第四十四話 徹底抗戦スベシ!!
白色彗星帝国の都市衛星が主力艦隊を打ち破ってしまったことを報道官がそのまま報道してしまったのは、大勝利を国民に喧伝しようと考えていた政治家たちの思惑であったようだが、今回はそれが完全に裏目に出た。政治家の中にはア・バオア・クー要塞残留艦隊も動員して徹底抗戦すべきであると主張した政治家もいたようだが、市民や降伏派が大多数であったため降伏することになってしまった。しかしまだ彼らはあきらめてはいなかった・・・・
残存連合艦隊がア・バオア・クー要塞残留艦隊に合流すべく強襲揚陸艦<イオージマ>も引き連れて総出撃し、ジャブロー基地にいたはずの出雲がクロエとともにア・バオア・クー要塞に到着していたころ。
デスラー総統との一騎打ちを終えたヤマトは降伏式で地球が彗星帝国の降伏文章に調印する前に、着水、潜航し、コスモタイガーによる空爆と潜航したヤマトの魚雷攻撃による空海同時の直接攻撃をかけるつもりだった。
また、降伏に反対する日本や中国、韓国、台湾、フィリピン等のアジア諸国、ロシアの極東部方面、マリアナ諸島方面に展開している各国の空軍部隊(コスモタイガー隊)の出撃可能機や、海軍の攻撃潜水艦も呼応するとのことだ。
さらには内惑星系艦隊の地上駐留部隊もビッグトレー級・ヘビィ・フォーク級さらに虎の子のジュットランド級戦艦3隻全部を動員して徹底抗戦するつもりであった。
出来れば海上にて決着がつけば良いのだが、そんな簡単な相手ではないだろう。
せめて、あのガスバリア発生装置を破壊できれば御の字だ。
ビッグトレー級陸戦艇
「地球には、まだヤマトや宇宙艦隊以外にもまだ戦う力があることを、侵略者たちに見せてやる!!」
こう考えていたのは防衛軍地上方面軍の面々だけではなかった。
日本や中国、韓国、台湾、フィリピン等のアジア諸国・ロシアの極東部方面・マリアナ諸島方面・ジャブロー基地の地下格納庫には各戦闘攻撃機が並び、空対地ミサイルや対地ロケットポッドの取り付けと最終整備を受けていた。
また、太平洋・日本近海には、日本・アメリカ・ロシア・中国・韓国海軍の攻撃潜水艦が、集結し、最後の補給・調整を行っていた。
これらの艦艇・攻撃機・陸戦艇はヤマトと共に彗星帝国攻撃に参加するための降伏反対派の勇士たちであった。
宇宙艦隊の主力と月基地が壊滅しても、地球上には陸軍・空軍・海軍の部隊がまだ戦力を有していたのだ。
「土方提督!!」
その情報は火星沖にようやく達した連合艦隊の旗艦アナンケにも伝わった。
「な、なるほど」
「し、しかし降伏調印式中に攻撃すれば我々は本当に背水の陣になってしまいます!!」
一部から臆病心から弱腰な声が上がったが土方がこれを一喝し、ア・バオア・クー要塞に連合艦隊は急いだ。
そのころ彗星帝国の要塞都市は地球との降伏文章調印の為、地球の海へと降り立っっていた。
その際、大きな津波が起こり、沿岸の町を大津波が飲み込んだ。
幸い住民は地下都市へと避難済みだったので、無人となった港湾施設や停泊していた無人の船舶の被害だけで済んだ。
「とにかく生き残る事だ‥‥そこから次の出発も始まろう‥‥くれぐれも地球人としての誇りを捨てず、大役を果たしてもらいたい」
海に着水する彗星帝国の要塞都市を見ながら大統領は調印式に参加する藤堂と地球連邦首相に言った。
港には水上艦艇が用意され、調印式に参加する地球連邦政府、軍部高官はその艦船に乗り込んだ。
「出航準備‥整いました」
艦長が藤堂らに準備が出来た事を告げる。
「うむ、出発しよう」
やがて、機関音を奏で艦が動き出した。
「大使が行くぞ‥‥」
「降伏か‥‥」
「もう、これで終わりだ‥‥」
「なんて事だ‥‥」
その光景をモニターで見ている地球市民はどの人も絶望に染まった顔色をしていた。
「そうか、降伏使節が来たか?」
「ハッ、代表は地球連邦政府首相他二名と聞いております」
ゲーニッツは警備艦隊の件についてはザイゼンに任せ、自らは使節団が接近している事をズォーダーに報告した。
「分かった。ゲーニッツ‥客の接待はお前に任せる。敗軍の将だ。よろしくもてなしてやれ」
「心得ております」
たかが辺境の一惑星国家の調印式に国家元首たる自分が参加する程の事でもないと、ズォーダーは降伏調印式についてはゲーニッツに任せた。
その頃、地球へ密かに降下し、雲の中を航行するヤマトはコスモタイガーを発進させた。
そしてヤマト自体は魚雷の準備を行いつつ、使節団の艦に通信を送った。
「何!?ヤマトから入電?読め」
