バルゼー艦隊を地球艦隊が撃ち破った直後にヤマト艦隊後方に展開していた戦艦<ユリシーズ>から緊急連絡が来た。それは白色彗星がワープアウトしてきたのだ!
戦艦<アナンケ>艦橋
「な、なんだ!?この振動はっ!?」
「い、一体何がワープアウトしたの!?」
「わ、ワープアウトしたのは‥‥は、白色彗星です!速度、40宇宙ノットで此方に接近してきます!!」
「っ!?」
ワープアウト‥‥。
白色彗星が消えたのは観測ミスではなく、ワープした事によるものだった。
迂闊だった‥‥。
彗星状の星間国家だから、移動も常に彗星の様にしか動けないだろうと思い込んでいた。
しかし、ワープ機関を有する艦船を保有している移動型の星間国家なのだから、その本体にもワープ機関が備わっていても何らおかしくは無かった。
幸い内惑星系艦隊や<アンドロメダ>を始めとする第一戦隊は白色彗星のワープアウト地点から離れていたが、運なく白色彗星に吸い込まれていく艦も少なくなかった。
「あ、ああ、ヤマトと空母部隊が‥‥」
艦橋に知床の悲鳴があがる。
「ヤマトと空母部隊、第232水雷戦隊が白色彗星に飲み込まれます!!」
「何!?」
ハッとした束が仰ぎ見たメインモニターには、
白色彗星に飲み込まれていく、飛龍以下の全ての戦闘空母とヤマト、巡洋艦、インディアナポリス以下の第232水雷戦隊の艦艇が映った。
「飛龍と蒼龍が‥‥!!」
「インディアナポリスも!!」
朝田とギンガが息を飲みながら吸い込まれていく艦艇を見る。
(くそっ‥‥!)
束は歯を食い縛り、拳を握り締めて激しい憤怒を堪えながら彼らの冥福を祈ることしかできなかった。
宇宙戦艦<ヤマト>第一艦橋
「一体何があったんだ!?」
古代が第一艦橋に戻ると、
メインパネルには白色彗星が映っていた。
「は‥‥白色彗星が‥‥!!」
「っ!?白色彗星が‥‥こんな距離に‥‥!!」
太田が、顔面白色になりながら、古代に事態を説明しようとしたが、余りの驚愕に上手く説明できなかった。
古代自身も何故白色彗星がこんな所にいるのか分からなかった。
「突然‥‥突然現れたんです‥‥!!」
太田に代わり、南部が、白色彗星がこの至近距離に現れた事を古代に説明する。
しかし、彼の声は突然の事態に声が震えている。
「‥‥ワープアウト‥‥白色彗星が消えたのは・‥‥こういう事だったのか!!」
ここに来て、古代も白色彗星が消えた原因が分かった。
「島!!舵を戻せ、艦位を維持するんだ!!このままでは、白色彗星に引きずり込まれるぞ!!」
古代が島に何としても白色彗星から少しでも離れろと指示を出す。
「あ、ああ‥‥機関長!!エネルギー増幅!!」
「機関室!!エネルギー増幅!!オーバーブーストが焼き付いても構わん!!」
島と徳川もヤマトを脱出させようと、奮闘する。
そこに、白色彗星の重力波に捕まった巡洋艦<インディアナポリス>が<ヤマト>の左舷に衝突。
この衝突により、ヤマトは左舷に破口が生じ、火煙を噴き上げながら艦列から脱落していった。
だが、インディアナポリスとの衝突により、ヤマトは何とか白色彗星の重力波から脱出できたが、空母部隊とインディアナポリス以下の第232水雷戦隊の艦艇は全て白色彗星に飲み込まれた。
そしてそのヤマトの方はと言うと‥‥
「機関長、エンジンがやられました!!‥‥機関長‥‥!!‥‥うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
機関室からは機関員の悲鳴がこだました。
「いかん!!波動エンジンが‥‥!!」
機関員の断末魔を聞き、波動エンジンに大規模な損傷を受けたと判断した徳川はエンジンの状況を確認する為、第一艦橋から機関室へと降りた。
「機関長、俺も行く!!」
真田も徳川の後を追った。
「島!!船をキープしろ!!」
古代は何とかヤマトの姿勢を制御しようと、島に現状を保たせようと指示を出すが、
「駄目だ!!操舵不能!!」
島は懸命に舵を操作するが、ヤマトは全く言う事をきかない。
更に、ヤマトの損傷は機関だけでなく、
「通信設備も大破!!友軍艦と連絡がとれません!!」
通信機を操作していた相原がヤマトの通信設備が使用不能に陥った事を報告する。
「こんな時に‥‥くそっ!!急いで修理を!!何としてでも友軍と連絡をつけたい!!」
「は、はい!!」
白色彗星のワープアウト時に発生した巨大な衝撃波の影響を受け、通信アンテナも損傷した。
相原は身に着けていたインカムを取り外し、早速、備え付けの修理道具を手にして通信機の応急修理に取り掛かった。
その間にもヤマトは手負いのまま宇宙の彼方へと落ちて行った。
宇宙戦艦<アナンケ>艦橋
