ワームホールに吸い込まれて、ISと言うパワードスーツが存在する約180年前の平行世界である地球へやってきたアナンケ。
亡命希望者である篠ノ之束の頼みでISを専門に扱う高等学校、IS学園の行事の一つである臨海学校へ同行することになったが、その臨海学校までこの世界にとどまることになったが、この世界へ来ることになったきっかけであるワームホールはまだ観測されていない。
この世界に来た当初、乗員たちが不安がらないかと思いガス抜きを含めて南の島でのバカンスとなった。
女性乗員たちにとっての興味の対象はやはり、ISだった。
島にあったISの試乗により、大気圏での使用に限られるがISはそこそこ女性乗員たちには人気があった。
アナンケの女性乗員たちがISに興味を抱いたように篠ノ之束の方はアナンケのエンジン、搭載されている航空機に興味津々だった。
「流石、未来の技術‥今の私には構造がまったくわからない」
さすがの天才である篠ノ之束も未来の技術を一目見ただけでは波動エンジンの構造や仕組みは分からなかった。
しかし、篠ノ之束は分からないにもかかわらず悔しそうな様子はなくむしろこれから厄介になる平行世界の180年後の未来の地球で更なる技術との出会いに期待に胸を膨らませていた。
「まぁ、実際に波動エンジンも純地球の技術じゃなくて他の星からの技術提供だったんだけどね」
「他の星?」
「まぁ、詳しい話は追々にね」
篠ノ之束が歴史に興味を示すかは分からないが、月村束は波動エンジンが地球へ齎された経緯を追々教えると言う。
しかし、いくら波動エンジンがイスカンダルからの技術提供であってもそれ以前のエンジンでも地球から冥王星までいける技術は2022年代の地球から見ても十分にオーバーテクノロジーである。
「それで、臨海学校で初日にこの世界の箒ちゃんに専用機を渡して帰るの?」
「いや、確か初日は学園から臨海学校の会場の宿まで行って、自由時間でISの実習があるのは二日目だから、その時に渡すつもり。こっそり渡すと箒ちゃんにあらぬ疑いをかけられるかもしれないしね」
「あらぬ疑い?」
「なんか、世界中で今、IS専門の窃盗‥‥しかも量産機じゃなくて専用機を強奪する事件が頻発していてね。箒ちゃんはただの高校生だけど、一応私の妹だしね。変な疑いをかけて箒ちゃんから専用機を取り上げようと考える輩がいないとは限らないじゃない?」
「まぁ、確かに」
「だから、実習が始まる前、IS学園の教師であるこの世界のちーちゃんの目の前で渡せば、箒ちゃんに変な疑いがかからないじゃない?」
「なるほど」
てっきり、臨海学校の初日に渡してさっさと帰るのかと思いきや、二日目にあるISの実習でこの世界の箒の専用機のお披露目をするとして、その理由を話す篠ノ之束。
その理由に納得する月村束。
そして、IS学園臨海学校の初日の朝、
「出航用意」
「出航用意」
篠ノ之束の秘密研究所がある島ではアナンケが出航準備を始める。
船体をカムフラージュするために張られていた偽装ネットは取り外されアナンケの船体が露になる。
アナンケの艦橋には二人の束が居ると言う奇妙な光景があった。
「微速前進0.5」
「微速前進0.5」
アナンケの波動エンジンが唸りをあげ船体はゆっくりと進んでいく。
「波動エンジン内、エネルギー注入」
「速度、第二船速へ‥‥」
湾内の水路を抜け、一路太平洋の海原へと出るアナンケ。
アナンケが島からある程度離れた時、篠ノ之束は手に握っていたリモコンのスイッチを押す。
すると、島の方から轟音がした。
篠ノ之束は島を出る際、研究所に大量の爆薬を仕掛けていた。
このままもう一人の束と行動を共にして彼女の時代の地球へ亡命をするのだから、あの研究所には二度と戻ることはない。
だが、万が一にもあの研究所がどこかの国の連中にでも発見されれば当然調査をされる。
そして、ただでさえ世界のバランスが崩れかけている現状を更に悪化させてしまうかもしれない。
必要なモノは全て持ってきてコンピューター内のデータは消去したが、それでもいつかは復元される可能性も捨てきれない。
ならば、復元出来ないように爆薬を使用して物理的に跡形もなく吹き飛ばすしか手はない。
長い間、自分を匿ってくれた島との別れに篠ノ之束はちょっぴり寂しさを感じた。
研究所の破壊を確認した後、
「潜水行動に入る。気密チェック」
「気密チェック完了」
「波動エンジン異常なし」
「酸素供給装置、異常なし。順調に稼働中」
「潜水開始」
各部署からあがる『異常なし』の報告を受け、月村束は潜行を命じる。
「潜水開始」
そして、海上を航行していたアナンケはその姿を水中へと沈めていく。
防衛軍の宇宙艦艇は、宇宙空間はもちろんのこと、大気圏内の空中、海上、そして海中でも航行と戦闘が可能であった。
