内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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今回もステルス兄貴さんのご協力を受けて作成しました!本当にありがとうございます!!

今回奇襲を受けた暗黒星団帝国軍の基地はガンダムthe originのガーディアン駐屯基地をイメージしております!


そして、時空管理局機関士の神堂慧理那の挿絵をステルス兄貴さんからいただきました!大変ありがとうございます!!

【挿絵表示】



第百二十八話 罠 後編

『白い花』よりもたらされた情報から政府高官の移送情報を得たパルチザンたち。

 

政府高官が収容されている施設付近においても当然陽動が行われるが、それでも施設から離れた場所でも大規模な陽動も必要となる。

 

その大規模な陽動を行うのが、西住まほ率いるガーディアン連隊であり、その陽動においてガーディアン連隊は虎の子の戦車を全て投入する事となった。

 

ただし、戦車や装甲車が列をなして街中を移動すれば、敵にアッと言う間に見つかってしまう。

 

なので、戦車・装甲車ごとに個別のルートにてそれぞれの攻撃目標へと向かい陽動攻撃を行う手筈となった。

 

攻撃目標に関しても一ヶ所ではなく、複数個所と決めていた。

 

暗黒星団帝国襲来時、市街地は敵の絨毯爆撃を受け、瓦礫が散乱する戦場となったが、地球連邦政府が暗黒星団帝国に降伏調印がされた後、市街地における瓦礫の撤去作業が行われた。

 

勿論、作業を行ったのは占領軍の将兵たちではなく、地球人が主体であり、作業の際には暗黒星団帝国の占領軍兵士がライフル片手に見張りをしている中で行われた。

 

地球人を使って瓦礫の撤去作業を行わせたのは、占領軍側もいつまでも瓦礫があるままだと物資の輸送に支障をきたすからだ。

 

それに多少なりとも占領政策が良好だと内外に示すポーズのようなモノも含まれていた。

 

その為、キャタピラー走行の61式戦車、レオポルド1警邏軽戦車でもある程度は走れるようになっていた。

 

まほたちガーディアン連隊にとっては地球人が無理矢理作業に従事させられた事実は気に食わないが、この後で陽動とは言え、折角地球人たちが直した街や道を再び瓦礫の山を築くことになるであろう未来について自分自身に腹が立った。

 

作戦開始時刻が迫る中、ガーディアン連隊の車両は地下道やトンネルを通りながら各々の攻撃ポイントへと向かう。

 

「西住隊長、本隊の古野間隊長より暗号通信です」

 

「暗号通信解析急げ」

 

「はい」

 

暗号通信を受信した小島が解析機に暗黒通信をかけると、陽動開始のシグナルと作戦中止のシグナルであった。

 

「解析終了、シグナル3で陽動開始、シグナル5で作戦中止‥の様です」

 

「‥‥古野間隊長に返信。此方は少々先に仕掛ける旨を伝えろ」

 

「えっ?私たちが先に仕掛けるのですか?」

 

「そうだ。我々が先に陽動をしかければ、政府高官が収容されている施設の警備も、もしかしたら陽動の方へ兵力を削ぐかもしれない」

 

「分かりました。直ぐに送ります」

 

小島は古野間へガーディアン連隊が先に陽動を仕掛ける事を伝える。

 

(もっともその施設に政府高官が居るのかさえ、怪しいのだがな‥‥)

 

今回の作戦の元となった情報に未だ懐疑的なまほ。

 

(今回の作戦はある程度、敵の兵力、戦力を削ぎ、そして施設を破壊できれば御の字だな。しかし、一体何両が無事に戻れるだろうか?)

