内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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第百七十一話 月面での一幕

ドイツのキールにて、完成した新鋭戦闘空母、グラーフ・ツェッペリン。

 

そのグラーフ・ツェッペリンは、キールを出航後に月面基地へと向かう様に司令部から指示を受ける。

 

月面基地にてグラーフ・ツェッペリン所属の航空隊と合流の他に追加の新装備が設置されると言うのだ。

 

グラーフ・ツェッペリン艦長の坂本美緒と副長兼航空隊隊長のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケは月面基地にてパイロットたちと合流後にグラーフ・ツェッペリンへ追加装備についての説明を受けるために月面基地にある会議室へと向かった。

 

会議室にはヤマトの技師長である真田と機関科所属の大山が居た。

 

「坂本艦長、ヴィルケ副長、わざわざご足労をかけてすまない」

 

「いや構わない。艦に関する事ならば艦長として知っておかなければならないからな」

 

「うむ。本来ならば此処でパイロットたちと合流後、直ぐにでも試験航海に出たい所なのだろうが、少々厄介な事がこの銀河系で起きているのでね」

 

「ん?厄介な事?」

 

「どんなことが起きているんですか?」

 

真田の言う『厄介な事』について美緒とミーナはやはり軍人として看過できないのか尋ねる。

 

「先日、地球連邦に対して亡命を希望する者が居てね」

 

「亡命?」

 

「それって例の時空管理局が関係しているんですか?」

 

「いや、今回の件に時空管理局は無関係だ。地球連邦に亡命を希望して来たのはボラー連邦に属する惑星国家、リベリアと言う惑星の出身者だ」

 

「リベリア?」

 

「ボラー連邦?聞いた事の無い星間国家ね」

 

「地球も今回の亡命希望者から得た情報だからな。その亡命希望者からの情報では、現在、銀河系中心部ではボラー連邦とガルマン帝国、この二つの星間国家が覇権を争っているらしい」

 

「ガルマン帝国‥これも聞いた事の無い星間国家ね」

 

「ああ‥だが、そのボラー連邦に所属していた人間を地球に亡命させたことがきっかけで、地球がボラー連邦、ガルマン帝国双方に睨まれないか?」

 

ボラー連邦からの亡命‥それはボラー連邦からすれば、裏切り行為にあたる。

 

一方で、ガルマン帝国の視点から見れば、敵国の人間を匿う行為になるので、地球の行為はガルマン帝国からの敵対行為とみなすかもしれない。

 

ボラー連邦からの亡命者を受け入れれば美緒の言うとおり、地球はボラー連邦、ガルマン帝国の二つの星間国家から睨まれる可能性がある。

 

「ボラー連邦もガルマン帝国もまだ地球の存在を認知している様子は無いらしい。それにその亡命希望者の外見はロシア人にそっくりの容姿みたいだ。地球人の中に紛れこめば、そう簡単には分からない」

 

「そうなのか?それならいいのだが‥‥」

 

「ええ‥‥」

 

「そして、その亡命希望者からの情報で、地球連邦政府・防衛軍は銀河系中心部への調査・開拓を当面中止し、別の次元への調査に乗り出す事とした」

 

「別の次元?」

 

美緒とミーナは思わず顔を見合わせ、そして同時に真田へと視線を戻した。

 

「そうだ」

 

真田は淡々と頷き、手元の端末を操作して会議室のモニターに複数のデータと星図、そして複雑な数式モデルを映し出した。

 

「先ほど時空管理局の名前が出たが、彼らとの接触により、我々地球連邦は我々の宇宙とは異なる『並行世界』や『別次元』が存在するという事実を既に確認している。銀河系中心部が二大国家の戦火に包まれている今、無理にその火の粉を被るリスクを冒すよりも、手付かずの新天地たる別次元の調査・開拓を進めるべきだというのが上層部の判断だ」

 

「なるほど、理にかなってはいますね」

 

ミーナが顎に手を当てて納得の表情を浮かべる。

 

