昴のクラスにドイツから転校してきたリンネのいじめ問題が解決し、二人の仲はグッと深まったが、いじめの最中にいじめっ子たちの手により引きちぎられてしまったリンネのリボンを新たに買いに行くため、休日のある日に二人は市街地へと出かけた。
メインはリンネの新しいリボンの購入であるが、折角の休みの日にこうして二人で出かけたのでリボン以外にもアクセサリーや服屋を見たりゲームセンターに行ったりと休日を満喫した。
午前中に時間を忘れてショッピングやゲームセンターでゲームを楽しんだ二人は時刻が昼時なのに気づく。
「もうお昼だね」
「そうだね」
「何か食べたいのある?」
昴がリンネにお昼ご飯で何か食べたい料理があるかを訊ねる。
「うーん‥‥私は特に‥‥昴は?」
「私はラーメン食べたい。あっ、リンネはラーメン食べたことある?」
昴はドイツ人のリンネにラーメン経験があるかを訊ねる。
ドイツに来た時、日本に来てから外国人であるリンネがラーメンを食べたことがあるか昴はまだ知らなかったからだ。
「写真とかで見たことはありますが、実際に食べたことはまだ‥‥」
どうやらリンネはドイツに居た時も日本に来た後もラーメンを食べたことが無いみたいだ。
「じゃあ、いい機会だし今日はリンネのラーメン初体験日にしよう!!」
昴はリンネをラーメン屋へと誘った。
実際に昴自身が、ラーメンスイッチが入ってしまったみたいで今日のお昼は断然ラーメンと決めたみたいだった。
とある男性side
俺の名前は小田島五郎。
とある会社のしがない中間管理職だ。
趣味はラーメン屋巡り。
今日は家の近くにあるラーメン屋に足を運んだ。
「らっしゃい。お好きな席にどうぞ」
不愛想な店主であるが、彼のラーメン作りの腕は確かなモノだ。
俺はカウンターの一席に腰を下ろす。
「お冷どうぞ。ご注文は?」
俺の注文の品は勿論一番人気の豚骨‥‥などではない。
狙いは店の隅にひっそりと貼られた‥‥
「醤油とんこつ‥‥薄め」
「麺の硬さは?」
「硬めで」
硬めの麺に醤油とんこつを薄めにしたスープ‥‥これこそがこの店の最高の逸品だ。
これを注文できるのはラーメンの事を理解しているごく一部の奴しか居ない!!
カララ.‥‥
男性がラーメンを注文してラーメンを待っていると、店に新たな来店者が訪れた。
「らっしゃい‥‥」
「わぁ~いい匂い~」
「こ、これがラーメン屋さん‥‥」
(おやおや、若くて可愛いお客さんたちだ)
(ケーキ屋さんと間違えて入ったんじゃないか?)
今、ラーメン屋に来店してきたのは昴とリンネの二人だった。
「ご注文は?」
店主は二人にお冷を出しながら注文を訊ねる。
「えっと‥‥」
当然、今回ラーメンである初体験のリンネは戸惑ってしまう。
しかし、ラーメンを食べ慣れている昴は、
「リンネ、このお店のお勧めは醤油とんこつで薄めのスープが美味しんだよ!!」
と、リンネにこのお店のお勧めのラーメンを教える。
「じゃ、じゃあ‥それで‥‥」
「すみません!!醤油とんこつ薄めで二つ下さい!!」
ラーメン初体験と言う事でリンネは昴に注文を任せた。
「っ!?」
昴の注文を聞き、男性はドキッとする。
(ば、馬鹿な!!この店における最適解をこんな小娘が弾き出しただと!?)
(偶然か!?)
(いやしかし考えてみればこの店は若者が沢山入るような店構えではない)
(ま、まさかあのお嬢ちゃんは‥‥喰える「こっち」側の人間なのか!?)
「麺の硬さは?」
次に店主は昴たちにラーメンの麺の硬さを訊ねる。
「め、麵の硬さ?」
リンネはラーメンの麺の硬さも選ぶのかとまた戸惑う。
「バリカタでお願いします!」
「ば、バリカタ?」
昴の注文した『バリカタ』と言う麵の硬さにリンネは首を傾げる。
「とても硬い麺の事だよ」
「硬い麺‥‥」
リンネがこれまで食べた麵と言えば、パスタやケーゼシュペッツレと言ったヨーロッパ特有の麵料理で、ケーゼシュペッツレは結構柔らかめの麵料理なので、硬い麵と昴に言われ、想像しにくかった。
(バリカタだと?‥‥フッ、そんな流行りに乗ったお遊戯用の硬さを選ぶとは‥‥所詮子供は子供か‥‥とんだ杞憂‥いや買いかぶりだったか)
男性は昴が注文したラーメンのスープには驚いたが、麵の硬さを聞いて呆れる。
(さっきの注文もただのビギナーズラック‥‥子供たちに向けられた女神の気まぐれな微笑み!)
