さて、ここで時系列を一旦戻して地球に戻そう。
地下都市の最下層へ降りた星奈。
彼女はこの最下層に居るで在ろうとある人物と接触する為に一時、忍たちの下を離れていた。
やがてその人物は星奈の前に姿を現した。
「やれやれ、やっと会えましたね。純夏さん。お久しぶりです」
「はい、お久しぶりです。それでわざわざこんな所まで来てどうしたの?」
星奈の前に姿を見せたのは蜘蛛女*1となった純夏であった。
そして、純夏は星奈が何故この地の底の底まで来たのか聞いた。
「ええ、現在地上では侵略者たちが好き勝手しているんですよ」
「ええ!?そうなの!?」
「そうなんです。そしておそらく少ししたら私たちは地上に戻されて敵がこの地下都市を探索し始めるでしょう。なので貴女にお願いがあってきたんです」
「ん?」
「そいつらを襲ってください」
星奈はなかなか物騒なことを純夏に依頼しに来たのだ。
「えっ?いいの??」
「構いません。奴らは侵略者です。可能な限り恐怖のどん底に叩き込んでください」
「はい!!任せて下さい!!」
星奈から侵略者と聞き純夏は遠慮なく住処を荒らす侵略者に牙を向ける事にした。
その後、地球連邦政府は正式に暗黒星団帝国に対して無条件降伏を調印した。
そして星奈の予測どおり、暗黒星団帝国地球占領軍より、地下都市に居る連邦市民に対して地下都市からの退去が命令された。
制限時間内に退去しない者は抵抗勢力と見なし、武力制圧する旨を伝えられ、連邦市民たちは地下都市から退去して行く。
ただその中で軍部に居る者たちは退去した際、身柄を拘束されることが予測され、更に軍には暗黒星団帝国に対して徹底抗戦をしている者たちが居るだろうと思い、別ルートから地下都市を出てパルチザンとの合流を図った。
地下都市から連邦市民が退去した後、暗黒星団帝国は抵抗勢力が居ないか?
ヤマトが地下都市にある秘密ドックに係留されて居ないかの調査に入る。
「30等系の蛮族と思ったら地下にこれほどの都市を築くとはなかなかの技術を有しているようだな」
「だからこそ、聖総統閣下はこの星を手に入れる事にしたのだろう」
地下都市の調査を行っている占領軍兵士は地下都市の街並みを見ながら辺境の田舎蛮族かと思いきや、意外と技術力を持っていると認識し始めた。
そんな中‥‥
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『ん?』
同じく地下都市を調査していた兵士の悲鳴がした。
「な、なんだ?」
「敵が居たのか!?」
兵士たちは銃を構えながら悲鳴が聞こえた方向へと向かう。
すると、彼らが見たのは‥‥
「こ、これはっ!?」
「一体何が‥‥」
地下都市の道端には身体をバラバラにされ、首と胴体が泣き別れしている味方の兵士の死体が転がっていた。
しかも首の部分はカサカサになったミイラ状態となっている。
「地球人の奴ら、我々に徹底的に歯向かうつもりか!?」
「し、しかし、一体どんな武器で‥‥」
兵士の死体を見て、一体どんな武器を使って身体をバラバラにして首をミイラ化させたのか科学技術が地球よりも進んだ暗黒星団帝国の兵士でも検討が付かなかった。
しかし、その後も地下都市を調査している占領軍兵士には同様の被害が多発した。
被害に遭った兵士の共通点は全て身体をバラバラにされて首の部分は切断され、ミイラ化されている。
その噂はたちまち占領軍の兵士たちの間に広まり、地下都市の調査に対して拒む兵士も出始めた。
だが、未だに地下都市全てを調査しきれていない占領軍は地下都市の全貌を知る必要があったので、調査を拒否する兵士に対して占領軍上層部は抗命罪を盾に無理矢理行わせた。
そして相変わらず調査に向かった兵士たちには謎の被害が出ていた。
そんな中、運よく何者かに襲われながらもその場から逃げ出す事に成功した兵士が居た。
「た、助けて‥くれ‥‥」
「どうした!?」
「大丈夫か!?」
「一体何があった!?」
「ば、化け物‥‥」
そう一言伝えるとその兵士は息絶えた。
「やはり、この地下都市には何か居るのか‥」
地下都市の調査にはこの先に展開されたパルチザンとの戦闘同様、多数の戦死者を出す結果となった。
此処で少し時系列は少し巻き戻し、暗黒星団帝国軍地球占領軍司令官のカザンにたてついた藤堂は処刑場へと連行されていた。
その途中の通路にて、
「‥長官」
「君もか参謀長‥‥」
なんと参謀長の西郷と出会った。
実は彼もヤマトの所在を知っている数少ない人物であったので藤堂の後にカザンに問い詰められたのだが藤堂と同じくたてついたので死刑宣告を受けたのだ。