ボラー連邦、ガルマン帝国、共に地球とは同盟も結んでおらず、ボラー連邦の亡命者を抱えている中で、どちらかの星間国家とコンタクトをとり、敢えて星間戦争に首を突っ込むのはあまりにも愚策だ。

 

「ボラー連邦とガルマン帝国、そのどちらとも関わり合いを持たずに地球圏の安全と資源を確保するには、現状の宇宙から物理的に切り離された別次元へ向かうのが最善の策というわけですか」

 

「その通りだ。そして、ここで科学局の俺と大山たちの機関科が関わってくる」

 

真田に促され、それまで黙って控えていた大山が一歩前に出た。

 

彼は人懐っこい笑みを浮かべながら、モニターの表示をグラーフ・ツェッペリンの設計図へと切り替える。

 

「そこで坂本艦長たちの乗るグラーフ・ツェッペリンの出番ってわけですよ。キールを出港して月面基地に寄港してもらった最大の理由‥‥この艦に組み込む『追加の新装備』ってのが、まさにその別次元へ向かうための代物でしてね」

 

「もしかして、次元を越えるための装置‥ということか?」

 

美緒が目を輝かせながら尋ねると、大山は力強く頷いた。

 

「ご名答です!! 波動エンジンの技術をベースに、時空管理局側から提供された次元干渉理論を融合させて完成した最新鋭の次元潜航・跳躍機関……名付けて『次元波動エンジン』。これを今からグラーフ・ツェッペリンの機関部に直接組み込みます」

 

「それと次元世界へ向かうために艦の装甲にも次元の壁を越えるための強化として特殊コーティングと通信装置も強化する」

 

大山と真田がこれからグラーフ・ツェッペリンに施す新装備について説明する。

 

「次元波動エンジン‥‥」

 

美緒はその響きを口の中で反芻し、ニヤリと好戦的な笑みを浮かべた。

 

「グラーフ・ツェッペリンの隣のドックで建造中の戦艦を既に見たと思う。あの艦こそ、次元探査専門に建造されている探査戦艦、ラボラトリー・アクエリアス‥‥グラーフ・ツェッペリンにはそのラボラトリー・アクエリアスと同行する航空戦力として‥‥波動艦隊の中でも、強力な航空隊を多数搭載でき、単独での長期探査・作戦能力に長けた最新鋭の戦闘空母であるこのグラーフ・ツェッペリンこそが、未知の次元を探索する先駆者の一端を担う者としてふさわしいと判断されたのだ」

 

真田が真剣な眼差しで二人を見つめる。

 

「この任務の性質上、次元世界は我々防衛軍にとって未知の領海だ。何が起こるか全く予測ができない危険な航海になる。だが、君たちならばこの大役をこなせると信じている」

 

「ふっ、言ってくれるじゃないか」

 

美緒は腕を組み、頼もしく胸を張った。

 

「試験航海がてら、ずいぶんとデカい任務を任されたものだが断る理由はないな。艦長として、これ以上ない誉れだ」

 

「ええ。それに、私たち航空隊にとっても腕の鳴る任務です。合流するパイロットたちも、未知の空を飛べると知ればきっと喜びますよ」

 

ミーナもまた、副長兼航空隊隊長としての頼もしさを見せながら微笑んだ。

 

「頼もしい言葉だ。では、早速だが新装備の具体的なシステム概要と次元跳躍時の艦内の安全規定について説明させてもらおう」

 

真田の言葉を合図に、グラーフ・ツェッペリンを別次元へと導くための本格的なブリーフィングが幕を開けた。銀河の覇権争いを背に、美緒たちはまだ誰も見たことのない未知の次元へと旅立つ準備を進めていくのだった。

 

そのグラーフ・ツェッペリンの食堂では、宮藤たちパイロット組と同じ北欧から集まったパイロットたちが居た。

 

「うーむ‥‥」

 

「どうしたの?エイラ」

 

