内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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お待たせしました。最近あまり見てくれる人が少ないようでやる気が起きず‥‥。

今回と次回の七十話はステルス兄貴さんが協力してくださいました。

女性オペレーターのシルビア・アライアンスの外見は「機動戦士ガンダム戦記」に登場するノエル・アンダーソンをイメージしてください。


第六十九話 過去の戦争 後編

 

彗星帝国の残党軍の攻撃を受け、地球防衛軍に救助されたフェイトたち‥‥

 

自分たちが‥‥いや、管理局さえ認知していないもう一つの地球‥‥

 

その地球はフェイトが知る地球よりも約200年未来の地球であったが、その地球が辿った歴史を知り、フェイトもティアナも沈んだ気分となる。

 

古代ベルカ時代では戦争行為は日常茶飯事の混沌とした時代であることはミッドでの歴史を調べればわかることであるが、ここまで壮大で残虐な歴史を二人は見たことがないからだ。

 

あまりにも二人がショックを受けた様子を見てリニスは休憩を進言し、フェイト、ティアナ、束、更識はそれを了承し一時休憩となる。

 

その頃、アマテラスの第一艦橋ではフェイトたちの相手を束がしているので、その間、副長のディアーチェが束に代わり指揮を執っていた。

 

何しろ土星圏はまだ彗星帝国の残党軍の勢力下であり、例え管理局の艦を襲った残党軍を退けてもまだ敵が潜んでいないとは言い切れないからだ。

 

「ねぇ、ねぇ、王様」

 

「ん?なんだ?」

 

警戒態勢はまだ解かれていない中、レヴィがディアーチェに声をかける。

 

「王様はさっき救助した艦の乗員たちに会ったんでしょう?」

 

「ああ‥会ったぞ」

 

「どんな人たちだったの?やっぱり昔の漫画・アニメに登場したタコみたいな姿だった?それともグレイみたいな姿だったの?」

 

「いや、我らと同じ肌の色をしている人間と変わりない姿だった」

 

(あのフェイトと言う娘はレヴィに似ていたが、今ここで話すと此奴は勤務をすっぽかしそうだからな、此処は黙っておくか‥いずれ会う機会は訪れるだろうしな‥‥)

 

ディアーチェはフェイトとレヴィが似ている事を踏まえて、彼女に救助者が自分とそっくりな事を伏せた。

 

好奇心旺盛なレヴィが知ればきっと見に行くはずだが、今は警戒態勢中なので戦術長であるレヴィが艦橋を降りられては困る。

 

(むっ?そういえば‥‥)

 

そして、電子カレンダーを見て何かを思い出した。

 

「へぇ~‥‥」

 

その反面、レヴィはディアーチェの話を聞いてどんな人なのかとやはり興味は抱いていた。

 

ヤマトの航海からイスカンダル、ガミラス、彗星帝国のデータは防衛軍で共有されており、ガミラス人、彗星帝国人の肌の色が地球人と違う事は防衛軍の軍人ならば知っている。

 

「やっぱり、宇宙は広いねぇ~‥‥」

 

まさか、イスカンダルと地球以外にも同じ肌の色の宇宙人が居た事に呟くレヴィだった。

 

 

一方その頃、フェイトたちはと言うと‥‥

 

「そう言えば、フェイトさん」

 

「ん?何?ティアナ」

 

「‥シルビアさんの容体は大丈夫なんですか?」

 

ティアナはテリオスが攻撃を受けた際、フェイトを庇ったオペレーター、シルビア・アライアンスの容体を尋ねた。

 

「さっき、リニスから聞いて手術は終わったみたいだけど、まだ麻酔が効いているから目を覚ましていないって‥‥」

 

「そうですか‥‥でも、助かって良かったですね」

 

「うん‥‥」

 

リニスからの報告では、重体で収容されたシルビアの手術は無事終了し、容態は安定していると言う。

 

大動脈と大静脈の損傷はなかったのが幸いしたようだ。

 

「それにしてもまさか、もう一つの地球があったなんて驚きですね」

 

機動六課時代になのはとはやての生まれ故郷である地球の日本、海鳴市にてロストロギアの反応が確認されたので、なのはのスターズ隊、フェイトのライトニング隊は地球へと赴き、ロストロギアの回収任務を行ったことがある。

 

その時のティアナが抱いた地球のイメージはミッドよりも文明が遅れた世界と言う認識だった。

 

実際に地球へ着いた時も魔法文明も無く、次元航行能力を有する艦も無い世界であり、科学技術力もミッドより若干遅れている世界だった。

 

しかし、今自分たちを救助したもう一つの地球は管理局の艦が手も足も出せなかった彗星帝国の艦を撃沈する攻撃力を有する能力を持ち、先ほどまで見せてもらった歴史の映像からも宇宙艦船能力は自分たちが知る地球どころか管理局よりも上に見えた。

 

