内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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お待たせしました!!

雪風改のイラストはステルス兄貴さんにお借りしました。


第六十三話 幸運艦復活

土星圏タイタン沖にてガトランティス艦からの攻撃を受けていたテリオスを救助したアマテラス陸戦隊の黒ウサギ隊はフェイトとティアナと他に二人の生存者を救助したが、彼女たち以外の生存者はいなかった。

 

「く・・・」

 

「そ、そんな・・・」

 

その報告にアマテラス艦橋内にいる者たちは悔しがった。『もし、我々がもう少し早く到着していれば・・・』という思いであったからだ。

 

しかし、現実にifはない。

 

「悔しいのは分かる。でも今は生存者の方を優先しよう。ちーちゃん、司令部に支援艦の要請は?」

 

『ああ、すでに送った。救援に工作艦の『明石』と病院船の『氷川丸』そして工作艦『ヴェスタル』が来るそうだ』

 

ちなみにこの三艦は、ガトランティス戦役を生き延びた幸運艦でもある。

 

「そう、ならよかった。あ、あとできる限りの遺体の収容を」

 

「それならすでに指示を出したぞ」

 

「さすがディアーチェ」

 

そうしてこの救援艦隊はテリオスの乗員の遺体の収容を行っていたのだが・・・

 

 

「なんだこの艦の乗組員は!」

 

「この子なんてどう見ても未成年の男児だぞ!!」

 

そう、時空管理局では魔導力が高ければどんな年齢でも採用していたが、そんな行為は地球連邦は無論、現在の地球の主要各国でも禁止されている。(少年兵はジュネーブ条約違反です)

 

それに、しっかりとした訓練を受けた軍人からすれば許せるものではない。

 

「おのれ・・・・」

 

(うわぁ・・大佐めちゃくちゃ怒ってる)

 

(そっとしておけ。あの大佐は怒ったらこっちに怒りが飛び火しかねん)

 

この事態に厳格なドイツ軍人としての誇りを人一倍持っているヘルベルト・フォン・カスペン大佐が激怒しており、周囲で捜索していた隊員はすこし恐怖していた。

 

 

そのころアマテラス陸戦隊に救助されたフェイトとティアナは医務室に搬送された。他に救助された女性オペレーターと機関科に所属していた魔導士の神堂慧理那は手術室に運ばれた。

 

「では私はこれから遺体の収容に向かうのでここまでだ」

 

「「ありがとうございました」」

 

そうして二人を案内していたシュベルトは部下のクラリッサに任せて戻っていった。

 

「あの人、本当にシグナムさんにそっくりでしたね」

 

「うん。瓜二つだった」

 

「お二人とも?医務室はこっちですよ??」

 

「あ!すみません!!」

 

そうして比較的軽傷だった二人は治療のため、医務室に入ったがそこでフェイトは思いもよらない再会を果たした。

 

「医務長、此方が救助者のフェイト・テスタロッサ・ハラオウンさんとティアナ・ランスターさんです」

 

クラリッサが医務長にフェイトとティアナを紹介し、その医務長が振り向くと、

 

「「っ!?」」

 

フェイトとアマテラスの医務長は目を大きく見開き、固まった。

 

そして、

 

「‥もしかして‥‥リニス‥‥?」

 

「フェイト‥なんですか?」

 

震える口調で互いを確認するかのように、お互いの名前を言い合う両者。

 

そこに、

 

「医務長、検査機器の用意が出来たぞ?」

 

と、鏑木が検査の用意できたと、報告してきた。

 

「は、はい。鏑木さん、すみませんけど、此方の二人の検査と治療をお願いします。私は他の負傷者の手当てをしますので‥‥」

 

「了承」

 

リニスはまるで逃げるかのようにフェイトの前から去る。

 

「リニス‥‥」

 

 

 

その姿をフェイトは寂しそうな瞳で見ていた。

 

クラリッサは気まずそうにリニスとフェイトの様子を見ていたが、此処に居ても自分が出来ることは無さそうなので、鏑木に一言告げた後、医務室を後にした。

 

フェイトとティアナの二人はまず、外傷、内臓損傷の有無等の検査を受けた。

 

なお、この時、二人は管理局の制服から健診衣へと着替えていた。

 

テリオスから救助された時、フェイトとティアナは煤で汚れていた状態で互いに不衛生な状態だった為である。

 

医務室にて検査を受けた二人が驚愕したのは、医療部門が大幅に機械化・省力化されていた事と乗組員の同胞ではないはずの自分たちの検査が、あまりにも迅速に進められていったことだ。

 

設備面では戦艦にも関わらず、そのレベルは明らかにミッドチルダの大病院や時空管理局本局付属の総合病院をも凌いでいる。

 

