内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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第百七十二話 ガルマン・ガミラス

別次元の宇宙では、時空管理局がエルトリアの独立戦争に初戦で手痛い敗戦をし、もう一つの地球では亡命者からの情報で現在、銀河系中心部での戦乱を知り、銀河系中心部への調査を断念し、次元世界への調査を行う事とし、その為の調査艦と護衛の為の艦の建造と改良を進めていた。

 

そんな中、銀河系中心部では、ボラー連邦とガルマン帝国との間で日々激戦が続いていた。

 

しかし、情勢はややガルマン帝国が有利に進み、当初銀河系中心部を支配していたボラー連邦は次第にその支配宙域をガルマン帝国に奪われていた。

 

そうした要因はいくつかあり、ボラー連邦はこれまで自分たちと同等、もしくはそれ以上の科学力、軍事力をもった勢力と戦った事が無かった事と、支配惑星におけるこれまでの支配体制があまりにも過激で圧政すぎた事で、反ボラー連邦感情が根強くあったことで、ボラー連邦の支配からの解放を名分としたガルマン帝国と同調しボラー連邦と戦う惑星国家もあった事だった。

 

そんなガルマン帝国の聖都にある総統府たるデスラーパレスでは、対ボラー連邦戦線の会議が行われていた。

 

重厚で荘厳な装飾が施された大戦略会議室の中央には、銀河系中心部の広大な星図がホログラムとして浮かび上がっていた。

 

かつてはボラー連邦の支配を示す青紫色に染まっていた銀河系中心部の宙域の多くが、今やガルマン帝国の領土を示す高貴な緑色へと塗り替えられつつある。

 

会議に参加している帝国の将官たちの顔には、連日の勝利による高揚感と、気を引き締めるような緊張感が入り交じっていた。

 

「総統、第11方面軍からの報告です。アルファ方面のボラー連邦第5艦隊は完全に後退。新たに三つの恒星系が、我がガルマン・ガミラスの保護下に入りました」

 

参謀総長のキーリングが、手元のデータパッドから目を上げて報告した。

 

「フフフ‥‥順調だな」

 

会議場にある玉座に深々と腰掛けたガルマン・ガミラス総統のアベルト・デスラーは、手にしたクリスタルグラスのワインを軽く揺らしながら、薄く微笑んだ。

 

「圧政に苦しむ同胞、そして名も無き星々の民たちをボラーの圧政から解放することこそ、我がガルマン帝国の使命‥ボラーの野蛮な愚か者どもは、恐怖と暴力でしか星を縛れぬのだ。力で押さえつけられた忠誠など、より大きな力の前では脆くも崩れ去る」

 

『ハッ! 総統の仰る通りであります』

 

前線から通信で会議に参加している北部方面軍所属のグスタフ中将が、力強く頷いた。

 

『現地民の反ボラー感情は我々の想像以上です。我々の進軍に呼応し、各地で武装蜂起が起きており、進駐は極めてスムーズに進んでおります。もはやボラーに民の心はありません』

 

「うむ‥協力してくれた民たちには十分な支援を忘れるな。ボラーを倒すには各惑星の民たちの信頼と協力が必要なのだ」

 

『はっ、承知致しました』

 

会議室に軽いどよめきと、勝利を確信する空気が流れる。

 

しかし、デスラーはグラスをテーブルに置き、鋭い眼光を将官たちに向けた。

 

「諸君、今は我々が戦況を有利に進めている。だが、油断は禁物だ。ボラー連邦とて、この銀河の中心を長きにわたり支配してきた巨大な星間国家‥これまで対等な敵を持たなかった彼らが初動で遅れをとったとはいえ、このまま黙って引き下がるはずがなかろう……タラン、奴らの本星付近の動きはどうなっている?」

 

かつてヤマトに敗れた経験から決して慢心・油断をしないデスラーは連戦連勝の勝利に決して浮かれる事はなかった。

 

「はっ。ボラー本星、並びに周辺の巨大工業惑星群において、大規模な艦隊集結の兆候が確認されています。おそらく、これまでの失地を回復すべく、総力を結集した大規模な反攻作戦に出るものと推測されます」

 

タランの言葉に、将官たちの表情が再び引き締まる。

 

「うむ、ボラーがどのような姑息な手段に出ようとも、我々は正面からこれを打ち砕き、この銀河に真の平和と秩序をもたらさねばならない」

 

デスラーは玉座から立ち上がり、マントを翻し、力強い声で全将官に号令を下した。

 

「各艦隊司令に伝えよ! ボラーの反攻に備え、前線宙域に絶対防衛線を構築しろ。そして特務情報部隊は、敵の新兵器に関する情報収集を急ぐのだ。我々は一歩たりとも引くことはない。我がガルマン・ガミラスの誇りにかけて、この聖戦を戦い抜くのだ!!」

