内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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大変お待たせしました!

長くなった為にさらに分けることとなりました。


第百三十七話 侵入者後編①

突如、ヤマトの艦内に注入された謎のガス‥‥

 

そのガスを吸い込んだ乗員たちはバタバタと倒れ昏睡状態となった。

 

昏睡状態とまではいかないまでもほんの僅かな量でもこのガスを吸い込めば、身体がうまく動かないマヒ状態となり、魔導師も魔法を封じられる副作用もあった。

 

そしてヤマト艦内の捜索によってある事実が判明した。

 

この謎の着色ガスが発生した原因は敵の仕業の可能性が高く、ガスを吸って意識を失ったはずのヤマト乗員がどういう訳か突如起き上がり、こちらに襲い掛かってくる。

 

これらの現状からこの着色ガスは十中八九、暗黒星団帝国の仕業であり、更にヤマト艦内にはこのガスを注入した侵入者がいるかもしれない。

 

とはいえ、先ほど発生した第一艦橋における銃撃戦で南部が倒された拍子に通信機を破壊してしまい僚艦に救援を頼むことが出来ず、修理をするにしても修理に必要な部品は真田がいる機械工作室に取りに行くしかない。

 

それに動力を復旧させてこのガスをどうにか取り払わないと倒した乗員が再び起き上がって襲ってくるかもしれないので機関室にはどのみち行かなければならない。

 

やむなく、束は先ほどと同じメンバーで機関室と機械工作室を目指して進むこととなった。

 

とりあえず束たちはエレベーターで下層デッキへと向かった。

 

「下層デッキのエレベーターホールから機関室、そんで機械工作室まではかなり遠いですね。それにまたガスで操られている乗員たちが襲ってくるかもしれません‥‥」

 

この面子の中で一番ヤマトの艦内地理に詳しい坂本はそう言う。

 

そりゃそうだ。

 

エレベーターホールから艦尾方向にある機関室に向かうだけでも一苦労なのにガスで操られた乗員たちの相手もしなきゃいけないのだから‥‥。

 

「まぁ、なんとかするしかないね‥‥みんな!気合入れていくよ!!」

 

束はそう言って全員に気合を入れさせるとともに進む、

 

ところが‥‥

 

「レンチ振り回しながら迫ってくるってどこのゾンビ映画!?」

 

機関室付近でガスに操られた機関科の乗員たちと遭遇したのだ。

 

「いいから撃って!!気絶させてください!!」

 

「ひぃぃぃ~おっかねぇ!!」

 

なんと予想外にも機関科の乗員たちが整備用に使っていたであろうレンチを振り回しながら迫って来たのだ。

 

これまで遭遇してきた乗員たちは銃撃してくるものだとばかり思っていたので全員が半ばパニック寸前の状態だ。

 

同じヤマトの乗員である筈の坂本もビビっている。

 

おまけに無言かつ無表情で迫ってくる。

 

恐ろしいことこの上ない。

 

唯一なのは呻き声を出していない事だろう。

 

これで呻き声を出してきたらそれこそゾンビに見えてしまう。

 

「こ、こわぁ~!!」

 

「で、でも、やるしかないないでしょう!?」

 

レヴィも涙目となり、ギンガも必死の形相であった。

 

「ご、ごめんなさい!!」

 

「ふんっ!!」

 

ヴィヴィオは謝罪しつつも襲い掛かって来る機関科員たちを殴り倒し、アインハルトは必死に無力化していた。

 

「あ、あの~これ‥‥俺ら要りますかね?」

 

「それは言わないの‥‥」

 

坂本は二人の無双っぷりに茫然として自分たちが要るのかと自信を無くしていたが、束は肩を叩きながら言わないように注意した。

 

そんな感じで機関室前に立ち塞がった機関科員たちを無力化させ、再び起き上がる前に束一行は機関室にたどり着いた。

 

「さっ、開けるけど‥みんな、覚悟しておこうか‥‥」

 

「「「「「はい!!」」」」」

 

