中央病院の診察室では、
「この傷で大事にならんかったのは不幸中の幸いとしか言えんぞ」
病院勤務の医師、佐渡 酒造が冥王星海戦にて負傷した沖田の手当てをしていた。
佐渡は沖田の主治医でもあった。
そして、医務室にはもう一人、沖田の手当てを見守っている人物がいた。
沖田と士官学校が同期で、今はその士官学校の校長を務めている土方 竜だった。
「なぁに宇宙一の名医がいるのだから心配はしとらん」
「いや、それ程でもあるがの」
沖田に褒められて満更でもない様子の佐渡。
「例の回収されたカプセルは直に解析が終了する」
「そうか‥‥」
土方が火星で例の不明船から回収されたカプセルの状況を沖田に告げる。
そこへ、
コン コン
と、医務室のドアをノックする音が聞こえてきた。
「誰じゃ?」
佐渡がドアの向こう側にいる人物に尋ねる。
「すみません、マゼラン級戦艦長門臨時指揮官の月村束です。こちらに沖田提督がいるとお聞きしましたのですが‥‥」
佐渡が沖田に目をやると、沖田は「構わんよ」とアイコンタクトをとり、
「入れ」
佐渡は入室を許可した。
「失礼します」
一礼し、診察室へ入ると、そこには束にとって予想外の人物がいた。
「ひっ土方教官!!?」
慌てて束は土方に敬礼した。
「月村、よくぞ無事に帰ってきたな。」
そういって土方は束の両肩をポンポンと軽く叩いて喜んでいた。
「あ、ありがとうございます。」
「それで、月村君。どうしたんだね?」
「は。沖田長官が負傷されたとの連絡を受けたのでそのお見舞いに。」
「そうか。ありがとう。君の予備役艦隊にも損な役回りをさせてしまったな。」
「いえ、何とか半分以上は帰ってこれたので・・。」
「うむ。」
診察室内は何かいたたまれない空気となってしまった。
そこに
「沖田提督!!」
と、突然診察室のドアが開き、そこから一人の青年が診察室の中へ入ってきた。
その後ろにはもう一人、彼と同年代の青年が立っていた。
彼らの服装は国連宇宙海軍で正式採用されている軍服から、彼らもまた宇宙戦士なのだという事がわかった。
「沖田提督、兄は‥‥兄の船はどうなってのですか!?」
「君の名前は?」
沖田は突然診察室へ入って来た青年に名を訊ねる。
「古代です。古代 進です」
青年は沖田の前で、自らの名を明かした。
地球に帰還した宇宙戦艦キリシマで古代は兄、古代 守が艦長を勤めていた駆逐艦ユキカゼの行方を沖田本人に直接尋ねようと、キリシマの艦橋へあがったが、そこに沖田の姿は既に無かった。
艦長の山南の話では、冥王星海戦において、沖田は負傷し、そのため、山南が地球に帰還と同時に沖田を病院へと向かわせたと説明を受けた。
「古代‥‥?そうか、君はユキカゼの‥‥」
「はい、駆逐艦ユキカゼ艦長、古代 守は俺の兄です。提督、ユキカゼは‥‥兄の艦はどうなったのですか!?」
「‥‥君のお兄さんは立派で、勇敢な男だった‥‥しかし、彼はもう帰ってこない‥‥」
「っ!?」
「君のお兄さんを死なせたのはこの私だ。‥‥すまなかった」
沖田は古代に深々と頭を下げる。
艦隊司令官である提督が一新米士官に頭を下げる光景なんてとても信じられず、土方も佐渡も束も唖然としていた。
「どうして‥‥どうして!?兄さんを連れて帰ってくれなかったんですか!?貴方は他人を犠牲にしてまで生き残りたかったんですか!?」
古代は声をあげ、沖田に掴みかかろうとした。
「古代、止めろ!!」
すると、もう一人の青年、島 大介が古代を取り押さえるが、古代は島を振りほどこうとする。
そこで、その場にいた束も島と共に古代を取り押さえた。
提督が新米士官に頭を下げる何て異例な光景を見たが、更に此処で曲がりなりにも提督に私情で殴り掛かっては軍法会議モノである。
いや、既にこの時点で軍法会議モノである。
流石の古代も夜の一族の血を引きもともとの束の常人離れした力の前では振りほどくことは出来なかった。
その後、その場にいた土方から古代は説教を受け、上官不敬及び暴行未遂で航空機格納庫の罰掃除を受けた。
本来ならば軍法会議ものだが、被害者である沖田本人がそれを了承したのだった。
ひと悶着あったが束は病院を後にしようとしたが
(うーん。なんとなく今日は歩いて帰ったほうがいい気がするなぁ)
「ちーちゃん」
『なんだ?束』
「今日は歩いて帰るからリニスと忍母さんに伝えといて。」
『わかった。それと気持ち早めのほうがいいかもだぞ』
「へ?」
『ギンガが忍の餌食に・・』
「あー・・・(´・ω・)」
千冬を介した通信ののち束は歩いて帰路をたどっていた。
「うん?」
そこで束は新たな家族に出会うこととなる。
星奈saido
「か、返してください!」
「うるせえよ、このガキ!こんなもんは燃やしたほうがまだ役に立つってもんだ!」
(くっ、油断しました。これだけは守らなきゃいけなかったのに・・!)
この少女は高町星奈。戦災孤児であり路上で同じく戦災孤児で苗字を忘れた帚と昴とともに暮らしていた。彼女がごろつきから守ろうとしている紙の束は彼女が今は亡き母から受け継いだ翠屋秘伝のレシピ表なのだがごろつきに火をたくための燃料にされそうになっているのである。
「星奈のだぞかえせ!」
「そうだ!貴様らみたいなごろつきが持っていっていいものじゃあない!」
帚と昴も反論するが
「ふん。お前らガキが偉そうに言うんじゃねえ」
と言われ暴力を振るわれそうになった
「やめろー!」
「うん、これはよろしくないね。歩いて帰って正解だったなぁ」
「「「「「ぐぎゃあ!」」」」
「「「へ?」」」
すると突然ごろつきが吹き飛ばされた
「まったく。いい大人がこんな小さい子に暴力ふるうとはね。」
「うるせえ!てめえは誰だ!」
「私?国連宇宙海軍現役一佐の月村束だけど?なに?軍の人間に暴力ふるうの?傷害罪で起訴されたいのかな??」
「たっく、わかったよ。」
そうしてごろつきは撤退していった。
「大丈夫かな?。」
「は、はい」
「ありがとうございます!」
「星奈を助けてくださってありがとうございます。」
「いやいや、いいってことよ。ところで家や家族は?」
「私たち三人全員戦災孤児です・・。」
「あ、ごめん。じゃあうちで保護しようか?」
「「「え、ええ!?」」」
次回でギンガがこの世界のスバルに驚きます。
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
-
Dr.スカリエッティ
-
エルトリア組
-
アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様