さらに驚いたのは、まるで自分たちが地球人であるも同然の治療だったのだ。

 

検査の結果、打撲傷の治療のみを受けたフェイトと軽い火傷の治療を受けたティアナは休息の為に鏑木の案内の下、女性士官用の予備室へと案内された。

 

内装には全て不燃・難燃材を使用しているらしく、時空管理局の次元航行艦に比べるとシンプルさは否めないが贅沢はいえない。

 

いや、管理局の艦よりもシンプルなのは装飾よりも機能を優先した造りとなっているためなのだろうとフェイトは推測した。

 

部屋にある机の上にはさりげなくミネラルウォーターのボトルとタオル、おしぼりが置かれていた。

 

「あの‥フェイトさん‥‥」

 

「何?ティアナ」

 

「‥‥フェイトさんはあの医務長さんと知り合いなんですか?」

 

ティアナは自分たちが来たこともない艦で先程あったばかりの医務長がフェイトと知り合いみたいに見えた。

 

それは医務長こと、リニスも同じだった。

 

「‥‥まだ、確信はないけど、あれは間違いなく‥リニスだったと思う‥‥」

 

「えっ?」

 

フェイトが医務長の名前を呟いた様だが、ティアナにはその肝心の名前の部分が聞こえなかった。

 

「私たち、これからどうなるんでしょう‥‥?」

 

ティアナが不安げに呟いた。

 

「‥‥」

 

それは、フェイト自身にも分からなかった。

 

 

「これで最後か?」

 

「はい」

 

そのころアマテラス及びその他の艦の船外作業班と陸戦隊による遺体収容作業は終わった。

このまま弔われずさまよう艦の艦内に残しておくのは忍び難いという思いからである。

 

そして束は明石技師長とギンガに艦内の通信機を使って通信デバイスのようなものを作れないか?と頼んだ。

 

別に遺体を地球で弔うのも問題はないができれば遺族のもとに届けたいという束の強い意志があったのと、四人の帰国手続きにも通信ラインを確保したほうが良いという政治的な判断からであった。

 

 

 

一方、タイタン方面へと向かったヤマト他主力艦隊はと言うと‥‥

 

 

 

敵の大戦艦や巡洋艦、駆逐艦を撃破したヤマトと主力戦艦群。

 

アマテラス以下救援艦隊からも交戦中の敵艦隊を全て殲滅したと通信が入り、アマテラス以下別働艦隊は彗星帝国の艦船に襲われていた艦の救助作業中だと言う。

 

「ふぅ‥‥これで全部でしょうか?」

 

北野が一息つきながら言う。

 

「大丈夫‥‥みたいだな。艦長代理、敵反応全て消失です」

 

太田が古代に周辺宙域の敵を全て撃破した事を報告する。

 

「皆、ご苦労だったな。相原、タイタンの方はどうだ?」

 

古代は皆に労いの言葉をかけ、相原にタイタンの状況を訊ねる。

 

「はい、再び通信波をキャッチしました。今度はちゃんと受信出来ています。今、パネルに回します」

 

相原が受信した信号をパネルは映す。

 

するとそこには防衛軍の作業服を着て頭には作業帽を被り、瓶底眼鏡をかけた男が映し出された。

 

『やっとここまで来たな。ヤマト』

 

「お前は‥‥大山‥‥!!大山歳郎じゃないか!!」

 

そう、タイタンから通信を送っていたのは土星圏へ出向していた大山からだった。

 

『久しぶりだな、真田』

 

「誰なんです?」

 

古代は真田と親しく話すこの大山という人物と面識が無く、大山がどのような人物なのかを真田に聞く。

 

「大山歳郎。航宙自衛隊訓練学校時代の俺の同期だ」

 

「っ!!」

 

「つまり古代のお兄さんや月村束司令そしてディアーチェ副司令とも同期ということですね?」

 

「そういうわけだ。にしても大山。どうしてお前がタイタンに?」

 

『ん?知らなかったのか?俺は、此処に堕ちて氷漬けになっていたユキカゼを掘り出していたんだよ』

 

「兄さんが乗っていた艦を‥‥」

 

『そうだ。磯風型突撃宇宙駆逐艦、まぁ眠らせておくには今の防衛軍からしたら惜しい船だよ。で、掘り出したユキカゼに波動エンジンを搭載してTF艦シリーズみたいに新しく生まれ変わらせようと思ってな。知っているだろうが、タイタンはコスモナイトをはじめとした鉱物資源が豊富で作業をやりやすい。これも防衛軍の再編計画の一環さ』

 

大山は何故、技術士官である自分が最前線である土星圏に来ていたのかを話す。

 

(ちなみにTF艦シリーズとは磯風改型突撃駆逐艦のことであり、レパント級を参考にして重雷装艦型や早期警戒管制艦型・砲艦型などがある)

