ヤマトが地球圏を離れていくのを見送っていた長門に一本の通信が入った。
マゼラン級戦艦長門 第一艦橋
「艦長、救難信号です」
「へっ!?何処から?」
「月面からです」
「げ、月面?」
「うん?束、確か月面には空間騎兵連隊の駐屯基地があったはずだぞ」
ディアーチェは思い出したことを束に伝える。
「通信長。音声に出せる?」
「はい。音声信号に接続します」
『此方月面、第七空間騎兵連隊。現在我が隊は、敵の攻撃を受け、月面に孤立せり、我が方の被害甚大。救援を乞う』
彼らは先日、ヤマトを偵察に来た強襲空母が搭載していた艦載機による攻撃を受けていたのだ。
月基地がガミラスの空母からの攻撃を受けたので、地球側はガミラスの空母の侵入を許してしまっていたのだ。
「医務長」
「はい」
「たった今、月基地に居る空間騎兵隊から救難信号が入った。どうやら負傷者が多数いるようなんだ。至急、受け入れ態勢を取ってくれる?」
「了解」
束は内線で医務室にいるリニスに負傷者の受け入れ態勢を取らせた。
やがて、長門と酒匂が救難信号の発信点へと着くと、駐屯していた第七空間騎兵連隊の将兵達は長門へと収容された。
しかし、収容されたのは殆どが遺体ばかりで、連隊長も戦死していた。
第七空間騎兵連隊の将兵達を収容した長門と酒匂は地球への帰路へとついた。
その最中、
マゼラン級戦艦長門 第一艦橋
「間もなく月軌道を離れる」
「針路そのまま。機関、両舷半速」
「機関、両舷半速」
「おい!!何だ?貴様!?許可なく艦橋に立ち入る事は‥‥」
「どけ!!話があんだよ!!」
艦橋への出入り口で何やら、騒ぎ声がした。
そして、艦橋へ空間騎兵隊の宇宙戦闘服を着た一人の大柄な男が手に沢山のタグを持って入って来た。
「アンタが艦長か!?救援がもっと早ければ、連隊は壊滅しなかった!!こっちの救難信号は受けていたんだろう!?何故もっと早く来てくれなかった!?」
男は艦橋に居た土方を艦長と間違えている様子で声を荒げる。
そして彼の持っていたタグは戦死した隊員のタグだった。
「艦長は私だよ~」
束は彼に自分が艦長だと教える。
「えっ!?じゃあ‥‥」
男は自分が艦長だと思っていた人物が実は艦長でない事に気づき、唖然とする。
「国連宇宙軍、士官学校校長兼日本艦隊総司令、土方大将よ」
沖田がヤマトの艦長になり、彼の役職であった日本艦総司令の座が一時的に開いてしまったため、その座を土方が引き継ぐ事がヤマト出航の日に決まった。
彼は一応土方が階級では上官に当たり、尚且つ艦長と間違えた事にすまないと感じたのか、姿勢を正して土方に敬礼した。
「ガミラスに勝利し、故郷に再び青い姿を取り戻す‥‥我々はその任に着く特務艦護衛の為、展開していた」
土方は特に気にした様子も無く、長門と酒匂が月軌道に居た経緯を彼に話す。
「じゃあ、俺達はついでだったと言う訳ですか!?」
「そうだ」
「‥‥さっきの艦か‥‥何なんですか!?アレは!?」
彼も地球圏を旅立って行くヤマトの姿を見ていた様だ。
「こっちも命懸けで戦っているんだ!!聞く権利は有る筈だ!!」
「ヤマトだ」
「ヤマト?」
「そうだ、ヤマトだ‥‥宇宙戦艦ヤマトだ。俺の親友の艦‥そして、人類最後の希望だ」
土方は彼にそう教えた。
後に彼‥空間騎兵隊第七連隊副連隊長、斎藤 始はヤマトに乗艦する事、また再び今回と似た様な経験をする事をこの時には知る由も無かった。
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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エルトリア組
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様