内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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21話と22話はステルス兄貴さんとの話し合いで大幅修正しました。


第二十二話 束同士の対面

冥王星宙域で遭難しかけた貨物船を救助したが、反対にワームホールに吸い込まれてしまったアナンケ。

 

束たち乗員が目を覚ましてみると、そこは火星宙域だった。

 

しかし、火星の地表を探査するとその火星には防衛軍の基地も開拓された都市も存在しない。

 

地球へ向かうと周辺に浮いていた衛星は束たちにとっては物凄く旧式な衛星ばかり。

 

そこで、地球の現状を知るために隕石を装って地球へ降下するアナンケ。

 

無事に地球の海へと着水したアナンケだったが、千冬曰くこの地球は約180年前の過去の地球であった。

 

さらに千冬はこの地球は過去の地球だけでなく、束たちの地球の過去とはちょっと歴史が異なっていた。

 

どう歴史が異なっているのか千冬が説明しようとした矢先、アナンケに人型の飛行物体が突如襲来した。

 

だが、例え異なる歴史を歩んだ地球でも180年の技術の差は埋められず、襲来した人型の飛行物体はあっという間にアナンケの対空砲火の前に葉虫のように落ちていった。

 

人型の飛行物体を全機撃墜した後、束はギンガに人型の飛行物体がどこから飛んできたのか偵察を命じた。

 

ギンガと玲が乗った偵察型のセイバーフィッシュ(通称:カモノハシ)は、人型の飛行物体が飛んできた小島を発見し、ギンガが地表を見ると、そこにはアナンケのいる筈の束が立っていた。

 

思わず確認の通信を送るギンガであったが、束はやはりアナンケに居た。

 

ギンガは島に居た束の映像をアナンケへと送る。

 

当然、アナンケでも束を含めて島に居たもう一人の束の姿に驚愕する。

 

アナンケに居た束はカモノハシに帰還命令を出す。

 

カモノハシがアナンケへ帰還しようとすると、島に居た束は、

 

『カ・ン・ゲ・イ・ス・ル』

 

と、発光信号を送ってきた。

 

2200年代でも基本的なモールス信号は歴史が異なる過去の地球でも共通していたので、通信長であるギンガは、読み取ることが出来た。

 

「束司令官、島に居るもう一人の束さんが発光信号で『カ・ン・ゲ・イ・ス・ル』と送っていますが、どうしますか?」

 

ギンガはアナンケに居る束に報告する。

 

「どうする?束」

 

ギンガ同様、ディアーチェも束にどうするか訊ねる。

 

「どうするもこうするも向こうが来て良いと言うなら行くしかないでしょう」

 

束としては当然、もう一人の自分との邂逅に興味がない訳がない。

 

こうしてアナンケはカモノハシを収容した後、もう一人の束がいる島へと針路を向けた。

 

そしてアナンケの姿を見つかりにくくするため島にある湾の奥へと進む。

 

「左30度、陸地まであと200」

 

「取舵10、微速前進」

 

「取舵10、微速前進。ヨーソロー」

 

「右舷、陸地まで距離30」

 

「頭180舵中央」

 

「水深35m」

 

「よしっ、機関停止」

 

「機関停止」

 

「艦周囲に異常なし」

 

「総員ただちに偽装作業に移れ!!迷彩ネット展開!!」

 

アナンケの船体に木の枝や葉っぱが着いたネットがかけられた。

 

偽造作業が終わった頃、アナンケに二人の来訪者が来た。

 

 

「うーん‥まさか、こんなことってあるんだね‥‥」

 

「いや~束さんも信じられないよぉ~」

 

宇宙戦艦ヤマト世界の月村束とIS世界の篠ノ之束が出会うこととなった。

 

「一応、自己紹介をした方がいいのかな?私は、月村束」

 

「束さんは、篠ノ之束だよ~」

 

(篠ノ之‥‥箒ちゃんや昴ちゃんの旧姓‥‥もしかして二人は私たちの世界に居た子の人の子孫なのかな?)

 

目の前に居るもう一人の束の名字が箒と昴の旧姓と同じ事から、自分たちの世界にもかつて篠ノ之束と言う人物がおり、その人の子孫があの二人なのかと思った。

 

「あっ、こっちにもちーちゃんが居たんだね」

 

篠ノ之束が千冬を見つけ声をあげる。

 

(へぇ~この世界にもちーちゃんは居るのか‥‥)

 

篠ノ之束の発言から束の他に千冬も存在することが確認できた。

 

「しかもボディースーツ姿なんて‥‥束さんなんかムラムラ来ちゃったよ‥‥」

 

 

【挿絵表示】

 

 

篠ノ之束の言動がだんだんと怪しくなり、

 

「ちーちゃん!!」

 

篠ノ之束は千冬に対してル〇ンダイブをかましてそのまま千冬に抱き着く。

 

『‥‥』

 

しかし、篠ノ之束に抱き着かれた千冬は無反応。

 

