内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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百七話 ボコボコ 後編

ガトランティス残党軍の第二次地球侵攻を退けた防衛軍は丁度同じ頃に領海侵犯をした管理局艦の処遇に頭を抱えていた。

 

ガトランティス残党軍と管理局艦の後処理をしている中、ホワイト艦隊司令官の島田ミカが束に最近出来たと言う遊園地のチケットを手渡してきた。

 

彼女の話ではその遊園地は島田家の次女‥島田愛里寿が母親に建設を強請ったらしく、母親の試験をクリアした事により、島田財閥が建設した遊園地らしい。

 

事後処理で束とディアーチェは行く事が出来ないが、ギンガは行けるとの事で、月村家に居るメンバーは島田財閥が建設した遊園地、ボコランドへと向かった。

 

ただ、そのボコランドは開園したばかりの遊園地の筈なのだが、園内は人が疎らでアトラクションも某有名なネズミの遊園地のアトラクションをパクッた様なモノばかりであった。

 

訪れた一行がしらける雰囲気の中、園内にある劇場でボコの劇が行われたのだが、その内容も一同がドン引きするような内容であったが、そんな中で一人だけ舞台の上でボコボコにされているクマ‥ボコに声援を送る一人の少女が居た。

 

少女がボコられているクマに声援を送る姿勢を見て、一同も空気を読んだのか?それとも少女の姿勢に感化されたのか、舞台の上のボコに声援を送る。

 

しかし、ボコは喧嘩を吹っかけた動物たちに負けて劇は終了する。

 

劇が終わった後、昴とアリシアはボコに声援を送っていた少女に興味を抱くと件の少女に声をかけた。

 

少女こと愛里寿は、当初はいきなり声をかけられてしどろもどろしていたが時間が経つにつれて昴やアリシアとの会話に打ち解けていった。

 

一行が土産物店で店内を見ている中、愛里寿は一人、お花を摘みに行った。

 

そして愛里寿がお花を摘み終えてトイレから出てきたその時‥‥

 

「久しぶりね?愛里寿?」

 

「ん?誰?」

 

愛里寿は一人の女性に声をかけられた。

 

「覚えていないのも無理は無いわね。貴女はまだ赤ん坊だったものね‥‥私は貴女の本当のお母さんよ」

 

「本当のお母さん?」

 

本当のお母さんと言われて愛里寿は訝しむ。

 

しかし、愛里寿の目の前に居る女性は間違いなく彼女の生みの親‥実母であった。

 

実は島田千代は愛里寿にとって実の母親ではない。

 

愛里寿は父親‥千代の兄とは血が繋がっているが、千代の兄が愛人との間に設けた不義の子であるので本来なら本家である島田財閥に入れる筈がなかった。

 

千代の兄‥先代の島田家の当主は独身であったが、島田家の当主と言う立場を利用して周囲に幾人もの愛人を作っていた。

 

愛里寿の生みの母親もその一人であった。

 

愛里寿の実母は何とか周囲に居る愛人たちを蹴落として島田家当主の妻の座を勝ち取ろうと画策する中で、運よく彼との子供を孕む事に成功した。

 

自分のお腹にいる子は将来の島田家の次期当主である為、自分は島田家の当主の妻の座を勝ち取ったと確信していた。

 

彼女は島田家当主との結婚を完璧にする為、彼には妊娠の件を伏せて、密かに彼の体毛と体液を採取して、それをDNA鑑定に回して鑑定書を手に入れた。

 

鑑定書にある父親の欄には島田家の当主の名前が記載されていた。

 

この鑑定結果により、自分は正式に島田家当主の子供を妊娠・出産したことが事実であり、後は彼に子供を見せれば、結婚は確実だろうと思っていた。

 

何せ自分は島田家の次期当主を生んだのだから‥‥

 

そして彼女が再び島田家当主の前に現れたのは赤ん坊の愛里寿を腕に抱いて島田家本家を訪ねた時だった。

 

愛里寿を出産するまでの約十ヶ月の間、島田家の当主は相変わらず運命の人を決めずに女を取っ替え引っ替えの派手な生活をしており、仕事に関しては一切せずに妹の千代ばかりに押し付けていた。

 

