体感シュミレーションゲーム、BRAVE DUELの一般公開前に特別体験させてもらった箒、星奈、昴の三人。
開発責任者のグランツによると仮想空間にて様々な体験することが出来るらしいが、初めての体感シュミレーションゲームと言う事で簡単な内容のゲームを選ぶとそれは若干のホラー要素がある内容だった。
そして、クリア条件であるバイクの修理部品をこのフィールド内で探す中、三人に白く大きな顔の化け物が迫ってきた。
このまま三人で一緒に行動していてはあっという間にゲームオーバーになってしまう。
「じゃあ、アイツは私が引き付けるね。星姉と箒姉は修理部品を探して」
「「昴!!」」
昴は大きな顔の追跡者を引き付け、箒と星奈はバラバラに逃げつつもバイクの修理部品を探しに行った。
そして、トンネル内で上手く大きな顔の追跡者を振り切った昴は森の中で箒と星奈同様、バイクの修理部品を探す。
トンネルを出て左方向へ行くと、木材とトタンで出来た壊れかけた車庫の様な廃墟を見つける。
そこには古びた廃車もあり、もしかしたら修理部品があるかもしれないと思い期待するがそこには修理部品はなかった。
「車があったから修理部品があると思ったんだけど、此処にはないか‥‥仕方ない、別の所を探しに行こう」
森の中を走り続けると最初のスタート地点へと辿り着く。
「あっ、バイク‥‥ってことは、此処はスタート地点か‥‥よーし、それじゃあ次はあっちへ行こう!!」
あの大きな顔の追跡者がいつ、どこから、現れるのか分からない環境下にも関わらず、昴は恐れることなく修理部品を探しに暗い森の中を探索する。
「細いけど、これは道‥‥なのかな?」
崖下に細い道を見つけた昴はそのままその道を通る。
「あの大きな顔の音楽は聴こえないし、ここは素早く行ってどこまで続いているのか確認してこよう」
細い道を進んで行くとその先は開けた場所になっておりそこには小さな物置小屋が建っていた。
「また廃墟だ‥‥あそこに修理部品があるのかな?」
昴がその物置小屋に近づくと、
バンッ!!
「うわっ!?」
物置小屋の扉が勝手に開く。
そして、さっきの大きな顔の追跡者とは別の大きな顔が飛び出してきた。
しかし、そっちの大きな顔は最初の大きな顔と違い真っ直ぐにしか進めなかったのか、昴はひょいと横に躱すと大きな顔はそのままどこかへと消えた。
「ふぅ~びっくりした~」
今度こそ、追跡者の気配はないと判断した昴は物置小屋へと向かう。
「ん?あれは‥‥」
そして、物置小屋でエンジンオイルを見つけた。
「やった!!一つ目の修理部品ゲット!!」
エンジンオイルを手に入れた昴であるが後ろからあの音楽が聴こえてきた。
「って、あの大きな顔が来た」
昴は物置小屋を一周して、大きな顔を撒く。
「はっはっは!!あばよ、とっつぁん!!はっはっは!!」
目的のモノを手に入れて追跡者を振り切った昴は某有名な泥棒のセリフを吐き再び暗い森の中へと姿を消した。
「階段‥‥登れるのでしょうか?」
昴が大きな顔の追跡者を引き付けている間に森の中へ逃げた箒と星奈であったが、従来の作戦通り、別れてバイクの修理部品を探すことにして森の中を探索している中、星奈は石垣の様な構造物を見つけた。
そこにはちゃんと階段もあり上に登れるみたいだ。
階段を上っている中、
「昴は大丈夫でしょうか‥‥本来なら年上である私か箒があの大きな顔の注意を引き付ける筈だったのに‥‥」
昴が自ら囮役を買って出たのだが、そこはやはり年上である自分か彼女の姉である箒が本来なら囮を務めるべきだったと後悔する星奈。
「それにスパークプラグなんて小さい部品、見つかるかな?‥‥この仮想空間ではルシフェリオンもただのアクセサリーみたいで使用できないみたいですし‥‥」
