ガトランティス残党との決戦が終了し、第十一番惑星から引き上げるガトランティス人たちの監視という問題が残っている現状ではあるが、地球連邦政府は連邦市民に対してようやくガトランティスとの戦時体制を完全に解除した。
これによって太陽系内での輸送船・民間船の往来ある程度自由になり、停滞していた経済活動、宇宙開拓がようやく復活させることが出来た。
‥‥ただ一気に民間船の運航が急増した結果、航路防衛の任に就いているプランツ級護衛艦の数が足らなくなるという有様で、バラクーダ級砲艦の中でも対応年数ぎりぎりで退役間近だった初期型まで動員して警備せざるを得ない状況に陥っており、戦時下とはまた違った問題に地球連邦は頭を抱える事になっていた。
そんな地球の再建が始まった某日、束とディアーチェは防衛軍の通信室にフェイトたちとともにいた。
今日は久々に管理局との会談なのだが、本日の交信の席にはクロノ他になのはやはやても出席するそうなのでフェイトとティアナもなんとなく嬉しそうだ。
ちなみにアリシア・プレシア親子とアインスについては絶対面倒な事態になりかねないと判断した束がリニスと忍にお願いして街に遊びに行ってもらっていてシャルロットに関しては『ノア』の唯一の生存者ということなので遺族関係者がいた場合、面倒なことになるのでシルビアと神堂と共に外で待機しているが、状況が良ければ次回の交信の出席する予定である。
更に束はフェイトとティアナに星奈とギンガについての話題はNGとした。
今日、交信の席に出席したなのはとはやてが星奈の事を知れば、絶対に彼女へ興味を抱くだろうし、もし二人が管理局内で星奈の事を吹聴したら良からぬ野心を抱いた管理局員がこの地球に対してちょっかいを出してくるかもしれず、当然防衛軍としては国交も結んでいない密入境してきた艦に対しては臨検を行うが、管理局は既に『クライスラー』の一件で防衛軍からは不信視されているので、強硬な手段を取らざるを得ない。
それが原因で管理局と防衛軍との間で本格的な戦争が勃発するかもしれない。
また、管理局の次元航行艦が防衛軍の監視網を潜り抜けて地球へ来た場合、星奈を始めとして魔力保有者たちを拉致する可能性もあり、その場合プレシア・テスタロッサの存在も明らかになってしまう。
ギンガに関しても話を聞く限り、彼女はとある執務官の不興を買った事で暗殺されそうになり、偶然この世界に流れ着いた様なモノであったので、ギンガの生存が万が一にも管理局‥彼女を嵌めた執務官にバレたら再び命を狙われる可能性もあったからだ。
最もその執務官は『クライスラー』の艦長に昇進して、密かにこの世界の地球へと密入境をして臨検に来た防衛軍に対して発砲し、返り討ちに遭い要塞ソロモンにある牢獄に収監されている事を束とディアーチェは知らない。
「‥‥で?まだ終わらんのか?」
「それがね。先日メンテが入って新式のシステムになった結果入力がややこしくなってね‥‥よし!」
通信機器を新たにアップグレードしたばかりで調整がなされていなかったので、交信可能な状態にするのに少々時間がかかった。
時空管理局 本局
今日の地球側との交信には管理局側の全権を担うクロノ・ハラオウン提督、そしてクロノが呼んだ八神はやて二等陸佐、高町なのは一等空尉とスバル・ナカジマ一等防災士、エリオ・モンディアル二等陸士、キャロ・ル・ルシエ二等陸士が会議室に集合していた。
エリオとキャロは六課卒業後、ミッドを離れ別世界の自然保護隊に所属していたが、今回の交信の為に長期休暇をとり昨夕から任地の管理世界からミッドに戻っており、つい最近になって確認された第二の地球で、現地の軍に保護されているフェイトたちからの定期通信日にたまたま休暇が重なったため、なのはたちと共にこうして本局にやってきたのだ。
「久々にフェイトちゃんと話せるなぁ~」
「そうだね。フェイトちゃんたち元気だといいんだけど‥‥」
八神はやてと高町なのはは親友にして同僚のフェイトのことを心配していた。
まぁ、そりゃそうである。
突然遭難・もう一つの地球に救助されただけならまだしもその星は他の星と星間戦争の真っ只中とくれば心配しないわけがない。