そのくせ、給料とボーナスだけはしっかりと自分に支給していた。

 

島田家当主としてみれば、十ヶ月前に突然自分の前から消えて音信不通となったことから、既に過去の女になった彼女にはまったく興味はなかった。

 

しかし、彼女が赤ん坊の愛里寿とDNAの鑑定書を見せて結婚を迫ると彼は激怒した。

 

「はぁ!?俺の子供だと!?おい、誰がそんなモノをお前に『産んでくれ』と頼んだ!?ああん!?そもそもこの鑑定書は本物なのか!?お前が偽造したモノじゃねぇのか!?」

 

「鑑定書は本物よ!!疑うなら鑑定書に書いてある研究機関に確認してみてよ!!それにこの子は将来の島田家の‥‥」

 

「うるせぇ!!俺はそんなガキ、絶対に認知しねぇからな!!つまり、そのガキは島田家の当主の座に就くことは絶対にねぇ!!さっさとその薄汚ねぇガキを連れて消え失せろ!!それと、もう二度と俺の前に現れるんじゃねぇぞ!!それと養育費に関しても一円も払わねぇからな!!」

 

「そ、そんな‥‥それなら私だってこんなお荷物なんて要らないわよ!!」

 

島田家の当主は愛里寿を認知しないと言い放ち、彼女は彼と結婚も出来ず、将来島田家の当主になれなれず、養育費さえも貰えない我が子なんてただのお荷物なので要らないと言い放つ。

 

島田家の当主と愛人が言い合っていると、

 

「全く醜いわね。あなたたち‥‥」

 

二人の怒声がするのを聞いた千代がまるでゴミを見るかのような目で二人を見ていた。

 

千代の傍にはミカも居たのだが、彼女も何だか不愉快そうに顔を歪めていた。

 

そしてミカは二人の怒声を聞き泣いている愛里寿を慣れない手つきであやし始めた。

 

「おい千代、なんだ?その目は!?それが島田家の当主たる俺に対する態度か!?」

 

「私はアンタの事を当主と認めていないし、アンタの様なクズと血が繋がっていると思うとこの身を引き裂きたくなるわ‥‥それで、この落とし前、どうつけるおつもりですか?島田家の御当主様?」

 

千代は皮肉を込めて兄に問う。

 

「ふん、落とし前もどうもそのガキを此奴が連れて消え失せればそれで済む話だろうがぁ!!」

 

「だから私はこんなお荷物なんて要らないって言っているでしょう!?‥‥どうしてもこの子を認知しないって言うなら、アンタの事を訴えてやるから!!」

 

「ハン、やってみろよ。島田家には優秀な弁護士がごまんと居るんだ。お前の様な場末のキャバ嬢崩れの訴えなんて無かった事にだって簡単に出来るのだからな」

 

「くっ‥‥」

 

彼女は悔しそうに歯を噛みしめ、島田家当主はゴミを見るかのように彼女を見下す。

 

「お母様‥‥」

 

ミカが未だに愚図っている愛里寿が泣き止まないので千代に助けを求める。

 

「‥‥」

 

ミカから愛里寿を受け取りあやし始める千代。

 

愛里寿をあやしながら千代はある覚悟を決める。

 

「分かりました。ではこの子は私が育てます」

 

「なっ!?お前、何を勝手に‥‥」

 

「アンタの子供じゃなくて私の子供として育てるわ!!そこの貴女‥‥」

 

「な、何よ‥‥」

 

「この度は、このクズがご迷惑をおかけしました。でも、アンタも自分の子供を捨てるクズであると言う事を努々お忘れにならないように‥‥このクズがアンタにかけた迷惑料はちゃんと払うわ。ただ、アンタは自分の子供を私に売ったのよ。今後二度とこの子に近づかないで‥‥もし、不用意に接触してくるようなら‥‥分かっているわよね?」

 

「ええ、それなりの金額を払ってくれるならそんなモノ、貴女にくれてやるわ」

 

千代は愛人との間に念書を交わし、愛里寿を島田ミカの義妹として島田家に受け入れ、愛人に慰謝料兼手切れ金を払った。

 

これで愛里寿と実母の関係は完全に切れた筈であった。

 

しかし、彼女は千代との間に交わした念書を破ってこうして愛里寿と接触してきた。

 