テーブルの上に散りばめられたタロットカードを見て、エイラ・イルマタル・ユーティライネンはカードを睨みつつ小さく唸り声をあげる。

【挿絵表示】

 

 

そんなエイラの様子を見て、彼女の相棒とも言えるサーニャ・V・リトヴャクが尋ねる。

【挿絵表示】

 

 

「ペリーヌの奴、此処に来る前に大変な目にあったみたいだな」

 

ペリーヌ本人から聞いた訳ではないにもかかわらず、エイラは此処に来るまでの間にペリーヌに何か災難があった事を口にする。

 

「えっ?そんな事まで分かるのか?」

 

エイラのタロット占いの結果に疑いの視線を向けるのは、エイラと同郷のニッカ・エドワーディン・カタヤイネン。

【挿絵表示】

 

 

「はぁ?お前、まだ私の占いを疑っているの?」

 

エイラは心外だと言わんばかりにニッカを睨みつける。

 

「でも、たまに正反対になるよね?」

 

サーニャがエイラの占いについてツッコミを入れるとエイラは気まずそうに黙る。

 

「そうなんですか?」

 

エイラにその真意を聞いたのはサーニャと同郷のアレクサンドラ・I・ポクルイーシキン。

【挿絵表示】

 

 

「そうなんだよ」

 

しかし、アレクサンドラの問いに答えたのはエイラではなくニッカであった。

 

「そのせいで、この前カミナリに打たれて墜っこちたんだからな」

 

「それは私のせいじゃないだろう!?」

 

「イッルのせいだ!!」

 

「二パがついてないだけだ!!」

 

「ふん、そんな訳ないじゃん」

 

エイラの返答にニッカが否定したのだが、椅子に体重をかけたせいかニッカはそのまま背中から椅子諸共床に倒れた。

 

「うっ、うっ、うわあぁぁ‥‥ぐぇ~‥‥」

 

床に倒れたニッカはカエルが潰れたような声を出した。

 

「ほら見ろ!! やっぱり二パがツイてないだけじゃないか!!」

 

床で痛みにうめくニッカを見下ろし、エイラは呆れたように肩をすくめた。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

アレクサンドラが慌てて席を立ち、ニッカに手を差し伸べる。

 

「い、痛たた‥‥大丈夫、大丈夫です。いつものことですから‥‥」

 

ニッカはアレクサンドラの手を借りて立ち上がると、照れ隠しのように頭を掻きながら笑った。

 

その明るすぎる態度にアレクサンドラは小さくため息をつく。

 

「いつものことで済ませないでください」

 

「えへへ、すみません」

 

「それにしてもエイラ、すごいね。ペリーヌさんが大変な目に遭ったって、本当に分かったの?」

 

サーニャが目を丸くしてタロットカードを見つめると、エイラは途端に表情を緩め、えっへんと得意げに胸を張った。

 

「まあな!、私の占いは百発百中だからな。サーニャのことも何でもお見通しだぞ!!」

 

「でも、ニパの言う通りたまに外れるよね」

 

「うぐっ‥‥そ、それは星の巡りが悪かっただけで‥‥」

 

サーニャの悪気のない無邪気な追撃に、エイラがしどろもどろになっていると、食堂の自動扉が開き、聞き慣れた声が飛び込んできた。

 

「全く、あの時は酷い目に遭ったんですのよ」

 

「あはは‥それは災難だったね、ペリーヌさん」

 

入ってきたのは、不機嫌そうに肩を怒らせるペリーヌと彼女を苦笑いしながら宥めるリーネだった。

 

「おっ、噂のツンツン眼鏡のお出ましだ。どうした、随分とやつれているじゃないか」

 

「ツ、ツンツン眼鏡とは失礼な! !わたくしはペリーヌ・クロステルマンですわ!!」

 

エイラのからかいに、ペリーヌは即座に噛み付く。

 

しかし、その声はいつものような張りがなく、どこか疲労困憊といった様子だった。

 

「どうしたの?ペリーヌさん、何かあったの?」

 

