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ガトランティス残党軍による第二次地球再侵攻から数日が経過して、地球に居る連邦市民たちの生活は侵攻前の日常に戻っていた。
とはいえ軍を始めとする一部の方では未だに混乱は収まっていない。
そもそも軍、連邦政府は領海侵犯をした管理局艦の乗員たちの処遇にすら手を焼いている状況なのだ。
その為、未だ軍全体では総動員令下にあり、ソロモン要塞へロシア管区の精鋭尋問部隊を乗せた村雨型改…ロシア形式の艦種名でアドミラル・マカロフ級改のスラヴァがウラジオストク宇宙軍港を護衛艦クレスタとキンダが随伴して出航するありさまであった。
当初、地球に戻ったら家族サービスを予定していた束も第一都市(地球連邦首都東京)にある内惑星系艦隊首都司令部に詰める事になり、家族サービスは次の機会となってしまった。
そんなある日…
「へ?ボコランド??」
「そうなんだよ」 ポロ~ン♪
唐突に束とディアーチェの執務室を訪ねてきたのは内惑星系艦隊一の問題児艦隊であるホワイト艦隊司令官の島田ミカであった。
彼女の手にはカンテレの他に何枚かの遊園地特別招待券が握られていた。
「ボコと言うとあれか?ガミラスとの戦争が始まったころに流行ったボコボコにされても立ち上がって、けなげに再びいじめっ子に挑むあの包帯だらけの熊の人形か?」
ディアーチェが自分の知る限りのボコについての情報をミカに尋ねる。
「そう。そのボコだよ」
一応確認を取るディアーチェの質問をミカは肯定した。
「で、そのボコをかたどった遊園地のチケットが九枚余ったんで司令官殿のご家族に譲ろうと思ってね?」
「え?なんで??」
「いや、私のホワイト艦隊も明日内惑星系の警邏任務で全艦出動だろう?そのせいで予定していた休暇がパーになってしまって、そのせいで義妹の愛里寿が拗ねてね」
ミカの脳裏には、先日この件を伝えた際に頬をぷくぅ~と膨らましてそっぽを向いた愛里寿の姿が蘇る。
約束を破る事になってしまったミカに対して、泣き喚いて罵倒しなかったのは愛里寿自身もミカが所属している防衛軍の仕事の重要性を理解しているからだ。
「そこで愛里寿と年代が近く人数が多い司令殿のご実家に渡したほうがいいかなと思ってね?」
要は彼女も家族サービスがおじゃんになって義妹が拗ねたので、そのご機嫌取りを兼ねて愛里寿に友達を作ってもらいたいと言うミカなりの義妹への思いもあって束にチケットを譲るという訳だ。
「ん?いや、ちょっと待って?そんな遊園地あったっけ?」
千葉県の浦安に再建されたアメリカ生まれの某有名なネズミの遊園地や同じく大阪に再建された映画キャラクターの遊園地、多摩市に再建された某猫を始めとするサン〇オキャラの遊園地は知っているが、ボコの遊園地なんて聞いた事が無い。
「実は愛里寿がそのボコの熱狂的な大ファンでね?『ボコの遊園地を作ってほしい!』ってごねて母が『最難関大学の模試で満点を取ったらいいわよ』って言ったら‥‥」
「まさか満点を取ったのか!?」
「ああ、しかも北米管区のマサチューセッツ工科大学(MIT)の卒業試験の模試だよ?これには母はおろか財閥の幹部全員がひっくり返ったよ(-_-;)」
「お前の義妹は一体幾つなんだ?」
模擬試験とは言えマサチューセッツ工科大学(MIT)の問題を解いたのだから、二十代かと思いつつミカの義妹の年齢を尋ねるディアーチェ。
「確か十三歳だったかな?」
「「‥‥( ゚д゚)」」
「おまけに試験結果を知ったMITから『我が大学に飛び級で来ないか!?いやぜひ来てくれ!!』って勧誘が来る始末だし‥‥我が義妹ながら末恐ろしいよ」
苦笑しながら試験後にマサチューセッツ工科大学(MIT)からお誘いを受けた事を話すミカ。
これには転生して天才的な頭脳を持っている束も束との付き合いで頭がよくなっていたディアーチェも唖然となっていた。
てっきり二十代かと思っていたのにまさかミカの義妹の実年齢が中学生とは予想外だったのだ。
(もしかして、ギフテッドって奴なのかな?)
(それとも私と同じ転生者?)
