第五十話 復興開始
テレサの攻撃によって超巨大戦艦<ガトランティス>は消滅した。(ちなみにこれによって松島型による攻撃はなしになり、波動砲発射は中止されたが艦長らは撃てなくて不満だったとか)その後大破した艦の生存者や損傷艦の撃沈処理が行われることになったが、その時に防衛軍にとってうれしいことが起きた。
「なんだと?敵のワープ砲搭載戦艦が数隻放棄されていただと?」
「はい、第一訓練艦隊がやけくそ気味に無謀な突撃をした際に機関部を破壊されたと思われる艦が数隻があったのですが武装やシステムはほぼ無傷のようです」
「そうか。束」
「はい」
「第一訓練艦隊の司令官をあとで私のところに来させるように、私が直々に再教育する予定だったが鹵獲の件も考慮して艦隊要員全員に対する説教2時間で勘弁してやるとな」
「はっはい!」
((うぇぇどっちもいやだな))
((ロスタム乗員たちに敬礼))
というすったもんだがありつつもアナンケも地球に帰還することになったが厄介なことが判明した。艦首部を丸ごとえぐられていた影響で大気圏にこのまま降下すると隔壁に甚大な被害がでかねないとわかったのだ。結局、無傷だった同型のアナンケ級戦艦<ユリシーズ>が曳航することになった。
ちなみにこの時から<ユリシーズ>は地球艦隊のなかでも有名な幸運艦と言われ始めた。
そしてユリシーズに曳航されたアナンケが首都近郊の港には多くのマスコミや市民が押し寄せていた。ちなみに現実世界のマスコミ(マスゴ・・いやなんでもないです)はマナーや相手のことを考えずに報道する阿呆が多いがこの時代では、そういう輩はつるし上げやバッシングの嵐にあい、白い目で見られるようになっているので少なくなっている。
声こそ聞こえないが、スクリーンに映る市民は皆明るい表情をしている。
市民のあの笑顔を守ることができただけでも、命令を無視して戦った価値はあるが、我々は勝ったわけではない。
地球防衛軍はやっと再建の目途がたったにも関わらず、たった一回の戦闘でまたもや壊滅に近い打撃を受けた。
元々数が少なかったとは言え、ガミラスとの戦争では八年~九年の歳月を要したが、彗星帝国との戦争では一年も経っていない中での今回の防衛宇宙軍全部隊の壊滅。
負けはしなかったが、これが勝利とはとても言えない状況だった。
しかし、後世の歴史の教科書には恐らく「勝利」と言う言葉が使われてしまうだろう。
ヤマトが命令違反を犯してまでテレザートに赴き、白色彗星帝国の情報を仕入れてもなお、これだけの被害を出してしまった。
もし何もしないままでいたら、地球人類は知らぬ間に彗星帝国に蹂躙され、彼らの手によって絶滅か奴隷化されていたはずだ。
我々地球人類は、何が誤っていたのかを真剣に省みて改善しないと次はもうないかも知れない。
アナンケから最初に退艦したのは、負傷兵たちであり、その次はアナンケの戦死者たちや回収できた友軍兵士たちの遺体であった。無念の死を遂げてしまった戦友たちであるが宇宙での戦闘では遺体が収容されないことの方が多い、しかしせめて遺体だけでもと束が敵味方問わず遺体の回収を行わせたのだ。
生存者とその家族は再会を喜んでいたが、しかし、悲しみの表情で動かない者、遺体の前で泣き崩れる者の方が多かった。
その光景を束・ディアーチェ・ギンガ・リニスらは土方とともに見ていた。
その後、土方は司令部から来た車に乗って司令部と大統領に報告に行く直前に、束に全乗組員に対して家族のもとに帰って無事を報告するようにと伝えていたので束は解散指示を出したのちにギンガ・リニス・更識と月村邸に帰った。
無事に帰ってきた彼女たちを見て忍と箒は束に抱き着き、『お帰り』と優しく言ったという。
ちなみに昴はギンガに、更識に対しては星奈が抱き着いた。
数時間後には出雲とクロエも帰ってきて同じ光景ができたという。
数日後の朝食の最中、月村家に一本の電話が入った。
掛けてきたのはヤマト技師長の真田からだった。