「ヤマト、戦列を離脱していきます!!」
「っ!?通信長、ヤマトに繋げ、ヤマトの相原通信長を呼び出すんだ!」
「は、はい!!」
何とか、白色彗星の重力圏から逃れたヤマトであったが、戦列に復帰することなく、落伍していったヤマト‥‥あのヤマトが損傷するや否や落伍していったのだ。
ただならぬ事態が発生したとしか考えられない。
「ヤマト!!応答してください!!ヤマト!!此方、戦艦 アナンケ!!ヤマト、応答してください!!」
ギンガは何度もヤマトに通信を送ったが応答は無く、ヤマトの状況がわかるまでには、今しばらくの時間が必要だった。
そこへ、アンドロメダから集結指示を受け、地球防衛軍の波動砲搭載艦は波動砲戦フォーメーションを取るように指示が下された。
しかし生憎土星沖に集結していた内惑星系艦隊各艦は波動砲を搭載していなかったため、このフォーメーションの後方に展開する形で参列したのだが、
(まずいなぁ‥‥もし、波動砲が白色彗星に効かなかった場合、この陣形じゃあ逃げ道が限定されるんじゃないかな?‥‥左右の端は兎も角、中央に位置する艦は白色彗星に飲み込まれる可能性が‥‥)
束はこの隊形に問題があるのではないかと思うが、白色彗星本体の対策を考える前に彗星本体がこうしてきてしまったのだから、対策を考える暇が無かったのだろう。
土方もまさか、彗星がワープしてくるとは予想もしていなかったのだから‥‥。
艦橋員も皆顔を強張らせ、緊張した面持ちである。
真正面から対峙する白色彗星はあまりにも巨大で白く、禍々しい光を放っていた。
「・・・・ちーちゃん。光粒子攪乱剤挿入の対艦魚雷はどのくらい残ってる?」
『ん?残留艦隊全艦ともに全弾残っているが?』
「一応各艦に即時斉射できるようにさせておいて」
『・・・わかった』
「おい束、まさかとは思うが・・」
「うん。なにか嫌な予感がする」
地球防衛軍の波動砲搭載艦は上下の二段横列隊形をとり、波動砲のチャージを行う。
その間にも白色彗星は地球艦隊へと近づいてくる。
宇宙戦艦<ヤマト>第一艦橋
戦列から落伍したヤマトは、レーダーは何とか無事だったようで、地球艦隊の様子をキャッチする事は出来た。
「地球連合艦隊が白色彗星に総攻撃を開始するもようです!!」
雪が地球艦隊の動きを報告すると、
「なんだって!?」
古代は声をあげる。
先程まで、彗星帝国の侵攻艦隊本隊と戦って、間髪入れずに白色彗星本体と戦う事となったのだ。
補給を取る暇もなく、連戦で大丈夫なのかと言う懸念があった。
「雪、パネルにまわしてくれ!!」
「了解!!」
ヤマトのメインモニターには、接近して来る白色彗星に対して二段横列に隊形を組み、波動砲を撃ち込もうとする地球艦隊の姿が映し出されていた。
地球防衛軍 連合艦隊 旗艦<アンドロメダ>艦橋
「波動砲チャージ開始、総員、対ショック・対閃光防御!」
照準やエネルギー拡散点の調整はアンドロメダの中央コンピューターがやってくれる。
あとはアンドロメダからのカウントダウンに応じて全艦が波動砲のトリガーを一斉に引けば良いのだ。
いくら相手が侵略者とはいえ、人間がコンピューターの指示に従って大量破壊や殺戮をするなんて何とも皮肉だ。
まるで、機械が人間を操っている様だ。
土方は内心そう思いつつ、波動砲の発射準備を進める。
「発射10秒前、9‥8‥7‥6‥5‥4‥3‥2‥1‥‥」
接近してくる白色彗星の光が強くなっていく中、カウントダウンの声が響く。
「‥0‥全艦、拡散波動砲発射ッ!!」
敵艦隊との戦闘や白色彗星の突然のワープアウトと言うアクシデントで少なからぬ犠牲を被った地球艦隊だが、波動砲搭載艦はまだ多数が健在であった。
それらの艦から波動砲が一斉に放たれた。
辺りは波動砲の発射による閃光と波動砲が白色彗星に着弾した閃光でゴーグルを掛けていても目を細めるくらい眩しかった。
やがて眩い閃光が収まると、そこには薄らとガス帯を纏った白色彗星があった。
「まったく効いていない‥‥」
「バカな‥‥」
「あれだけの数の波動砲だぞ‥‥」
アンドロメダの副長を始め、乗組員たちの誰もが驚愕した声で言う。
アンドロメダをはじめとする戦艦、その戦艦を改良した戦闘空母はあのヤマトの波動砲よりも強力な増幅装置を搭載している。
そのヤマトの波動砲よりも強力で、尚且つ多数の波動砲を食らっても消滅しなかったのだから、十分驚愕に値する事実だ。
土方も顔を引き攣らせている。
しかし、相手も全くの無傷と言う訳では無く、白色彗星を構成している白色のガス帯が消え去るとそこからラ○ュタの様な姿をした要塞都市が現れた。
「これが、白色彗星の正体か‥‥」
土方が‥‥いや、地球人類が初めて見た白色彗星の正体を見て、誰もが唖然とする。