流石に仮想空間ではデバイスも魔法も使用が不可能なこの状況下でスパークプラグなんて小さな修理部品を探すのはなかなかの難易度だ。
階段を昇ると石垣と対岸に木製の橋が架かっていた。
「橋があると言う事は向こう側にも行けると言う訳ですし‥‥行ってみますか‥‥」
星奈が橋を渡っていると、
「はっはっは!!あばよ、とっつぁん!!はっはっは!!」
橋の下から昴の声が聞こえてきた。
「ん?下から昴の声がしたような‥‥」
星奈が橋の下を覗き込むと、そこには最初に会った大きな顔の追跡者の姿があった。
「聞き間違い?‥‥とにかく、あの大顔の化け物がこっちに来る前に探索を済ませましょう」
橋を渡り切ると、そこにはログハウスの様な建物が建っていた。
「小屋‥‥入ってみましょう」
星奈はログハウスへと入る。
そこには壊れたテーブルや椅子が置かれている。
「廃墟‥‥みたいですね」
ログハウスの内部を見てこの建物が廃墟だと判断する星奈。
とりあえず、壊れていないテーブル上に懐中電灯のエネルギー電池があったので、それを拾い、中を探索する。
すると、ログハウス内に修理部品の一つであるスパークプラグがあった。
「あった、スパークプラグ‥‥とりあえず、バイクの所に持っていかないと‥‥」
星奈がログハウスを出ようとした時、
~♪~~♪~~~♪~ (恐怖の森 よしえBGM)
ログハウスの外からあの音楽が聴こえてきた。
「っ!?まさか、あの大顔が‥‥」
星奈は万が一のために脱出しやすいようにログハウスの扉を開けていた。
その開いている扉からあの大きな顔の追跡者がログハウス内に入ってきた。
「脱出しやすいようにと開けていた扉がまさか仇になるとは‥‥」
しかし、星奈は冷静に大きな顔の追跡者をログハウスの内部へと引き付けるともう一つの出入口である勝手口から無事に外へと逃げた。
星奈がログハウス内で探索している頃、箒は星奈が登っていった石垣の階段近くに居た。
「階段か‥‥」
箒は階段を懐中電灯で照らす。
「上に行けるのかもしれないが、もしその先が行き止まりだったら逃げ場がないな‥‥ん?こっちにも道がある‥‥よし、ひとまずこちらから探索しよう」
箒は階段を昇らず、石垣の脇にあった別の道を進む。
「何だか迷路みたいな所だな」
箒が進んだ道は高い石垣の壁といくつかの道が分岐しているまさに迷路の様な道だった。
「と、とにかく落ち着こう‥‥えっと‥確か何かの本で歌を歌えば怖くないと聞いたな、よ、よし、歌うか‥‥」
箒は童謡・唱歌の『おばけなんてないさ』を歌いだす。
何故、この歌なのかと言うと化け物の様な追跡者の存在を少しでも忘れようとする現実逃避だった。
歌をうたっていた箒であったが、
「‥‥えっと‥‥続きの歌詞を忘れた‥‥確か握手して友達になろうとか言う部分があったと思ったが‥‥さっきの顔に例えて考えてみるか‥‥」
歌の歌詞と忘れようとしていた化け物の姿を想像する箒。
彼女の脳内ではあの大きな顔に手を生やして、
「箒ちゃん、私とお友達になってくれる?」
と、尋ねてくる姿を想像する。
「 ‥‥ムリダナ(・×・) 」
歌の歌詞に反して速攻で否定する箒だった。
そんな事を考えている内に箒は地下通路の様な所に迷い込んだ。
「ん?ここは‥地下か‥‥もしかしたら、ここに修理部品があるかもしれないな」
手前に迷路のような道、そしてそれに続く地下道‥‥
何かあるフラグはビンビンにある。
「よ、よし、さっさと修理部品を集めてこんなゲームを終わらせるぞ!!」
勇気を振り絞り箒は地下道を進んでいく。
「地下に入って更に下るのか‥‥」
地下道を通っていると、下り坂を何ヵ所か下った感じがしたので、更に地下へと下った感覚がある。