 

『だが、採掘中にガトランティス残存艦隊が土星圏を占拠しちまったもんだから基地の復興が一時放棄され、俺だけが置いてきぼりにされちまってな』

 

そう、ようは大山は離脱艦に乗り遅れたのだ。

 

『まぁ一人での作業は楽しかったがな。敵に探知されにくいし何より邪魔なく集中できる』

 

「ユキカゼを改造?‥‥そうかお前ならできるだろうな。なにしろ学生時代から、雪風の設計に噛んでいた一人なんだからな」

 

真田は大山がユキカゼ改造計画の主任的立場にいることに納得の表情だ。改装するなら設計段階からかかわっている物の方がいい。

 

『へへへ!今度の『雪風・改』はスゲェぞ!完全な自動化システムを搭載した無人艦に仕立て上げてある!!』

 

ようは自立式AI艦のようなものだ。

 

「無人艦?お前らしくないな、大山。血の一滴も通わないメカニズムの結晶など‥‥」

 

自動化システムという言葉を聞いて真田は顔を顰めた。彼は2200年以降、防衛軍が打ち出した人の手ではなく機械に頼る自動管理方式に否定的で当時就航した連合艦隊旗艦のアンドロメダに対しても「これは戦艦などではない。戦闘マシーンだ」と言った経緯がある。

 

(とはいえある程度の自動化は仕方ないと思うのだが・・・)

 

『ずいぶんな言いようだな真田。だが、お前の貧弱な想像力の中で俺が手に掛けた艦を勝手に解釈してもらっちゃ困る』

 

「ん?おい、それはどういう意味だ?」

 

大山の言葉にちょっとムッとする真田。

 

『人間が機械を屈服させるんじゃない。ましてその逆でもない。人間と共に助け合うメカニズム。俺が造ったのはそんな艦だ。『科学は人間の幸せのためにあるということを確かめたい』そう言って科学者になったのはお前だろう?真田』

 

「…は、相変わらず口が達者な奴だな」

 

『そう言うお前もな‥‥ところでイスカンダルのことは俺も聞いたよ。この雪風・改と共に俺も同行させてもらう』

 

「そうか‥‥お前も来てくれるのか」

 

『ああ、守に生まれ変わったこの艦を見せて、渡してやらなきゃならんからな』

 

「はい。ありがとうございます、大山さん」

 

 

『『トチロー』でいいぞ、古代。お前の兄貴や束の奴、そしてディアーチェの奴もそう呼んでるからな。よし、それじゃ今から発進させるぞ‥‥驚くなよ!!』

 

 

 

暫くするとタイタンからヤマトに向って一隻の駆逐艦クラスの小型艦が接近してきた。

 

確かに面影はガミラス戦役に使用されていた磯風型宇宙突撃駆逐艦の面影も若干留めていたが、奇才、大山が設計しただけに奇抜な艦影をしていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「これが…生まれ変わった『雪風』」

 

パネルに映し出された雪風を見て古代が呟く。

 

雪風・改はヤマトとドッキングし、唯一の乗艦者である大山はヤマトへと移乗した。

 

 

そのころアマテラスでは生存者のうち、意識も容態もはっきりしているフェイトとティアナへの聴取を行われようとしていだが、ある三人は大いに迷っていた。

 

まずはギンガだ。恩人でもあるフェイトとは会いたいし、スバルの親友のティアナとも会ってスバルの現状を知りたい。しかし、今の自分は管理局陸の局員ではなく、防衛軍軍人。個人的に会うわけにはいかないのだ。

 

次に悩んでいたのはリニスであった。リニスは自分がフェイトに魔法を教え、デバイスを作り、そのデバイスを彼女にあげた点で教師や母親代わりのような存在であったが、消滅するところをフェイトやアルフに見せたくないと黙っていなくなったことに後悔と自責の念があったので会うのに気が引けていた。

 

最後に悩んでいたのは意外にも更識であった。まぁ確かに彼女は更識の名を持つ前はドゥーエであり、フェイトたちと戦闘した過去がある。しかし、普段の彼女なら別に気にしないはずだが、地球での生活で月村家での生活がいいと感じるようになり、フェイトたちから管理局に連れ戻されるのではないか?と考えていたからだ。

 

この三人は束とディアーチェからの呼び出しがかかるまで各自の部屋で悩みまくっていた。




2199では雪風はエンケラドゥスに墜落してたのでエンケラドゥスにするか悩みましたが、PS2版のストーリーにしてるのでタイタンにしました。

ここで間の話を入れてからフェイトたちとの対話です。

次回 26.5話 BBA-01艦計画開始!!

アンケートありがとうございました!!

ちなみに神堂慧理那は俺、ツインテールになりますのキャラです。

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
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