いや、実際に彗星帝国の艦を撃沈したのだから管理局‥ミッドよりも上なのだろう。

 

「うん‥‥」

 

「それにまさかギンガさんたちがこの世界に居るのも‥‥」

 

「そうだね‥‥ただ、あまりにも情報量が多くて処理しきれないよ‥‥」

 

「確かに‥‥」

 

もう一つの地球の存在から、壮大な残酷な歴史、死んだと思われていたギンガ、リニス、ドゥーエの存在。

 

休憩を挟んでもフェイトとティアナは困惑するばかりであった。

 

「ギンガさんはあのガミラスとの戦争の最中にこの地球へ来たんですよね?」

 

「うん、時期的にはね‥‥本人もそう言っていたし‥‥」

 

「きっと、心細かったでしょうね」

 

ティアナの言葉にフェイトは次元漂流したばかりのギンガの心情を察する。

 

今の自分はティアナたちが居るが、ギンガ知り合いも居ない世界‥‥それも今まさに死に絶えようとしている世界に一人ぼっちで放り出されたのだから、心細かったに違いない。

 

それに比べると今の自分たちの環境はギンガに比べたらマシな方なのだろう。

 

「そうだね‥‥だから、ティアナ‥私たちは弱音なんて吐いてはいられないよ」

 

「はい」

 

やがて、休憩を終えると束と更識がフェイトたちの居る部屋へ訪れると先ほどの続きが上映される。

 

「おまたせ、休憩はもういいかな?」

 

「はい」

 

「大丈夫です」

 

「じゃあ、続きを映すよ」

 

「ええ、お願いします」

 

 

西暦2201年‥‥第三外周艦隊の一員として太陽系外縁部の警備についていたヤマトは、地球への帰路の途中にカブトガニの様な機影をした艦載機群より突如攻撃を受けた。

 

相前後して確認された謎の警告通信と、地球に近づくクエーサー。

 

それこそが白色彗星帝国こと大ガトランティス帝国の本体だった。

 

しかし、地球はガミラスとの戦争後、波動エンジン、波動砲技術を手に入れたことで完全に慢心し、彗星帝国の強襲偵察隊が行った金星のエネルギー集積基地の事実でさえ事故だと決めつけ、ガミラスが滅んだ今、地球よりも優れた宇宙技術を持つ星などある訳がないとまで決めつける政治家や官僚も居る始末だ。

 

事の重大さを全く理解しない政府・軍の上層部に業を煮やした旧ヤマト乗組員のメンバーたちは改装工事中のヤマトを奪取して、宇宙へと飛び出した。

 

これにはフェイトもティアナも驚く。

 

この行動は組織人としては絶対に許されない行為だ。

 

自分の組織に疑念や不信を抱いても、大抵は我慢したり、妥協してしまうが、古代たちヤマトの乗組員たちは地球を救った英雄から反逆者に成り下がってでも組織の命令よりも自分たちの信念に基づいて行動をしたのだから‥‥

 

しかし、ヤマトには藤堂司令長官や土方司令など、古代たちを‥ヤマトを理解する上官も少なからず存在していた。

 

この点についてフェイトは、三提督やリンディ、レティ、カリムなど管理局、ミッドでの権力者が機動六課設立に理解を示してくれた事と共通していると思った。

 

防衛軍の制止を振り切ったヤマトは一路、地球へ警告文を送ったメッセージの発信者が居るとされるテレザート星へと向かう。

 

(えっ?テレザート星!?)

 

(フェイトさん、テレザート星って‥‥)

 

テレザートの名前が出て来てフェイトとティアナはまたもや驚愕する。

 

何故ならば、この星の名前はフェイトにもティアナにも聞き覚えのある星どころか運命的と言うか、衝撃的な出会いをした星だからだ。

 

デスラー率いるガミラス艦隊の妨害を乗り越え、更にはテレザート星の前に立ちふさがる彗星帝国のミサイル艦隊と対峙する。

 

「あっ、あの艦は!?」

 

「うん。私たちを襲ってきた艦と同型の艦‥‥それにプレオを破壊した艦‥‥」

 

いつの間にかフェイトは身を乗り出していた。

 

ヤマトはテレザート周辺に散らばっていたバキューム鉱石を反重力感応機により船体へと装着し、ミサイル攻撃をやり過ごすと敵艦隊を波動砲で掃滅してしまった。

 

(やっぱり、テレザートに居たあの艦はヤマトだったんだ‥‥)

 

フェイトは自分の予感が当たっていたことに、安堵とも驚きともつかない長い溜め息をそっとついた。

 

そして、テレザートにて巨大な白色彗星が接近してきた。

 

自分たちよりも星の海の経験も天文学の知識もあるクロノでさえ『異常だと』発言したあの巨大な白色彗星。

 

あの時クロノは艦と乗員の安全を第一優先としつつもテレザートから脱出したヤマトとコンタクトを取ろうとしたが失敗に終わり自分たちもヤマト同様、テレザートから逃げるのが精一杯だった。