リニスやギンガ以下防衛軍軍人はもとよりヴィヴィオとアインハルトもそう答えた。

 

なんせさっきまで無言で迫ってきていた機関科員たちは鍛えているのか、数発のパラライサーを喰らってもでもなかなか倒れず、普通に向かってくるのでヴィヴィオとアインハルトの格闘技が光ったが、それでもしぶとかったのだ。

 

気を抜いていられない。

 

そうして束が一気にドアを開けたが‥‥

 

「あ、あれ?誰もいませんね??」

 

一見すると誰も見当たらない。

 

普段は轟音を立てている波動エンジンも今は止まっているため、機関室内はガラーンと静まり返っており不気味だ。

 

カタっ‥‥

 

「ん?誰ですか!?」

 

その時、リニスが物音と人影らしきものを目撃して声を掛けるが特に反応がなかった。

 

 

その直後‥‥

 

 

ザッザッザッザッザッザ‥‥!!

 

 

 

「う、うわああああ!?」

 

「や、山崎機関長!?それに徳川さんたちも!?」

 

機関科の面々が無言でレンチを振り回しつつ、しかも大勢で向かってきたのだ。

 

おまけに何人かは機関室なのに通常設定のコスモガンを使用してくる上に配電盤の上からも撃って来る。

 

機関科員のタフさと高台からの攻撃で、機関室の制圧にかなりの時間を要した。

 

「ふぅ~‥‥手間取ったなぁ‥‥まぁ、山崎さんたち相手じゃあしょうがないか‥後でまた暴れ出したりしないように、手足を縛っておきましょうか?」

 

坂本が倒れている機関科員たちの手足を拘束するか尋ねる。

 

幸い此処は機関室なので、ケーブルや集束バンドなど拘束するための道具はある。

 

それぞれがケーブル、集束バンドで機関科員たちの手足を拘束している中、リニスは周囲を見渡す。

 

(最初に見た人影‥‥あれは機関科の人じゃなかったような?)

 

(それとも私の気のせいだったのかしら?)

 

リニスは倒れている機関科員たちを見ながら最初に見た人影の体系と一致しない事に疑問を抱いた。

 

もしも自分たちみたいに正気ならば、自分たちに声をかけて来る筈だ。

 

声をかけて来ず、この場から逃げるように姿を消したとなると、その人物はもしかしたら‥‥

 

しかし、確たる確証もなくこのような状況下なので、リニスは気のせいかもしれないと思い、束には伝えなかった。

 

「さてと、後は動力を回復させて、空気清浄機構を作動させれば、このガスも消えるだろう」

 

「そうすれば、乗員たちも元に戻るでしょうか?」

 

ガスを吸ってあのような状態となったのであるならば、ガスが艦内から消えれば乗員たちも元に戻る可能性もある。

 

「いえ、少なくとも倒した乗員たちは元に戻るかもしれませんが、まだ起きている乗員たちは襲い掛かってくる可能性はあります。体内にガスの影響が残っているでしょうから」

 

リニス曰く、一度倒した乗員はもうガスの影響下から抜けるが、まだ起きている乗員はガスの影響下なので、元に戻すには一度倒さなければならない様だ。

 

それでも艦内のガスが消えれば、倒れている乗員が起き上がって再び襲い掛かって来る事は無い。

 

「えっと、動力パネルはこれか‥‥」

 

束がレバーを操作するが機械はうんともすんとも言わない。

 

「あ、あれ?」

 

「やっぱり、機関も壊れていますか?」

 

「となると、真田君に見てもらわないとダメかな?」

 

「艦長、それって二度手間にならない?」

 

最初に工作室の真田の様子を見るべきだったと思う中、

 

「ちょっと待ってください‥‥メインの動力が落ちていますが、サブ回線の方はショートしているだけみたいですね。こっちなら何とか直せそうですよ」

 

坂本が配線を見て、サブ動力ならこの場で直せそうだと言う。

 

今は艦を動かすよりもこのガスを清浄化することが優先なので、サブ動力でもそれは充分に可能だ。

 