「あ、あれ?」

 

自分が思ったよりも違う反応をされて困惑する篠ノ之束。

 

「えっと‥‥いつものちーちゃんなら、げんこつの一発が飛んできそうなんだけど‥‥?それになんか身体の感触にも違和感が‥‥」

 

(こっちのちーちゃんは随分とバイオレンスなんだな‥‥)

 

篠ノ之束の口から出た『げんこつ』と言う言葉を聞いて月村束はこちらの千冬は手が早いのだと思う。

 

「えっと‥‥こっちのちーちゃんは人間かもしれないけど、君が今抱き着いているそのちーちゃんの正体は超高性能自立型のAIだよ」

 

「えっ!?嘘!?こんなにもちーちゃんそっくりなのに!?やっぱり、宇宙開発が進んでいるとAIも凄いや!!」

 

月村束から千冬の正体を聞き驚愕した篠ノ之束はそのまま千冬の身体をペタペタ触り確認した。

 

もちろん、千冬の胸を揉むのも忘れてはない。

 

千冬の方はどう対処すればいいのか困惑している。

 

そんな篠ノ之束の行動にちょっと引いていると、

 

「えーと、束?」

 

ディアーチェが束を呼ぶと、

 

「「何?」」

 

二人の束が一斉にディアーチェを見る。

 

「‥‥月村のほうだ、ちょっと来い」

 

二人の名前が同じだったことに気づいたディアーチェは名字を呼び、自分が知る方の束を呼び寄せる。

 

「はい、はい、何かな?ディアーチェ」

 

「どうするのだ?この地球が異世界の過去なのはなんとかわかるとして、いやわかりたくないが‥‥ともかくこの世界のお前にアナンケをみられるとは‥‥」 ヒソヒソ

 

「いや、そんなことを私に言われても‥‥そもそも、この世界に私にそっくりな人が居るなんて流石の束さんも予想外だったし‥‥」 ヒソヒソ

 

「そもそも、お前がこの地球に降りたいなんて言わなければこうならなかったのではないのか?」 ヒソヒソ

 

「でも、こんな体験なんて一生に一度あるかないかの事だし」 ヒソヒソ

 

束とディアーチェが現状について話していると、

 

「ねぇ、貴女‥ギンガちゃんだったけ?」

 

「は、はい?なんでしょうクロエさん?」

 

クロエがギンガに話しかけた。

 

「そっちの束さまはどんな方なのでしょうか?」

 

クロエはヤマト世界の束がどんな人物なのか気になり、ギンガにヤマト世界の束の人となりを訊ねる。

 

「うーん。好奇心旺盛なところがあって多少強引で無茶ぶりすることはありますけど軍人として有能な人ですよ」

 

「そうですか‥‥ハァ~‥‥」

 

ギンガからヤマト世界の束の人となりを聞くとため息をつくクロエ。

 

「どうしたんですか?」

 

ギンガとしてはクロエがなぜため息をつくのか分からず訊ねる。

 

「いえ、好奇心旺盛なところや無茶ぶりをするのはこちらの束さまと似た感じだなと‥‥」

 

「は、はぁ~‥‥」

 

例え世界が異なっても束は束なのだとギンガとクロエはそう思った。

 

 

「ねぇ、ねぇ、そっちの私」

 

「ん?何かな?」

 

ディアーチェと話していた月村束に篠ノ之束が声をかける。

 

「お願いがあるんだけど‥‥」

 

「何かな?」

 

「私とクーちゃんを君たちの世界へ亡命させてくれない?」

 

「「「はぁ!?」」」

 

いきなり亡命希望を願い出てきた篠ノ之束にヤマト世界の一同は驚愕する。

 

「ちょっ、ちょっとまって!こっちの私!なぜに!?」

 

月村束は篠ノ之束に亡命希望の理由を訊ねる。

 

「いやね、私は宇宙開発用のパワードスーツ『IS・インフィニット・ストラトス』っていうのを作ったんだけど開発中のミスで女性しか使えなくなっちゃってね‥‥」

 

「なんだ?その欠陥品は?」

 

思わず突っ込んでしまうディアーチェ。

 

「しかも、開発当初は誰もISの事を認めてくれず、バカにして‥‥それが悔しくてISのデモンストレーションを含めてある騒動を起こしちゃって‥‥」

 

「ある騒動?」

 

「‥‥世界各国の軍事ネットワークにハッキングをかけて日本に向かって2000発以上のミサイルを発射して、この世界のちーちゃんに協力してもらって出来たばかりのIS『白騎士』でミサイルを撃ち落してもらってISの性能を世界中に知らしめた」

 

「「「はぁ~!!」」」

 

「バカか!?己は!?実際の運用時にスペック上の働きをしなかったら大惨事になっていたぞ!!いいか、この世に絶対なんてモノは存在しないのだぞ!!」

 

またもや反射的に篠ノ之束にツッコミを入れるディアーチェ。

 

