内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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第百四十七話 都市攻略

敵本星の正体が判明するとともに、地球の状況を知り、暗黒星団帝国側の重核子爆弾の起爆装置を破壊するためにデザリアム星内部へと侵入したヤマト、武御雷、雪風・改は破壊目的であるデザリアム星の人工都市へたどり着いた。

 

するとそこにあったのは一見すると美しい水晶のような人工都市。

 

しかし、そこは敵の根拠地。

 

彗星帝国同様、人工都市は強力なバリアで守られていた。

 

しかも人工都市はミサイルによる攻撃も可能。

 

人工都市を破壊するにはまずバリアを解除しなければならない。

 

バリアはこのデザリアム星内部の空間に点在するエネルギー転送ユニットからエネルギーを得ている。

 

この転送ユニットを破壊すれば人工都市を守っているバリアは解除され、都市への攻撃も可能となる。

 

そこに気づいた武御雷機関長からの進言を受け、武御雷、ヤマト、雪風・改はその転送ユニットの捜索を開始した。

 

とはいえ、敵の迎撃も予想されることや艦のレーダーのみでは無理があるのでヤマト航空隊から優秀な人員のみで編成された偵察型のコスモタイガーⅡが二機動員されていた。

 

束としては防空隊を用意してミサイルを迎撃しながら破壊したいという考えがあったものの、万が一原作通りに波動砲で吹っ飛ばして波動融合反応で大爆発を引き起こせば航空隊を回収している余裕がない。

 

その為、あきらめざるを得なかった。

 

しかし、コスモタイガー二機ならばなんとか収容できるので、これが許容範囲内だった。

 

千冬が伝達ユニットを見つけ、座標と数が判明した直後に束は手分けしての排除を決断した。

 

その指示を受け、ヤマト、雪風・改、武御雷はエネルギー伝達ユニットへの攻撃を開始した。

 

 

暗黒星団帝国 人工都市 聖総統用管制室

 

 

「聖総統閣下!敵はエネルギー伝達衛星に攻撃を開始しています!」

 

「なんだと!?阻止するのだ!ミサイルの集中砲火を浴びせてやれ!!」

 

流石に暗黒星団帝国側もエネルギー伝達ユニットへの攻撃をすぐに察知し、攻撃を命じた。

 

如何に強固なバリアシステムと言えども、エネルギーが無ければ消滅してしまう。

 

 

武御雷 艦橋

 

 

「ヤマトがエネルギー伝達ユニットのうちの一基を破壊!!」

 

「こちらもあと少しかと思われます!!」

 

ヤマトがエネルギー伝達ユニットを破壊したことや、現在武御雷側が攻撃しているユニットの破壊もあと少しであると報告が入る。

 

「よし!でもたかが一基では効果は薄いよ!急いで破壊して!!」

 

「「「「「了解!!!」」」」

 

『束』

 

皆に束が喝を入れた矢先、千冬が進言をしてきた。

 

『雪風・改なのだが、先ほどの突入の際に被弾したように見受けられた。万が一に備えて修理要員を送った方がいいのではないか?』

 

「えっ?ま、まぁこの混戦状態でもシーガル一機でなら出来ないことはないだろうけどなんで?」

 

束は千冬からの提案に頭を傾げた。

 

無人艦なことや原作のゲームでは敵都市に墜落しても、僅差で復旧して助かっていたからだ。

 

『サーシアを助ける際に雪風・改を使用することもあり得る。その際に一名だけでも護衛の武装兵が必要だろう』

 

「う~む…。確かにその通りだが、誰を送り込む?」

 

ディアーチェは千冬の意見を受け入れるつもりだが、誰を乗せるのかという問題があった。

 

『なに、あいつなら行けるだろう?』

 

「「???」」

 

三十分後…

 

「ふ~ん…それで私が行けと?」

 

「そういうことだそうです」

 

武御雷の格納庫ではコスモシーガルに更識二乃ことドゥーエが完全武装で乗り込もうとしていた。

 

元々、戦闘機人として時空管理局の最高評議会の秘書・メンテナンス担当として潜り込んでいた工作員としての素質は勿論、この世界で近接戦闘・銃撃戦の軍事訓練の経験を積んでいたことからサーシアの救出担当として選出されたわけだ。

 

「万が一の場合はIS能力(特殊技能であってインフィニットストラトスではない)の使用も許可するとのことです」

 