 

(厄介なのは三脚戦車だけではなく、敵の航空隊も厄介なのだからな‥‥)

 

暗黒星団帝国が地球に襲来した日、地球上は敵の歩兵、パトロール戦車、三脚戦車の他に戦闘爆撃機の空爆も受けた。

 

その際、戦車で応戦するも空を縦横無尽に飛び回る敵機に戦車が砲撃をしても当たる筈もなく、一方的に撃破された経緯がある。

 

(藤堂長官がこちらに試作型のパワードスーツの部隊を回してくれたが、果たしてそれらも使えるのかどうかも怪しい)

 

今回の陽動では、結成されたばかりのIS部隊もガーディアン連隊へ同伴しており、輸送トラックの荷台には待機状態のISを持ったシャルロットと神堂の姿もあった。

 

「でゅ、デュノアさん‥‥」

 

 

「ん?なに?」

 

「わ、私は管理局に入ってからずっと次元航行艦の機関士でした‥‥な、なので、陸上の戦闘参加はこれが初めてです」

 

神堂は震える声でシャルロットに声をかける。

 

彼女は元々“海”の次元航行艦における機関士だったので、戦闘とはほぼ無関係な環境に居た。

 

それが、彗星帝国の残党に乗艦が襲われ、負傷しつつ、自分の生まれ故郷とは異なるもう一つの地球へ来訪し、生まれ故郷の地球とも管理局とも大きく違う技術力と戦闘能力の差を見せつけられた。

 

その地球が暗黒星団帝国とか言う管理局でもまだ確認されていない星間国家からの侵略を受け、シャルロットやティアナたちと共に抵抗運動へと参加したが、ティアナと違い、自分は戦闘からかけ離れた部署に居たため、訓練期間がティアナよりも長く、今回の陽動作戦の参加が初参戦となる。

 

「うん。私もそう‥‥」

 

「えっ?でも、デュノアさんは私たちよりも先に軍の基地に居たんですよね?」

 

「『居た』って言っても、私は基地でメンテナンス作業を手伝っていたぐらいだから、戦闘はしていないし、基地の軍人さんと一緒に訓練をした程度だよ」

 

「そ、そうだったんですか‥‥」

 

「不安になるも分かるよ。でも、私たちは自分たちで志願してパルチザンに参加したんだ。こうなる日は覚悟していた‥‥あとはこの世界の技術が生み出したとされるISの力を信じよう」

 

「は、はい」

 

シャルロットと神堂は自らの手の中にある待機状態のISを見つめた。

 

 

『こちら、重迫撃砲隊。射撃ポイントに着いた。観測点確保!!』

 

荷台に重迫撃砲装備を積んだブラッドハウンドホバートラック三両と61式戦車二両が小高い丘に到着し、砲撃準備を始める。

 

『レオポルド隊、間もなく攻撃目標に到着する!!』

 

「各隊、準備が間もなく整います」

 

「よし、準備出来次第攻撃を開始せよ!!」

 

『了解!!』

 

「IS隊も出撃準備!!」

 

「い、いよいよか‥‥」

 

「そ、そうですね‥‥」

 

出撃準備の指令が流れ、シャルロットと神堂の手に力が籠る。

 

 

「撃て!!」

 

丘に砲撃陣地を確保した重迫撃砲隊と61式戦車は占領軍戦車駐屯基地へ砲撃を行う。

 

「IS隊出撃!!」

 

ラファール・リヴァイヴを身に纏ったシャルロットたちは次々と輸送トラックの荷台から空へと飛び立っていく。

 

 

一方その頃、郊外の貨物列車操車場では‥‥

 

「おい、まだ発車は出来んのか!?」

 

占領軍の下士官が機関車の運転席に居る兵士に声をかける。

 

「システムに問題は無い筈なのですが、信号機が変わらないので発車することが出来ません」

 

運転室に居る兵士が下士官に発車することが出来ない訳を報告する。

 

暗黒星団帝国は何も日本の首都である東京だけを占領している訳ではない。

 

世界各国でもあちこちの都市を占領しているが、それは日本も同じで、日本の各都市を占領下に置いている。

 

その占領下の兵站を担う為、占領軍は元々地球にあった交通網を活用している。

 

この貨物列車の操車場もそうした占領軍の兵站を担う為に占領軍が使用していた。

 

「もしかしたら、このトンネルの先の線路が破損しているせいなのかもしれません」

 

兵士は信号が切り替わらない訳は、線路の破損が影響している可能性を示唆する。

 