ゴクっと土方が生唾を飲み込むと、
「全艦砲撃開始!エネルギーが尽きるまで、怒りを込めて撃ち尽くせ!」
土方司令の号令下、地球艦隊は都市帝国に向けて苛烈な砲雷撃戦を挑んだ。
地球艦隊は都市帝国に向けて砲雷撃戦を挑むと、要塞都市は都市部と下部の中間地点にあるシリンダーの様な物を回転させ始めた。
するとそのシリンダーの上部から白色彗星周りを纏っていたガス帯と同じようなガスを噴射しだした。
地球艦隊の艦艇は上部にある都市部へと攻撃を行うが、そのガスバリアーのせいで砲撃もミサイルも全て無効にされてしまった。
そして、回転装甲帯からは大型ミサイルと大口径エネルギー砲を撃って来た。
大口径砲は戦艦をも一撃で轟沈させ、飛んで来るミサイルの中にはクラスター弾みたいな物を射出する物まであって、艦体をボロボロにされ爆沈する艦が続出した。
「各艦、全力で回避運動!!チャフもあったら撒きまくって!!」
「被弾艦は直ちに避難させよ!!」
束とディアーチェは味方艦隊の被害を最小限にとどめるべく奮戦していた。
「戦艦長門及び戦艦陸奥大破!戦線を離れます!!」
「タイタン中破!ティアンム司令官も負傷されました!!」
「タイタンを今すぐに撤退させよ!!」
「巡洋艦ジャンヌダルク・ヴァリャーグ・北上・大井大破炎上中!!離脱していきます!」
「く!!」
「司令!アンドロメダが!!」
「!」
地球防衛軍 連合艦隊 旗艦<アンドロメダ>艦橋
艦隊旗艦、アンドロメダは一番先頭で攻撃を行っていた為、アナンケ よりもダメージは深刻で左右の両舷に多数のミサイル攻撃をくらい、艦橋にも二発被弾し、もはや艦の制御すらままならない状況となっていた。
特に艦橋への攻撃が致命的で、航海長、副長、砲雷長がその攻撃により、死傷した。
アンドロメダがここまでのダメージを受けながらも攻撃した都市帝国は、ガスバリアーにより無傷だった。
艦橋要員に多数の死傷者を出し、エネルギーも残り僅かなアンドロメダに勝機はなくなった。
しかも、運が悪いことに、航行用システムにも異常が生じ、艦の制御が行えず、真っ直ぐ要塞都市へと向かっていく
そんな中でも土方は、絶望やパニックを起こすことなく、冷静に戦力分析をし、その結果を通信で送った。
「そうか!!‥‥ヤマト、アナンケ!!生きていたら聞いてくれ!!彗星帝国を攻めるのはあの下の部分だった。我々はあの都市に目を奪われ過ぎていた‥‥」
土方の通信は感度が悪いながらもヤマトに届いた。
しかし、肝心の彗星帝国を攻める部分については届いていなかった。
「ヤマト・・・・アナンケ・・・・我々は負けた・・・・だが、古代、月村、お前たちは・・・・死ぬな・・・・・生きて・・・・生きて・・・・・最後まで・・・・・戦え!・・・・・・・」
土方の最後の通信を古代は真田と徳川に肩を支えられながら聞いていた。
「地球の未来は君たちの肩にかかっているのだ!!月村、古代・・・・地球を・・・・地球を・・・・頼む・・・・諸君らと共に戦えたことを誇りに・・・・・・・・・・」
『待ってください!!土方教官!!まだ生きていただけないと地球艦隊が崩壊してしまいます!!』
「しかし、束。もうアンドロメダは限界だ、どうにもならん」
『大丈夫ですよ。アナンケ級の中で一隻だけ無事な艦がいますから!!』
戦艦<アナンケ>艦橋
「戦艦フェーベに緊急連絡!!アンドロメダを曳航させて!!残存艦に光粒子攪乱弾もばらまかせろ!!アンドロメダは地球艦隊の象徴だし土方提督を救出しないとあの世で沖田提督にもう一回殺されるよ!!」
「「「「はい!!」」」」
戦艦<フェーベ>
「束司令官から緊急命令!!アンドロメダを曳航して撤退せよと!!」
「了解!!ロケットアンカー射出!!アンドロメダを引っ張て行くぞ!!」
『アイサー-!!』
そうして内惑星系艦隊残存部隊各艦から光粒子攪乱剤搭載の魚雷の支援を受けたフェーベはアンドロメダを曳航して、カリストに撤退していった。
戦艦<アナンケ>
「ふ、フェーベ。アンドロメダの曳航に成功しました!!」
「よし!生存している各艦に撤退命令!!」
そうしてアナンケ旗下の内惑星系艦隊残存艦艇と主力艦隊生存艦はカリストに向けて撤退していった。
次回 政府降伏、しかし内惑星系艦隊はあきらめない
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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エルトリア組
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様