サーニャが尋ねると、リーネは気まずそうにペリーヌが不機嫌な理由を話す。

 

「実は、地球からこの月面基地に来る途中のシャトルで、ちょっとトラブルがあって……」

 

「トラブル?」

 

「ええ……荷物の搬入システムが誤作動を起こして、わたくしの私物が入ったコンテナが何故か廃棄区画に飛ばされかけたんですの! それを止めようとしたら、今度はシャトル内の無重力エリアで配管が破裂して、わたくしだけ頭から謎の冷却水を被って……それでさっき、自室で荷解きをしたら持って来た電子機器が壊れていて、もう散々ですわ!!」

 

ギリギリと歯を食いしばりながら不運の連続を語るペリーヌを見て、食堂のテーブルは一瞬の沈黙に包まれた。

 

そして、全員の視線がゆっくりとエイラのタロットカードへと向けられる。

 

「なっ?言った通りだろう?」

 

エイラがニヤリと笑うと、ニッカは目を丸くして感嘆の声を上げた。

 

「す、すごいぞ、イッル! !本当に当たっている!!」

 

「だから私の占いは絶対だって言っているだろ。感謝しろよな、ペリーヌ」

 

「誰も貴女に占ってくれとは頼んでいませんわ!!」

 

憤慨するペリーヌを他所に、リーネは食堂を見渡しながら目を輝かせた。

 

「それにしても、このグラーフ・ツェッペリンって本当にすごい艦ですよね! 今まで見たこともないくらい大きくて、なんだかワクワクしてきちゃいます!」

 

「ええ、私たち航空隊の母艦となるだけでなく、色んな艦の最新技術がふんだんに使われた最新鋭の戦闘空母ですからね。それに、先ほどから艦内の空調システムと重力制御に微細な変化を感じます。おそらく、機関部で何か大規模な調整が始まっているのでしょう」

 

アレクサンドラが冷静に分析すると、ニッカも身を乗り出した。

 

「機関部? そういや、坂本艦長とヴィルケ副長が会議に行っているんだっけ?新しい装備がつくって話だよね! どんなのかな~‥やっぱりすごい大口径の主砲とか!?」

 

「私たちは航空隊ですわよ? 大砲がついたところで、私たちが直接扱うわけではありませんわ」

 

ペリーヌが呆れたようにツッコミを入れるが、リーネは首を傾げた。

 

「でも、新しい装備もそうですけど、この艦の任務って何をするんでしょうね?」

 

多国籍のエース級パイロットをこうして集めたのだからこのグラーフ・ツェッペリンには何かしらの任務が与えられている筈だ。

 

その時、食堂の扉が再び開き、美緒とミーナ、それに宮藤たち他のパイロットたちもやって来た。

 

「おう、お前たち、揃っているな」

 

「坂本艦長、それにヴィルケ副長」

 

全員が居住まいを正す中、ミーナは優しく微笑みながらも、その目には確かな決意の光を宿していた。

 

「みんな、くつろいでいるところ悪いけれど、少し聞いてちょうだい。これからの私たちの任務について、司令部から正式なブリーフィングがあったわ」

 

パイロットたちが息を呑んで次の言葉を待つ、坂本はニヤリといつもの好戦的な笑みを浮かべた。

 

「単刀直入に言う。我々グラーフ・ツェッペリンは、これより探査戦艦ラボラトリー・アクエリアスと共に未知の『別次元』への探査任務に就く!」

 

「「「べ、別次元!?」」」

 

パイロットたちの驚きの声が、広々とした食堂に大きく響き渡った。

 

「坂本艦長、一体どういうことですの!? 別の世界だなんて、冗談にしては笑えませんわ!」

 

ペリーヌが身を乗り出し、信じられないといった表情で声を上げる。

 

「いや、これは冗談ではない。別の世界はちゃんと存在する」

 

そんなペリーヌに対して美緒は別次元、別世界の存在を肯定する。

 

「あ、あの、坂本さん。それってつまり、地球や今の宇宙とは全然違うところに行くってことですか?