十三歳でマサチューセッツ工科大学(MIT)の試験問題を解いた事から、ギフテッドか自分と同じ転生者の可能性があるかもしれないと予測する束。
(いずれにせよ、もう一人の私‥〈出雲梨花〉あたりが知ればマッドサイエンティストの道へ誘っていただろうな‥‥)
若く才能が有りそうなミカの義妹の事を知れば出雲はきっと自分の後継者として育てそうだ。
「まぁ、そのせいでボコの遊園地を財閥主導で建設せざるを得ない事態になったのさ」
「金の使い方が間違っているぞ!?どれだけ娘に甘いのだ!?お前の母親は!?」
いくら娘と約束したとはいえ、一個人の頼みで遊園地を建設する島田財閥に対してツッコミを入れるディアーチェ。
「まぁ、家は少々家庭内が複雑でね」 ポロ~ン♪
ミカはあまり島田家の家庭問題には触れて欲しくはない様子だ。
「ま、まぁそう言うわけならありがたく‥って!これ有効日が明日じゃん!?」
「そうなんだよ‥‥」
「渡すならもっと早く渡しなさいよ!!」
「どの道、行くのなら渡す時期に意味なんてあるとは思えないけどね~」 ポロ~ン♪
「あるからね!!事前に家族へ伝えたり、行く為の準備とかあるから、意味はちゃんとあるからね!!」
束のツッコミに対してミカはカンテレを弾きながらどこ吹く風のような態度であった。
その夜 月村邸
「えぇー!?また来れないのぉー!!」
(ミカちゃんもきっと義妹からこんな風に言われたんだろうな‥‥)
昴から不満をぶつけられミカも同じことを義妹から言われたのだと察する束。
「ホンっとごめん!!」
束は昴に両手を合わせて頭を下げて謝る。
「我としても申し訳ないが軍務上仕方ないのだ‥許せ‥‥」
「むぅ~!」
夕食の場で束から遊園地のチケットをもらった昴は遊園地のチケットには喜んでいたのだが、また束とディアーチェが来れない事に不満な様だ。
「まぁ、まぁ、昴。落ち着いて‥‥でも、束義姉さん。そろそろ私も一緒にお出かけしたいのですが‥‥」
「わ、私も…」
駄々をこねる昴を抑えた星奈と箒も少々不満げである。
「ごめんね?ほんとに‥‥」
「まさか、ギン姉も『来れない』なんて言わない様ね?」
昴がジト目でギンガを見る。
「ううん。私は今回、一緒に行けるよ。だから、束さんとディアーチェさんを許してあげてね」
今回、ギンガは仕事がなかったので、昴たちと一緒にボコランドへ行けるらしい。
「ホント!?やった!!」
束とディアーチェは一緒に行けないがギンガは行ける事に昴は歓喜する。
「あっ、それとフェイトちゃん」
昴が歓喜している中、束はフェイトに声をかける。
「は、はい?」
「申し訳ないんだけどうちの家族と一緒にボコランドに行ってくれない?此処にいる管理局の面々も一緒に」
「え、ええ!?いいんですか!?」
束からのこの申し出にフェイトは驚いた。
この前のBRAVE DUELの件もそうであったが、本来自分たちは救助者とは言え、地球から見れば外宇宙からの部外者であり軍の人たちから見れば、監視対象者なので、外出何てそう簡単にして良いのかと言う疑問がある。
「
実は復興が進んできたとはいえ地球は未だに各地の治安がよろしくなく、先日も月村邸の塀をよじ登って一階の部屋の窓を破って空き巣を企てた不届き者が居たがちょうどその部屋で箒が袴を着て木刀で剣術の自主練をしている部屋だった為に不審者を見てびっくりした箒が不法侵入者をぼっこぼこに叩きのめして警察に引き渡した騒動があったばかりで束が警備システムの開発を忍とやり始めたばかりなのである。
「そんな訳でお願い!」
「わ、分かりました」