「くそっ、工兵隊を向かわせて確認しろ!!急げ!!」

 

「はっ!!」

 

下士官は工兵隊を向かわせて線路の状態を確認させる。

 

(ただでさえ、パルチザンの活動が活発化して前線で物資が滞っているんだ‥‥)

 

(この鉄道輸送網だけはしっかりと機能させなければ、我が軍は占領を維持できなくなるぞ‥‥)

 

パルチザンの活動は占領の維持に対する不安を前線の将兵たちに蔓延するほどの効果が出ていた。

 

下士官の命令を受けてトンネル内を進む工兵たちであったが、

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ‥‥

 

 

「うん?」

 

「な、なんだ?」

 

トンネルの奥から轟音が聴こえてきた。

 

 

ゴォォォォォォー

 

 

しかもそれは此方に‥自分たちへと近づいて来る。

 

「な、何かがこっちに来るぞ‥‥」

 

「い、一体なんだ‥‥?」

 

占領軍の兵士の間では海鳴市の地下都市には化け物が潜んでいると言う噂があった。

 

トンネル内の工兵隊も、この轟音の正体はもしかしたら、海鳴市で噂された化け物かと思い、緊張した面持ちでトンネルの奥へ目を凝らす。

 

やがて、それは正体を現した。

 

 

キュラ、キュラ、キュラ‥‥

 

 

「うわっ!!」

 

「ち、地球軍の戦車だ!!」

 

「ひぃっ!!」

 

トンネルから出て来たのは二両のレオポルド1警邏軽戦車と二両の61式戦車だった。

 

四両の戦車はトンネル内に居た占領軍の工兵隊を轢きながら貨物列車の操車場へと出ると、停車していた貨物列車、機関車、集積されていた物資へと砲撃をくわえる。

 

「なんだ!?」

 

「敵襲か!?」

 

「兵を集結させろ!!反撃だ!!」

 

「警報を鳴らせ!!」

 

「こちらも戦車と航空隊の応援を要請しろ!!」

 

突然の敵戦車の出現に貨物列車の操車場は大混乱となった。

 

 

時を同じくしてその占領軍の戦車駐屯基地でもいきなりの砲撃を受け、基地内は警報が鳴り響いていた。

 

遠距離から重迫撃砲と61式戦車の砲弾が飛んでくる。

 

「正確な狙いはしなくてもいい!!敵の攪乱と施設の破壊を優先する!!砲弾は榴弾を使え!!」

 

61式戦車からは散弾である榴弾が降り注ぎ広範囲に砲弾がばら撒かれる。

 

散弾と重迫撃砲の砲弾がばら撒かれる基地に今度はISを纏ったパルチザンたちが押し寄せて来る。

 

「敵襲!!」

 

「戦車をまわせ!!」

 

「航空隊へ支援を要請しろ!!」

 

突然の砲撃に基地内の占領軍将兵たちは混乱する。

 

 

「支援射撃はこのまま続行!!」

 

「味方のIS隊に当てるなよ!!」

 

「分かっていますよ!!」

 

重迫撃砲と61式戦車は引き続き高所からの砲撃を加える。

 

「突入!!全車、続け!!」

 

更に基地の敷地内にはまほ率いる戦車隊が検問所を突き破って侵入し、周囲の施設へ攻撃を行う。

 

戦車隊の後ろからは輸送トラック隊も続き、荷台に装備されているM2ブローニング重機関銃で占領軍の将兵たちへ射撃する。

 

【挿絵表示】

 

「敵は二方面から侵攻してきます!!」

 

「遠距離からの砲撃は以前継続中!!」

 

「基地中央部に命中弾多数!!持ちこたえられません!!」

 

「くそっ!!野蛮人どもが!!」

 

基地司令塔では基地の司令官が被弾を表示するモニターを見ながら怒声をあげる。

 

その直後、司令塔を大爆発が襲い、司令室に居た者たちを吹き飛ばす。

 

「司令塔及び弾薬庫にも命中!!西住隊長率いる本隊も基地内に突入し、攻撃を続行中!!」

 

「対空レーダーに反応はあるか!?」

 