ヤマトからの通信に艦橋内の全員が驚いた。
その通信文は「これより彗星帝国に対し、奇襲攻撃を行う旨、至急戦闘海域より退避されたし」と言うものだった。
「いかん!!もう遅い!!」
首相は慌てて前を見る。
既に都市要塞とは目と鼻の先の距離である。
更に、
「都市帝国上空に友軍機!数、九十機以上!!高度三万五千‥‥北方、南方からも機影多数接近!これは、ヤマト所属機、空自機(日本)、アメリカ空軍・海軍・海兵隊機に、ロシア空軍・中国・フィリピン・台湾・韓国・タイ・ベトナム空軍機、さらには内惑星系艦隊のジャブロー基地防空隊所属のセイバーフィッシュもいます!!」
CICにいたオペレーターが艦橋に報告する。
「海中ソナーにも反応多数!ヤマトの他に、海自(日本)・アメリカ・ロシア・中国・韓国・台湾・ベトナム・フィリピンの攻撃潜水艦が展開しています!!」
「さらに洋上レーダーにも感あり!この反応は・・・ジュットランド級戦艦三・ビッグトレー級陸戦艇一・ヘビィ・フォーク級陸上戦艦二です!!」
「長官、攻撃を中止させたまえ!!」
都市帝国周辺に次々と集結してくる戦闘機に戦闘艦艇‥‥。
彼らがこの後、何をするのかは目に見えている。
だからこそ、首相は防衛軍の長官である藤堂に攻撃中止命令を打電するように言う。
「無駄です」
しかし、藤堂は首相の頼みを断った。
「何!?」
「覚悟の行動でしょう。説得に応じるとは思えません」
「バカな!!我々が敢えて降伏の道を選んだのを忘れたのか!?」
「艦を反転せよ!!」
「長官!!」
「やらせてやってください。これが最後の‥‥賭けなんです」
藤堂もやはり降伏には反対であり、ヤマトを含む、地球軍軍人の奮闘に期待した。
ヤマトは通信文を発進後、海中へと潜った。
その海域には事前の打ち合わせ通り、既に各国の潜水艦隊が集まっていた。
空では各国のコスモタイガー隊の艦載機が合流、雲の中で何時でも急降下爆撃の体制をとれるようにしていた。
蒼く澄んだ大空を三十数機のコスモタイガーが飛行している。
「こちらコスモタイガー隊、加藤。只今高度三万五千」
ヤマトのコスモタイガー隊隊長の加藤がヤマトに現状を報告した時、雲の切れ間から友軍のコスモタイガーが多数飛来した。
「おい、加藤。アメリカやロシア、韓国に中国、日本のコスモタイガーだぞ」
副隊長の山本が味方識別を確認する。
「恐らくは降伏に反対する奴らだろうな」
「お、あれはジャブロー基地防空戦隊のセイバーフィッシュ。あんな骨董品まで引っ張り出してきたのかよ」
その時、航空機から通信がきた。
どうやら当たりであり、ヤマトの攻撃隊と同行したいとの事だった。
加藤は幸先がいいと思いながら同行を受け入れた。
「こちらコスモタイガー隊、加藤。これより急降下による都市帝国のてっぺんを攻撃する!!行くぞ!!」
加藤は叫んで、操縦桿を倒して急降下に入った。
「コスモタイガー及びセイバーフィッシュ、都市帝国頂上部より攻撃を開始せよ!!」
ヤマトから攻撃命令が下り、コスモタイガー・セイバーフィッシュは急降下爆撃を開始した。
そして時を同じくしてビッグトレー級一番艇<ビッグトレー>から全周波数帯に通信が放たれた。その内容は、
『我、決戦の火ぶたを切り、勝利への号砲となす!!』
コスモタイガー隊とセイバーフィッシュ隊は搭載していたミサイルや爆弾・ロケットポットで都市帝国のビル群を爆撃する。
ズォーダーを始めとして、彗星帝国幕僚達はモニターを介してその様子を見ていた。
「大帝、上空より地球側の攻撃が始まりました」
「うむ」
ズォーダーも地球側の奇襲攻撃に顔をしかめる。
「降伏を翻すとは何という恥知らずな地球人め!!」
サーベラーは怒りで顔を歪める。
そのころジャブロー基地防空戦隊所属の一機の珍しい複座型のセイバーフィッシュ(カモノハシを武装化させたもの)がよからぬことを考えていた。
「ふん。やはり俺は戦艦を狙いたかったぜ」
「あはは!そりゃ無理ってもんですよ、ジップ中尉!今回の目標は敵の彗星都市!艦船はドック内にいるんでしょうが我々じゃ無理でっせ!」
「ふん!まあいいか!おい!準備はいいか!」
「いつでも!」
「行くぞ!!」
そのセイバーフィッシュはなんとほぼ90度の角度で急降下攻撃を行って彗星都市のてっぺんにあった最も高いビルに正確に命中させたのだ。
しかもそこは白色彗星帝国のコントロールセンターであったものだからさぁ大変。
ズォーダーらが見ていたモニターの映像が突如乱れた。
「どうしたんだ!?」
ゲーニッツが機器の操作をしていたオペレーターに訊ねる。