「あらあら。大盤振る舞いじゃない?」

 

「当然です。ただし、サーシアさんを見捨てたりした場合は即刻軍法会議送りにするとのことです」

 

「わ、分かったわよ‥‥」

 

「雪風・改に移乗後は、シーガルを自爆させて」

 

「自爆?なんだか勿体ないわね」

 

「雪風・改にはシーガルを収容できる程のスペースがないから仕方がないわ」

 

シーガル一機の自爆による喪失については確かに更識の言う通り、勿体ないのだが、こればっかりはどうしようもなかった。

 

更識はリニスから伝えられた束からの圧に少し引きつつも任務を引き受け、保安課の戦闘服を着てコスモガンの他に手榴弾やライフルを持ってシーガルに乗り込んだ。

 

※2199にて保安課が艦内で使用していた防弾チョッキ等のこと

 

 

武御雷 艦橋

 

 

「シーガル発艦しました!雪風・改へ横づけするとのことです」

 

「まさか更識さんを動員するなんて‥‥」

 

ギンガは内心困惑していた。

 

彼女も自分と同じ戦闘機人なので、自分でもいいのではと思ったがそこは千冬が譲らなかった。

 

現地に行けば暗黒星団帝国の兵士との間で殺し合いが予想される。

 

性格的にギンガは前線の兵士向きではなかったし、暗殺などに向いている更識の方が、殺し合いが発生すると思われるサーシア救出に向いていると判断されたからだ。

 

「敵エネルギー伝達ユニットの二基目を破壊しました!三基目へと向かいます!」

 

その頃、シーガルに乗って雪風・改に乗り込んだ更識ことドゥーエは‥‥

 

「ああ、これね?まったく、被弾の影響かしら?」

 

トチローが万が一の際にと用意していた旧艦橋部の制御室で遠隔自動操縦システムへの割り込み回路が外れかかっているのを発見した。

 

軍の兵士でも敵弾が飛び交う空間で一発でも被弾すれば、吹っ飛ぶ中でも更識は恐怖を感じなかった。

 

それはこの世に誕生してから常に自分は兵器として活動して来た経緯があるからこそ、彼女は冷静に行動出来たのだった。

 

更識が損傷箇所の修理に取り掛かろうとしていた。

 

 

その時…

 

 

ドガアアン!!

 

 

「きゃあ!?」

 

雪風・改が被弾し、おまけにシーガルが自爆をさせる前に誘爆したのだ。

 

 

武御雷 艦橋

 

 

「エネルギー伝達ユニットの三基目破壊しました!」

 

「よし!」

 

「司令!雪風・改が!!」

 

エネルギー伝達ユニットの三基目を破壊した直後、知床が悲鳴のような声を出して雪風・改を指さした。

 

「あっ!」

 

「被弾したのか!?」

 

「ヤマトより遠隔自動操縦ユニットへの割り込みを受け付けないと!」

 

雪風・改がコントロールを失って、敵都市へと落下していくのが見えた。

 

如何に他の自動艦艇よりも基本性能が高い雪風・改とは言え、バリアに突っ込んだら爆沈は免れない。

 

そうすれば更識ことドゥーエの命もない。

 

「更識副保安隊長への通信は!?」

 

「被弾のショックで気絶したようで応答ありません!!」

 

そして雪風・改がバリアに突っ込んでしまうと思ったが‥‥

 

「あ、あれ?」

 

「すり抜けた!?」

 

三基目までエネルギー伝達ユニットを破壊していた影響なのか、バリアシステムへのエネルギーが不足しており、効果が途切れ途切れになっていたのだ。

 

その為、雪風・改はちょうど良いタイミングで突っ込んだと言うわけだ。

 

「あと一つ破壊すればバリアは完全に消滅すると思われます!」

 

「雪風・改は!?」

 

「敵都市へと落下したようです!未だ応答なし!」

 

束としては原作通りの展開ではあるが、更識ことドゥーエの存在で何か変わらないか不安ではある。

 

「‥‥ここは更識の奴に任せるしかあるまい」

 

「敵ミサイル群さらに接近!!」

 

「ええい!敵も必死と言うわけか!撃ち落とせい!!」

 

ディアーチェは更識に任せるしかないかと悩んでいたが、ミサイル群の接近への対応を指示することとなった。

 

(頼むよ?ドゥーエ??)