「ありません!!」

 

「引き続き監視を続けろ!!敵航空隊が現れたらすぐに連絡をするんだぞ!!」

 

「了解!!」

 

 

バババババババ‥‥

 

 

ダダダダダダダダ‥‥

 

暗黒星団帝国の地球占領時の夜の時の様に基地内では占領軍とパルチザンのレーザー銃とコスモガンの閃光が飛び交う。

 

しかし、上空からの攻撃の方が有利で地上に居る占領軍将兵たちはバタバタと斃れる。

 

更には基地の敷地内に敵の戦車隊が侵入し、歩兵だけでは敵わない。

 

「おい、戦車と航空隊はまだか!?」

 

「それが、貨物列車の操車場でも敵戦車の襲撃を受けているみたいで、そちらへも戦車の応援要請が来ています!!」

 

「それにパルチザンの連中、妙なジェットパックみたいなモノを装備していて、それで戦車の駐車場と弾薬庫が真っ先に狙われて、戦車が炎上して駐車場へ近づけないようです!!」

 

「くそっ‥おい、こちらもジェットパックを装備して上の連中を蹴散らすぞ!!」

 

「りょ、了解!!」

 

占領軍は地球降下作戦の際に使用したジェットパックを装備してIS部隊との交戦を試みる。

 

しかし、ただのジェットパックとISとでは機動性がまるで異なる。

 

さらにISの特徴である絶対防御と瞬時加速が、占領軍の攻撃を寄せ付けない。

 

「な、なんだ!?あの機動力は!?」

 

「ただのジェットパックなのに、なんであんな機動力があるんだよ!?」

 

「しかもこちらのレーザーを弾いていないか!?」

 

ISの存在を知らない占領軍にとっては高性能なジェットパックにしか見えないので、空に上がった占領軍の将兵たちが困惑するのも無理はない。

 

「敵戦車破壊部隊は引き続き、敵の戦車駐車場及び弾薬庫へ攻撃!!その他の班は上がって来た敵の迎撃と西住隊長の援護を!!」

 

『了解!!』

 

まだ戦車が止まっている内に敵戦車を撃破する必要があるので、先鋒で基地へ突入したIS部隊は敵戦車を撃破する部隊と敵兵を相手にする部隊とで分かれていた。

 

戦車を相手にするIS部隊は多弾頭のバズーカを装備している。

 

三発入りのマガジンを装着するバズーカであり、三発撃ったら終わりかと思われるが、ここでもISの特徴が活かされた。

 

ISには武器を量子化させて保存できる特殊なデータ領域があり、操縦者の意志で自由に保存してある武器を呼び出すことができる。

 

その為、データ領域内には領域一杯の三発入りマガジンと予備のバズーカが入っていた。

 

別次元の地球に居たもう一人の束にとって、ISが宇宙開発のパワードスーツではなく、スポーツ競技と女性の権利の象徴となった事は不本意であったが、こうしてISが兵器として使用されるのはもっと不本意かもしれない。

 

だが、地球が暗黒星団帝国によって占領されている現状では、やむを得ない事情だろう。

 

そして、幸いなのはもう一人の束が今、地球に居らず、この戦場を見ていない事だろう。

 

(空戦魔導士ってこんな感じで戦っているんだ‥‥)

 

空戦属性がない神堂はこうしてISと言う機械に頼ってはいるが、自分の意志で自由に空を飛び回り、戦っている事で、空戦魔導士と同じ気持ちを体験していた。

 

それと同時に、そんな風に思える程の余裕が生まれるくらい、今の神堂には余裕があった。

 

 

その頃、まほが指揮する61式戦車一個小隊は全軍の先陣を切って進撃していたが‥‥

 

「れ、連隊長!!前方に敵の三脚戦車です!!」

 

IS隊が撃ち漏らした三脚戦車がまほの小隊の目の前に出現したのだ。

 

いくらIS部隊が空から強襲をかけても広大な基地に多数の戦車があるため、撃ち漏らしてしまうのもやむなしだ。

 