 

やがて、その白色彗星は本格的に地球へと侵攻を開始し、次の映像は土星圏を舞台に地球防衛軍とガトランティス、太陽系侵攻艦隊の主力部隊との決戦映像となった。

 

(凄い‥ヤマト一隻だけでもあの強力な戦略砲を装備しているのに、もう一つの地球はこれだけの軍艦を揃えるだけの技術力があるなんて‥‥)

 

(ルキノさんが見たらきっと狂喜乱舞するだろうな‥‥)

 

六課時代にロングアーチに所属していたルキノ・リリエは艦船マニアであり、管理局よりも強力であり、これまで認知されていない世界の宇宙艦船の集結している映像はルキノにとってまさにお宝並みの映像に違いない。

 

ヤマト以外にも防衛軍の宇宙戦艦、宇宙巡洋艦に標準装備となっている波動砲が強力なのはテレザートにおけるヤマトと彗星帝国のミサイル艦の戦闘で判明しているが、その地球を侵略しようとしている彗星帝国にも切り札となる武器があった。

 

土星圏で行われた彗星帝国の太陽系侵攻艦隊と地球連合艦隊との戦闘映像の中で、突然地球の戦艦が爆発をした。

 

「えっ?いきなり爆発したけど‥‥?」

 

「事故か何かですか?」

 

爆発した戦艦は敵の攻撃を受けたようには見えなかった。

 

その為、何か事故か整備不良でもあったのかと思ったフェイトとティアナ。

 

束に質問すると、彼女は味方艦の爆発理由を答えた。

 

「敵の旗艦は、人工的に物質移送空間を作り、そこに高エネルギー砲を叩き込んできた。回避は事実上不可能。命中率はほぼ100%を誇る強力な兵器だったんだよ」

 

「貴女たち魔導師で言うと、召喚系魔導師が至近距離でバスターを召喚してくるようなものよ」

 

(それって、ルーテシアが召喚ゲートを開いてそこへなのはさんがディバインバスターを撃ち込んでくるみたいなモノね‥‥)

 

更識の説明を聞き、それをイメージするティアナ。

 

「命中率100%?それじゃあ、避けるのは‥‥」

 

「ほぼ不可能だね」

 

フェイトは束にこの転移砲を回避する方法を尋ねるが、束からは無理だと言う回答がくる。

 

「そんな相手にどうやって戦ったの?」

 

命中率が100%で回避は不可能。

 

そんな転移砲を持つ相手にどうやって戦い、勝ったのか気になる。

 

「敵の決戦兵器は射程が極めて長く、正確な命中率を誇るかわりに照準がデリケートだったみたいで、艦隊司令を務めていた土方提督はそこにつけ込む戦法をとったんだよ」

 

地球艦隊は敗走を装って全艦隊を土星の環の中、カッシーニの隙間まで艦隊を後退させ、潜ませていた予備部隊と合流した。

 

一方、追撃してきた敵艦隊は土星の環の中であの転移砲を放った。

 

その結果、土星の環を形成していた無数の氷塊が一瞬で蒸発して水蒸気爆発を誘発。

 

水蒸気爆発の影響で大規模な乱気流が発生し、その気流に飲まれ、転移砲を持つ旗艦を含めて敵艦隊は全て操艦不能に陥り、味方同士で衝突したり、地球艦隊の砲撃を受けて壊滅した。

 

気流圏からからくも脱出に成功した敵の旗艦であったが、味方は気流圏の中で地球艦隊からの砲撃を受け壊滅。

 

旗艦も被弾しており、自慢の転移砲も被弾し使用不可となっていた。

 

敵将のバルゼーは自身の敗北を悟ったが、せめて敵の旗艦を葬ろうとアンドロメダ目掛けて特攻をしかけてきた。

 

しかし、味方も既におらず、切り札である転移砲も使用出来ず敵の旗艦は一方的に集中砲火を受け爆沈した。

 

(フェイトさん‥‥)

 

(なに?ティアナ)

 

ティアナは念話でフェイトに話しかける。

 

(フェイトさんがもし、あの転移砲を持つ艦と戦うことになったら、あんな風に戦えますか?)

 

(‥‥)

 

ティアナはフェイトに火炎直撃砲搭載艦と戦うことになったら、防衛軍みたいに戦えるかと問う。

 

土方は火炎直撃砲の特性と戦場の地理を活かして逆転することが出来た。

 

もし、自分があの戦艦と戦う場合、火炎直撃の特性と逆転する方法に気づくことが出来るだろうか?

 

あの転移砲の威力に冷静に対処出来るか自信がない。

 

「でも、本当の戦いはこの後からだったんだよ‥‥」

 

「「えっ?」」

 

彗星帝国の太陽系侵攻艦隊を撃破したがそれはあくまでも序章に過ぎなかった。




次回 地球の新作ゲーム事情前編

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
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