 

 

雪風・改 艦橋

 

 

「いったたた‥‥」

 

その頃、更識は雪風・改の艦橋で目を覚ました。

 

状況がいまいち分からなかったが、墜落した所を見るに敵都市に落下したと判断する。

 

「あらら…幸か不幸かあの目標も達成できそうね?」

 

ハッチを開けて周囲を見渡すが敵兵はヤマト・武御雷への攻撃に夢中なのか、雪風・改の存在に気付いていなかった。

 

「そう言えば、工作機械が山ほど積んであったわね?あれはたしかヤマトと武御雷からのデータ送信が出来たはず」

 

そう言って彼女は工作機械を確認し、

 

「ふふふ…無線は送れないけど、データの送受信は問題なし、これならアレをやってくれるかもね?」

 

そう言って、工作機械のデータ転送用の有線コードを暗黒星団帝国人工都市の機械に接続した。

 

「さてと、嫌がらせはここまでにしてあのお嬢ちゃんを助けに行きますか」

 

そうして更識は戦闘機人としての機能を覚醒させ、AK-01 レーザー自動突撃銃を持って都市内へと駆けていった。

 

その頃、エネルギー伝達ユニットをすべて破壊したヤマト・武御雷であったが、真田と束がある作業をしていた。

 

「む?束、この忙しいときに一体何をしておる?」

 

「コンピューターウィルスだよ。これであの都市の機能を攪乱させてやる!」

 

束は原作通りに真田がウィルスを作ると読んでおり、自分自身でも送ってやろうと思い突貫作業で制作していたのだ。

 

ウィルスを送り込めば更識の支援になり、サーシアの生存率も上がる。

 

「こ、コンピューターウィルス!?で、でもそんなの通用するんですか?」

 

ギンガは束の行いに驚きつつも疑問に思う。

 

相手は地球以上に科学力を持った相手だ。

 

そんな相手に骨董品のような代物が通用するとは思えない。

 

仮にウィルスを送り込んでも直ぐ対策されてしまうのではないのかと思ったのだ。

 

「いいや、相手が私達よりも優れているからこそなんだよ」

 

「えっ?」

 

「それってどういう意味ですか?」

 

「地球からのデータだと相手は体の大部分を半機械にしたサイボーグ生命体みたいな連中だ。となると地球で天然痘ウィルスが撲滅された結果、逆に対応が難しくなったように暗黒星団帝国では機械に悪影響を及ぼすコンピューターウィルスが絶滅している可能性が高いのさ」

 

そう、現実世界においても史上初、撲滅宣言が出された天然痘ウィルスであるが、今現在、地球上に残っているのは、アメリカ疾病予防管理センターとロシア国立ウィルス学・生物工学研究センターに保管されているウィルス株のみとなっている。

 

保管する理由としては万が一、細菌兵器として使用された際や再流行に備えるということだそうだ。

 

万が一、再流行すればワクチン接種をほぼしていない現代の人々には大きな脅威となる。

 

それと同じようにコンピューターウィルスを撲滅したであろう暗黒星団帝国ではコンピューターウィルスへの対応策を忘れているか、ワクチンプログラムが存在しない可能性が高い。

 

つまり、効果覿面と言うわけだ。

 

「で、でもどうやって送り込むんですか!?」

 

朝田はそこが気になり聞く。

 

『ん?ウィルス注射用の注射器ならもう刺さっているだろう?』

 

そこには千冬が答えた。

 

「え?‥‥あ!?雪風・改!!」

 

「そ。さっき確認したらトチロー君が乗せていた工作機械の有線コードがどこかに接続されていた。多分更識の奴が挿したんだろうね?そこを経由してシステムに侵入すれば…」

 

『侵入出来たぞ!』

 

「よし!侵入開始!!」

 

束はキーボードを操作して敵の都市にコンピューターウィルスを送り込んだ。

 

 

その頃、暗黒星団帝国 人工都市では…

 

 

「聖総統閣下、制御室の奪還に成功いたしました!」

 

「うむ、修理を急がせろ。それであの小娘はしっかり始末したのであろうな?」

 

スカルダートは側近の兵からの報告を聞きつつ、サーシアを始末したかを問いただした。

 

彼としてはシステム復旧と修理は重要であるが、自身の企みを潰したサーシアは殺さなければ気が済まなかったのだろう。

 

