内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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第百五十七話 引き渡し完了と式典

デルタフォースとスペヅナズアルファたちの活躍によって氷川丸で起きた一部の局員たちによるスペース・ジャック事件は一応の解決を見た。

 

しかし、その後の交渉は難航に難航した。

 

まぁ、それはそうである。

 

片や、自軍の艦が一時的にとはいえ乗っ取られた事件の被害者であり、片や事件を起こした加害者たちが所属していた軍事組織の構成員や幹部なのだ。

 

特に米露からの印象は最悪である。

 

とはいえ、リンディらは無関係であったのは事件の最中とその後の対応で証明していたので、個人への不信感はそこまでではなかったが、組織としてはやはり信じられない。

 

もしかしたら、米露それぞれの政府は密かに管理局と交流を持ち、魔導技術・管理局が有する資源惑星の利権を狙うと言う思惑があったのかもしれないが、今回の一件で管理局が信じるに値しない組織である事が明確に判明した。

 

「とりあえず、親書に関しては連邦政府の首脳部にはお届けします。ただし、今回氷川丸で起きた事件についても同時に報告をせざるを得ないので、その点はご了承ください。その後に通信にて地球連邦政府からの返答をご連絡します」

 

「あ、ありがとうございます‥‥」

 

束が気を使って返答を後日にするとしたことはクロノにとっても大助かりであった。

 

とは言え、氷川丸で起きた一件も報告されると思うので、既に地球連邦政府からの返答は決まったも同然ではないかとクロノ、リンディ、はやてはそう思っていた。

 

「さて、後はハラウオン執務官らの引き渡しですね」

 

「分かりました」

 

そして会談に参加した全員はフェイトたちが居る展望室に移動した。

 

 

武御雷 展望室

 

「駄目です!!レヴィ!!ヴィヴィオにその映像を渡さないで!!!」

 

「えぇ~?でも、友人に見せるだけならいいんじゃない?ネットにupするわけじゃないんだしさ~」

 

「これ以上黒歴史を広めたくないんだよ~~~!!」

 

そこではフェイトとレヴィがすったもんだの大騒ぎをしていた。

 

「ええい、レヴィ!!一体何をやっている!!」

 

ディアーチェが止めに入りつつ、何をしているのか問いただした。

 

「いや~フェイトにこの世界の思い出に赤道祭の時の動画をお土産にしようかと思ってね~」

 

「は?その程度で何故、ハラウオンがあそこまで‥‥っておい、赤道祭の動画ってまさかあの時の動画か?」

 

ディアーチェが嫌な予感を感じていた間に、

 

「フェイトちゃん!無事でよかった!!」

 

「なのはっ!?」

 

フェイトとなのはが久々に再開出来たことで、なのははフェイトに抱きつくと、フェイトもモニター越しではなく本物のなのはと言う事でなのはの背中に手を回して彼女を抱きしめる。

 

「それじゃあ‥こっそりね?」 ボソッ

 

「了解です!」 ボソッ

 

ちなみにフェイトがなのはと再会し抱擁を交わしていた隙を突いてレヴィがヴィヴィオに赤道祭の映像を引き渡していた。

 

その後、フェイトたちを管理局側の艦に引き渡した防衛軍艦隊は地球への進路を取る為に針路を変更しつつ、管理局側に発光信号を送った。

 

 

ヴォルフラム 艦橋

 

「八神艦長!防衛軍艦から通信です!」

 

「なんていって来たんや?」

 

「『貴艦隊の航海の無事を祈る』です!」

 

「どんなことがあったとしても船乗りとしての礼儀は通すってことやな‥‥こっちも返信しといてや」

 

「了解!」

 

その頃、ヴォルフラムの展望室では、ヴィヴィオとアインハルトがフェイトとなのはと共に離脱を始めた防衛軍艦艇を眺めていた。

 

クラウディアには反乱を起こして返り討ちにあった局員たちと捕虜になった局員たちが乗っているが、フェイトたちは、はやて、なのはがヴォルフラムに戻る際、クラウディアではなく、はやての艦に移乗していた。

 

「なんかあっという間だった気がするけど、色々な事が学べたね」

 

「そうですね。これは人生において非常に貴重な体験でした」

 

「もう、あの世界に行けないのかな?」

 

「国交を結べば再びあの世界へ行く事が出来るのでしょうけど‥‥」

 

