイボーグの印象はアナライザーの様ないかにもロボットみたいな見た目なのだが、今自分の目の前に居る二人はどう見ても人間にしか見えず、束からサイボーグと言われなければ気づかないレベルだ。
「いや、どうみても人間にしか見えないぞ‥‥本当にサイボーグなのか?」
「まぁ、この自動人形の技術は月村家でも忍さんしか知らないロストテクノロジーの塊だからね。真田君も多分、自動人形の全てを解析するにはかなりの時間を有するんじゃないかな?」
「あの真田が‥‥」
真田やトチローも人としてその頭脳はチートに近いが、二百年以上の時間を生きている忍にはやはり敵わないのだろう。
「自動人形だから寝ることもないし、食べる事もトイレに行く事もないし、体調不良になることもないから、24時間年中無休で守君たちを護衛出来るよ。勿論、護衛だけでなく炊事洗濯、子守りもちゃんと出来る。ただ時々メンテナンスが必要だけどね」
束の言う通り、琥珀と翡翠は自動人形なので、睡眠、食事は行わずトイレに行くこともなく体調を崩す事もないが、やはり機械なので、メンテナンスは必要だった。
それ以外を除けばスターシア一家を常に見守ってくれる完璧な護衛であった。
「そ、そうか‥それは頼もしいな‥‥」
真田さえ解析に時間がかかる月村家のロストテクノロジーの塊が二体も居る事に守はリアクションに困惑する。
守たちに琥珀と翡翠を引き渡した後、彼女はとある場所に向かって行った。
同時刻 北米管区造船ドック
「本日、アリゾナ級護衛戦艦のペンシルバニア・アイオワ・ミズーリの完成を発表いたします!!」
ワー!!
パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ
北米管区の象徴ともいえる護衛戦艦アリゾナ級の二番・三番・四番艦の同時就役が発表された。
会場のドックでは北米管区政府関係者、軍関係者、ドックの技師・作業員たちは歓声を上げて割れんばかりの拍手をする。
本来ならばハロウィンあたりに発表する予定だったのだが、スターシア陛下の件や一番艦のアリゾナで発覚した構造上の欠陥の改修等で時間がかかってしまい、十一月の一日である今日に発表することになったのだ。
更に同時刻 ロシア サンクトペテルブルク造船ドック
「本日をもって我がロシア管区の誇りになりえる護衛戦艦。キーロフ級四隻の同時進宙をご報告します!!」
ワー!!
パチ、パチ、パチ、パチ、パチ、パチ
北米管区に対抗心を燃やしていたロシア管区も復興で忙しい中、キーロフ級の同時進宙式典を行った。
北米管区のドック同様、こちらでもロシア管区の政府関係者、軍関係者、ドックの技師・作業員たちは歓声を上げて割れんばかりの拍手をしていた。
・キーロフ級護衛戦艦
ロシア管区が第一次護衛戦艦建造計画にて建造した護衛戦艦。
四隻が同時建造され完成し、さらにアリゾナ級三隻と同時に進宙したことで有名である。
地球一の堅艦と言われているほどの頑強さを誇り、ステルス性も意識されている。
その関係上で武装に関しては対空パルスレーザーだけではなく、主砲も全て格納式にされている。
なお、先代の重ミサイル巡洋艦のキーロフ級を意識しているのか船体上部に多数のVLSを装備している。
ただその関係上それ以外の装備を追加装備するのが困難になってしまっているが地球戦艦共通の波動砲は装備する事は出来た。
ちなみに艦橋はアンドロメダ級を参考に建造されている。
実のところキーロフ級の進宙は11月の後半あたりを予定していたのだがアリゾナの就役と姉妹艦の就役が近いことを知ったロシア管区は北米管区に負ける訳にはいかないと言う意地とロシア管区の威信にかけて造船ドックの作業員の尻をひっぱたいて突貫作業で完成させたのだ。
そのせいか実はまだ四番艦のピョートル・ヴェリーキイの居住区はまだ完成しておらず就役式の後に翌日までの突貫作業で完成させるつもりなのだ。
