IS世界の束の秘密研究所
「ふんふ~ん。どんな奴らが乗ってきたのか気になるなぁ~」
「束さま。どうなさいました?」
そこには黒の眼球に金の瞳、流れるような美しい銀髪をもった少女がいた。
彼女の名前はクロエ・クロニクルという。
束が保護した少女だ。
「クーちゃん。ちょっと、あれを見てよ」
「は?なっ、なんですか!?あれはっ!?戦艦?」
「今しがた宇宙から降って来た未確認飛行物体?いや未確認物体かな?」
ええ!?と驚いているクロエをしり目に束はあることを考えていた。
(うーん。あの宇宙戦艦?に乗ってあの戦艦が所属している組織にクーちゃんと亡命できないかな‥‥?私が作ったISが欲深い女どもの権力維持に利用されて本来の開発目的である宇宙開発に使わず、世界中から追い掛け回されるのはもう嫌だ)
(あれは確かに宇宙から降ってきた‥‥それならば、あの戦艦の星は地球よりも宇宙技術が上な筈‥‥と、なればISが本来の宇宙開発に使用されるはずだし、今のISよりもさらに高性能なISが作れる)
そうこの世界の束は本来の歴史の世界の束とは違いかなりまともな思考の持ち主である。
もし、本来の歴史の束ならば、亡命何て考えず、自分以外の者が宇宙開発の最先端技術を持っていることに対して憤慨していた筈だ。
「おい!!誰が頭おかしいって!?」
「た、束さま?どうしたんですか??」
いきなりキレ出す束に狼狽するクロエ。
「いや、何でもないよ。‥‥ちょっと、頭に変な電波が入ってきただけ」
「‥‥」
クロエは目が見えないが、それでも束の事をかわいそうな人を見るような表情を向ける。
「それより以前、IS学園に送り込んだ無人機ISの『ゴーレム』はあとどのくらい残ってる?」
「はい?2~30機は残っていますが?‥‥どうするおつもりですか?」
「全部起動させて。折角だし、あの戦艦の性能が知りたい。話し合えない奴らだったら危険だからね。それこそ、SF映画によくあるパターンの地球侵略を目論むエイリアンだったら、処理しないと」
「わ、わかりました」
束が潜伏していた小島のあちこちから黒い人型の物体が空へと舞い上がって行った。
「奇跡的に各部ともに損害はなしで良かったよ」
「うむ、何とかな。ところでここがいつごろかわかったのか?」
アナンケ艦橋にて月村束とディアーチェは各部から上がってきた報告を受けていた。
ワームホールに吸い込まれるほどの事態になったが、アナンケには重大な損傷はなかった。
『ああ、西暦2022年だという測定結果が出た』
千冬が二人にこの地球の現在の西暦を伝える。
「なにぃ!?」
「うわぁ~まじか‥‥」
なぜこの二人がこんなに困った顔をしているのかというと2022年は世界中にとある感染症が流行し、一部の主要列強国の暴走で世界中がピリピリしている時代である。
そんな状況下で世界各国がドタバタな最中に厄介事に巻き込まれたくないのでこの反応は当たり前と言えた。
とは言え、アナンケは現在における兵器の中ではまさにオーバーテクノロジーの塊とも言え、アナンケ一隻で現在の地球を征服できる力があるのかもしれない。
そう思うと今の束たちはどの国にも干渉される訳にはいかない。
ただ、唯一の幸いともいえる事実を千冬が追加情報で二人に伝える。
『落ち着け二人とも。確かに今現在の時代は2022年と言う結果が出たが我々が知っている2022年とかなり異なっている、感染症も主要国の暴走という情報もない』
「「「「「「へ?」」」」」
これには束やディアーチェだけでなくギンガ以外の艦橋要員全員が開いた口がふさがらなくなった。
『さらに驚くことにこの世界は世界中で女尊男卑の状況らしい』
「はぁ!?ちょっと待ってよ、ちーちゃん!!女尊男卑!?男尊女卑は聞いたことあるけど女尊男卑!?いや日本だけならまだわかるよ?なのに世界中!?それどういう事!?」
『ああ、それは‥‥』
ビービービー!!