なお余談であるが、愛里寿の実父であり千代の兄‥当時の島田家の当主は、あまりにも派手な女性関係を持ちすぎて複数の愛人たちの怒りと恨みを買い過ぎた。

 

ある日、一人でキャバクラ巡りをしている中、複数居る愛人の一人の凶刃によって刺殺された。

 

島田家の当主が自業自得とは言え、凶刃に倒れ急死した事で跡目問題が小規模ながら起きた。

 

愛里寿は刺殺された島田家の当主の実子であったが、赤ん坊でありしかも実母は愛人との間に生まれた不義の子と言う事で島田家の当主として認知はされなかった。

 

そこで、急死した島田家当主の妹である千代が新たな島田家の当主となったのだ。

 

 

「あ、貴女が本当のお母さんだったとして、今更何しに来たの?」

 

「簡単なことよ?貴女にはちょっと来てもらわないと困るのよ‥‥」

 

逃げ腰になっている愛里寿の腕をガシッと力強く握る実母。

 

その目は血走っており、息も荒い。

 

「いっ、いや!離して!」

 

実母の様子から身の危険を感じ大声を上げる愛里寿。

 

「私を困らせないで!!さあ、来るのよ!!」

 

「いやー!!だ、誰か助けて!!」

 

なんとこの実母、愛里寿を誘拐して島田財閥に身代金を請求しようと考えていたのだ。

 

彼女は元々金遣いが荒く、千代から貰った膨大な慰謝料と手切れ金をあっという間に使い果たし、挙句の果てに多額の借金まで作っていたのだ。

 

*1

 

そこで愛里寿を誘拐して島田家に身代金を要求して、借金を返済すると同時に当面の生活費を工面しようとしたのだ。

 

愛里寿にとって不幸だったのはこのボコランドはできたばっかりで一部区画に監視カメラなどの防犯システムの設置が間に合っていなかった事であるが実母にも不幸が襲い掛かった。

 

「おい、そこの貴様ぁ!!そこで何をしている!!」

 

ドガァ!!

 

「がぼはぁ!?」

 

「君、大丈夫か!?」

 

「は、はい‥‥」

 

「お姉ちゃん、どうしたの!?」

 

「話は後だ。警備員を急いで呼んできてくれ!!」

 

「う、うん」

 

なんとたまたま女子トイレに入ってきた女性が助けを求める愛里寿を見つけ、彼女を誘拐しようとしている実母に対して飛び蹴りを食らわせたのだ。

 

予想外の背後からの襲撃を受けた実母は背骨を強打し転倒。

 

実母に跳び蹴りを食らわせた女性はそのまま実母の上に乗り、逮捕術の様に実母の腕を固め、身動きを封じた。

 

こうして愛里寿は実母の魔の手から救助されたのだった。

 

 

此処で時系列は少し時間を巻き戻し、視点も今日ボコランドへやって来た月村一行と愛里寿と異なる、とある姉妹たちへと移る。

 

「み、みほ‥‥本当に此処で良いのか?もっと別な場所でも良いんだぞ」

 

ボコランドの入園口にて姉妹の姉である西住まほは妹のみほにこの訳の分からない遊園地に行くのかを問う。

 

この西住姉妹‥‥所属部署は異なるのだが、二人とも束やディアーチェたちと同じく防衛軍に所属している軍人であり、今日、まほがみほを此処へ連れて来たのは、ある祝い事の為であった。

 

なお、補足情報としてまほはミカと士官学校時代の同期と言う間柄であった。

 

そして、祝い事と言うのが、ガミラスから技術提供を受けた次元潜行艦が防衛軍でも建造され、その内の一隻をみほが指揮する事になり、まほはみほの艦長就任祝いとして彼女をボコランドへと連れて来たのだ。

 

みほも愛里寿同様、ボコの熱狂的な大ファンであり、ボコの遊園地が建設されたと聞いてまほが『艦長就任祝いでどこかに連れて行ってあげよう』と誘うと、いの一番でみほは『ボコランドに行きたい!!』と言ってまほはみほを連れてボコランドへとやって来たのだ。

 

「わあああぁぁ‥‥!!」

 

ボコランドの入園口にてみほは子供の様に目を輝かせていた。

 