ちなみにロシア管区としてはキーロフ・フルンゼ・カリーニン・ピョートルヴェリーキイの四隻で満足しておらずさらにアドミラルウシャコフ・アドミラルラーザリェフ・アドミラルナヒーモフ・ユーリアンドロポフの建造を企んでいたがさすがに予算的に厳しいので管区政府と連邦政府から待ったがかかって四隻で今のところ打ち止めとなったという裏話がある。
「いや~めでたいな!まさか北米管区とロシア管区が同時に就役させるなんて!!」
「ああ。だが維持費とかの問題も出てくるからなぁ…しっかり監査もしないと…」
「そうだな…」
この数日後に北米管区にて『11月の悲劇』ともいわれる大量逮捕者が出る事態が発覚するのだがそれはまたの別のお話である。
なにはともあれ地球連邦は着実に復興を果たしていっているのである。
「さてと…これでOKかな?」
そんなこんなで北米管区とロシア管区がめでたいムードの中、束はディアーチェと共に防衛軍司令部の通信管制室にいた。
何故ここにいるかと言うと、これから束はディアーチェとともに管理局との通信を用いての会談に臨むからである。
実はハロウィンの日の翌日に管理局との交信を試験的に行い、正式な通信会談の日程を調整していたのだ。
その際に会談日は11月1日と決まったのだ。
通信室には管理局組であるフェイト、ティアナ、神堂、シルビアが同席しておりシルビアは通信室の隊員に管理局との回線を開くのを手伝っていた。
実はもう一人の管理局員であるシャルロット・デュノアもこちらへ向かっていたのだが護衛戦艦アリゾナのジャブロー基地出航が重なってしまい、二日に極東管区に着くことになってしまったので今回は同席していない。
時空管理局・次元航行本部
コンソールに着信を知らせるシグナルが点灯し、アラーム代わりの着信メロディが流れる。
着信メロディは艦船毎に設定されていて、少し慣れたオペレーターならディスプレイを見なくても、どの艦船から着信したのかわかるのだ。
ところが、この時の着信メロディは聞き覚えがないものだった。
地球出身のなのは はやて、そして地球に精通しているリンディやクロノのハラオウン親子が居ればもしかしたら分かったかもしれない。
地球の音楽に触れた経験がないオペレーターには初めて聴いたメロディであったのだ。
このメロディはドイツの有名な行進曲、『ケーニヒグレッツ行進曲』だった。
(????!?)
戸惑いながらも発信相手を確認したオペレーターの表情が驚きの表情になる。
すぐに回線を繋ぐと画面にはフェイト、ティアナ、神堂、シルビアたちテリオスの遭難で生き残った面々が映っていた。
『私はフェイト・T・ハラオウン執務官です。クロノ・ハラオウン提督は在室中でしょうか?』
フェイトたち管理局組の後ろには管理局の制服とは異なる制服を身に着けた士官らしき二人の女性の姿が見える。
(次は『ダース・〇イダーのテーマ』にしようかな?それとも『ダー〇ベイ〇ーのテーマ』でもやる気のない方にしようかな?)
二人の士官の内、管理局のエースと同じ声を持つ件の女艦長はそんな事を考えていた。
「い、今お繋ぎします」
オペレーターはアワアワしながらも通信をクロノに繋ぐ。
そんな中で、
(あれ?あの中で、銀髪の八神二佐が居たような‥‥)
束は黙っていれば管理局のエースと同じ声をしているとは気づかないが、もう一人の士官‥ディアーチェの方は元機動六課の部隊長である八神はやてと容姿が瓜二つなのだが、はやてと異なり髪の毛の色と目の色が異なるので、オペレーターが直ぐに気付かないのも仕方がなかったが、クロノを呼んだ後、ディアーチェを改めてよく見るとはやてに似ていた事に気づき驚いたのは言うまでもなかった。
勿論、この後で束の声を聞いて更に驚く事も‥‥
「みんな、元気そうだな……もう地上に降りたのか?」
(えっ?はやて!?)