「フェイトママ大丈夫かな?」
なのはとフェイトの義娘のヴィヴィオも少し心配顔だ。
「あはは‥‥ティアも無事かな‥‥」
月村家の義娘そっくりの女性、スバル・ナカジマも親友が心配なようだ。
「通信が来ました!!」
ちなみに今回、束は音声に手を入れておらず軍採用の普通の音声であったと明記しておこう。
オペレーターが通信回路を開くと、画面が再び切り替わり、フェイトとティアナの姿が映り、その少し後ろに立つMPのワッペンと腕章を付けた女性憲兵二人が帽子を目深くかぶって立っている映像が映し出された。
おそらく監視兼警護目的なのだろうと管理局の面々は思っていた。
「「フェイトちゃん!!ティアナ!!」」
「フェイトママ!ティアナさん!」
「「「フェイトさん、ティア(さん)!」」」
防衛軍 通信室
「なのは、ヴィヴィオ、エリオ、キャロ、スバル‥‥」
フェイトとティアナも画面に映る近しい者たちの姿を見て、双眸に涙を溢れさせた。
双方とも泣くのが先に立って、なかなか話にならなかったが、はやてとなのはたちの付き添い役であるクロノとフェイトたちの後ろの二人の女性MP(憲兵)‥‥実は束とディアーチェなのだが二人が状況を見守っていた。
(やっぱりなのはちゃんとはやてちゃんか‥‥まっ、元の声優さんが一緒って設定があるとは言え、今の私とまったく声がいっしょだねぇ~)
と束は呑気になのはと声が同じことに納得していた。
一方‥‥
(なるほど‥‥彼奴が八神はやてか‥‥)
ディアーチェは散々自分と間違えられた相手であるはやてのことをジッと観察していた。
(なるほど、確かに我にそっくりだな?しかし彼奴はどちらかというと狸のようにズル賢くかつ悪巧みに関して頭が回りそうな雰囲気だ‥‥いや、若さから小狸か?いや、小鴉の方が似合いそうではあるな)
はやての頭の良さを一瞬で見抜き、元ネタ同様のはやてへの呼び名を考え付いていたようだ。
(それにしてもあのなのはとかいう奴は確かに束の奴に声がそっくりだ。おまけに髪型や声以外では星奈の奴にもそっくりときた‥‥まさかとは思うが彼奴はこちらの世界の星奈のご先祖様なんてことは‥‥)
なのはのことについても少々警戒していたようだ。
『そう言えば、月村司令官の姿が見えないが、どうなさったんだ?今日は留守なのか?』
向こうの世界におけるフェイトたちの身元引受人である以上、クロノとしては束に聞いておきたいことがあったのだがその束の姿が見えないし、以前の交信時の様に代理人である真田の姿も見えない。
束の行方を尋ねるクロノに対してフェイトは苦笑しながら話す。
「ううん。さっきから私たちと一緒だよ」
『一緒って、どこにも‥‥はっ!?ま、まさか‥‥』
フェイトからそう言われクロノはもしやと思い、視線をフェイトたちの後ろに待機している二人の女性憲兵に移した。
その視線を受けるのを待ち構えていたかのように憲兵二人は帽子とウィッグを脱いで重ね着していた憲兵隊の隊服を脱いで下に着ていた内惑星系艦隊司令官と副司令官の恰好になり帽子も艦隊司令と副司令の物を被りなおした。
『え!?ええー!?』
『‥‥( ゚д゚)』
これにはクロノもあっけに取られ、なのはは驚いていた。
「いや、失礼。何分こちらは先日、大規模な戦争が終結したばっかりな上に年末でピリピリしているからねちょっと気を紛らわせようかな~と思った次第なんだよ」
要は地球の事情であった。
なのはたちはあっけに取られていたがクロノとはやては我に返って状況を分析していた。
(ま、まぁ、軍人なら気配を誤魔化すのも訓練しているんやろなぁ)
(それにしても容姿は違うけど、この人、なのはちゃんと声がそっくりや‥‥)
(司令官と言う立場ながら下級士官に化けていたのには予想外だったが‥‥)
‥‥ちなみに管理局には査察部や監査部はあるが憲兵はないのでクロノたちはMPの意味が分からなかったようだ。
「ハラオウン提督以外とは初めましてだったね。私は地球防衛軍所属、内惑星系艦隊司令官兼同艦隊旗艦『武御雷』艦長の月村束です」
