この世には『奇跡』と言う言葉がある。
その意味は、『人間の力や自然法則を超え、神など超自然のものとされるできごと』と、される。
今現在、月村家での出会いはまさにその奇跡と言う言葉が合いそうな現状だった。
月村家当主の忍はリニスから事前に情報を得ていた。
冥王星でのガミラスとの戦いは地球軍の惨敗。
しかし、束とリニスは無事に地球へ戻ってきた。
その帰還の最中、火星の近くでガミラスとも地球とも異なる第三者の宇宙船が突然ワープアウトしてきて、調査と救助の結果、乗員らしき一人の女性を救助したとのことだった。
地球へ着いた後、リニスから束は歩いて帰宅し、自分と救助した女性は病院で検査を終えたら戻ると言われ、玄関先で忍は救助した女性と出会った。
忍はその女性を一目見て思わず目を見開くほど驚愕した。
「えっ!?‥‥嘘でしょう?‥‥すずか?」
彼女は思わず妹の名前を呟いてしまった。
一方、エリート局員の恨みを知らず知らずのうちに買い陰謀によってこの地球のある世界へ跳ばされてしまった局員、ギンガ・ナカジマもまた奇跡的に助かり救助され、更に彼女はまたもや救助的な出会いを果たした。
自身を救助してくれた艦長が連れてきた三人の少女‥‥
そのうちの一人は自分が知る少女の小さい頃そのままの姿であり、彼女も忍同様驚愕し、
「えっ?スバル!?でも‥‥」
思わず名前を呟いた。
「あっ、忍さん、ノエル。ただいま」
しかし、今帰宅した束は忍とギンガが何故驚いているのか知る由もなく、玄関先で待っていた忍とノエルに声をかける。
「えっ、ええ、おかえり束」
「おかえりなさいませ、束様」
「束、その子たちは?」
忍は束が連れている三人の少女たちの事を尋ねる。
「あっ、この子たちはさっき街中で不良に絡まれていた子たち。それで、家で引き取ろうと思って連れてきたの」
「えっ?引き取るって‥‥?」
「実はこの子たち、戦災孤児みたいで‥‥」
「いや、でも‥そんな犬猫を拾ってくるみたいに連れてくるなんて‥‥」
忍はチラッと三人の少女たちを見る。
その少女たちはもしかしたら、追い出されるのかと思い不安そうな表情だ。
「まぁ、連れてきてしまった以上ここで追い出すわけにはいかないし、分かったわ。引き取る、引き取らないにしろ、今日は家に泊っていきなさい」
連れてきた少女がまだ子供であることから流石に追い出すのは忍としてもしのび難くとりあえず、彼女たちをひとまず泊めることにした。
まだ決まったとは言えないが、今日は追い出されないとのことでホッとした様子の三人の少女たちだった。
「さて、いつまでも玄関先で突っ立っていないで、まずは食事にしましょう」
「あっ、でも忍さん。この子たちを連れてきて今更だけど、この子たちの分はある?」
「大丈夫よ。リニスから救助された女性がよく食べる人だって聞いていたから沢山用意したから」
ガミラスとの戦争で生物が住める環境でなくなり、人類をはじめとする生物は地下都市へと移り住むこととなった。
生活環境の中で衣食住の内、地下都市で『住』の問題は一時的とはいえ解決した。
次の問題は『食』の問題で、地下と言う限られた空間では地表での生活と異なり食料自給率が課題となった。
地下都市へと移り住む時期に月村グループはこの食料問題解決のために動いており、Organic Material Cycle System、通称オムシスの開発を行った。
改良に改良を重ね食料問題は完璧とは言えないが、市民には食料が配給されており、食料をめぐる暴動は今のところ起きてはいなが、この先いつまで持つか先行きは不明で決して明るいとは言えない。
「ご、ご飯‥‥」
食事と聞いて反応したのは昴だった。
ただ、ギンガも昴同様、食事に関して楽しみにしていたのはナイショの話だ。
そして、ギンガは昴に目が移りがちであったがもう一人の少女にも密かに注目していた。
(スバルそっくりな子も居たけど、この子も髪型は違うけどなのはさんに似ている‥‥)
星奈もギンガが知る人物に似ていた。
ただ、ギンガが知る人物は長い髪を左側に纏めて垂らしているサイドテールの髪型であるが、目の前にいる少女はスバル似の子と同じくショートカットである。
(そういえば、束さんの声もなんかなのはさんに似ているけど、この子の声もやっぱり、なのはさんに似ているのかな?)
地球へ戻る途中で束との会話の中で、束の声がミッドチルダでは有名な魔導師である『高町なのは』に似ていた為、なのはに似ているこの子もやはり声は似ているのかと推測してしまう。
星奈自身はギンガの視線に気づいてはいないが、ギンガの視線に気づいているモノが居た。
それは、星奈が首からぶら下げている首飾りで、
(ふむ、この女性‥‥ただの人間ではないな)
(マイレディーと同じ魔導師か‥‥?)