それからしばらくしてクロノが通信の席に来てまずはフェイトたちの現状を確認する。
そんな中で、クロノはディアーチェに気づく。
束の声を初めて聞いた時と同じく声や顔には出さなかったが、ディアーチェを見て驚く。
『うん。つい先日に無事に着いたよ』
「うむ‥‥体調とかは大丈夫か?」
『大丈夫。遭難時に大怪我をしたシルビアも今は普通に生活できているよ』
「そうか‥それは良かった」
(転送ポートがない以上、次元航行艦で迎えに行かなければならないが、早くても来月くらいか‥‥)
クロノはフェイトたちの採炭における帰国期間の予測を立てる。
しばらくフェイトたちとクロノの情報を交換してから、束も話に加わった。
「重ね重ね有難うございます、月村艦長」
『何の。船乗りの務めというだけですから、お気になさらず。それよりも、今後の話をしましょうか?ハラオウン提督』
「ええ‥‥あの‥その前によろしいですか?」
『はい?なんでしょう?』
「月村艦長の隣に居る人物についてなのですが‥‥」
クロノは束の隣に居るはやてそっくりな女性士官の存在がやはり気になり、束に尋ねる。
『ああ、失礼。ディアーチェ、挨拶を』
『うむ。我は地球防衛軍内惑星系艦隊副総司令官兼、内惑星系艦隊総旗艦アマテラス副長のディアーチェ・K・クローディアである。初めまして、ハラオウン提督』
「は、初めまして‥クロノ・ハラオウンです」
(容姿もはやてに似ているが、声もはやてに似ている)
ディアーチェの容姿がはやてに似ていた事にも驚いたが、声もはやてに似ていた事に驚くクロノ。
ディアーチェの紹介が終わり、束がクロノに持ち掛けたのはフェイトたちの地球での生活面を含めた近況報告兼ね定期的にこういう通信のやりとりをする必要があるということ‥‥
実際にもう一人、ノアの唯一の生存者がまだこちらに合流できていない事や管理局側がフェイトたちの身を案じているのは当然の事で定期的に彼女たちの姿をこうして交信の場に出せば関係者たちも安心できるだろう。
「そうですね、おっしゃるとおりです。高官の中には『エースたるハラオウン執務官だけでも先に帰還させろ』と言う者も居ます。‥‥フェイトはやっぱりみんなと戻るつもりだろう?」
『うん。当然だよ。私だけ一人先に帰るなんてありえないよ』
フェイトは部下を異郷に置きざりにして自分だけ先に帰ることを当然『良し』としなかった。
上官としてそんな恥ずかしい行動なんてできないし、折角もう一つの未来の地球へ来たのだから、時間が許す限りこの世界を見ておくのも決して無駄ではないと思っていた。
それにこの世界の関係が今後の管理世界や時空管理局の動向に大きく関わってくるかも知れないのだ。
『では今後、ハラオウン執務官らの帰国まで、こちらと管理局との間で定期的に交信を行うと言う事でよろしいですね』
「ええ、かまいません」
『それで、管理局との交信・交渉についてですが、政府と軍部より既に私とディアーチェに全権が託されております』
「はい」
『管理局側はハラオウン提督が一任すると言う事でよろしいでしょうか?』
「えっ?私が‥ですか?」
『ええ、ハラオウン提督はハラオウン執務官の義兄に当たると言う事なので、やはり身内の方のほうが話しやすいと思いますので‥‥』
「分かりました。こちら側の上司に伝えておきます」
『よろしくお願いします』
クロノは束の提案を受けることにした。
防衛軍と管理局の交信はフェイトたちの現状報告を兼ねて定時連絡をすることで合意し、通信を終えた。
通信を閉じた後、クロノはふうと溜息をついた。
フェイトたちの顔色は良さそうだ。
向こうの待遇は真っ当なようだし、負傷していたシルビアも回復している。
フェイトたちについては取り敢えず大丈夫そうだ。
それにしても防衛軍との交信の責任者について向こうが自分を指名してきたのはやはり、自分が最初に交信の席に着いた事とフェイトの義兄と言う事なのだと思っていたのだが、まさか束が転生者であり『魔法少女リリカルなのは』の知識を有している事から、クロノが管理局の中では信じられる人物であるから彼を指名したとは知る由もない。
(そう言えば、ヤマトやアマテラスをはじめとする防衛軍の艦艇はどんな動力を有しているのだろうか?)
管理局が有する次元航行艦のアルカンシェルの威力を遥かに超える威力を誇る波動砲‥‥
当然波動砲を使用するには莫大なエネルギーを使用するに違いない。
その莫大なエネルギーを生み出す防衛軍の動力源が一体どういった物なのか?
管理局の提督ではなく、一船乗りのクロノ・ハラオウンとして彼は防衛軍のエンジンの仕組みと動力源が気になった。
(次の交信で聞いてみるか?)
(しかし、正直に答えてくれるだろうか?)
宇宙船のエンジンとは言え、軍艦で使用されているエンジンなのだから軍事機密にあたるに違いないので、向こうが教えてくれるか疑問であった。
(まぁ、ダメ元で聞いてみるか)
しかし、質問しなければ分からないので、クロノは次回の交信で防衛軍の宇宙艦艇のエンジンについて聞いてみる事にしたのだった。
次回 魔法世界と科学世界出身者同士のゲーム勝負!前編
次回出てくる新作ゲームはとあるゲームを参考にしていますが分かる方には分かるものです。
ヒントとしては……、
『敵の潜水艦を発見!』
『駄目だ!』『駄目だ!』
水星の魔女を見て重力戦線の兵器やオリジンの艦艇を出して話を書いてみようかと思ったのですが面白いでしょうか?
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面白そう!
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短編でもいいから書いてみて。
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どっちでも
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ダメ