『明後日、ヤマトの幹部乗組員に対する査問会議を行うことになった。お前たちも証人として出席するようにとのお達しだ』
「分かったよ。でも、随分早いね。それに軍法会議じゃなくて、査問会って‥‥」
最初のヤマトの脱走は兎も角、政府の降伏命令を無視して戦闘に持ち込んだ事から本来ならば自分も共犯でその査問を受ける身となって居る筈だ。
いや、ヤマトの脱走を見逃している点で、自分たちも共犯だったのだ。
同じくヤマトを追撃した土方は当然出席するとのことらしいが、自分たちにも責任はあるのだ。
そう言う意味では当然出席もするし、処分は甘んじて受けるつもりでいたから一向に構わないが、彗星帝国との戦闘が一応終結してからまだ日が経っていない。
『まぁ大人の事情と政治的判断というやつさ』
「なるほど」
宇宙軍は内惑星系艦隊・主力艦隊を問わず壊滅状態なのだから今すぐに立て直しを図らなければいけない状況だ。とはいえ、悪しき前例を残すわけにもいかずかといって貴重な実践経験者を排除するわけにはいかないので査問という形で収集を付けたいのだろう。
『ま、そういうことだ。逃げずにちゃんと来いよ』
「真田く~んいつのころの話をしてるの?(#^ω^)」
『訓練校時代のお前の伝説を知ってる奴ならだれでもそう考えるさ。それじゃあな』
「うん」
実は訓練校時代にて束は守の起こしたごたごたに数回巻き込まれて共犯あつかいされてしまい土方からの説教を受けるのがいやで土方と何回か追いかけっこを演じたことがあり同期と酒を飲むときにいいネタにされているのだ。
(ちなみに隠れた時に見つかり一緒に説教されたとか)
そうして明後日。査問会が開かれたなんと大統領と政府高官らも出席するという大事であったが言い渡されたのは軽い処罰だった。
内容は内惑星系艦隊第一連合艦隊及び残存連合艦隊生存者ら全員に対する厳重注意と減俸による比較的軽い処分で、戦死者においては全員二階級特進とし、特進階級で遺族には遺族年金を支給する事となった。
減給カットされた分の俸給は戦没者遺児・戦争孤児育英事業基金に寄付するらしい。
ちなみに戦艦薩摩に座乗していた西郷参謀総長は自分の査問委員手当を全額返金し、自分に対する査問を要求していたそうだが藤堂長官と大統領に止められ、数年間の給与のうち二割を戦時孤児救済基金に寄付することで決着したという。
さらに数日後
首都近郊の宇宙船ドック
ここではアナンケの修復作業が行われようとしていたが、厄介なことが判明した。
「ええ!一年くらいは見積もってほしい!?」
「はい、アナンケ級やマゼラン級の艦首部すべての修復となるとここでは数年はかかります。ジャブロー基地でなら工期は短縮できますがやはり他艦の修理や建造が優先されているので一年は覚悟していただかないと・・・・」
「こまったのう。じゃあしばらくユリシーズを旗艦にするか?」
「いや、ディアーチェ。ユリシーズもいまジャブローでオーバーホール中」
「なに??ほぼ無傷だったのだろう?」
「フェーベ沖でユリシーズはどこに被弾したっけ?」
「どこってそれは、OMCS再利用のための汚物貯槽タンクエリア・・・・あ」
「そう、修理と大規模清掃中で動かせない」
「何たることだ・・・」
これでは新生地球艦隊有数の大規模艦隊としての顔がたたない。
「一応、改アンドロメダ級の建造プランの中に内惑星系艦隊配備を検討されていた艦があるから次期総旗艦はそれになりそうだけど当面の旗艦が・・・」
「ん?おーい!束とディアーチェじゃねぇか!」
「ん?」「お、おぬしは」
「「トチロー!!」」
「おうよ!ひさしぶりだなお前ら!」
この男の名は大山歳郎。
真田と古代の兄、古代守とは士官学校の同期で真田と同じ技術者でもあった。
しかし、真田を正統派な天才技術者と例えるならば、大山は奇才・奇抜な天才技術者だった。
月村財閥はこれまで何度か大山に様々な技術開発を依頼しており、さらに出雲がジャブロー基地にて働くときに伝手としてたよったのが大山であったので、その関係上、束とディアーチェは大山と面識があった。
「なぜおぬしがここにおるんだ?」