「同じく地球防衛軍所属、内惑星系艦隊副司令官兼同艦隊旗艦『武御雷』副艦長のディアーチェ・K・クローディアである」
『お久しぶりです。小官は時空管理局・次元航行本部所属、次元航行艦クラウディア艦長、クロノ・ハラオウンです』
と敬礼で返したクロノにはやてやなのはたちは我に返った。
相手は艦隊司令官とその副官である。
階級からいえば少将か中将、もしくは大将クラスの将官である。
軍と警察組織である管理局では組織が違うが相手は上官である。
とはいえ防衛軍では現在将官や佐官の人材が二度の星間戦争のせいで不足しておりその階級に見合わない地位にいる者が多いのだが…*1
『し、失礼しました!時空管理局所属・地上部隊所属二等陸佐の八神はやてと言います!』
『同じく管理局所属・航空戦技教導官、高町なのは一等空尉です!』
『同じく、自然保護隊所属、エリオ・モンディアル二等陸士です!』
『同じく、自然保護隊所属・キャロ・ル・ルシエ二等陸士です』
『同じく、ミッドチルダ港湾特別救助隊所属、スバル・ナカジマ一等防災士であります!!』
彼女たちの挨拶を聞いて改めて二人は頭を抱えそうになった。
どう見てもエリオとキャロは未成年な上に本来ならば学校に通うべき年齢だ。
時空管理局には彼らなりの事情があるのだろうが、未来を担わせるべき子供を危険な任務に就かせている。
おまけにあんな惨い最期を遂げさせた『ノア』には同年代の子が多くいたのだ。
まともな感性を持った軍人としては管理局に対して不快感を禁じ得ない。
遺された遺族へのケアは?
アフターサービス等の保証は?
束もディアーチェも防衛軍士官としては問い詰めたいところであったがここは非公式とはいえ公的な場、感情を表に出さずに彼らを見遣った。
そして…
『さっ、あなたも挨拶しなさい?』
と、なのはに促されたヴィヴィオも、
『た、高町ヴィヴィオです!ザンクト・ヒルデ魔法学院初等科一年生です!!』
と少々固まりながらも子供らしい声をだして挨拶し、
『あ、あの‥‥フェイトママとティアナさんたちを助けてくれて、ありがとうございました!!』
としっかりとお礼を言った。
「どういたしまして。遭難した船を助けるのは船乗りの掟だからね」
と束も敬礼で返したが‥‥。
「しかし、助けられなかった者が多いのも事実です。その点はお悔やみ申し上げます」
と束・ディアーチェは頭を下げた。
そしてはやてとクロノよりも一足遅れて束の声がなのはに、ディアーチェの声と容姿がはやてにそっくりである事に気づく。
(((ディアーチェさんの容姿、銀髪と目の色は違うけど八神二佐(はやてちゃん)にそっくり‥‥)))
(((月村司令の声はなのはちゃんそっくり‥‥)))
それと同時に、
(『月村』ってすずかちゃんと同じ苗字だけど、この人とすずかちゃんは何か関係があるのかな?)
更になのはは束の苗字が海鳴に居る親友と同じ苗字である事から束とその親友が何らかの関係があるのではないかと勘繰る。
その後、フェイトとティアナによる情報交換のあとに二人が記録していた映像データを送って終了となった。
交信が終わり、司令部から車で帰るなか束はある不安を抱えていた。
「ん?どうした束。そんなに難しい顔をしおってからに」
「なにかあったのですか?」
ディアーチェとプレシア親子の付き添いから帰ってきたリニスは束に聞いた。
「いやさ?あの高町なのはという女性‥ノアとかのデータでは管理局の白い魔王とか言われていたじゃん?おまけに星奈と同じ顔と苗字だった‥‥」
「「‥‥」」
「実は星奈の持っていたカフェのレシピを書いた人物は歴代の高町家の人らしくてね?料理を考案した人の名前も一緒に載っていたんで見せてもらったことがあるんだけど‥‥」
「お、おいまさか‥‥」
「うん。『高町なのは』、翠屋二代目の店主にしてパティシエール。彼女が翠屋の先代が考えたメニュー以外のメニューのほとんどを考えた才女って書かれていたんだよね‥‥おまけに星奈が持っているキーホルダーって彼女の代から受け継がれてきた奴なんだって」
(というか改めて考えたらあのキーホルダーってデバイスだよね?)