「誰が口を聞いて良いと言った!!」
藤堂を連行していた兵士が声を荒げて注意した。
そして二人は再び処刑場へと連行され始めた。
「長官、まだあきらめてはなりません。処刑場に着くまでに私が何とか抵抗して隙を作ります。その間に逃げてください」
「参謀長‥‥!」
「私はこれまで幾度となく情勢を見誤りしてきました‥‥こんな私に出来ることと言えば‥‥」
「‥‥」
二人は小声で話していたが‥‥
「聞こえんのか!!無駄口を叩くな!!ここで射殺してやってもいいんだぞ!!」
藤堂の連行を担当していた兵士が再び声を荒げて銃を突きつける。
「おい、ちょっと待て!!さすがにここではまずいだろう。見せしめのために公開処刑を行えとの命令なんだぞ?」
西郷の連行を担当していた兵士がもう一人の兵士を窘めた。
「うぉああああ!!」
その一瞬の隙を狙って西郷は兵士に殴りかかったが、
流石に現場から遠ざかっていたために即応できずにすぐに返り討ちにあってしまい、敵兵はこの場で西郷を射殺しようとするが‥‥
「どわぁ!?」
「ぐわぁ!?」
突如として天井からビームが放たれ、敵の兵士は屍へと変わった。
そして天井にあった通風孔の蓋が外れ、そこから一人の空間騎兵隊隊員が降りて来た。
「‥‥お待たせしました」
「君はっ!?空間騎兵隊の‥‥!!」
「古野間君か!?」
「御無事でなによりです長官、参謀長。救出が遅くなってしまい申し訳ありません。何分ガタイがでかいもんで通風孔を抜けるのに手間取っちまいましてね」
二人の窮地を救ったのは空間騎兵隊第一都市防衛師団所属の古野間であった。
「いやいや、そんな文句は言わんよ。来てくれただけでもありがたい…。まったく命の恩人だ」
「礼はしっかりと脱出できてからにしてください。さぁ!行きますよ!!」
そう言って三人はダクトを通って司令部から脱出した。
しかし、防衛軍司令部付近は敵の哨戒がかなり厳重だった。
歩兵の他にも大型タイヤを使用している小型戦車(パトロール戦車)も警戒に加わっていた。
なんとか三人は敵の警戒網を掻い潜り、廃墟と化したビルの物陰などで敵兵をやり過ごしながら進んで行く。
「‥‥行ったようです。なんとか追手は撒けましたね」
「それにしても‥‥すさまじい破壊っぷりだな」
西郷は市街地の有様を見てそう言った。
「なぁに、ここより酷いところはまだまだ有りますよ。それはそうと御二人以外の政府高官、上層部連中はすべて別の収容所に移されたみたいです。残念ながら先ほど降伏文書にも調印したみたいで‥‥」
藤堂は古野間からの報告を受けて苦悶の表情を浮かべる。
先程藤堂は降伏文書に調印していないことから回答を拒否したがカザンはその反省から拘束していた地球連邦大統領に降伏文書への調印を迫り、調印させたのだ。
悔しいことこの上ないが、彼の行動によって一応は敵の殺戮が終息したのもまた事実であり、一概に大統領の事を批難する事も出来なかった。
「残っているのは儂らだけか?」
西郷は古野間に聞くが、
「いえ、数は少ないですが我々はパルチザンを結成しました。それに各地でも反抗組織としてレジスタンスなどが結成されているようです。自分の任務は我々パルチザンの拠点にお二人を無事にお連れすることです」
「パルチザン‥で、その本部はどこにあるのかね?」
「お二人もよくご存じの場所ですよ。まぁ本部って言っても突貫作業で設置したもんなんであんまり期待せんで下さいね?」
そうして三人は敵がわんさか居る市街地を何とか突破して防衛軍の備蓄倉庫街があった第九区へとたどり着いたが、
「こ、これは‥‥完全な焼け野原じゃないか!」
その倉庫街は絨毯爆撃を受けたらしく、クレーターなどによって穴だらけ、瓦礫だらけになっていた。
「敵はここに絨毯爆撃を仕掛けてきました。いまじゃあすべてががれきの下敷きです。倉庫にあった物資も‥俺の仲間も‥‥」
古野間はあの時の光景を思い出したのか苦悶の表情を浮かべつつ前へと進んだ。
そして三人はなんとか倉庫街の第九区を抜けた。
「御二人とも大丈夫ですか?」
「なぁに、これしきの傷」
実際二人とも多少に傷はあるが根をあげている様子はない。
「いや、しかし見直しましたよ。上層部の連中は命令だけ出してふんぞり返っているような連中ばかりだと思っていましたからね」
「否定はせんよ。だが地球人類としての誇りは忘れとらんつもりだ」
西郷は古野間の発言にそう返した。
実際に現場に押し付けて逃げ出した高官も何人かいたかもしれないが軍高官として、軍人としての誇りも彼らはなくしてはいなかったのだ。
「上出来です。さぁ、行きましょう。あと少しです」