「ハッ、都市帝国のコントロールセンターが破壊された模様です!!」
「な、なにぃ!!」
「大帝!!都市上方で戦うのは不利です!!要塞都市を浮上させて、迎撃機を発進させては!?」
ラーゼラーが迎撃機の出撃を意見具申し、
「大帝その通りです。早くご判断を!!」
サーベラーもラーゼラーと同意見の様だ。
「うろたえるな、地球人があくまで戦うと言うのであれば、我が帝国の力を見せるまでだ」
奇襲攻撃を受けてもズォーダーは慌てることなく、毅然とした態度でいた。
その風格はまさに王者と言う名に相応しものであった。
その頃、海中では‥‥
ヤマトと同じく各国の攻撃潜水艦が魚雷の発射準備を行っていた。
「コスモタイガー隊とセイバーフィッシュ隊が急降下爆撃を開始します」
レーダーを見つめていた雪が古代に報告する。
「魚雷発射用意!!」
「一番発射用意完了!!」
「二番発射用意完了!!」
魚雷室から発射用意完了の知らせが届く。
「発射管ゲート開け!!目標、都市帝国‥魚雷発射!!」
古代の命令に魚雷が発射された。
ヤマトと攻撃潜水艦から多数の魚雷が都市帝国の下部に向けて魚雷が放たれた。
魚雷を受け、都市帝国に地震の様な揺れが襲い掛かった。
「どうしたのですか?これは!?」
突然の揺れにサーベラーは何が起きたのか事態の説明を求めた。
「ハッ、都市の下部に魚雷が命中した模様です!!」
「海中の映像を出せ!!」
「ハッ」
モニターの映像が切り替わり、海中の映像が映し出された。
「何が映っているんだ‥‥?」
ゲーニッツが唸りながらモニターの映像をのぞき込むと、
「むっ!?や、ヤマトだ!!」
其処には、多数の攻撃潜水艦と共に魚雷を撃つヤマトの姿が映し出された。
「小癪なヤマトめ!!」
サーベラーが苦虫を噛み潰したような顔でモニターに映るヤマトを睨んでいた時。
ズズン・・
「今度は何事ですか!」
「は!洋上艦艇からの艦砲射撃と思われます!!」
そんな中、ズォーダーは、取り乱すサーベラーたち側近の醜態には関心を示さず、冷静にこの同時攻撃を分析していた。
(果たしてこれは偶然だろうか‥‥?真上と真下から同時に攻撃を仕掛けてくるとは‥‥)
(あのヤマトをはじめ、地球軍にもまだ、出来る者がいるということか‥‥)
(やはり、あのガミラスを相手に屈しなかっただけのことはあるようだ。だが、我が帝国はガミラスほど甘くはないぞ‥‥)
(宇宙唯一にして絶対の支配者たるこの私の慈悲を振り払い、なおも戦いを挑んできた以上、その罪はお前たち地球人全ての命で贖わせてやる)
「浮上用意!!」
ここに来てズォーダーも都市上方だけで戦うのは不利だと判断し、都市要塞を浮上させることにした。
ズォーダーの全く取り乱さないその姿を見て、うろたえていた側近たちも落ち着きを取り戻しつつあった。
地球側にとっての不幸はズォーダーが血筋をよりどころにするような単なる世襲君主ではないことだった。
都市要塞の浮上と共に回転履帯からガスバリアも噴射され、運悪くその空域を飛行していたコスモタイガーやセイバーフィッシュは攻撃を終え、退避行動を取ろうとしたが噴射したガスバリアに接触しバラバラとなった。
同じく回転履帯の対空砲火も火を噴き始め、上空を飛行していたコスモタイガーやセイバーフィッシュは次々と撃ち落され始めた。
「全機、攻撃中止!!射程距離外へ退避せよ!!」
あまりに友軍機の被害に加藤は攻撃の中止命令を出し、コスモタイガー隊とセイバーフィッシュ隊は一時、攻撃を中止し都市要塞から退避した。
都市帝国は海から浮上すると、瞬く間に地球の成層圏、重力圏を脱していく。
ヤマトは都市帝国を追って上昇し、宇宙へと向かう。
潜水艦群は、浮上してしまった都市帝国にはご自慢の攻撃能力は発揮できず、後はヤマトと航空隊に任せるしかなかった。
「ヤマト頑張れ!!」
「あんな要塞ふっとばしちまえ!!」
地球市民は、宇宙へ舞い上がって行くヤマトとコスモタイガーに声援を送っていた。
最終決戦は近い。
次回 白色彗星帝国戦最終決戦 『挺身作戦発動!!』
君たちは生き残れるのか?
次回はISも出てきますよ~
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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エルトリア組
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様