星奈の首飾りは瞬時にギンガがただの人間ではないと見抜いた。
屋敷の外見と釣り合うかのように月村家の食堂もまるで一流のレストランの様な豪華があり、タクシーの時と同じ様に三人の少女たちとギンガは落ち着かない様子だった。
ノエルが運んでくる料理を見て昴は目を輝かせていた。
「さあ、どうぞ、お召し上がりください」
「ほ、箒姉、この料理本当に食べていいのかな?」
昴は目の前に用意された料理を食べていいのかと箒に尋ねる。
「た、多分‥‥」
昴から尋ねられ、箒も自信無さげに答えつつもやはり昴と同じく料理に手を付けずらそうだ。
「‥‥」
それは星奈も同じでジッと料理が乗った皿を見ている。
少女たちが料理に手を付けていないので、ギンガも食べにくそうだ。
「どうしました?遠慮なく召し上がってください」
ノエルから『食べてもいい』と言われ、三人の少女たちは料理にようやく手をつけ始め、ギンガも食事にありつけた。
『‥‥』
リニスからの話でギンガがよく食べると聞いていたが、昴も同じ学年の子供と比べるとよく食べる子みたいだ。
「こんなに沢山のご飯を食べたのすっごい久しぶり~」
「‥‥」
昴は満面の笑みで満足そうに料理を食べている。
そんな昴の様子を見て箒は微笑んでおり、忍は昴の発言を聞き訝しんだ。
食事が終わり、食堂はギンガと三人の少女たちの身の振り方の話の場となった。
「さて、まずは貴女たちの事を色々と聞かせてもらえるかしら?」
ギンガのことはリニスから聞いており、彼女が地球でもガミラスでもなく、ミッドチルダと言う第三の星の出身であることを忍は聞いており、異星人であるガミラスとの戦争の中、また別の星の人が居るとなると彼女たちが警戒しそうであり、忍は彼女たちの事を詳しく知らないので、まずは彼女たちについて話を聞くことにしたのだ。
プライベートな話もあるので、ギンガには別室で待機してもらっている。
『‥‥』
忍から聞かれても三人の少女たちが互いに顔を見合わせている。
「えっと、忍さん。この子たちは‥‥」
束は自分が知る限りの情報を忍に伝える。
「そう‥君たち戦災孤児なんだ‥‥でも、一つ分からないことがあるんだけど‥‥」
忍は束からの情報で三人の少女たちの名前と彼女たちの現状が戦災孤児なのだと知ったのだが、一つ腑に落ちないところがあった。
「戦災孤児なら、君たちは施設に居るはずだよね?施設に連絡をしなくて大丈夫なの?」
『っ!?』
忍の口から出た『施設』と言う言葉に昴は怯え箒の服に顔を埋める。
星奈は顔を俯かせて、箒も気まずそうに忍から視線を知らしているが少し震えている。
三人の様子から訳ありだとすぐわかった。
「何か訳あり‥みたいだね」
『施設』と言う言葉に反応した事と身なりが汚れていないことから、彼女たちがホームレス生活をしているわけではなく、一応施設に預けられているみたいだがその預けられている施設に何か問題があるみたいだ。
「もしかして、君たち施設で虐待を受けているの?」
「い、いえ‥‥そうではなくて‥‥」
箒が忍の言う虐待を否定する。
「じゃあ、どうしたの?」
「‥‥星奈‥アレ、持ってきている?」
「ええ‥‥」
「見せてあげて」
星奈はショルダーバッグの中から数冊のノートを取り出し忍たちに見せた。
「ん?これは?」
「施設で書かされている日記です」
「日記?」
星奈から日記帳を受け取った忍と束は中を早速見る。
「ん?この日記帳の名前、君たち三人の名前と違うね。誰の日記帳なの?」
「施設に居た子の日記帳です」
「ふむ‥‥」
〇〇月××日
きょう、あたらしいこじいんにきた。
前にいたこじいんはきらいでした。
先生はおこりんぼだし、べんきょうのじかんがあった。
でも、新しいこじいんではべんきょうのじかんがみじかいとこじいんの人がいっていた。
〇〇月×△日
こじいんには、だいじな決まりがあります。
「日記をかくこと」、「まい日けんこうしんだんをうけること」、「かってに外に出ないこと」です。
がっこうに行かなくていいのは、うれしいと思います。
それに新しいふくもくれるので、やっぱりこのこじいんはいいところです。
〇〇月△△日
きょうは、りじちょう先生がくるので、いちばんすきな青いギンガムチェックの服をきました。
りじちょう先生は、せが高いです。
りじちょう先生は、おひげがはえています。
りじちょう先生は、お金もちです。
「見た限り、特に怪しい所はないね‥‥」
「そうだね」
「しかし、日記に書かれている日数が短いな‥‥毎日日記を書くように決められているみたいなのに‥‥」
「そうね、内容を見た所この日記を書いた子は施設に来たばかりの様なんだけど‥‥」