流石に空中、海上を航行すれば他国の船舶や航空機にアナンケの姿を見られてしまう。
しかし海中でならば、船舶、航空機にアナンケの姿を見られることはなく、潜水艦に関しても向こうが発見する前にアナンケの方が先に発見できるので容易に回避することが出来る。
アナンケはこのまま海中を潜行しながら日本のIS学園が臨海学校を行っている海辺の町の近くまで向かった。
アナンケが臨海学校の会場である海辺の町へ向かっている中、IS学園の新入生たちも同じく臨海学校の会場の町へと向かっていた。
「「「海だ~!」」」
送迎バスの車窓からは見えるのはどこまでも広がる青い海原。
新入生たちのテンションは最高潮に達していた。
宿泊する旅館の従業員への挨拶と事前に決められた部屋に荷物を置くと旅館の目の前の海辺に集まり海水浴を楽しむ。
「今、11時でーす!夕方までは自由行動、夕食に遅れないように旅館に戻る事!良いですねー!」
旅館の食事の時間が決まっているので、決められた時間内には、旅館へ戻る様にIS学園の教師である山田真耶は生徒たちに伝える。
「「「は~い!!!」」」
スクール水着ではなく、各々で購入した水着に着替えた学生たちは海に入りはしゃぎ始める。
この世界の箒の幼馴染であり、世界で唯一男性でありながらISを動かした織斑一夏は同級生でイギリスの国家代表候補生のセシリア・オルコットにサンオイルを塗ってくれと頼まれ、彼女の頼みをきいてセシリアの身体にサンオイルを塗ってあげると、それに嫉妬したのか一夏のもう一人の幼馴染で中国の国家代表候補生である凰鈴音が一夏に代わってセシリアの身体にサンオイルを塗るがその際にセシリアのポロリを見てしまうラッキースケベかと思いきや、彼女から強烈な一撃を貰う。
その他に鈴と競泳をすると、鈴が泳いでいる最中足がつると言うハプニングが起こった。
ドイツの国家代表候補生のラウラ・ボーデヴィッヒは臨海学校前に寮の同室でフランス国家代表候補生のシャルロット・デュノアと共に購入した水着を一夏に見せるのが恥ずかしいとバスタオルで身体をグルグル巻き、まるでミイラみたいな姿で一夏の前に姿を見せる。
そして身体に巻いていたバスタオルを取り、一夏に水着姿を見せたラウラ。
彼からよく似合うと言われ、まんざらでもない様子だった。
その後はこの世界の千冬を含め、ビーチバレーに興じ海での自由時間を楽しんだ。
それから数時間後‥‥
太陽が水平線へと沈みかけ、間もなく、旅館へ戻らなければならないと言う時間に、箒は一人、崖の上から夕陽を見ていた。
「こんな所に居たのか?何をしている?」
そんな箒に織斑先生が後ろから声をかけて来た。
「あっ、千冬‥織斑先生」
「心此処に有らずと言う様子だな?何か心配事でもあるのか?」
「それは‥‥」
「束の事か?」
「っ!?」
確信をつかれ、ドキッとする箒。
「先日、連絡をとってみた…ラウラのVTシステムの一件に関して奴は無関係だと言っていた」
臨海学校前、IS学園で行われたタッグトーナメントにて、ラウラの専用機、シュヴァルツェア・レーゲンにはISに関する条約で禁止されている『VTシステム』が本人の知らぬ間に搭載されていた。
VTシステム‥‥正式名称はヴァルキリー・トレース・システムと言い、ISの世界大会であるモンド・グロッソの過去における優勝者の動きをトレースするシステムであり、スポーツ競技のルールに照らし合わせてみると、ドーピング行為に匹敵するシステムなので、研究・開発・使用全てが禁止されている。
だが、シュヴァルツェア・レーゲンには搭乗者であるラウラの精神状態と意志、一定以上の機体のダメージレベルが揃った時に起動するよう設定されていた。
一応、この騒動に関しては一夏の活躍や周囲のサポートによって終息した。
騒動前、ラウラは一夏を千冬のお荷物だと思い毛嫌いしていたが、この騒動以降、ラウラが一夏に対して特別な感情を抱き始めたのは言うまでもない。
「明日は姿を見せるかもしれんな…アイツ…」
「はい…」
千冬の葉に頷く箒。
彼女の脳裏には、最後に連絡をとった時の姉の言葉が蘇った。
(勿論用意してあるよ。白に並び立つ紅‥その名も『紅椿』)
(臨海学校の二日目‥7月7日に持って行くよ)
千冬の言う通り、明日姉である篠ノ之束が自分の前に姿を現すと言う確証が箒にはあった。
あと2~3話とのことなのでお付き合いください。
IS世界後は完全にオリジナルになってきます。
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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エルトリア組
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様