そして三人は市街地を抜けたがそこには‥‥
「戦車か!?」
司令部のモニターで見た例の三脚戦車が姿を現した。
「間近では初めて見るが、これほど巨大だったとは‥‥!」
西郷は三脚戦車の大きさに圧倒的される。
「敵の掃討三脚戦車です。どんな地形でも自由に行動できるようにあんな形になっているんでしょう。我々防衛軍の戦車や戦闘車両は基本履帯式か装輪式ですからこんな瓦礫の中では自由に身動きが取れませんから‥‥」
「なるほど」
「その観点から我々パルチザンは戦車の奪還を断念しました」
そう物陰で三人が話していると別方向から突如として誘導弾が飛んできて三脚戦車の足の基部に直撃して三脚戦車は倒れた。
「こ、これは!?」
「リジーナですね。おそらくガーディアン連隊の生き残りが近くにいたんでしょう」
「ガーディアン連隊‥‥古野間君、街ではまだ交戦状態が続いているのかね?」
「ええ。先ほどガーディアン連隊の生き残りから情報共有を受けたんですが西住一佐が臨時で指揮をとっているようで郊外に残っている地下都市に拠点を移して抵抗を続けているそうです」
そうして三人はパルチザン拠点となっていたヤマトの地下改修ドックに入っていった。
ここで視点を宇宙に居るヤマトに移そう。
重核子爆弾の起爆装置の破壊を目的として、太陽系を脱して、一路暗黒星団帝国の本星を目指すヤマト。
そのヤマトはワープにて太陽系を一気に脱して、オールトの雲へとやって来た。
しかし、当初の予定ではもっと遠方でワープアウトする筈だった。
何らかのイレギュラーが働き、オールトの雲でワープアウトしたのだ。
そして、連続ワープの影響の為か、レーダーにも被害が出ていた。
真田は技術班に事態の解明と修理を行わせた所、
原因は波動エンジンのフライホイールシャフトに使うベアリングだったことが判明。
一見、ただの鉄の球体なのだがそのベアリングがこのオールトの雲の周辺に無数にばら撒かれており、コンピューターが其れを障害物と認識して、ワープアウトしたのだ。
レーダーの故障もこれがレーダーにぶち当たった為に起きた事だった。
これは誰がどう見ても明らかに人為的な物なのだが、このベアリングは防衛軍‥‥地球連邦の艦船に採用されている部品で、敵の妨害工作とは考えられなかった。
その後、その犯人であるトチローから通信が入った。
なんでも新型波動エンジン試験のために冥王星基地からユキカゼ改とコロンブス級輸送艦を改装した工作艦の明石、ドレッドノート級後期生産型甲型の蝦夷とともに出航していたのだがそのおかげで重核子爆弾から命拾いしたのだという。
その後、オールトの雲に潜んで地球の現状を観測したいたらしいがヤマトが来ることが分かったのでベアリングを魚雷に目一杯詰め込んで発射し、周囲一帯に機雷のごとくばらまいたのだという。
この行為に真田はぶち切れて、追いかけてくればよかっただろうと抗議するがトチローとしては何が何でもここで止まってほしかったのだという。
古代が理由を聞くと‥‥。
『敵に発見されて追われている』
その後、なんとか敵空母艦隊を葬ったヤマト艦隊はワープを敢行してシリウス恒星系へと向かった。
そのシリウス恒星系では‥‥
シリウス恒星系 地球防衛宇宙海軍内惑星系艦隊 特別選抜演習艦隊 旗艦 武御雷
「ええ!?地球で何かあった可能性が高いんですか!?」
「じゃ、じゃあ!今すぐに地球へ帰還しないと!!」
「何言ってんの!!第七艦隊との連絡も途絶してんのよ!!だったら今すぐに第七艦隊との合流を目指すべきよ!!」
プリンスオブウェールズの乗員の説得を終えた後、束はディアーチェから言われて隠していたことを艦橋要員及び、各艦の艦長らに通知したのだがまさに大混乱となった。
何せ地球が占領された可能性があり第七艦隊もその敵に攻撃を受けている可能性があるというのだ。
そりゃ大混乱になる。
「だから隠しておきたかったのに‥‥」
「しかしなぁ!この異常事態に対して予測していたのであればあらかじめ説明ぐらいしておかんか!!」
束はこの混沌とした光景にぼやくがディアーチェは説明しておかなかった貴様が悪いと怒られていた。
そこに‥‥
『束!!艦隊右舷側にワープアウト反応が!!』
「っ!!総員第一種戦闘配置!!!」
束は暗黒星団帝国の艦隊かと思い各艦に戦闘配置を厳命。
そしてシリウス恒星系へワープアウトしてきたのは‥‥
「や、ヤマト!?」
太陽系を脱出してきたヤマトであった。
次回 合流
次回は来週です!
銀河鉄道物語の小説を一話試し書きしたのですが読みたいですか?
-
読みたい!
-
別にいい