しかし、幸いにも三脚戦車の砲の照準は空を舞っているIS部隊を追っているようで、まほの小隊を狙っていない‥‥それどころかまほの戦車に気づいてすらいない。

 

「落ち着け!!事前に説明したように各車、敵三脚戦車の足の付け根を狙って徹甲榴弾を叩き込め!!」

 

『『了解!!』』 

 

まほは小島エミと勝矢メグ、飛騨エマの戦車に指示を出しつつ、自身も砲の照準をつける。

 

61式戦車5型は幾度にもわたる改修によって01式戦車に引けを取らない高性能を有している戦車であるが、主砲に二連装155mm滑腔砲を搭載した上に自動装填装置を装備した結果、砲塔内部に車長一名が乗り込むのが限界となってしまった。

 

そのため、まほ自身も指揮官・車長・砲手を兼任せざるを得ない状況であったが、それでも必死に指揮をとっていたわけだ。

 

『小島車照準よし!!』

 

『勝矢車も同じく攻撃準備完了!!』

 

『飛騨車も準備良し!!』

 

「各車、撃て!!」

 

 

ドガァン!!ドガァン!!ドガァン!!

 

 

四両の61式戦車5型から放たれた二連装155mm滑腔砲の計八発の砲弾は針の穴に糸を通すような正確さで掃討三脚戦車の足の付け根に直撃した。

 

被弾した三脚戦車はバランスを崩し、轟音を立てて地面に倒れると三脚戦車の乗員もその衝撃で死亡した。

 

三脚戦車は確かに強力な兵器であるが、こうした被弾時には乗員の安全面が配慮されていない設計となっていた。

 

それとも三脚戦車は絶対に撃破されないと言う絶対的な自信があるのかもしれない。

 

しかし、地球よりも技術が優れた暗黒星団帝国と言えど、人類が創作したモノに違いはなく、絶対、完全なモノは存在しない。

 

『やったぞ!!敵の三脚戦車を撃破!!』

 

『私達だってやれるんだ!!地球人をなめるなよ!!侵略者どもめ!!』

 

勝矢と飛騨は通信を開きっぱなしで歓喜したが、まほと小島は車外に出て周囲の警戒をしていた。

 

『ん?西住隊長!!古野間隊長よりシグナル5が発令されました!!』

 

「むっ!?」

 

政府高官が収容されている施設へ救助に向かった古野間から作戦中止の指令であるシグナル5が出た旨を小島はまほに報告する。

 

(作戦中止‥‥と言う事は今回の情報は、やはり罠かデマだったか‥‥)

 

「全車両に告ぐ!!シグナル5が発令された!!各車、速やかに撤収せよ!!」

 

作戦の中止が発令された事で、まほはガーディアン連隊及びIS部隊へ撤退を命じる。

 

『西住隊長、IS部隊は殿を務めます!!急ぎ撤収を!!』

 

「すまない。頼んだぞ‥‥」

 

戦車よりも小回りが利くIS部隊が殿を務め、ガーディアン連隊は次々と撤収した。

 

この陽動において、ガーディアン連隊は輸送トラック三台を失う被害を出したが、当初古野間、まほが想定していた戦車の損失はなかった。

 

戦車の損失ゼロの立役者は何と言ってもISの活躍が大きかった。

 

当初、ISの能力を疑問視していたまほであったが、今回の作戦におけるISの活躍で、ISの能力を見直したのだった。

 

しかし、まほがパルチザン本部に赴いた際、今回の作戦の主体である政府高官の救助へ向かった本隊の損失を聞いた際、驚愕したのは言うまでもなかった。

 

情報提供を逆手にとってパルチザンの戦力を削ぎ、同時に捕虜からパルチザン本部の場所を突き止めようとしたアルフォンであったが、結果を見れば本隊には大きな被害を受けるも、占領軍側は陽動で受けた被害が大きく、損害的には占領軍の方が多大な被害を受けた結果となった。

 

しかし、北野曰く、今後は『白い花』の情報提供は期待できないと言う見解があった。

 

パルチザンは今後、地道な情報収集と兵力の補強が課題となった。




次回 要塞の罠

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