「そ、それが見当たらないのです。我々の突入直前に逃亡したのではないかと‥‥」

 

「馬鹿者ぉ!!!!」

 

サーシアは制御室に立てこもって戦おうとしていた矢先に父である守から生き残ることを優先するように言われ、ちょうど助けにきた更識の手助けで制御室を脱出したのだ。

 

おまけに更識は制御室内にブービートラップを複数仕掛けたので修理に手古摺るのは想像に難くない。

 

聖総統が激怒していた矢先、

 

突然システムが勝手に起動したり、別のシステムが勝手にシャットダウンし始めた。

 

「こ、これは一体‥な、何が!?」

 

束と真田が用意したコンピューターウィルスが機能して暗黒星団帝国人工都市のシステムを攪乱し始めたのだ。

 

「こっちよ!急いで!!」

 

「はっ、はい!!」

 

更識とサーシアは追撃してくる暗黒星団帝国兵士を迎撃しつつも大急ぎで雪風・改の下へと走った。

 

「敵は狂った回路を切り離し始めた!!」

 

「都市周囲のバリア装置修復が再開!!復帰まであと一分!!」

 

「千冬!サーシアと更識の奴は今、どのあたりだ!?」

 

『駄目だ!ウィルスの影響で確認不能だ!!』

 

「くっ、更識を援護する筈だったウィルスが裏目に出たか‥‥」

 

武御雷側も波動砲の発射準備を進めていたが、サーシアと更識が無事なのか確認できず不安感が漂っていた。

 

「薬室内タキオン粒子圧力上昇!85、97、100、薬室内タキオン粒子エネルギー120%!!」

 

「波動砲発射準備良し!!」

 

「ターゲットスコープ用意!!」

 

「レヴィ!しっかり狙えよ!!」

 

「う、うん!!」

 

ディアーチェは最悪を覚悟しつつ、戦術長である関係で波動砲のトリガーを引くレヴィに覚悟を決めて最悪の場合は撃つように指示する。

 

レヴィも不安がりつつも了承した。

 

しかし、いまだに雪風・改の動きがなければ、更識からの通信もない。

 

待っていた矢先に…

 

「て、敵都市のバリア復旧!?」

 

「ま、間に合わなかった…?」

 

『ハハハハハ‥‥運命は我らに味方したようだな?もはや抗う力もあるまい?起爆装置の修理が終われば、その時こそ地球人類の運命は終わりを告げるのだ。ハハハハハ‥‥』

 

通信でスカルダートは勝利を確信し、高笑いする。

 

重核子爆弾の起爆回路が直るまで耐えれば勝てるからだ。

 

だが‥‥。

 

 

ドッガアアアアアアアアン!!!!!!!

 

 

「うっくっ‥‥な、何事か!!」

 

「せ、聖総統閣下!!ば、バリアが!!」

 

更識とサーシアが乗り込み、更識が自動航行システムを復旧させた雪風・改が浮上。

 

行き掛けの駄賃として都市内に12.7㎝連装陽電子衝撃砲を乱射し、空間魚雷を数発発射したのだ。

 

威力は弱くてもその爆発で都市の一部ビル群が倒壊した上、バリアシステムが完全に破壊されたのだ。

 

「雪風・改、復旧!!バリアも消えました!!」

 

「レヴィ!今だ!!撃てぇええい!!!!」

 

「撃ぇええええ!!!」

 

雪風・改が浮上したことでヤマト、武御雷は遠慮なくかつ、問答無用で人工都市へ波動砲を撃ち込んだ。

 

人工都市は二隻の波動砲を受けて、崩壊を始めつつ波動融合反応を起こした。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁー!!」

 

「ぬっ!?ぎゃぁぁぁぁぁー!!」

 

スカルダートとサーダは他の暗黒星団帝国兵士と共に都市同様、消滅した。

 

波動砲の攻撃を受け、ゴルバやデザリアム星の表面同様、波動融合反応による誘爆が広がる。

 

「後方より誘爆の爆炎が接近!このままだと追いつかれます!!」

 

「ワープの準備を!!」

 

「合点でぃ!」

 

ヤマト、武御雷、雪風・改は暗黒星団帝国人工都市の制御室から脱出する前にサーシアが解放した北極側のゲートへの空間を全速で航行しつつワープの準備を開始した。

 