「「「「「!!」」」」」
千冬が何故この地球が何故女尊男卑になってしまったのか訳を話そうとした時、艦内に警報が鳴り響いた。
「なんだ!?何事だ!?」
「ちーちゃん!っじゃなくてCIC状況知らせ!!」
『未確認機が本艦に向けて多数接近中だ。』
「「っ!!」」
「敵の数はいくつ!?」
『概ね2~30機だ』
「対空戦闘配置!!急げ!!」
「ねぇ、束っち!僕の航空隊は!?」
「馬鹿か!?レヴィ!!航空隊をあげている間に敵機がこっちに来るわ!!」
「パルスレーザー対空砲自動照準!完了次第打ち方はじめ!!」
そのあとは圧倒的であった。
ゴーレム自慢の‥‥と言うか、ISすべてに備わっている筈の絶対防御のシールドをアナンケのパルスレーザーはいともたやすく打ち抜きゴーレムを次々と撃墜していった。
「敵の撃墜を確認!!」
「エリア内に敵反応なし、全滅を確認!!」
「よし、対空戦闘用具おさめ。敵機はどこから来たかわかる?」
『ああ、CIC要員からの報告によると付近の島から来たようだ。それと、あの人型の飛行物体は完全な機械のようだ。生命反応が感知できなかったからな』
「それは良かったよ。いくら本艦を見られたからと言って無駄な殺生はしたくはなかったしね」
「それで束、どうする?あの攻撃が第一波だとしたらこの先、第二波、第三波がくるかもしれないぞ」
「あの飛行物体が来た方向は分かっている。カモノハシ(セイバーフィッシュ強行偵察型)をだして調査を行おう。ギンガ通信長」
「はい」
「カモノハシに同乗して偵察へ出てくれる?」
セイバーフィッシュ強行偵察型
セイバーフィッシュの武装を全撤廃し高速化と偵察用の器材を積んだ機体。
100式偵察機よりも高速でありガミラスの偵察機スマルヒにはさすがに追いつけないが100式よりはいい勝負を挑める偵察機である。
愛称は『カモノハシ』
「え?」
いきなり、束から偵察機に乗って偵察へ出てくれと言われギンガは唖然とする。
「うむ。確かに航空隊隊長のレヴィは戦術長で離れられんし、そもそもレヴィはそういう難しいことが不得意だ。かといってほかに航空機に乗れる奴は我と束だが我らも離れられんし‥‥すまんが我からも頼む」
「わ、わかりました」
副長のディアーチェからも頼まれては、拒否は出来ない。
ギンガはカモノハシがある格納庫へと向かった。
「束」 ヒソヒソ
「なに?」 ヒソヒソ
ディアーチェは小声で束に耳打ちをする。
「ギンガを送ったのはあれか?戦闘機人だからか?」 ヒソヒソ
「いや、確かにギンガちゃんならある程度のことは大丈夫だと思ったのは否定しないけど‥‥」 ヒソヒソ
艦橋で束とディアーチェがまさか自分の事を話しているとは知らず、ギンガは格納庫で発進準備をしているカモノハシの下へと向かう。
「あ、玲ちゃん。玲ちゃんが操縦士なの?」
「はい、ちょうど自分以外体調が万全な人材がいなくて‥‥」
折角、飛行できるのだが、搭乗するのが戦闘機ではなく偵察機と言うことで玲はやや不満そうだ。
「ああ‥なるほど」
そういって互いに少し愚痴りあいながらも二人はカモノハシの乗り偵察にむかった。
「広域レーダードーム作動開始‥‥相違沙検知式センサー始動‥‥探査用シェイブドビーム調整完了‥‥」
アナンケを発進してすぐにギンガはカモノハシのレーダーや探査機器を稼働させてその調節を行う。
偵察とは言え、ついさっき、襲撃を受けたのだ。
あれで終わりとは限らない。
偵察は生きて戻り、敵の情報を伝えるのが任務なのだ。
「ギンガさん。目標の島が見えてきました」
宇宙空間ではない大気圏なのでカモノハシはあっという間に目的の島の上空に到達した。
「ありがとう、さてとだーれがいるのかしらって‥‥えっ?‥‥ええ!?」
ギンガは双眼鏡で島の地表を見ると声をあげる。
「ど、どうしたんですか?」
いきなり声をあげたギンガに玲は何があったのかを訊ねる。
しかし、ギンガは慌てた様子でアナンケへ通信を入れる。
「アナンケ!アナンケ!聞こえますか!?こちら、カモノハシ!!アナンケ!聞こえますか!?」
『アナンケ!アナンケ!聞こえますか!?こちら、カモノハシ!!アナンケ!聞こえますか!?』
カモノハシからの通信はすぐにアナンケへと入る。
「こちらCICの千冬だ。どうした?ギンガ通信長。そんなに慌てて‥‥例の島にまだあの人型の飛行物体が居たのか?」
『いえ、そちらに束さんはちゃんといらっしゃいますよね!?』
「ん?なにを寝ぼけたことを言っている。束は今、艦橋でディアーチェとともに損傷確認をしているぞ?」
『そ、それが‥‥例の島にも‥‥こっちにも束司令官がいます!!画像をそちらに送りますね!!」
千冬以下CIC要員は何を寝ぼけたことをと思ったが、いざカモノハシから送られてきた映像を見ると開いた口が塞がらなかった。
「これは‥‥」
「どういうことだ?」
「ち、千冬室長‥‥」
「なぜ、あそこに司令官が‥‥?」
「艦橋につなげ!今すぐに!!この映像も着けてな!!」
「「はっはい!」」
CICから送られてきたその映像を見た艦橋要員もCIC要員同様、開いた口が塞がらなくなった。
月村家の束は直ちに状況確認のためセイバーフィッシュを帰還させ、アナンケをその島に向かわせるように指示を出した。
ここに二つの世界の二人の束が出会うことになったのである。
束同士の対面は次回に
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
-
Dr.スカリエッティ
-
エルトリア組
-
アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様