「そっか‥‥」

 

(リオやコロナたちも連れて行きたかったな‥‥)

 

ヴィヴィオとアインハルトはこれまでにも年齢に見合わないほどの多彩な経験をしてきたが今回のケースはさらに衝撃的な経験であった。

 

そして、願わくばもう一度‥いや、機会があればあの世界に行きたかった。

 

あの世界に連れて行くことができなかった友人たちと共に‥‥

 

しかし、まだ学生の自分たちではミッドチルダとあの世界が今後、交流を持てるか分からないので、そこは管理局の大人たちに期待を寄せるのであった。

 

「「‥‥~~♪~~~♪~~♪」」

 

星を眺めつつあの世界へ思いを馳せるヴィヴィオとアインハルトはかつて国連宇宙海軍極東管区艦隊の歌として人気で、現在の地球防衛宇宙海軍でも歌われている『銀河航路』をおもむろに歌い始めた。

 

なのははヴィヴィオとアインハルトが何の歌を歌っているのか最初は分からなかったが、歌詞を聴いてその歌は、良い歌だと思った。

 

この歌は暗黒星団帝国本星攻略戦後、地球への帰路の際にヴィヴィオとアインハルトが古代守から教えてもらったのだ。

 

かつての第一次メ号作戦こと、冥王星沖海戦の際に古代守は磯風型宇宙突撃駆逐艦『雪風』の艦長として参加していた。

 

海戦発生時には第一艦隊の最前列に位置して先遣艦として行動していた。

 

そのおかげで海戦の緒戦で村雨型や磯風型多数が轟沈する中、海戦末期まで生き残った。

 

海戦の戦況が不利だと悟った彼は急ぎ、反転し艦隊まで急行し、村雨型巡洋艦『八雲』が轟沈する直前に戦闘宙域に到達した。

 

それから彼と彼の部下たちは雪風を駆って敵艦隊に突入し、戦列歩兵のような状態であったヴァルケ・シュルツ率いるガミラス冥王星基地所属艦隊を攪乱し、巡洋艦一隻他、駆逐艦数隻を沈めた。

 

とはいえ、雪風の奮戦虚しく当時戦闘宙域に残存していた味方艦は旗艦である『霧島』及び『雪風』の他は束とディアーチェが座上していたマゼラン級戦艦『長門』及び同型艦の『陸奥』のみであった。

 

沖田提督は第一次メ号作戦の真の目的を達成したと判断し、撤退を決意。

 

『長門』『陸奥』もそれに続いて撤退を開始したが、彼の雪風は前線に留まり残存艦隊撤退を援護したのだという。

 

この話を聞いたヴィヴィオとアインハルトは衝撃的であった。

 

そう言った話は昔話や歴史書、もしくは大昔の信憑性が怪しい伝説として聞くことがほとんどであり、経験者‥‥それも当事者から聞いたことが無かったからだ。

 

話を聞いた後、どのような心構えでその決断に至ったのか覇王の血統にして転生者でもあるアインハルトは聞いた。

 

『ふむ‥‥心構えか、特にそう言ったものはなかったな?しいて言えば地球を、そして愛する者や守るべき者たちを守りたいという一心だったな、俺は‥‥』

 

「愛する者を守る‥‥ですか」

 

『まぁ、それ以前に我々防衛宇宙海軍軍人は、地球市民を守ることが責務だ。軍人として軍務に忠実にあらねばいけないし、己の力でどうやって市民を守ることが出来るのかだけを考えていたな』

 

「そうですか‥‥」

 

多数の敵艦隊相手に単身突入する際、艦長の古代守の決断に異議を唱える者も死の恐怖に泣き叫ぶ者もおらず、雪風の乗員たちは古代守を含めて自信満々の表情で『銀河航路』を歌いながら敵艦隊に突っ込んで行ったのだ。

 

“海”の次元航行艦乗りがこの話を聞けば、『イカれている』と吐き捨てるような行動であったが、アインハルトは彼らの姿勢に敬意を払うことしかできなかった。

 

また、その際に彼らがガミラス艦隊に突入する際に歌っていた『銀河航路』を教わり、艦内でヴィヴィオと共に練習していたのだという。

 

フェイトとシルビアもある程度知っていたのでヴィヴィオとアインハルトが謳っている中、途中参加して、四人は地球艦隊が見えなくなるまで銀河航路を歌って地球艦隊を見送った。