なので、サブ動力でも直すことが出来るのならば、儲けものだ。

 

「本当ですか?」

 

「ええ‥この程度なら、なんとかなります」

 

その後、制圧した機関室にて坂本が普段懲罰でコスモタイガーⅡの整備をやっている経験から機関の修理を行い、補助エンジンが復旧して、空気清浄装置が作動するとガスの除去が行われた。

 

「おっ、ガスが薄くなっていく‥‥」

 

黄色かったヤマトの艦内が普段の光景に戻って行く。

 

「よし、次は真田君の居る工作室だ」

 

ガスが無くなったので、一度倒した乗員が再び起き上がって襲い掛かって来る事はなくなった。

 

しかし、まだガスの影響下にある乗員は襲い掛かって来る。

 

その中にはこれから向かう工作室に居る真田も含まれている可能性がある。

 

「此処だ‥‥よし、ドアを開けるよ」

 

そして機関室の奥にあった機械工作室に乗り込んだ一行であったが‥‥。

 

 

ウィィィン!!!ガガガガガガガガガ!!!!

 

 

「あぶな!?」

 

「なんで工作用のマニピュレーターが!?」

 

「操作しているのは真田君だからだよ!しばき倒すよ!!」

 

工作室の天井部に設置されている工作用のマニピュレーターが動き、束たちに向かってくる。

 

そのマニピュレーターを操作しているのは真田であり、彼の手にはリモコンが握られている。

 

「やっぱり、技師長もガスで‥‥」

 

「ヴィヴィオちゃんとアインハルトちゃんは外に出て!!此奴は流石に素手で相手をするのは無理だから!!」

 

「は、はい」

 

「確かに素手で金属は殴れませんね」

 

レヴェがヴィヴィオとアインハルトに工作室の外に出るように伝える。

 

いやまぁ魔法を使えば何とかなるかもしれないが、此処で魔法を使用する訳にはいかないので、二人はレヴィの指示通り、部屋の外に出る。

 

「みんなは、マニピュレーターを壊して!!私は一気に本丸の真田君をボコるから!!」

 

「えっ?」

 

「ボコるって‥‥」

 

「そう言えば、最初、『しばき倒す』って‥‥」

 

束はレヴィたちに援護を頼むと一気に工作室の中を駆け出す。

 

なお、その際に夜の一族の力を一部解放して、身体能力を上げる。

 

束の俊敏な動きにマニピュレーターはついていけず、その隙にレヴィたちがコスモガンでマニピュレーターを攻撃して使用不能とする。

 

そして、真田の懐に入った束。

 

真田は近づいた束をマニピュレーターのリモコンで殴ろうとするが、それよりも早くに、

 

「おらっ!!」

 

ドゴッ!!

 

束は真田の鳩尾に拳を叩きつけた。

 

「おぉーあのなのはママと声が同じ人の拳、凄いね」

 

「はい。それにあの動き‥非魔導師なのに物凄く素早い動きでした」

 

身体強化の魔法も無しの束の動きに感嘆の声を漏らすヴィヴィオとアインハルト。

 

一方で、ギンガたちはと言うと‥‥

 

「ねぇ、通信長‥‥」

 

「ん?なんですか?」

 

「気づいた?さっき、艦長がヤマトの技師長を殴る時、僅かに笑みを浮かべていたんだけど‥‥」

 

「ええ‥‥」

 

「艦長、ヤマトの技師長と仲が悪いのかな?」

 

「一応、士官学校の同期らしいですけど‥‥」

 

「同期と言っても全員が仲の良い関係を築けるわけではないでしょうし‥‥」

 

レヴィとギンガは束と真田の関係が不仲なのかと推測した。

 

実際に束は倒れている真田の頬をペチペチと叩きながら彼を起こしている。

 

「おい、真田君、起きろ~もしもし‥‥」

 

「うっ‥‥つ、月村か?‥な、なんか、腹が‥‥」

 

目を覚まし、鳩尾を抑えながら真田が起き上がる。

 