すると、開けた場所に橋が架かっている。
「うわぁ~この下に落ちたら終わりだな」
橋の下は懐中電灯の光を照らしても底が見えないくらい深い。
落ちたら追跡者に捕まらなくてもゲームオーバーになるだろう。
橋を渡り切るとそこには修理部品の一つ、タイヤが落ちていた。
「あっ、あった!!」
箒がタイヤにタッチすると、タイヤをゲットしたと書かれたウィンドウが表示される。
流石にタイヤを持って走るのは体制的にきついので、こうした点が仮想空間ならではの省略の仕様だ。
箒がタイヤをゲットした瞬間、
「ワオ!!」
奥の通路から二足歩行で全身が真っ白の人面恐竜みたいな化け物が出現した。
「出たぁ!!」
踵を返し急いで逃げる箒。
「ここで追いつかれたら絶対に終わるやつだ!!コレ!!」
絶叫をあげて地下道を走る箒。
「うわぁー!!来ないで!!来ないで!!追いつかれたら死あるのみじゃないか!!絶対に逃げるんだぁ!!」
地下道を爆走していると、地上に出る。
しかし、地下道前の道は迷路みたいな道となっている。
「や、やった地上に出れた!!よし、このまま一気にアイツを引き離すぞ!!」
迷路を使って後ろから追ってくる追跡者を引き離そうとする箒。
すると、前から足音が聞こえてきた。
「ん?足音?昴か星奈か?よーし、驚かせてやろう‥‥おーい、昴、星奈」
箒は前から来る足音の主が昴か星奈だと思い足音がする方へ声をかけながら近づく。
すると、
「ワオ!!」
前から来たのは昴でも星奈でもなく、地下道で出会った人面恐竜の追跡者だった。
「ウソダドンドコドーン!!うわぁぁぁぁぁぁぁー!!また出てきた――――!!」
迷路で撒いたと思ったら、それが裏目に出て鉢合わせしてしまったのだ。
再び絶叫を上げながら迷路を逃げる箒だった。
一方、先に修理部品を見つけた昴と星奈はスタート地点であるバイクの所に居た。
「昴、無事でよかった。まさかあの状況から上手く逃げ切るなんて凄いですね」
「えへへへ、鬼ごっこは学校でよくやっているからね」
「あとは箒だけですね」
「うん。無事かな?箒姉」
箒が修理部品をゲットできたのか連絡手段がないのでわからない。
しかし、ゲームオーバーになればウィンドウに表示されるだろうから、その表示が無いと言う事は、箒はまだゲームオーバーにならずに生きていると言う事だ。
「部品も手に入れていれば良いんですけど‥‥」
「探しに行く?」
「うーん‥でも、すれ違いになったら厄介ですし‥‥」
昴と星奈が箒を探しに行こうかと思っていると、
「オーイ!すーばーるー!ほーしーな!」
森の中から箒の声がしてきた。
「ん?箒姉の声?」
「探す手間が省けたわね」
「すーばーるー!ほーしーな!」
やがて森の中から箒が姿を現した。
「箒姉、元気よく走って来る」
「笑みも浮かべていますね。もしかして、残りの修理部品を全部見つけてきたのでしょうか?」
「ん?ちょっと待って星姉‥‥箒姉の後ろに‥‥」
「えっ?」
昴の指摘を受け、星奈が目を細めて箒の背後を注意深く見ていると、
「ワオ!!」
「「なんか付いて来ている!!」」
箒の後ろからは全身真っ白の人面恐竜みたいな化け物の姿があった。
更に、
~♪~~♪~~~♪~ (恐怖の森 よしえBGM)
最初に会ったあの大きな顔の追跡者も居た。
「「しかも化け物二体連れてきた――――!!」」
箒と合流した二人は走り出す。
「箒、一体どういうつもりですか!?」
「そうだよ!!何、化け物を増やしているの!?」
「こんなモン、どこから連れて来たんですか!?」
「フフフフ‥‥地下だよ、みんなもう死んじゃうんだ、そうだ死ねばいい‥死ねばこの恐怖も終わる‥‥」