「通信長!星外部の艦隊に緊急電!ワープで全艦を脱出させるんだ!!」

 

「はっはい!!」

 

本星外部で頑張っている選抜艦隊の残存部隊もさっさと避難させないと全滅しかねない。

 

束はすぐさま撤退するように指示を出し、選抜艦隊各艦を撤退させた。

 

「柳原機関長!雪風・改とのワープ機関を同調させて!!」

 

「言われなくても分かってらぁ!!」

 

「わ、ワープ開始五秒前!四、三、二、一!ワープ!!」

 

無人艦の雪風・改の次元波動エンジンを同調させて三隻はワープを行った。

 

同時に選抜艦隊残存部隊の中で最後まで殿を務めていたアマテラスも艦長である宮里 十海の合図でワープを敢行した。

 

直後に、デザリアム星は内部から波動融合反応の誘爆で大爆発を起こし消滅した。

 

安全宙域に選抜艦隊各艦が次々とワープアウトした。

 

「雪風は!?サーシアと更識はどうなった!?」

 

雪風・改は選抜艦隊各艦がワープアウトしたにも関わらず未だにワープアウトしてこない。

 

雪風・改は無事にワープできたのか?

 

それとも誘爆に巻き込まれてしまったのか‥‥?

 

選抜艦隊各艦の全乗員が不安と緊張の中に居ると‥‥

 

「ワープアウト反応を確認‥‥あれは‥‥あれは‥‥」

 

殿を務めていたアマテラスがワープアウトした直後、一番最後にワープアウトしてきたのは雪風・改だった。

 

「雪風‥‥雪風だ!!」

 

「やった!!」

 

「はぁ~‥‥生きた心地がしなかったよ」

 

「ホント、私はまだ手が震えているよ」

 

知床もレヴィも互いに手を見せ合う。

 

すると、二人の手は小さく震えていた。

 

雪風・改はヤマトの横へとつける。

 

サーシアと更識は一先ず地球までの航海中はヤマトでお世話になる。

 

「ん?見て、外が‥‥」

 

「ん?」

 

「あれは‥‥」

 

デザリアム星の爆発の影響なのか、黒色銀河と白色銀河の二つが崩壊して、一つの銀河となって新しい銀河系を形成し始めた。

 

「新しい銀河系の誕生だ‥‥」

 

もう二度とこんな光景は見られないだろう。

 

まさに宇宙の生と死を垣間見た瞬間であった。

 

「‥‥」

 

そんな中、ギンガは何か思いつめた顔で窓の外の光景を見つめていた。

 

「ん?どうしたの?通信長」

 

束がそれに気づいて声をかける。

 

「あっ‥艦長‥‥その‥‥人はいつになったら血を流さずに幸せになれるんでしょうね?」

 

「ん?」

 

「えっ?」

 

「‥‥」

 

ギンガの質問に艦橋の全員がギンガに視線を向ける。

 

「私たちはサーシアちゃんも地球の人々も救うことが出来ました。でも、暗黒星団帝国の人々は私たちが滅ぼさなければならない人たちだったのでしょうか?生き残るには敵を滅ぼすしか手はないのでしょうか?」

 

「ギンガ、君の気持ちはわかる。それと同時に私たちは自分の罪を知っている。血を流すことの恐ろしさを感じている。その思いが少しずつ積み重なって、今はダメでもきっといつかは命を大切に出来る人類を作り上げることが出来る筈だよ」

 

「艦長‥‥」

 

「通信長。我はこの宇宙で地球が一番美しい星だと思う‥‥それは何かをひたむきに信じることが出来るからだ。今は無理でもいずれやって来る、宇宙の全てが平和になる日がな」

 

束の他に、ディアーチェも彼女なりの回答をギンガに言う。

 

「そうですね。いつかきっと来ますね、そんな日が‥‥」

 

「さあ、帰ろう‥‥皆が待っている地球へ‥‥」

 

『はい!!』

 

選抜艦隊は一路、針路を地球へと向けた。

 

こうして暗黒星団帝国との戦いは終わったのだった‥‥

 

この戦いもこれまでのガミラス、彗星帝国の戦い同様、広大な宇宙で起きた一時の混乱にしかならない。

 

そして、宇宙に真の平和が訪れるのが、いつになるのかまだ不明だった‥‥




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