「は、はい。それについてはバカにされてイラっと来たと言うか、若気の至りと言うか‥‥」

 

いくらなんでも自分の研究開発成果が世界中からバカにされ相手にされなかったとはいえ、起こした騒動があまりにも大きすぎたことに後悔している篠ノ之束だが、一同は呆れている。

 

「その後、ISの活躍を見てそれをいいことに女尊男卑主義者が調子に乗って男性排斥運動をやり始めちゃって‥‥世界のパワーバランスがもうぐちゃぐちゃになって‥‥ISに乗れないその辺の有象無象の女ですら威張り腐る始末だし‥‥」

 

「なるほど、ちーちゃんが言っていた女尊男卑の原因はそのせいか‥‥」

 

「うん‥‥しかも世界中の御偉いさんときたらISを独占したいからって束さんを国際指名手配までして、おかげで私は世界中から追われる身‥‥」

 

「あっ、もしかしてさっき攻撃してきた人型無人機って‥‥」

 

ギンガが先ほどアナンケへ襲来した人型の飛行物体について訊ねると、

 

「うん!あれは私が作った無人ISの『ゴーレム』だよ!」

 

「「「お前(貴女)が犯人か!!?」」」

 

目の前に襲撃犯が居たことに一同は篠ノ之束にツッコミを入れる。

 

「皆様本当にすみません。束様が‥‥ところで束様。なぜ私も亡命者リストに?」

 

「いやだって!クーちゃんを置いてはいけないじゃん!!この世界に置いていけば人体実験の道具にされちゃうし、これまで私の世話をしてくれたんだから、ここで見捨てられる訳ないでしょう!」

 

「束様‥‥」

 

「あぁ~ちょっとまっていて?協議してくるから」

 

「お願い」します」

 

異世界にも等しい過去の地球からの亡命希望者を司令官とは言え、束一人の一存で決められないので、艦の幹部で協議することにした。

 

 

「というわけらしいんだけど‥‥みんなの意見を聞きたい」

 

アナンケの会議室にて亡命希望をしている篠ノ之束とクロエの処遇を決める意見交換が行われた。

 

『束‥ということは女尊男卑の原因はこの世界のお前のせいか?』

 

「いや~まぁ‥‥本人はかなり後悔しているみたい。それに世界中からも指名手配されて追われているみたい。もし、捕まれば一生飼い殺しにされるか拷問にかけられてISの秘密を吐かされた後、口封じされる可能性が高い」

 

「確かに強国ならばやりそうだな」

 

月村束の予想に同意するディアーチェ。

 

「あの‥‥」

 

そんな中、恐る恐る手をあげて意見を述べるのは、

 

「ん?どうしたの?明石技師長」

 

アナンケの技術科に所属する明石だ。

 

「なんだ。おったのか、明石。最近、全然見かけなかったからグラナダに残ってるものだと思ったぞ」

 

「ひどいですよ!ずっと工作室にいました!」

 

(それって引きこもっていたんじゃあ‥‥)

 

明石の返答に心の中で突っ伏むギンガ。

 

「で、なんだ?」

 

「まったく、はい私としては亡命受け入れには賛成です。ISは兵器としては欠陥品でしょうが作業用に運用すればジャブロー基地計画ももっと早く進められますし兵器用に改修すれば艦載機問題や空間騎兵隊の戦力増強につなげられます!」

 

「なるほど‥‥ディアーチェの意見は?」

 

「ああ、我らが帰れるかの見通しが今のところ立っていないのは事実だが亡命は受け入れるほかなかろう。しかしひとつ問題がある」

 

「へ?」

 

「お前との呼び方の区別ができんことだ!!片方を呼ぼうとしたら両方が反応してしまうのではややこしいし何より本部の人事部がパニックに陥りかねん!!」

 

「「「「「「ああ~確かに」」」」」」

 

容姿も名前も同じでは先ほどのディアーチェ同様、『束』と呼べば二人の束が反応してしまう。

 

「まぁ、呼び方はおいおい決めるとして、亡命受け入れは全員が賛成ってことかな?」

 

呼び方に関しては最悪、名前ではなく名字で呼べば良い。

 

篠ノ之束とクロエの両名の亡命は概ね賛成みたいだ。

 

『CICの千冬だ。束、こっちの束をそちらに入れてもいいか?』

 

「ああ、いいよ。あっ、ただしISの提供は確約させてね?」

 

『大丈夫だ。というか本人が『白騎士』というISを手土産にしていいと言ってきたからな』

 

「「「「「「えっ?」」」」」」

 

『あと一つお願いがあるそうだ。』

 

「ん?なにかな?」

 

『今度、IS学園という専門学校の行事の一つに臨海学校があるみたいなのだが、それに束と一部の乗員に着いてきてもらいたいらしい』

 

「‥‥はぁ?」

 

篠ノ之束のISの提供については亡命の最低限の条件だが、何故IS専門の学校行事についていなかなければならないのか困惑する月村束だった。

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
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