こうして束とディアーチェは家族サービスをする機会が次回に延長される事になったが、ギンガは久しぶりに家族サービスをする事となり、フェイトたち管理局組のメンバーもこの世界の遊園地へと向かう事になった。
その後‥‥
「この世界の遊園地ってどんなところなんだろう?」
フェイトはティアナに明日ギンガたちと行くボコランドなる遊園地についてティアナがどんな印象を持っているのかを尋ねる。
「ゲームがあれだけのレベルの代物でしたからね‥‥ミッドにある遊園地と同じ‥いえ、それ以上かもしれませんね」
先日、体験プレイしたBRAVE DUELから見てもこの世界のゲームレベルはミッドよりも上だったので、そんな世界が作った遊園地が一体どんな所なのか想像もつかなかった。
そして翌日‥‥
「こ、此処がボコランドか‥‥」
そう箒は呟いた。
目の前には包帯とつぎはぎで痛々しい見た目の熊が飾られている古い洋館のような建物があったからだ。(一応しっかり新品の見た目です)
「開園したばかりの遊園地の筈‥ですよね?」
「なんか、潰れていそう‥‥」
星奈とアリシアも開園しているのかと疑問に思っている。
「えっとまずは入園口で入場手続きをしないとね」
束からチケットを預かったギンガが入園口へと行き、入園手続きをするために向かうと皆はギンガに続いて行った。
その近くでは…
「よし!やっと来れた!」
そう言う女子中学生はものすごい意気込みであった。
彼女こそ島田財閥の次期総裁候補の一人でもあり、天才の名を持っている島田愛里寿である。
「でも、ミカお姉ちゃんがまた来れなかった‥‥ガトランティスのアホめ!!」
そう愚痴りながら彼女も入園口の受付に年間パスポート見せて入園口を通っていった。
そんな彼女を尾行している者がいるとは思わずに‥‥
「う~ん。面白いのかしら?これ?」
アトラクションを前にティアナが言うのも無理はない。
このボコランドはボコを題材にしている関係上ボコ系の遊具が中心なのだが‥‥
「ホラーコースターはあまり怖くないし‥‥」
「うん。スピード感もあまりなかった‥‥」
アリシアと昴がホラーコースターについて愚痴る。
「いや、あれぐらいがちょうどいいのではないか?」
しかし、ホラーが苦手な箒としてはちょうど良い塩梅であると肯定する。
「正門のボコの人形も同じセリフを繰り返していただけでしたしね‥‥」
星奈にもいまいち不評である。
その後も遊園地内にある様々なアトラクションに乗るが‥‥
イッツ・ア・ボコワールド
ボコーテッドマンション
スペース・ボコンテン
ボコスタンリバー鉄道
ボコの海賊
ボコラッシュ・マウンテン
ボコー・オブ・テラー
レイジングボコリッツ
「っていうかこれどこかの遊園地で見たような気がするぞ。確か夢の国の‥‥」
「ストップです箒!!それ以上は怒られてしまいますから!!」
「お、おう‥‥」
星奈が慌てて箒の言葉を止めた。
しかし、箒以外にも昴もアリシアも不完全燃焼な様子だ。
ギンガやフェイトたち管理局組もボコの魅力が分からず終始遠い目をしながら眺め、今では顔にこそ出さないが疲労困憊の様子を浮かべていた。
(周囲にあまり人が居ないのは開園したばかりの遊園地じゃなくて園内のアトラクションに問題があるんじゃあ‥‥)
(此処、すぐに潰れるんじゃないかしら?)
ギンガとティアナはこのボコランドの寿命もそう長くはないのではないかと思った。
そんなこんなでボコの劇が行われる劇場にきた一行であったが‥‥
「おう!よく来やがったな!!お前達!おいらがボコさ!!」
舞台の上に一体の着ぐるみのクマ‥ボコが姿を現す。
「今日も俺に逆らう奴をボコボコにしてやるぜ!!」
(クマだから別にいいのかな?)