 

「「「ガーレ・デスラー!!ガーレ・ガルマン・ガミラス!!」」」

 

将官たちの力強い唱和が、デスラーパレスの大会議室に響き渡った。

 

銀河系中心部の覇権、そして未知なる次元世界をも巻き込む壮大な戦いの火蓋は、いよいよその激しさを増そうとしていた。

 

会議が終わり、デスラーがデスラーパレス内の通路を歩いていると、

 

「お父様‥‥」

 

デスラーに声をかける人物が居た。

 

「おぉ、ジュラ。どうしたのかね?」

 

デスラーに声をかけたのは彼の娘のジュラであった。

 

「お父様は、宿願でしたガミラス民族の復興をこの短時間で見事成し遂げました。そして、新たな目的を持ってボラー連邦と日々激戦を繰り返していますが、地球にガルマン・ガミラス建国の旨をお伝えした方がよろしいのではないでしょうか?」

 

「ふむ‥‥」

 

ジュラの指摘を受けてデスラーは顎に手をやり、考える。

 

(地球が‥太陽系があるのは確か東部方面軍の担当‥‥オリオン腕方面の辺境恒星系だったな‥‥)

 

(ガイデルにはその宙域の恒星系には手を出すなと言ってはあるが、何かの手違いで我が軍と地球軍が交戦ともなれば、それこそ地球との間に再び戦乱が起きてしまうな‥‥)

 

「それに、銀河系中心部での現在の状況を地球にも伝える必要があると思います」

 

ジュラは銀河系中心部においてボラー連邦とガルマン帝国がその覇権を握ろうと戦乱が起きている現状で、何らかの原因がきっかけで地球がその戦乱に巻き込まれてしまったら自分たちは地球をボラー連邦の魔の手から守らなければならない。

 

とは言え、地球は既にボラー連邦の属国からの亡命者からの情報で銀河系中心部での戦乱の事実は知っているが、まさかガルマン帝国はデスラーが建国した星間国家である事を知らなかった。

 

「確かにジュラの言う事も尤もであるな‥‥」

 

(東部方面担当のバジウド星系にはまだ親ボラー派の星間国家‥バースがある)

 

(万が一にもバースの連中が地球を発見し、ボラー陣営に地球を抱き込めばそれこそ厄介な事になる‥‥)

 

(何としてでもバースよりも先に地球と連絡をとる必要があるな‥‥)

 

「地球へ使者を送るのでしたら、私が地球へ参りますわ」

 

「ジュラが地球へ‥‥?」

 

「はい。地球の方々とは面識もありますし、私の能力は外交向きであると思います」

 

ジュラはガミラス人であるデスラーとジレル星人であるメラとの間に産まれたハーフであり、ジレル星人の能力‥‥心を読める能力を母であるメラから受け継いでいた。

 

生まれたばかりの頃はその能力を使いこなす事が出来なかったが、今では自由に使いこなす事が出来、能力の制御が出来るので問題はない。

 

「‥‥」

 

デスラーは父親として知っているとは言え、一人娘を宇宙の遥か彼方の旅に出す事に悩む。

 

ジュラも当然、そんな父親の心配を理解しているが、父がこの星から離れることが出来ない以上、地球への使者の役は自分しかいないと思っていた。

 

それは父親の役に立ちたいと言う思いの他に、地球の美味しい食べ物を食べたいと言う思いもあった。

 

「……ジュラ、お前は本当に母親に似て、一度決めたら梃子でも動かんな」

 

デスラーは小さくため息をつき、苦笑を浮かべた。

 

「お父様、それは最高の褒め言葉として受け取っておきますわ」

 

ジュラはふふっと愛らしく笑う。

 

「だが、今の銀河系中心部は戦火の只中だ。いくら戦線を離れた辺境の太陽系に向かうとはいえ、道中何が起こるか分からん。私としては、娘のお前をそんな危険な旅には出したくないのだがね」

 

「お言葉ですが、お父様。私にはこのジレルの力がありますわ。相手の悪意や危険を事前に察知することも可能です。それに、地球の‥ヤマトの方々がボラーと偶発的に衝突、あるいは我が軍の東部方面軍と誤って交戦してしまえば、お父様が最も避けたかった事態になります」

 

ジュラは真剣な眼差しで父を見据えて、一歩前に出た。

 

「あの青く美しい星が、再び戦火に巻き込まれるのを黙って見過ごすわけにはいきません。ガルマン・ガミラス建国を伝え、銀河の現状を正しく理解していただくためには、直接赴くのが最善です」

 

(それに以前、地球の方にご馳走になった『アイスクリーム』と言うスイーツや『サンドイッチ』 『ハンバーガー』と言う食べ物‥‥あぁ~地球の美味しいお食事が今から楽しみですわ~!!)

