フェイトとティアナを尋問していた束はある二人の人物を呼んだが。
「地球防衛軍、戦艦アマテラス所属、医務長の月村リニスです」
「同じく地球防衛軍、戦艦アマテラス所属、通信長の月村ギンガです」
「リニスに‥ギンガ‥‥?」
「そんな‥‥どうしてギンガさんが此処に‥‥?」
「大きくなりましたね。フェイト‥‥」
「お久しぶりです。フェイトさんティアナ‥‥」
リニスとギンガはフェイトとティアナに再会の言葉をかけた。
フェイトとティアナの二人は、暫くは唖然とした表情でリニスとギンガ、二人を見ていた。
その後、緊張も和らげる意味で互いに離れ離れになった後の事を話した。
フェイトはリニスが消えた後、母であるプレシア・テスタロッサが、娘のアリシア・テスタロッサを蘇生させる為、伝説の地、アルハザードを目指す為にジュエルシードを求めた事、最後はアリシアの眠るポッドと共に虚数空間へ落ちて行った事を話した。
管理局の歴史ではこの事件をPT事件と呼ばれ、その事件のあらましを聞いたリニスは、顔を伏せた。
(やはり、プレシアは諦めきれなかったのね‥‥)
自分の意思を最後まで曲げなかった事に関しては立派であったが、その意思をもっと別の方向に‥‥フェイトに‥‥新たに出来たもう一人の自分の娘に向けて欲しかった。
プレシアは決して悪人ではなかった。
アリシアが生きている頃のプレシアの事をリニスは知っていた。
プレシアは仕事で忙しい合間の中、精一杯アリシアに愛情を注いでいた。
それが、アリシアの死によって愛情が狂気へと変わってしまった。
そして過去にしがみ続け、アリシア以外の者が目に入らなくなっていた。
新たに自分の娘と生み出したフェイトもアリシアの記憶を植え付けても、フェイトはフェイトで、アリシアにはなれなかった。
その事実がプレシアの心を完全に壊してしまったのだろう。
「プレシア‥‥」
リニスは、ポツリとかつてのマスターの名を呟く。
「リニス‥‥で、でも、今は大丈夫だよ。沢山の友達も出来たし、家族もね」
フェイトはリニスを励ますかのように、PT事件以降の現状を話す。
リンディ・ハラオウンに養子として引き取ってもらい、PT事件と闇の書事件の後、自分には沢山の友達や守るべき大切なモノが沢山出来た事を‥‥
「リニスは私と別れた後、どういう事があったの?」
と、今度はフェイトがリニスに何が有ったのかを聞く。
リニスは、プレシアとの契約が切れた後、消滅する姿をフェイトとアルフに見せないようにする為、ランダム転移した結果、偶然この世界へと流れ着いた。
そこで、束と新たに契約し、今は束の使い魔となり、彼女と共に防衛軍に入隊し、この艦の医務長を務めている事を話した。
何故、防衛軍に入隊したかは後で詳しく話すとフェイトにはそう言った。
一方、ギンガはティアナと話していた。
「ギンガさん‥その‥‥次元震に巻き込まれて死んだと聞いたのですが‥‥」
ティアナが恐る恐るギンガに訊ねる。
今、目の前にいるのが本当にかつて、自分のパートナーを務めていたスバル・ナカジマの姉であるギンガ・ナカジマなのか疑問に感じたからだ。
「確かに次元震に巻き込まれたけど、死んでなかったわ。あの後、私はこの世界の火星の近くに飛ばされて、そこで束さん達に救助されたの‥‥」
「だったらなんでこの世界の軍に所属しているんですか?」
ティアナは救助されたのであれば、別にこの世界の軍に所属しなくてもそのまま民間人でいられた筈。
それを何故態々軍に任官したのかが分からなかった。
もしかして、無理矢理徴兵でもされたのか?と思った。
「それは‥‥後で話すわ‥‥」
ギンガもリニス同様、何故軍に任官したのかを後で話すと言う。
「そ、それよりもギンガさん、この世界ではその‥健康診断とか大丈夫なんですか?」
と、ギンガの身体について問題ないのかを聞く。
ティアナはミッドで数少ない、ナカジマ姉妹の実情を知る人物でギンガと妹のスバルがただの人間でない事を知っていた。
ミッドでは、ちゃんとした検査設備があり、ギンガとスバルは定期的にその設備がある施設にて検診を受けていた。
この戦艦を見る限りでは、この世界の地球の医療技術レベルもかなり高いと思うが、それでもミッドと何かと勝手が違うだろうから、ミッドと同じレベルの検診を受ける事が出来るのかを訊ねた。
「ええ、問題は無いわ。束さん‥艦長の実家は手広く商売をしている財閥でね、その中にミッドで受けていた検診設備に似た設備を持つ施設がちゃんとあって、そこで、定期的に受けているから大丈夫よ」
「でも、宇宙艦勤務だと長い間に地球を離れるしその点は大丈夫なんですか?」