「へい、おまちど~」
男性が注文したラーメンが届く。
(仕方ねぇ。お嬢ちゃんたちに本当のラーメンの喰い方ってのを教えてやる)
(まず香り‥スープ元来の香りを探る。香りの強い紅生姜の対角線から順に香りを楽しむのがセオリーだ)
男性は注文したラーメンを食べす、ますは丼を手に持ちラーメンの匂いを嗅ぐ。
(無論店長もそれは重々理解しているからだろう。紅生姜を1番遠くにして差し出してくれた店長の気配りが嬉しい。こういった細かい部分が本物たる所以か‥‥)
ラーメンの匂いを堪能し、
ズズズ‥‥
次に男性はレンゲでラーメンのスープを一口啜り、舌の上でスープをじっくりと味わう。
(空気と混ぜながらテイスティング。脳を上から使っていくつもりで嗅覚・味覚を研ぎ澄ます)
(そして麺だ。少量を確かめる程度に噛み、喉で楽しむ)
そして、男性はラーメンのメインとも言える麺を割り箸で摘み食べる。
(最後に水「チェイサー」繊細な味わいを楽しむために舌の上に残った油分と塩分を水で流しリセット。単純な工程だがこれをする、しないで雲泥の差)
最後はお冷の水で口の中にある油分を流す。
(これでワンセットこれを繰り返すことを我々は「水廻し」と呼んでいる)
「おまちど~」
男性がラーメンを食べるルーティーンを終えた時、昴とリンネが注文したラーメンが届いた。
(さて、あの二人はどうやって攻略する?)
男性は昴とリンネがどんな方法でラーメンを食べるかチラッと横目で窺う。
「これが‥‥本物のラーメン‥‥」
リンネの前には写真ではなく本物のラーメン。
湯気が立ち、豚骨と醬油がミックスしたラーメン独特の匂いがする。
「はい、リンネ」
昴はリンネに割り箸を渡す。
「ど、どうも」
「じゃあ、食べようか?」
「う、うん‥でも、昴‥これ、どうやって食べれば‥‥」
やはり、ラーメン初体験のリンネはラーメンの食べ方に困惑している。
「じゃあ、ちょっと待ってね‥‥」
すると、昴は割り箸とレンゲを器用に使って‥‥
「はい、リンネ。あーん」
昴がリンネに差し出したレンゲの中には麵とスープの他に各種の具が小さい状態‥‥まるでミニチュアのラーメンが再現されたかのように入っていた。
(ミニラーメンだと!?)
(やはりただの子供!ちまちまと面倒なことは恥ずかしくて大人にはできない。子供の特権だな)
(しかし、一概に馬鹿に出来ないんだがな。ラーメンを食すという概念上一口で全てを食せるミニラーメンは1であり全。究極の形でもある…)
(だが前提が間違っている。そんなちまちま食っていたら麺は伸びてふやけ‥‥ん?ふやける‥‥?)
(はっ!だからこそのバリカタか!?)
(予めバリカタで注文しちまちまとミニラーメンを作っているうちに麺の硬さはベストな状態へと達する‥‥)
(ま、まさか、このお嬢ちゃんそこまで計算して!?)
(思えば博多ラーメンはきくらげ、ネギ、紅生姜と細かく切られた食材を多く用いる!最もミニラーメンしやすいジャンルでもある!)
(ば、バカな!?これが全て計算だとしたら高円寺のJ鈴木並の状況判断センスの持ち主ということになる!?)
男性は昴の行動に自身のラーメンを食べるくらい驚愕している。
「どう?リンネ。ラーメンの味は?」
そんな男性の心理など知る由もなく、昴はリンネに初めてのラーメンの感想を訊ねる。
「美味しいです。硬い麺と聞きましたが、スープと一緒に食べることでスルスルと喉の中に入っていきます」
初めてのラーメンに嫌悪感を出さず、逆に美味しいと言うリンネ。
その後も二人はレンゲにミニラーメンを作り食べ続ける。
リンネは日本語の読み書き、会話の他に箸の使い方も日本に来る前に練習していたみたいで問題なく。箸を器用に使いレンゲの中にミニラーメンを作り、口へと運んでいた。
(だがまだだ…彼女にはまだ喰う側における最大の壁が待っている‥‥)
(悲しきかなそれは性差‥‥彼女が女であるが故に越えられない壁‥‥)
店主も男性同様、ラーメンに携わる人間として昴が喰う側の人間であることに気づき始め彼女の動向をチラッと見ていた。
((そう、それはニンニク!))