「い、一体何が起きたんだ?」

 

ガスが入り込んですぐに意識を失った真田は自身の身とヤマトに何が起きたのかを理解していない。

 

「実は‥‥」

 

そこで、束が真田にヤマトで起きた事を伝える。

 

「そうか、ヤマトでそんな事が‥‥」

 

「昏睡させたかと思いきや、まるで人を洗脳するかのようなガス、壊されていたアナライザー‥それに洗濯室には技術班の小島と言う隊員の服が落ちていた。大きく破れて血が付いた状態でね」

 

「それで、小島は?」

 

「洗濯室には服しかなかった。ウチの医務長の見解ではかなりの大怪我を負ったのではないかと言うけど、もしそれが艦外だったら‥‥」

 

「ああ。真空の宇宙空間で出血するような怪我を追えば、生きてはいられないだろう。ガスが艦内に送り込まれたとされる時間帯、小島は船外作業をしている筈だったからな‥‥」

 

真田も話を聞き部下である小島の生存は絶望的と言う結論を下す。

 

「とすると、敵は艦外で作業をしていた小島さんを襲ってその服を着て、艦内に入り込んで来たと?」

 

ギンガが真田の話を聞いて敵の侵入経路を推測する。

 

「うむ。気密服のヘルメットバイザーを降ろしていれば、顔を見られることもない。服の切れ目も隠せば誰にも疑われる事はないだろう」

 

「そういうことか‥‥」

 

「アナライザーを壊したのも頷ける。アナライザーは優秀な分析ロボットだからな」

 

(((はい?優秀な分析ロボット!?)))

 

アナライザーのセクハラを受けた女子たちは心の中で突っ込む。

 

「アナライザーに見つかってしまったら、自分の正体がバレてしまう‥‥だから正体がバレる前に破壊したんだろう」

 

「それじゃあ、侵入者はまだ艦内に潜んでいる可能性があると言う事ですか?」

 

レヴィが真田に侵入者がまだ艦内に潜んでいる可能性があるのかを問う。

 

「可能性は高い」

 

真田は侵入者がまだ潜んでいる可能性を肯定する。

 

(それじゃあ、さっき機関室で見た人影は‥‥)

 

リニスは機関室で見た人影がやはり機関科の乗員ではなく侵入者だったのかと思った。

 

「月村、すまないがアナライザーを此処まで連れて来てくれ。俺が修理をする。アイツなら敵を直接見ているかもしれない」

 

「えっと‥あれ?アナライザーってもしかしてあの場に放置してきた?」

 

束が坂本にアナライザーの行方を尋ねる。

 

「えっ?ええ‥荷物になると思って‥‥」

 

「ま、マジか‥‥」

 

「はい。アイツ、かなり重いですし‥‥」

 

「分解されているなら、持って来るのは頭部だけでいい」

 

「分かりました」

 

「ヴィヴィオちゃんとアインハルトちゃんは念のため、此処に残って真田君の警護を頼むよ。ドアを三回ノックするけど、最後のノックは少し間をおいてからノックする。それ以外の人がノックをしてきてもドアを開けないようにね」

 

「は、はい」

 

「分かりました」

 

束はヴィヴィオとアインハルトを真田の護衛に残してアナライザーの回収へと向かった。

 

工作室を出てアナライザーが倒れていた女子トイレに向かう束たちであったが、その途中、やはりまだガスで操られている乗員たちとの戦闘が何度かあった。

 

それらの戦闘を掻い潜って何とか女子トイレの前に着くが、

 

「あ、あれ?」

 

「アナライザーが無い」

 

「確か此処でしたよね?アナライザーが倒れていたのは‥‥」

 

倒れていた筈のアナライザーが無い。

 

壊れているので、アナライザーが一人でこの場から動くことは不可能な筈だ。

 

「誰かが持ち去ったんだ」

 

「敵が‥ですか?」

 

「侵入者は一人ではないと?」

 

アナライザーを一人でどこかに持ち去るのは不可能だ。

 