 

 

その頃、地球連邦の第一首都にしてメガロポリスと呼ばれている東京では、復興の最中ではあるもののとある式典が開催されていた。

 

「このたび、強大な未知の敵に果敢に立ち向かい、散っていた多くの勇敢なる軍人やレジスタンス活動に参加した市民に対し哀悼の意をささげると共に、軍官民問わず、類まれなる勇気と奮戦によって地球の勝利に貢献してくれた多くの者達に謝意を称します」

 

降伏文書調印後も地球各地で暗黒星団帝国相手に戦った軍人やレジスタンス・パルチザンメンバー全員に対して地球連邦初代大統領による勲章授与式であった。

 

大統領自身はメガロポリス東京にいるが、その演説は中継車を通じて世界各地の各管区都市に中継され、各都市の式典会場にて放送されていた。

 

「このたびの戦いに貢献し、力及ばず戦死していってしまわれた方たちの数は多すぎて称えきれません。その為、あえてではありますが彼らの代表という形でこのたび勲章を授与すると共に格別の栄誉をささげるものとします」

 

そうして勲章授与が進められた。

 

とはいえ、極東管区でも人数が膨大であったので、軍人の中でも主要な人物や民間人の中から抽選した希望者が表彰台へと上がり、大統領から勲章を送られ握手を交わしていた。

 

また、この場において、北野や古野間、西住まほ等の軍人たちには全員一階級特進が確約され、民間人たちにはある程度の生活支援や配慮がなされることが確約された。

 

ミッドチルダへ還らずに地球に残ることを選んだティアナ、神堂、シャルロットの三名もこの式典の場に参加していた。

 

この式典においてティアナ、神堂、シャルロットは謝礼金、感謝状、そして軍官民問わず授与された野戦勲章を授与された。

 

ティアナたちにとってこの表彰式で貰った勲章が一生の宝になったのは言うまでもなかった。

 

「こんな式典に参加して、しかも勲章を大統領から授与されるなんて初めてですよ」

 

「私だってそうよ‥‥」

 

別のとはいえ地球出身である神堂の言葉にティアナもそう返さざるを得ない。

 

かつて機動六課の一員としてジェイル・スカリエッティが引き起こしたJS事件の解決に携わったが、感謝状はともかく特に式典や勲章をもらうこともなかったからだ。

 

※まぁ、当時の管理局のトップである最高評議会メンバーが加担していたことや、“陸”の関与などと言ったことで時空管理局側にそんな余裕がなかったこともあるのだが‥‥。

 

ティアナとしても別に勲章や名声欲しさでパルチザン活動に参加していたわけではないので、複雑ではあるが束から『もらえるなら貰っちゃいなよ。大統領から勲章をいただけるなんて栄誉なことなんだし』と言われたので、参加していたのだ。

 

最も、そう言う束やディアーチェも昇進が内定しており、束は宙将補にディアーチェが一等宙佐に昇進することとなった。

 

極東管区の防衛軍軍人はかつての自衛隊の表記や階級を受け継いでいるので、実際には束が『少将』にディアーチェが『大佐』に昇進するということだ。

 

ちなみにギンガも三等宙尉の階級から一等宙尉への二階級の特別昇進が内定しており、他艦への移動もささやかれている。

 

※防衛軍では人材不足が深刻であるので、尉官クラスは二階級・三階級の特進が目立っており、宇宙戦士訓練学校の新規卒業生らの配置後に近々大規模な人事異動も検討されているという。

 

そんなことを考えていたティアナであったが、

 

「あれ?ティアナさん!?」

 

「えっ?あっ、北野さん」

 

パルチザンメンバーであり、ついさっきまで大統領直々に勲章を授与されていた北野や古野間と再会したのだ。

 

「どうして此処に?確か数日前にミッドチルダに還る筈ではなかったのですか!?」

 

異世界であるミッドチルダに還ったかと思ったティアナが未だに地球に居ることに驚く北野。

 

「はい、地球に残留することにしました」

 

北野は暗黒星団帝国との戦いの後、司令部勤務となっていたので、管理局関係の情報も彼の耳には入っていた。

 

しかし、まさかティアナたちがミッドチルダへは戻らず地球に残っていのは北野としては意外だった。

 