(うーん‥帰ったら星奈にちょっとお話をしよう‥‥)
「なんてこった」
ディアーチェは今日の交信でなのはを初めて見て、星奈と苗字と容姿が似ている事から、この世界におけるなのはの関係者かと思っていたが、それが事実であった事にオーバーリアクションではないが驚く。
高町家はガミラスと戦争で家も店も勿論の事、写真も失われてしまった。
故にこの世界の高町なのはがどんな容姿だったのかを知る術はない。
しかし、今日管理局との交信に高町なのはと言う女性が居た事からこの世界に居た高町なのははきっと今日、画面の向こうに居た女性と同じ容姿、同じ声をしていたのだろう。
「実を言うと星奈さんには魔導師としての素質は十分にあります。管理局側がソレを知ったら勧誘しない訳がないですね」
と使い魔として星奈を見てきたリニスからの意見を聞き、束とディアーチェはフェイトたちには早々とミッドに帰ってもらいたいので、急いでブルーハウスの大統領や連邦政府の関係閣僚、防衛軍上層部に報告を行うことにした。
万が一にもこの地球に魔導師適正を持つ者が居ると分かれば管理局がスカウトの名目で来ないとはいえない。
何しろ、管理局はもう一つの地球にて高町なのは、八神はやて、そして過去にはギル・グレアムと言うエース級の魔導師を実際に地球で見つけてスカウトしている実績があるからだ。
おまけに別の惑星にて、スカウトとは名ばかりの誘拐や恫喝・恐喝などを行った前例があると後日、リニスが証言した結果地球連邦政府・防衛軍としては警戒対象にすることとなった。
「そう言えば、あのスバル・ナカジマとか言う娘も昴にそっくりであったな」
次にディアーチェは昴がスバル・ナカジマに似ている事を話題に出す。
「こっちの昴の方が小さいけど、大きくなったらきっと今日、出会ったあのスバル・ナカジマって言う子みたいになるんだろうね‥‥」
「そこはかとなく彼奴はギンガと似た雰囲気があったが?」
「多分、姉妹じゃないかな?ミッドに残してきた‥‥」
「そうか‥‥それで、どうする?」
「ん?何が?」
「ギンガの事だ。管理局一行もいずれは故郷に還る。その際、ギンガはどうするのだ?一緒に還すか?」
「あぁ~その事だけど、一応本人の意思は尊重するつもりだよ。ギンガちゃんが来た頃はガミラスとの戦争の真っ最中で、ミッドと連絡何て取れなかったからギンガちゃんをミッドに還すなんて夢のまた夢だと思っていた。彼女自身も『二度とミッドには戻れない』‥そう思っていたんじゃないかな?だからこそ、私はギンガちゃんを家の親戚の子って言う設定でそのまま月村家の養女にしたけど、フェイトちゃんたちがこの地球に来て、こうして管理局とコンタクトを取る事が出来て、いずれはミッドに還るだろうけど‥‥」
束は最後に何だかお茶を濁すように言葉に詰まる。
「ん?何だ?何か心配事でもあるのか?」
「いや、ギンガちゃんの安全面を考慮してフェイトちゃんとティアナちゃんには今日、ギンガちゃんの事は伏せさせたけど、もしもギンガちゃん本人がミッドに還りたいって言えばミッドに還すさ‥でもミッドに戻った後、ギンガちゃんが管理局からスパイ容疑や拷問をされないか心配でね」
「ん?それはどういう事だ?」
スパイ容疑、拷問と言う物騒な単語が束の口から出て来たので、ディアーチェは顔をしかめつつ訳を聞く。
「ギンガちゃんがこの世界に来たきっかけはどうも彼女が罠に嵌められたみたいなんだよ。それで、殺したと思ったギンガちゃんが、実はフェイトちゃんたちが滞在していたもう一つの地球で生きていた‥‥ギンガちゃんを嵌めた奴がそれを知れば、ミッドに戻ったギンガちゃんをまた殺そうとするかもしれないし、ソイツじゃなくても管理局がギンガちゃんを拷問してでもこの世界の位置情報を吐かせようとするんじゃないかと思ってね‥‥フェイトちゃんたちよりも滞在期間が長かったんだからフェイトちゃんたちよりもこの地球の情報を持っていると管理局が判断してね‥‥」
「束の言う事がもしも当たっていたら、ミッドに戻れば死、ミッドに帰らなければ生きられるが、向こうの家族とは永遠に会えない‥‥ギンガにしてみれば、どちらも酷な話だな」