「今の所、問題ないわ。それに少なくともこの艦の医務室にも同じような設備が整っているから」
「そうですか‥‥」
ティアナは一安心すると同時にこの世界の地球の技術レベルに感心した。
「そういえば私の殉職認定を受けて気になったんだけど、スバルは元気かしら?」
今度はギンガがミッドに残してきた妹の身を案じ、ティアナにその様子を訊ねる。
「え、ええ。当初はギンガさんが死亡したと言う事に相当参っていましたが、今は何とか持ち直しました」
「はやてさんの部隊、機動六課はどうだった?」
「訓練の時なんかは、訓練校の時の様に暴走したりもしましたが、仕事ではちゃんと任務をこなしていましたよ」
と、ティアナはその後も六課の時に経験したJS事件についてのあらましと結末を教えた。
それによると、逮捕したスカリエッティの配下の戦闘機人の内、四人がナカジマ家に養子として迎え入れられたと言う。
そして、母クイント・ナカジマが所属していた部隊の全滅の真相も浮き彫りとなった。
母の追っていた戦闘機人事件を自分が解決に導けなかったのは残念であったが、妹のスバルがその意思を継ぎ、解決に一役買ってくれた。
きっと、母も喜んでいる事だろう。
ティアナの話を聞き、そう思ったギンガ。
そして、戦闘機事件‥JS事件の結末をティアナから聞かされた。
「そう‥‥レジアス中将が‥‥」
ギンガも地上部隊に所属していたから当然レジアスの事は知っている。
そのレジアスがスカリエッティと裏で繋がりを持っていた事は、あまり喜ばしい事でなく、その関係が有った為、ゼストはレジアスに疑惑を持ち、結果、自分が隊長を務める部隊の全滅を招いたあの事件を起こしてしまった。
そしてその結果、ギンガとスバルの母、クイントは殉職してしまった。
しかし、中将が地上の‥‥ミッドの平和を願っていた事は、ギンガも良く知っていた。
中将の願いは決して間違いではないが、その方法が間違っていたのだ。
そのレジアス中将もJS事件の折、スカリエッティが管理局に潜入させていた暗殺者(二乃のこと)の手にかかって斃れて、現在は他の者が地上本部の本部長を務めていると言う。
六課卒業後、自分(ティアナ)は執務官補佐となり、スバルは特別救助隊にスカウトされて、現在はその隊に所属していると言う。
スバルは訓練校卒業後、一時ティアナと共に救助隊に所属していた経験もあり、そして自分も大きくなったら、救助隊隊員となって困った人を助けたいと空港火災の後に言っていたので、今のスバルは夢を叶えたんだと一安心したギンガだった。
父、ゲンヤは相変わらず108部隊の部隊長を務めている。
自分がミッドを離れていてもミッドに残してきた家族が無事に暮らして居る事を知り、満足だった。
ただ、ティアナは管理局の公式発表でギンガが殉職した後、彼女の名誉が著しく傷つけられ、今もゲンヤとスバルがギンガの名誉回復の為の運動をしている事は黙っていた。
今のギンガを見れば、彼女はもうこの世界の軍人で‥‥新しく持った家庭で、満足な生活を送っている様子なので、余計な葛藤を生むのは避けるべきだと思ったのだ。
(フェイトさんにも後で言っておこう‥‥)
ティアナはフェイトにスバルたち、ナカジマ家の皆がギンガの名誉回復の為の運動をしている事をギンガには黙っている様にしておくことを伝えようと思った。
「あ、あの~。話してる最中に悪いんだけどリニス?」
「あら?どうしましたか??」
「二乃ちゃんはどうしたの?」
「ああ、私たちに気を使ってくれまして部屋の外で待機してます」
「はぁ。おい更識!!お前も顔合わせせんか!!」
そうしてもう一人が入って来た。
「「なっ!!」」
その人物にフェイトとティアナは驚愕した。
そこには次元空間に生命ポットごと放り出されて行方不明になり、実質死亡判定された戦闘機人のドゥーエがいた。
「ふふ、お久しぶりと言った方がいいかしら?」
「な、なんであなたがここに!?」
「ギンガさん!どういうこと!?」
まぁ時空管理局側だった二人からしたら指名手配されていた人物がこんなところにいるのは見過ごせない。
しかし、
「なんでって、この子はうちの兵員なんだけど?」
そう束に言われては納得するしかなかった。
次回 情報交換
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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エルトリア組
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様