「えっ?そうだったのか?」

 

古野間は空間騎兵隊所属なので、管理局関係の情報が入ってこないので、今回の表彰式の事を踏まえて、まだティアナがミッドに戻っていないだけかと思いきや、既にティアナ、神堂、シャルロット以外のミッドチルダの住人が故郷であるミッドチルダへ帰還している事を知らなかった。

 

故郷に待っている人がいるのではないかと聞かれるも、三名ともに待ってくれている者はほとんどいないと告げた。

 

その為、逆に謝られることになった。

 

「でも、どうして地球に残ったんですか?」

 

例え家族や恋人が居なくとも、故郷へ還る機会があったにもかかわらず、ティアナたちは敢えて地球に残る選択を取ったので、北野はティアナに何故地球に残る選択を取ったのかを訊ねる。

 

今後、地球と時空管理局が交流を維持出来れば交流も行われるだろうから、ティアナは地球とミッドを行き来が可能となるだろうが、連邦政府内はおろか防衛軍の中でも時空管理局への不信感が漂っている現状、不干渉を維持する可能性が高く、その可能性は低い。

 

だが、それを承知でティアナを含めた三人は地球への残留を希望しているのだから、二人としては気になるところだ。

 

「そうですね‥‥管理局‥前に所属していた組織なんですけど、そこに居た時よりもこちらの地球に来て、あの戦いに身を投じて管理局の肩書きの意味の無さを感じるのと同時に私たちにもやりたいことも見つかったので‥‥」

 

「やりたいこと?」

 

「それは何だい?」

 

「私たちは防衛軍に入隊したいと思いまして」

 

「えっ?防衛軍に!?」

 

「へぇ~そりゃあ、大きく出たな。嬢ちゃん」

 

この話に北野と古野間も驚いたが、レジスタンスやパルチザンでの経験を基に防衛軍人にあこがれて宇宙戦士訓練学校に志願しようという若者も多いと聞いたので、納得はした。

 

その為、宇宙戦士訓練学校への入校の際には推薦状を書いてやると古野間が激励したのは言うまでもなかった。

 

 

地球艦隊と分かれ、捕虜となった局員たち、次元遭難したフェイトたちを乗せたクラウディアとそのクラウディアを護衛するヴォルフラムの二隻は順調に本局への帰路を航行していた。

 

その最中、

 

「ねぇ、なのはママ」

 

「ん?何?ヴィヴィオ」

 

「面白いモノ見せてあげようか?」

 

ヴィヴィオが周囲を確認しつつ何やら悪そうな笑みを浮かべながらなのはに声をかける。

 

「えっ?面白いモノ?」

 

「うん。なのはママ、フェイトママと抱き合っていて見ていなかったから‥‥」

 

「えっ?なんだろう?」

 

ヴィヴィオにそう言われてなのはも気になったのか、見せてもらう事にした。

 

「フェイトママには内緒だよ」

 

「えっ?ああ、うん。分かったよ」

 

そして、クリスに保存させていた映像記録を再生させる。

 

すると、そこには‥‥

 

『ら、雷神の如くササッと登場!立ち塞がる悪には容赦なく死の鉄槌を下す!!わ、私こそが正義の象徴、雷光の死神!!フェイト・テスタロッサ・ライトニング――――っっっっ!!!!』

 

普段のバリアジャケットとは異なる衣装を着て、やけくそ気味に顔を赤らめたフェイトが叫ぶシーンが再生された。

 

「えっ?」

 

当初、なのははその映像を見て目が点になる。

 

「ヴィ、ヴィヴィオ。もう一度見せてくれる?」

 

「うん」

 

ヴィヴィオがもう一度再生すると、

 

「ぷっ、フェ、フェイトちゃん、可愛い~」

 

普段はクールな印象があるフェイトが羞恥に染まった顔で、フリフリの衣装を着てヒーローショーのヒーローみたいなセリフを言っている光景はなのはの笑いのツボにはまった。

 

「でしょう。フェイトママ可愛いよね~」

 

「うん、うん」

 

「これ、ミッドに戻ったらはやてちゃんやシグナムさんたちにも見せてあげよう」

 

「そうしよう」

 

血は繋がっていない筈なのだが、こういう所は似た者親子ななのはとヴィヴィオなのであった。

 