(いきなり物騒なセリフを吐くわね、このクマは‥‥)
ボコの登場の挨拶にフェイトと神堂は心の中でツッコミを入れる。
「ボコッ! ボコーッ!! ボコォォ――――ッ!!」
そんな中、ボコの登場に一人興奮している少女が居た。
そして劇が進むと、他の着ぐるみの動物たちが数頭、舞台の上に登場した。
動物たちはそのまま舞台を横切るように歩いていたが、舞台の真ん中にいるボコとすれ違おうとした瞬間、妙にわざとらしく肩がボコにぶつかった。
「おい!お前!!今、俺様の肩にぶつかったぞ!!気を付けて歩け!!」
「ああん?なんだとぅ!?」
「お前がぼぉ~っと突っ立っていた所為だろう!?」
「何を言ってやがる!?さっさと謝りやがれ!!」
「何だと!?生意気な奴め!?」
「やっちまえ!!」
「いい度胸だな!?返り討ちにしてやる!!」
主人公たるボコがネズミなどをモチーフにした動物キャラにケンカを吹っ掛けたのだが‥‥
「ギャー!」
『『『オラオラ!』』』
三対一であったので強いのか?と思いきやボコはめちゃくちゃ弱かった。
まさにボコはその名の通り、ボコボコである。
「うわぁぁぁ~‥‥リンネを連れてこなくて良かった‥‥」
リンネは過去に虐めの経験があるので、このボコショーは彼女の過去のトラウマを蘇らせる様な内容だったので、この場にリンネが居たらパニックを引き起こしたかもしれない。
「こ、これのどこがいいんでしょう?」
「わ、分からない‥‥」
「子供の教育に悪いでしょう。これは‥‥」
「‥‥」
フェイトら管理局一行はおろか星奈たちも引いていた。
「ボコ!!頑張れー!!」
そんなドン引き、しらけるような空気が漂う観客席からボコを応援する声がした。
驚いて一行が視線を向けると灰色?に近い髪色をした少女がボコを応援していた。
彼女の手には灰色のボコの人形を持って‥‥
「頑張れ、ボコ!!」
「み、みんなー!!おいらに力をくれー!!」
「ボコ、頑張れ!!」
「もっと力を!!」
「頑張れ、ボコーッ!!」
少女一人が目一杯ボコボコにされているボコへ声援を送っているとしらける感じで見ている自分たちが何だか悪者と言うか空気を読んでいない気がしてきた。
「「ボコ、頑張れー!!」」
昴とアリシアが少女に習ってボコに声援を送る。
「ボコ、頑張れぇぇ――――っ!!」
流石に空気を読んだのか、箒と星奈、ギンガ、そしてフェイトたち管理局組もボコに声援を送り始める。
すると、
「うおおおおおおぉぉぉっ!!」
ボコボコにされていたボコが立ち上がる。
「みんなの声援がおいらの力になったぜ!!ありがとよ!!みんな!!」
ボコが観客席に居る観客たちに礼を言って再び喧嘩相手に立ち向かう。
「頑張れ、ボコ!!」
「ボコー!負けるなー!」
「ボコ、頑張れー!」
少女の他に昴とアリシアもボコにそのまま声援を送る。
しかし、三対一と言う数のハンデには敵わらなかったのか、
「また………負けた………!!」
ボコはバタッと倒れ、動物たちは舞台から去っていく。
動物たちが去った後にボコはフラフラと立ち上がり、
「今度は………負けないぞ!!」
ボコは片手を上げて締めの言葉を言い放った。
その姿はさながら某世紀末の覇者の如き雄姿を観客たちに見せつける。
そして舞台の幕が下りた。
「‥‥」
劇が終わって少女が退席しようとした時に昴が声をかけた。
「あ、あの‥!!こ、こんにちは!!
「こ、こんにちは‥‥」
突然声をかけられた少女はちょっとキョどりながらも昴に返答する。
「わ、私、月村昴。えっと‥貴女の名前は?」
「‥‥島田愛里寿」
「へぇ~アリスか‥‥私はアリシア・テスタロッサって言うの!!」
「は、はぁ‥‥」
コミュ力の塊のような昴とアリシアに絡まれて愛里寿はタジタジな様子であるが、劇場を出る時には普通に昴とアリシアと会話できるくらいにはなっていた。
「へぇ~じゃあお姉さんも防衛軍の司令官さんなんだ!」
「そう、でも問題ばかり起こしてお母さんに毎回怒られている。こないだなんか家に来ていた家庭教師さんに頭突きされて気絶していた」
「へ、へぇ~‥‥」
「なかなか豪快な方のようですね」
その話に昴と星奈は引いていた。
(なんで家庭教師さんに頭突きをされて居るんだ?この子の姉は?)
(そもそも、家庭教師さんも何で依頼人の家族に頭突きなんてしているんだ?)
愛里寿の姉と家庭教師の行動に終始頭の上に?マークを飛ばす箒であった。
(フェイトさん!フェイトさん!気づいています!?)
(う、うん。この子の魔力量もけた違いだよ‥‥(-_-;))
ちなみにこの時付き添いで来ていた管理局組は別の意味で驚いていた。
なんせ愛里寿のリンカーコアの魔力保持量はなんとオーバーSSS!!はやてやなのはを優に超えていた。
そしてフェイトたち管理局組は知らないが、愛里寿は頭脳明晰でMITの卒業試験模試を一発で合格するというレベルであった。
管理局からしたら是が非でもほしい人材であることは間違いない。
とはいえ彼女は地球の一般市民‥‥彼女の同意なしに連れて行くのは誘拐である。
なので今度話してみようか?と管理局組は話し合っていた。
その後、土産物店に愛里寿とともに行った一行だったが愛里寿はトイレに行くために少し抜けた。
次回 後編
銀河鉄道物語の小説を一話試し書きしたのですが読みたいですか?
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