「‥‥そうだね。まぁ、その点を踏まえて家に戻ったらギンガちゃんに今後の話を聞いてみるよ」
「そうだな。それが良いだろう」
リニスから星奈が魔導師である事を伝えられた束は星奈よりも先にギンガに対して今後、どうするかを聞いてみる事にした。
月村邸
「ギンガちゃん」
「はい?何でしょう?」
「今日、管理局の交信があったんだけど、その中で‥‥」
月村邸に戻った束はギンガにこっそりと本日行われた交信映像を見せた。
「っ!?スバル‥‥」
ギンガとしてみれば今日の交信でスバルが来ていたのは予想外だった。
「やっぱり、この子はギンガちゃんの‥‥」
「はい。妹です‥ミッドに居る‥‥」
ギンガにしてみれば、約二年ぶりに見た妹の姿であり、妹の成長した姿をギンガはジっと見つめる。
「それで、ギンガちゃん」
「はい」
映像が終わり、束はギンガに今後について質問をし始める。
「‥‥フェイトちゃんたちがミッドに戻る際、ギンガちゃんはどうする?」
「どうする‥って?」
「彼女たちと共にミッドに戻るか?それともこの世界に残るか?」
「‥‥」
今の今まですっかり忘れていたが、束の質問の内容にギンガは現実を突きつけられた様子だ。
「今日中に結論は出さなくてもいい‥‥まだ時間は有るから‥‥でも、いずれはギンガちゃんが直面する事態だから今の内に考えておいて‥ただ、もしミッドに戻ると言うなら、絶対に起きる訳じゃないけど、一つの懸念があるから先に伝えておこうと思う」
「一つの懸念?」
「うん。それはね‥‥」
束はギンガにミッドに戻った後のリスクを伝える。
「‥‥」
「決して脅している訳じゃないけど、こうした懸念があるって事だけは知っていて欲しい」
「は、はい」
「それで‥もし、ミッドに戻るなら、戻った直後に管理局でかなりの権限がある人物の保護を求めてね」
「は、はい」
束の言うリスクを聞いてギンガも満更それが懸念ではなく現実味がある事は何となくだが察していた。
それはやはり、自分がこの世界に来るきっかけがきっかけだからである。
ミッドに居る父、ゲンヤの権限では正直自分を守れるかやや頼りない。
はやてならば、聖王教会や本局の上層部とコネがあるから、はやてならば‥‥と思えるが、もしも自分を保護する条件でこの地球に関する情報を求めてきた時、自分はすんなりとそれに従えるかと言う疑問も残る。
この世界の情報を教えれば自分は暗殺の魔の手から逃れることが出来るかもしれない。
ただ、その反面、この世界の人たちが管理局と戦う事になるかもしれない。
これだけの技術を持った世界を管理局がみすみす見逃す筈がない。
しかし、この世界の人たちがすんなりと管理局の傘下に入るとも思えない。
それどころか管理局を侵略者と認識して、管理局との間に戦争が起きる可能性が高い。
自分はどうするべきなのか?
ギンガの悩みはフェイトたちがミッドに帰還するその日まで抱くことになる。
そして翌日…
「新年あけましておめでとうございます」
「「「「「おめでとうございます!!!」」」」
月村家では新年が祝われた。
「じゃあ昼頃に餅を搗きましょうか。束、手伝ってね?」
「はい、は~い」
忍の依頼を束はしっかり受けた。
ところが‥‥
ドーン!!パパパパパ!!!
「え?花火??」
突然聞こえた花火の音に昴は頭の上に?マークを浮かべた。
実は東京湾に入港していた欧州管区イタリア軍区所属のドレッドノート級戦艦『
中国や欧米では新年祝いで花火を打ち上げるのだが‥‥
「イタリア艦隊うるせぇぇぇ!!!!」
基地に宿直していた日本人隊員からしてみればたまったものではなかったのは言うまでも無かった。
次回 地球次元潜航艦と管理局の遭遇
銀河鉄道物語の小説を一話試し書きしたのですが読みたいですか?
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読みたい!
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別にいい