「すぐに里親が現れたのかな?」
忍と束は別の子が書いた日記を手に取る。
××月〇〇日
手紙を出して2ヶ月になるのに、悟志から返事が来ない。
養子にもらわれて行った奴らはみんなそうだ。
里親の家で家族として暮らしてると、俺たちや孤児院のことなんか忘れちまうんだろう。
でも悟志だけは違う、俺たち永遠の相棒だ‥‥
――なんて思ってた。バカみたいだ。
××月〇△日
ミヨが年下どもを集めて話をしてた。
「養子として孤児院を出てった奴らは、本当は、恐怖の“人喰い鬼”のエサにされてる。だから連中とは連絡が取れなくなるんだ」
だと。
あいつには三流小説家の才能がある。
そもそも、今俺たちが住んでいるのは地下だぞ。
そんな所に鬼なんかが住んでいるわけがない。
人喰い鬼なのはガミラスの奴らの方だ。
××月△〇日
ミヨの話じゃないが、この孤児院はちょっと変だ。
噂では理事長は金持ちだって聞いたのに、食事は不味いし量が少ない。
厨房の人に聞くと、『栄養価は充分に考慮してある。戦時下に美食を求め味に不平をもたらすなど情弱の極みである』なんて言って不味く少ない飯しかくれない。
俺は育ち盛りなのに‥‥
それに電話や外出が禁止されてるのはなぜだ?
学校に行かないのは良いことだが‥‥
毎日の健康診断だって変だ。
裸になって隅から隅まで調べられる。
いくら男のお医者さんでもやっぱり、恥ずかしい。
××月□□日
俺に養子の話が来た‥信じられない。
俺はもう大きいし、“人気がある”タイプじゃない。
でも、まぁ、少しくらいは嬉しいかもしれない。
嘘だ。本当は泣きそうなくらい嬉しい。
出発は20日だ。
俺はいい息子になる。
お父さんと、お母さんが、自慢できるような息子に。
「やっぱり、変なところはないかな?」
「うん、この施設が毎日健康診断をしているぐらいだけど‥‥」
「でも、裸にさせてまでやるかな?それも毎日‥‥」
そんな話をしていると、
ペラっ
日記帳の隙間から走り書きで書いたような文字で、
これを よんだ ひと
けいさつに でんわ して
おに が きた
みんな たべられ
たすけて
SOSを求めるメモがあった。
「な、なに?これ?いたずら?」
メモを見た束も忍も施設に居る子のいたずらなのかと思ったが、
「違います!!」
「いたずらなんかじゃありません!!」
いたずらかと疑う束と忍に箒と星奈は言葉を荒げ否定する。
「いたずらじゃない?」
「どういうことかな?」
「‥‥じ、実は‥‥」
「私たち、聞いてしまったんです」
二冊目の日記を書いた子と同じ様に箒たちも自分たちの居る施設に疑問を感じていた。
そして、箒と星奈は自分たちの居る施設の闇を偶然知ってしまった。
あの施設に預けられた子は里親に引き取られたのではなく、ロリコンやショタコンの児童性愛者や臓器密輸に使用される臓器提供者として生きたまま臓器を取られ殺されていた。
まだ子供の箒と星奈は詳しい内容は分からないが施設の人の話と雰囲気から何か恐ろしいことを話していると察したのだ。
ガミラスとの戦争で親を失った子もいれば逆に子供を失った親もいる。
そのため児童養護施設、孤児院が数多くあっても不思議ではないし、この戦乱の混乱で誰が死んだのかなんて詳しい状況なんて分からないし戸籍謄本も機能していない。
この施設の経営者は戦争のどさくさに紛れて親を失った子供たちを食い物にしているのだ。
施設から逃げ出した三人は街中を彷徨っている中で不良に絡まれてしまいそこを束に助けられたのだ。
「なるほどね‥‥まぁ、その施設には後日探りをいれてみるとして三人はこれからどうする?」
「どうするって‥‥」
「どういうことでしょう?」
「君たちに用意された選択は二つ‥‥」
「二つ?」
「ええ、一つ目は月村家に養子縁組をして月村家の子になる。二つ目は戦災孤児育英法制度を利用する」
「戦災孤児育英法?」
「それってどんな制度なんですか?」
「戦災孤児育英法は、戦災孤児を対象に後見人を立てて成人するまでサポートするシステムよ」
「後見人には私たち月村家がなって成人するまでちゃんとサポートするよ」
三人は今後の自分たちの選択肢を聞き、どちらを選ぶか顔を見合わせた。
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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エルトリア組
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様