「おれの担当はヤマトだからな、今ここにいるのは気分転換だ」
(ちなみにヤマトは隣のドックにいます)
大山はアナンケ修理状況の他に現在の防衛軍の状況を束とディアーチェに話す。
それによると、アンドロメダ級二番艦、ネメシスの他にも後続のアンドロメダ級三番艦のアルデバラン以降の建造とアンドロメダ・改級の戦艦の建造も今現在進められているとの事だった。
ただし、アンドロメダ・改級及び内惑星系艦隊に配備予定だったアンドロメダ・改級簡易型に関しては他艦への資材の流用の為、約半年は就役が遅れる見込みらしい。
艦内巡検の最中、
「そうそう!お前らが回収した、時空何とかの難破船、ありゃなかなか面白そうな船だな!」
「時空管理局だよ。それで、どこまでの事が分かっているの?」
「まだまだこれからだな。ただ、次元航行能力があるらしいことは分かった」
「それはかなりすごいな!防衛軍の艦に応用できれば探索範囲も広がる!」
実は閑話の数日後に出雲と大山が艦の調査で頭を悩ませていた時に差し入れにきたクロエがこけてメインパネルに頭をぶつけた際に隠れていたマニュアルが見つかりなんとか機関部の調査が始まったのだ。
「しかし、星奈ちゃんや帚ちゃん、昴ちゃんたちくらいの子がほとんどだったのはむかついたがな」
と、時空管理局の組織としての在り方には不快感を露わにしていた。
「まったくだよ」「うむ」
ギンガがこの世界に漂流した経緯やまだ義務教育中である筈の年齢の少年少女を危険な宇宙の任務に平気で就ける様な組織だ。
簡単に信頼を寄せる事が出来るのかはまだ判断出来ない。
そもそも地球連邦政府は未だにその時空管理局とは正式に交流を持っていなければ、コンタクトもとっていない。
時空管理局がガミラスや彗星帝国の様にいきなり地球連邦政府に対し、無条件降伏を迫ってくるとは思えないが、まだ得体の知れない組織故に警戒だけはしておいた方が良いだろうと思った。
「艦内の残留放射能を解析したんだが、解析の結果、彗星帝国の攻撃を受けていた様だ」
「やはり、彗星帝国が彼方此方の宇宙を征服していたと言う証明になった訳だな」
「ああ、早いとこ、軍の艦船を揃えないとな、何時十一番惑星に居る連中の反攻があるか分からないからな」
そういって大山はヤマトの修理に向かおうとした時にあることを思い出した。
「おっと!忘れるとこだった!!ジャブロー基地の連中が『この艦が出来上がったから臨時的に総旗艦にしてはどうか?』って言ってたぜ」
そういってある艦のデータを二人に渡してヤマトの方に戻っていった。
「なんだろね」
「さあな」
『あの奇才が楽し気に話しているのを見るとゲテモノ臭がする気がするのだが』
「まぁあれでも腕は確かだからね。話すと意外に楽しいし、さて見てみようか」
そういってデータを千冬を含めた三人は開いたところ驚愕すると同時に総旗艦問題は解決した。
そうしてさらに数日後、
ジャブロー基地からアナンケと入れ替わるようにヤマトの隣にある月村造船の宇宙船ドックに到着した艦の進宙式が行われていた。
その艦の名は<改アンドロメダ級単独強襲戦艦アマテラス>
ジャブロー基地周辺の造船ドックにて建造中にガトランティスからの砲撃を受けて大破・放棄されていたアンドロメダ級の主砲やその他武装類をジャブロー基地のドック内にて船体だけ完成していたアンドロメダ級に再利用して完成させたキメラ艦といってもいい艦。しかし、性能はアナンケ級よりも格段に優れており、修理中のアンドロメダよりも砲撃能力は高い。基になったアンドロメダ級とは違いCICを装備している点も相違点としてあげられる。
アマテラスのイラストは前に自作した物をステルス兄貴さんに再度見直してもらい修正してもらいました。
次回 新生防衛軍
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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