(味の強いニンニク導入を邪道と呼ぶ者も多い‥‥だがそれは二流ラーメンしか食べた事の無い者の哀れな言い分だ。本物のラーメンはニンニクの味に負けず高め合う)
(ラーメンを語る上で切っても切れない絶対的旨味!だが引き換えに翌日まで残る強烈な匂い!それを受け入れることが出来ないのが女という生き物!)
(その匂いから逃げるようでは残念ながら偽物‥‥)
(フェイカーなのだよ‥‥)
男性も店主も女性として独特で匂いが強いニンニクは嫌うモノだと思っていた。
(具を消費しきったみたいだな。どうする!?ミニラーメンはもう使えないぞお嬢ちゃん!)
しかし、二人は昴を見くびっていた。
確かに昴は女性であるがまだ子供‥‥
故に‥‥
「あっ、もう具が無いや‥‥よーし、それなら」
ガリィィィィッッッ!
昴は迷うことなくテーブルの上にあったニンニクを砕いてラーメンの中に入れた。
「す、昴‥その匂いが強いのは‥‥」
「ん?ニンニクだよ。確かに匂いが強いけど、これを入れると更に美味しくなるんだよ」
「そ、そうなの?」
「うん。リンネも試してみなよ」
「う、うん‥それじゃあ‥‥」
昴に習いリンネもニンニクを砕いてラーメンの中に入れた。
(行った―――!こいつ!超えやがった!女の壁を!しかも連れのお嬢ちゃんまで巻き込みやがった!!)
平然とニンニクを入れ、さらにリンネまでニンニクの道へと進ませた昴の行動に驚愕する男性と店主。
(こうなれば認めざるを得ない!敬意を払おう!もうこいつらをお嬢ちゃんと侮ることは無い!こいつらはそれぞれ一人の喰う側!)
((ラーメン喰いだ!!!))
男性と店主が昴とリンネを子供や女ではなく一人のラーメン喰いのプロとして認めた時、
具も麵も食べつくした二人は丼を両手で持つ。
(二人とも丼を持った!まさかスープまで!?)
男性がスープまで飲み干しすのかと思っていると、
ズズズ‥‥
二人は丼の淵に口をつけ、スープを飲みだす。
(馬鹿野郎共止まれ!塩分過多だ!そのスープにはニンニクも残っているんだぞ!?)
心の中で昴とリンネの塩分消費を心配する男性であるが、スープを飲んでいる二人の姿を見て、
(あああ‥‥だが、俺にもあったな。そんな時代が‥‥食い足りなければ替え玉を頼み、塩分も気にせずスープを飲み干す。今では血圧と血糖値を気にして出来やしない‥‥俺は‥‥俺は‥‥俺はどうしておっさんになっちまったんだ‥‥)
二度と戻らない若き学生時代、学友たちと共にラーメンを食べていた青春時代を思い出し、思わず涙が出た。
ぐびぐび‥‥
(そうだ走れ!振り向かなくていい!!その若さは俺が失った輝き!走り抜け!!!)
「「ぷはぁ~」」
完・飲
「「ご馳走様でした!」」
昴とリンネはスープも飲み干し、空になった丼をテーブルに置く。
「すみません。お会計お願いします」
「ま、まいど‥‥」
二人はラーメンの代金を支払いお店を出ようとする。
「君たち‥‥」
すると、お客の一人の男性が二人に声をかけ、グッドサインをだした。
「「?」」
二人は男性の行動に首を傾げたが、一応男性同様グッドサインを返した。
お店を出た二人は、
「あれ?昴にベルリネッタさん」
「あっ、星姉」
「どうも‥‥」
星奈にであった。
「二人ともお昼ご飯を?」
「うん。ここら辺美味しい店が多いし、リンネ、ラーメンを食べたことが無いって言うから誘ったの」
「‥‥」
星奈は昴がリンネにラーメンを誘ったと言う事と、二人が出てきたラーメン屋を見て、
「二人とも‥‥」
「「?」」
「一応、これ‥‥」
そう言って二人にミント系のガムを渡してきた。
「えっ?ガムくれるの?ありがとう星姉」
「あ、ありがとうございます」
(ま、まぁ‥二人はまだ子供ですからね‥‥)
(しかし、ある程度の年齢になったらちゃんとケアの方法も伝えないといけないわね)
何の躊躇なくガムを受け取り口へと放り込む二人を見て、女性とは言えまだ二人は子供なので口臭を気にするのは早いのだろうと思う星奈だった。
実際に昴もリンネも気にしている素振りはない。
その後、休日に出かけた際、ラーメン屋を訪れる二人の姿がちょくちょく目撃されるようになった。
元ネタは「かぐや様は告らせたい」とのことです。
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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エルトリア組
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様