 

地球の食文化に対する内心のワクワクを父親に悟られまいと、表情だけはキリッと引き締めているジュラであったが、親バカなところがあるデスラーには、ジレルの力はなくとも、娘の微かな感情の揺れなどお見通しだった。

 

(やれやれ、我が娘の半分は私の為‥帝国の為‥外交の為の使命感だが、もう半分は完全に地球の食文化に心を持っていかれているな‥‥)

 

デスラーは内心で呆れつつも、娘の言う通り、バース星などに先んじて地球との外交ラインを早急に繋ぐ必要があることは事実だと認めていた。

 

「分かった。お前の地球行きを許可しよう」

 

「本当ですか!?お父様!!」

 

「ただし、条件がある」

 

パァッと顔を輝かせた娘に対し、デスラーは総統としての厳しい声色に戻り、指を一本立てた。

 

「道中の護衛には、我が軍の精鋭をあてる。そして、最新鋭の艦をお前の御召し艦とする。いいかい?決して無理はせず、危険を感じたら即座に撤退すること。これが守れるなら、全権大使としてお前を地球へ派遣しよう」

 

「はい、 ありがとうございます、お父様。必ずや、ガルマン・ガミラスと地球の架け橋としての任務を全うしてみせますわ」

 

「うむ。頼んだぞ、ジュラ。地球の‥古代たちにも、よろしく伝えてくれ」

 

「承知いたしました。おとう‥いえ、総統閣下!!」

 

ジュラは優雅に一礼すると、足取りも軽くデスラーパレスの廊下を歩み去っていった。

 

頭の中はすでに、外交任務のシミュレーションと地球で食べるべきスイーツのリストアップで忙しいようだった。

 

「‥‥」

 

その後ろ姿を見送るデスラーの目には、一人の父親としての深い愛情と一抹の不安が交錯していた。

 

「メルダ!!」

 

「うわっ!?じゅ、ジュラ様、どうしたんですか!?」

 

慌てた様子で自身の護衛従者であるメルダに声をかけるジュラ。

 

「直ぐに長期のお出かけの準備をして!!」

 

「えっ?長期のお出かけ?一体どういう事ですか!?」

 

メルダは突然のジュラの言動に理解不能で終始あたふたしている。

 

そこで、ジュラはメルダに先ほどデスラーとの間に何があったのかを話した。

 

「えええー!!ジュラ様が特使に!?」

 

「そうです。これはガルマン・ガミラスと地球の未来を繋ぐための重要なお仕事です!!」

 

「え、ええ‥話を聞く限りその様ですね。ですが、いくらなんでも急すぎませんか?ガルマン・ガミラスから地球への長期航海となれば、それなりの準備と物資が必要ですし‥‥」

 

メルダが現実的な問題を口にすると、ジュラは少しも悪びれる様子もなく、ふふっと笑みを浮かべた。

 

「問題ありませんわ。お父様が最新鋭の御召し艦と、我が軍が誇る精鋭の護衛艦隊を手配してくださるそうですから。メルダ、あなたは私の直属の護衛として、一緒に地球へ来ていただきますわ」

 

「は、はい!!このメルダ・ディッツ、ジュラ様を命に代えてもお守りいたします!!」

 

メルダは姿勢を正し、軍人らしい見事な敬礼を見せた。だが、その直後、ジュラの口から思わぬ言葉が飛び出す。

 

「ええ、頼りにしていますわ。さあ、急いで荷造りよ! 地球の『パフェ』や『クレープ』、『ケーキ』という未知のスイーツに『ピザ』に『パスタ』、『スシ』、『テンプラ』、『スキヤキ』、『ステーキ』、『ラーメン』‥‥地球の美味しい食べ物が、私たちを待っているのですから!!」

 

「ジュ、ジュラ様。今、外交というより完全にグルメ旅行へ行くような流れになっていませんでしたか?」

 

メルダはジト目で自分たちの主君の娘を見つめた。

 

「そ、そんなことありませんわ!!これはあくまでガルマン・ガミラスの未来と地球、両星の友好のための崇高な任務です!!……ただ、そのついでに地球の食文化を深く『調査』することも、異文化交流と相互理解には不可欠だということですわ!!これは今後のガルマン・ガミラスと地球との交流には必要不可欠な調査なのよ!!」

 

「は、はぁ‥‥」

 

顔を真っ赤にして早口で弁解するジュラに、メルダは小さくため息をつきつつも、微かに笑みをこぼした。

 

ジュラと共に地球へ向かう話と食文化についての話を聞き、メルダ自身も内心は彼女も楽しみにしている部分もあった。

 

 

それから数日後‥‥

 

巨大なガルマン・ガミラス中央宇宙港の第1ドックには、デスラー総統が娘のために特別に用意させた最新鋭の御召し艦『デウスーラ・ローザ』が鎮座していた。

【挿絵表示】

 