しかし、複数人ならば可能なので、侵入者が複数居るのかと思われたが、

 

「いや、きっと乗員たちを操って運ばせたんだ」

 

「で、でも何処に?」

 

「二度と修理できない場所‥‥宇宙空間にアナライザーを捨てるつもりだ」

 

「エアロックですね!?」

 

「大きなエアロックはメイン動力が落ちている今は動きません。手動でも動く小型のヤツに限定できますね‥‥」

 

「坂本君、此処から一番近い小型のエアロックがある場所は!?」

 

アナライザーを運ぶ手間を考えると、一番近い小型のエアロックを使用する筈だ。

 

「この下の階にあります」

 

「きっとそこだ!!急ごう!!」

 

『はい!!』

 

束たちはアナライザーを救出する為、下層デッキに降り、間一髪のところでアナライザーを捨てようとしている操られた乗員たちを倒してアナライザーを回収した。

 

「間一髪でしたね‥‥まったく‥‥世話をかけるなぁ、お前も」

 

坂本がアナライザーの頭部を持ち、そのまま真田の待つ工作室へと向かった。

 

コン、コン‥‥コン

 

合図通りのノックをして中から工作室のドアを開けてもらい、真田に修理を頼む。

 

「メイン動力が落ちている分、時間がかかる‥‥ちょっと待っていてくれ」

 

真田が言うには修理が可能とは言え、やはりメイン動力が落ちているので修理にも時間がかかる。

 

「ニャ~‥‥」

 

そんな中、ミーくんが鳴く。

 

「そう言えば、佐渡先生は大丈夫でしょうか?」

 

アナライザーの修理まで時間が掛かるので、その間、医務室の佐渡の様子が気になったので、束たちは医務室へと向かう事にした。

 

医務室に行くとトチローはまだ昏睡状態となっていたが、佐渡は起きていた。

 

それにガスに操られている様子もない。

 

「佐渡先生!!」

 

「おわっ!!な、な、な、なんじゃい!!」

 

突然声をかけられて、佐渡はビクッと身体を震わせ驚く。

 

「あれ?先生、正気なんですか?」

 

「正気?何の事じゃ?」

 

佐渡は現状を理解していない様子なので、

 

「‥‥と言う訳なんです」

 

束がヤマトの現状を伝える。

 

「そーかぁ、ワシはまた、大山君と二人で酔い潰れたんじゃと思っとったよ」

 

佐渡は自分が倒れていたのは酒のせいだと思っていた。

 

「あはは…、実際に倒れている様子はそう見えました」(^^;

 

ヴィヴィオがそう言うと、

 

「ん?お前さんたちは誰じゃ?」

 

「ヴィヴィオです」

 

「アインハルトです」

 

「えっ?」

 

ヴィヴィオとアインハルトが成長している事に佐渡は目を点にする。

 

「お前さんたち、いつの間にそこまで成長したんじゃ?」

 

「あっ、これもガスの影響みたいで‥‥」

 

「そうか‥‥しかし、頭痛がひどいわい‥‥迎え酒でもやらんとやっとられんぞ。まっ、ワシは酒で酔っ払って昏睡することに慣れとるから、それで早めに気が付いたのかもしれんなぁ‥‥いや、酒飲みでよかったわい。それにひきかえ、大山君は酒には弱いからのう‥‥ガスにも弱いんじゃろうか?」

 

「患者を運び込みたいところですが、いつ操られて動き出すかわからないですし、外に出るのも危険です。佐渡先生はここで待機しておいてください」

 

「わかった。ボチボチ酒でも飲んどるよ」

 

「ミーくんも此処で待っていてね」

 

「ニャ~」

 

アインハルトがミーくんを佐渡に手渡す。

 

「トチローさんもいつ暴れだすかわかりませんよ。手足を縛っておいてください」

 

「あ~~~、わかったよ。ホラ、お前たちは行け」

 

佐渡の無事が確認されたところで、真田からアナライザーの修理が終わったと連絡が入ったので、束たちは再び工作室へと向かった。




次回 後編②

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