「早く行こう!!お姉ちゃん!!」

 

「あ、ああ。だが、慌てるな。転ぶぞ」

 

「大丈夫だよ!!早く、早く!!」

 

興奮上昇中のみほは意気揚々とボコランドに足を進め、まほは慌てて後を追いかける。

 

「わあああああぁぁぁ~!!ボコだぁ~!!ここにも~あそこにも~‥‥」

 

ランド内のボコたちに興奮冷めやらぬみほ。

 

「お姉ちゃん!!早く色んなアトラクションを楽しもうよ!」

 

「ああ、そうだな」

 

みほはまほの手を引いて、ランド内のアトラクションを次々とめぐって行った。

 

しかし、先程も明記したようにランド内のアトラクションは某夢の国のアトラクションをパクッた内容のモノであり、

 

「~♪~~♪~~~♪」

 

「‥‥」

 

アトラクションの内容はいまいちなのだが、ボコファンのみほはそんなモノは一切関係なく、色んなアトラクションを回り切ったみほは上機嫌に『おいらボコだぜ!』を歌っていた。

 

 一方、まほの方はボコの魅力が分からず困惑していたが妹のみほが喜んでいるのであるならば、それで良しとしていた。

 

「みほ、すまないがちょっとお手洗いに行ってくる」

 

「えっ?ああ、うん。分かった」

 

ランド内を回っている中、まほはお手洗いへと向かう。

 

そこでまほは見てしまった。

 

「いっ、いや!離して!」

 

「私を困らせないで!!さあ、来るのよ!!」

 

「いやー!!だ、誰か助けて!!」

 

不審な女が少女を無理矢理連れ去ろうとしている場面を‥‥

 

それを見てまほはダッと駆け出し、

 

「おい、そこの貴様ぁ!!そこで何をしている!!」

 

ドガァ!!

 

少女を連れ去ろうとしている女の背中目掛けて跳び蹴りを食らわした。

 

「がぼはぁ!?」

 

「君、大丈夫か!?」

 

「は、はい‥‥」

 

「お姉ちゃん、どうしたの!?」

 

「話は後だ。警備員を急いで呼んできてくれ!!」

 

「う、うん」

 

まほは女の身柄を拘束し、みほに警備員を呼ぶように頼む。

 

それからすぐに警備員が現場に到着して女は事務所に連れて行かれた。

 

「は、離せ!!あの子は私の‥私の娘だぁ~!!」

 

「いいから、来なさい!!」

 

警備員に身柄を拘束されながらも女は叫び続けていた。

 

「愛里寿!!私の愛里寿!!貴女からも事情を話してちょうだい!!私は貴女の本当のお母さんなんだって事を‥‥」

 

「ああ言っているが、あの人は君のお母さんなのか?」

 

まほは少女こと、愛里寿に事実確認をする。

 

もし、本当ならば自分は彼女の母親に跳び蹴りをしてしまった事になるので、謝らなければならない。

 

しかし、愛里寿の返答は、

 

「ううん。全然知らない人‥‥」

 

と、女の言葉を否定した。

 

愛里寿本人としてみれば、女は本当に見覚えがない人物であり、尚且つ自分を連れ去ろうとした怖い人と言う認識しかなかった。

 

愛里寿の言葉に女はガックリと項垂れると大人しく警備員に引きずられて行った。

 

 

お手洗いで愛里寿の誘拐未遂騒動が起きているとは知る由もなく土産物店に居た昴は、

 

「ん?そう言えば愛里寿さん遅いな‥‥」

 

愛里寿がなかなかお手洗いから戻ってこない事を心配する。

 

「迷子にでもなったのかな?」

 

「周囲に人はあまりいませんし、私たちが居る場所は分かっている筈ですから迷子にはならないと思いますけど‥‥」

 

星奈は迷子になる要素が無いと言う。

 

そんな中、愛里寿が二人の女性と共に戻って来た。

 

「あれ?愛里寿、その人たちは?」

 

昴が戻って来た愛里寿と二人の女性に気づき彼女に誰なのかを尋ねる。

 

「じ、実は‥‥」

 

愛里寿は先程、お手洗いで起きた出来事を話した。

 

「ええ!!誘拐されかけた!?」

 