デウスーラ・ローザはガミラス時代に運用していたゲルバデス級航宙戦闘母艦と似ている艦影をしているが、ゲルバデス級との外見上の大きな相違として、ガミラス艦艇特有の「目玉」が存在せず、後部の艦橋が船体に比して大きく、艦首両脇には物質転送機が存在する。

 

双胴状の主艦体と甲板の間の外壁はところどころ完全に開口されている。

 

そんなデウスーラ・ローザの周囲には、深い高貴な緑色に塗装されたゲルバデス級が三隻、ガイベロン級航宙母艦を二隻くっつけたような新型の航宙母艦‥二連三段空母が一隻鎮座している。

【挿絵表示】

 

そして、そんな護衛空母群の中で異彩を放つ艦がもう一隻‥‥

 

今回のジュラの地球への派遣で護衛隊長に任命されたフォムト・バーガー中佐が座乗するランベア‥‥

 

七色星団からイスカンダル、ガルマン星解放と多くの戦いをバーガーと共に潜り抜けて来た歴戦艦は、ガルマン星解放後、長期の改造のためドックでその船体を休めていたが、この度、ジュラの地球派遣で護衛部隊旗艦となった。

 

長期の改造では、新型ユニットのテストベッドのひとつとして利用されることになり、重武装ユニットを装備することになった。

【挿絵表示】

 

ガルマン・ガミラスでも最強クラスの480mm陽電子カノン砲二基を始めとし、甲板の先端に魚雷発射管を多数配置し、両舷には副砲とミサイルランチャーを増設し、従来のガイベロン級よりも武装が追加された他に長期作戦能力の向上のため、第2甲板部分の約3階層分の空間を居住区画として確保し、長期間の作戦行動を可能にしている。

 

武装ユニットの搭載によって艦載機の搭載数は減ったが、ランベア自体の戦闘能力は格段にあがった。

 

しかし、いくらランベアの戦闘能力が上がったとは言え、ジュラの護衛にしては数が少ないように思えるが、これは大艦隊で太陽系に襲来すれば、地球側が警戒すると言う配慮であった。

 

そこで、航行する宙域が東部方面軍の担当する宙域なので、そこからオリオン腕までの護衛は東部方面軍の艦艇が担う事になっていた。

 

「ジュラよ、準備は良いか?」

 

ドックのタラップ前で、デスラーはマントを風に揺らしながら娘に声をかけた。

 

「はい、お父様。地球への全権大使としての任、必ずや果たしてまいります」

 

ガルマン・ガミラスの特使にふさわしい、凛とした軍服風のドレスに身を包んだジュラは、深く一礼した。

 

そして、彼女の後ろでは、ジュラの補佐として外務省のローレン・バレル以下の文官たち、メルダやバーガーをはじめとする武官たち面々が直立不動で控えている。

 

「地球の古代たちに、私がよろしく言っていたと伝えるのだ‥‥」

 

デスラーは少しだけ声を潜め、厳格な総統から一人の父親としての優しい眼差しに戻った。

 

(それと、地球の食べ物が美味しいからといって、食べ過ぎて太ったり、お腹を壊すんじゃないぞ‥‥)

 

「お、お父様!?」

 

デスラーは敢えてジュラに自身の心を読ませた。

 

心の中の声は娘を心配する父親の声であった。

 

図星を突かれたジュラが抗議の声を上げると、デスラーは堪えきれずに「フフフ」と笑い声を漏らした。

 

「では行け、我が娘よ。ガルマン・ガミラスと地球、二つの星の懸け橋となるのだ!!」

 

「はい!!行ってまいります!!ガーレ・デスラー!!ガーレ・ガルマン・ガミラス!!」

 

「「「ガーレ・デスラー!!ガーレ・ガルマン・ガミラス!!」」」

 

ジュラとメルダたちがデウスーラ・ローザに搭乗し、バーガーもランベアへと搭乗すると、やがて艦底部から眩い推進光が放たれた。

 

轟音と共にゆっくりと宇宙港を離脱した特使艦隊は、銀河系中心部の戦火を背に、遥かなる太陽系‥‥青き地球を目指して長い航海の旅路へと出た。

 

銀河系の中心で二つの星間国家が覇権を巡る激戦の裏で、少女たちの平和への決意と(少しの食欲に彩られた)希望を乗せた長き旅が、今ここに幕を開けたのである。

 

一方その頃、地球では‥‥

 

時空管理局や未知の勢力に対する備えとして、新たに次元世界への調査と進出を決定した地球防衛軍司令部では、新型の次元調査艦と護衛艦隊の艤装が急ピッチで進められていた。

 

彼らはまだ、銀河の覇者となったかつての好敵手が、彼らに向けて一人の少女を特使として送り出したことなど、知る由もなかった。




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