 

宮藤も戸惑いながら尋ねた。

 

「その通りだ、宮藤」

 

美緒は腕を組み、力強く頷いた。

 

「今、この銀河系の中心部ではボラー連邦とガルマン帝国という二つの巨大な星間国家がドンパチを始めている。その為、政府と軍上層は銀河系中心部への調査と開拓を断念した。そして、我々地球がその戦火の火の粉を被る前に、手付かずの新天地を見つけようというのが政府と軍上層部の狙いだ」

 

「それに伴い、このグラーフ・ツェッペリンには波動エンジン技術と時空管理局の理論を融合させた『次元波動エンジン』が組み込まれるわ。もちろん、艦の装甲、通信技術も次元の壁に耐えられるように特殊な強化が施されるの

 

ミーナの補足説明を聞き、アレクサンドラが納得したように手をポンと叩いた。

 

「なるほど、先ほどから感じていた微細な艦内の変化は、その次元波動エンジンの搭載作業だったのですね。合点がいきました」

 

「じ、次元波動エンジン‥‥なんだかものすごくスケールの大きな話になってきたぞ!

 

ニッカが目を輝かせてはしゃぐ横で、エイラが再びタロットカードを手に取り、えっへんとふんぞり返った。

 

「ふっふっふ‥‥驚くことじゃないぞ! 私の占いの結果には、ちゃんと『未知への旅立ち』を暗示するカードが出ていたからな! 全部お見通しってやつだ!」

 

「エイラ、さっきは『ペリーヌの不運』のことしか言ってなかったような‥‥」

 

サーニャが小さく首を傾げながら指摘すると、エイラは慌ててカードを隠した。

 

「さ、サーニャ!? そこは黙っていて欲しかったぞ!」

 

「ちょっと! わたくしの不運がまるで別次元へ行くための前兆だったみたいに聞こえますわよ!?」

 

再び憤慨するペリーヌに、食堂内にドッと笑い声が起きる。未知への不安からくる先ほどの緊張感は、すっかりいつもの賑やかな空気に包まれていた。

 

「あはは……でも、全く違う世界に行くなんて少し不安もありますけど、みんなと一緒ならなんだかワクワクしてきますね」

 

リーネが微笑みながら言うと、宮藤も大きく頷いた。

 

「うん! どんな世界に行っても、私たちがやるべきことは変わらないよ。みんなを守って、無事に帰ってくることだもんね」

 

「うむ、その意気だ!」

 

美緒は満足げに笑い、パイロットたち全員を見渡した。

 

「未知の空を切り拓くのは、いつの時代も我々のような者の特権だ! これよりグラーフ・ツェッペリンは次元航行のための最終調整に入り、探査戦艦ラボラトリー・アクエリアスの完成と共に別次元へと跳躍する! いざという時はお前たち航空隊の力が必要不可欠になるぞ!」

 

「次元跳躍時の安全規定や今後のスケジュールについては、追って各員の端末にデータを転送するわ。しっかり目を通しておくように」

 

ミーナが凛とした声で締めくくると、パイロットたちは一斉に立ち上がり、力強く敬礼した。

 

「「「了解!!」」」

 

銀河の戦火を避け、新たな希望を見出すための前代未聞の任務。

 

次元波動エンジン技術と多国籍のエースパイロットたちを乗せた最新鋭戦闘空母グラーフ・ツェッペリンは、いよいよ誰も知らない次元の彼方へと、その錨を上げようとしていた。

 

「あっ、ミーナ副長」

 

「ん?どうしたの?ペリーヌさん」

 

「端末なんですけど、此処に来る途中で冷却水を浴びて壊れてしまって‥‥」

 

「わ、分かったわ。直ぐに代わりの端末を用意するわね」

 

((本当に大丈夫かな?))

 

ペリーヌとミーナのやり取りを見て、宮藤とリーネはちょっと不安になるのだった。




次回 ガルマン・ガミラス
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