「うん‥‥」

 

「それで、犯人は!?逃げたの!?」

 

愛里寿はこうして目の前に居るので、誘拐未遂で終わっているのだが、犯人が逃げたのかもしれない。

 

そうなれば、また愛里寿を狙ってくる可能性もある。

 

「ううん。このお姉さんが捕まえてくれた」

 

「そうなんだ。よかった!!」

 

「誘拐犯はやっぱり、筋肉モリモリマッチョマンの変態みたいな大男だったの?」

 

アリシアが誘拐犯について尋ねる。

 

「女の人で、何か私の本当のお母さんって言ってた‥‥」

 

「本当のお母さん?何それ?」

 

「きっと心の病気な人なんだよ」

 

「多分‥‥」

 

昴もアリシアも‥そして愛里寿本人も誘拐犯は精神異常者だと思っていた。

 

「昴、アリシア、もう買う物は決まった?」

 

そこにギンガが来た。

 

「あれ?愛里寿ちゃん、後ろの二人は‥‥?」

 

愛里寿の後ろに居る西住姉妹に気づく。

 

一方のまほのは、

 

「むっ?君は確か‥‥アマテラスの通信長か?」

 

「えっ?どうして私の事を知っているんですか!?」

 

ギンガはまほが自分の所属・役職を知っている事について驚く。

 

「私も防衛軍で働いているからな。最も勤務先は宇宙艦隊ではないが‥‥」

 

「あ、貴女も防衛軍に!?」

 

「うむ。自己紹介が遅れたな。私は西住まほ。防衛軍司令部作戦課に勤務している」

 

「既にご存知でしょうけど、私は月村ギンガ‥宇宙艦隊アマテラスの通信長を勤めています」

 

「みほ、お前も挨拶を‥‥」

 

「は、はい。西住みほです!!私もお姉ちゃんと同じで防衛軍で働いています!!」

 

「えっ?貴女も?」

 

「はい!!今日は私の昇進祝いでお姉ちゃんがボコランドに連れて来てくれたんです!」

 

(えっ?わざわざ昇進祝いに此処へ?)

 

(まほさん‥ボコが好きなのかな‥‥?)

 

ギンガはみほの言葉の意味をはき違えており、まほがボコファンだと思っていた。

 

しかし、本当は逆でみほがボコファンだった。

 

その後、西住姉妹も一緒になってボコランドを回る事になった。

 

ボコランドを回っている中、みほはまほと‥昴は箒と行動を共にする事が多く、愛里寿はそんな昴とみほを羨むような視線で見ていた。

 

そんな愛里寿の様子に気づいたギンガは、

 

「どうしたの?」

 

「‥‥今日。本当はお姉ちゃんも一緒に来る予定だった」

 

「‥‥」

 

やはり愛里寿はミカと一緒にボコランドを見て回りたかった。

 

スっ‥‥

 

そんな愛里寿の頭をギンガは優しく撫でる。

 

「えっ?」

 

「私の妹も‥‥昔は寂しがり屋で甘えん坊な子だったわ‥‥」

 

ギンガは遠い目をしてミッドに居るもう一人のスバルに思いをはせる。

 

「‥‥あ、ありがとう」

 

「ん?」

 

「なんだかお姉ちゃんが傍に居たみたいだったから‥‥」

 

「‥どういたしまして」

 

ギンガはほんのりと顔を赤くし俯く愛里寿に笑顔で答えた。

 

愛里寿にとっては怖い思いをした日でもあったが、ミカの希望通り、愛里寿には友人が沢山出来た。

 

 

後日‥‥

 

「はい、リンネ。これ、お土産」

 

「す、昴。何ですか?これは?」

 

「ボコられクマのボコだよ」

 

「あ、ありがとうございます‥‥」

 

昴はリンネにボコランドのお土産‥ボコのぬいぐるみキーホルダーをプレゼントした。

 

しかし、ボコを知らないリンネは目元に青痣をつくり包帯塗れのボコの姿に若干引いていた。

*1
本来ならつつましく暮らしていれば一生は暮らしていけるレベルの慰謝料と手切れ金だったのだが‥‥




次回 進展?


西住姉妹の設定は次回のあとがきを予定しています。

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