自分の黒歴史がまさか自分が後見人となっている養女から親友の手に拡散されているとは知らず、その頃フェイトはヴォルフラムの操舵士であるルキノの部屋を訪れていた。

 

「それで、フェイトさん。例のモノはちゃんとあるんですよね?」

 

「うん。ティアナから預かっているよ」

 

一見何やら怪しげな取引現場にも見えるが、フェイトはルキノにもう一つの地球で購入した土産物を渡しに来たのだ。

 

ルキノが艦船マニアなのは機動六課時代から知っていたので、そんなルキノはある意味で防衛軍の艦船プラモデルやガレージキットを欲しがると思って、地球滞在中にホビーショップで買っていたのだ。

 

フェイトがヴォルフラムに移乗したと知った時、ルキノはミッドチルダに到着する前に待ちきれずに航海中ではあるが、非直の時間にこうしてフェイトにもう一つの地球土産物を受け取る運びとなった。

 

バルディッシュに収納していた防衛軍艦船のプラモデル、ガレージキットをルキノに渡すと、彼女は目を輝かせて受け取る。

 

彼女にとってこれらのプラモデル、ガレージキットの山はまさに宝の山だった。

 

それから少しして、フェイトはヴィヴィオとアインハルトを呼び出して、はやての下へと向かう。

 

その際、

 

「‥‥」

 

ヴィヴィオはフェイトに奇妙な視線を送る。

 

「ん?ヴィヴィオ、どうしたの?」

 

「あっ、ううん、なんでもないよ」

 

「そ、そう?」

 

ヴィヴィオは先ほど、なのはにフェイトの黒歴史とも言える映像を見せたのだ‥‥何とも気まずさがヴィヴィオにはあったのだが、そんな思いをするなら最初からなのはに見せなければ良かったのだが、フェイトのあの姿を一人でも多くの人に見てもらいたかったと言う思いがあったのだ。

 

「ん?フェイトちゃん‥それにヴィヴィオとアインハルトも‥どないしたん?」

 

「実は、はやてに頼みがあって‥‥」

 

「ん?何や?」

 

「私たちのデバイスに記録されている画像や動画を預かってほしいの」

 

「えっ?」

 

「多分、ミッドか本局に着けば十中八九査察部からの事情聴取が待っているだろうけど、その際、私たちのデバイスを取り上げてその中の記録を探る筈‥それが原因でもう一つの地球に迷惑をかけられないよ」

 

「ああ、なるほど‥‥」

 

フェイトの説明を聞いてはやては納得する。

 

「送還直後にあんなことをする人が居る訳だし、きっともう一つの地球の情報を得れば、何かしらの口実でもう一つの地球に対して武力制裁を使用とする人が本局やミッドに居てもおかしくはない‥‥そんな人たちにもう一つの地球の情報なんて与えられないよ」

 

「分かった。ええで」

 

はやてはフェイトの頼みを聞き、バルディッシュ、クリス、ティオが記録していた画像・動画のデータを預かり、フェイトたちはデータをはやてに渡すと、デバイス内の画像・動画のデータを全て消去した。

 

これで少しでももう一つの地球の情報が秘匿できればと思うフェイトなのであった。

 

 

余談であるが、ミッドチルダに帰国後、ヴィヴィオが密かにレヴィから受け取った赤道祭の動画を見たはやて、シグナムたちの反応はと言うと‥‥

 

「あはははははは!!あのフェイトが‥ハハハハハ‥‥なんてセリフを吐いているんだ!?ハハハハハ‥‥」

 

ヴィータは腹を抱えて笑い転げまわり、

 

「ぷっ‥ククククク‥‥あ、あのテスタロッサもこのような顔をするのだな‥‥」

 

シグナムは笑いを堪えようとするも笑ってしまい、

 

「ちょっ、シグナム。笑っちゃあ、フェイトちゃんに失礼よ‥‥フフフ‥‥」

 

「そう言うシャマル。貴様も笑っているぞ」

 

「それにしてもこの衣装姿のフェイトちゃん可愛いなぁ‥‥バリアジャケットのデザイン、この衣装に変更してくれへんかな?」

 

はやても一通り笑った後でフェイトのバリアジャケットのデザインの変更をマジでフェイトに頼もうかと考えたのだった。

 

こうしてフェイトの黒歴史は本人が知らない間にますます拡散されるのであった。




次回 宇宙戦士訓練学校
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