「ちょっ、恐怖で頭をやられたんですか!?よく、私たちの所に来た時にあんな屈託のない笑顔を見せることが出来ましたね!?」
「私たちの事を嵌める気満々だったでしょう!?箒姉!!」
化け物二体を自分たちの下に送り狼してきた箒に星奈と昴は不満をぶちまける。
「うるさい、こうなったらもうお前たちも道連れだ!!」
「昴、どうしますか?」
「任せて、さっきトンネルに入る前に岩の上に洞穴らしきものがあったからそこへ逃げよう!!」
「分かりました。昴、道案内よろしく」
「うん、任せて」
昴の案内の下、三人は道に土砂崩れみたいに落ちていた岩を登り、その上にあった洞窟へ逃げ込む。
三人を追ってきた人面恐竜と大きな顔は岩を登ることが出来ずに森の中へ消えていく。
「それで、箒。箒は修理部品を見つけられたんですか?」
「あ、ああ‥タイヤを見つけた。二人は?」
「私たちも修理部品は見つけました」
「となると、残るはガソリンだけか‥‥」
「それじゃあ、早く見つけよう」
「それではとりあえず、この洞窟を探索しますか‥‥」
三人が逃げ込んだ洞窟は奥に道が続いている様なので、この洞窟を探索してみる。
洞窟は、最初は岩肌が剥き出しのいかにも洞窟な感じだったが、その奥は箒がタイヤを見つけた地下道と同じ構造をしていた。
そして、左右に分かれる分岐点へ来る。
「右か‥左か‥‥」
「どっちに行こう?」
左を照らすとまだまだ奥がありそうで、右を照らすと直ぐに曲がり角となっている。
「まずは右に行ってみよう。角を曲がってまだ奥があるのか行き止まりか分からないし‥‥」
昴の提案から三人はまず、右側へと行く。
角を曲がると行き止まりとなっていたが、ガソリンが置いてある。
「あっ、最後の修理部品だ!!」
「これで後はバイクの所に戻るだけだな」
最後の修理部品であるガソリンをゲットして後はバイクの所に戻るだけだったのだが、
「ウフフフ‥ヒィヒヒ‥‥」
出入口の方から昴がトンネルで見た同じ型の全身真っ白で人型の追跡者が走ってきた。
しかし、トンネルに居たモノとは違って、近づいてくる人型の追跡者は怪しい笑みを浮かべている。
「えっ?なに‥あのSCP-096みたいなの‥‥」
「シャイガイじゃないよ!!って言うか箒姉がシャイガイを知っていることに驚きだよ!!」
「私としては昴がシャイガイを知っている事の方が驚きなのだが‥‥」
二人の姉妹は互いにシャイガイを知っている事に驚いている。
「って、そんなことを言っている場合ですか!?逃げますよ!!」
右側は行き止まりだったので、左側へと逃げる三人。
そして大きな柱を使って追跡者を振り切り、洞窟から出る。
「このままバイクの所に戻ればいいんだよね?」
「ええ、ルールではバイクにタッチすれば、バイクは直りこの森から脱出出来る筈ですから!!」
「ふ、二人とも!!後ろ、後ろ!!」
「「えっ?」」
箒が後ろを指さすと後ろからは人面恐竜と大きな顔の追跡者が追ってきた。
「また来た!!」
「くっ、しつこい‥‥」
「あっ、バイクの所だよ!!」
三人がバイクの所に行き、バイクに触れると追跡者の動きは止まり、ウィンドウに『バイクに乗って下さい』と表示される。
運転席に星奈、その後ろに昴、一番後ろに箒が乗る。
「では、行きますよ!!」
バイクのエンジンが唸りを上げ星奈がスロットルを回すとバイクは動き出す。
「ちょっと、箒姉どこ触っているの!?」
箒は昴の胸を鷲掴みしている。
「もう嫌‥怖くて目が‥‥」
バイクはトンネルに入る。
最初に昴が開けた扉を通り抜ける。
「ちょっと、星姉、この先行き止まり‥‥」
「大丈夫」
星奈は陥没部分前に置いてあった木の板を踏み台にして陥没部分を飛び越える。
そして、トンネルを抜けるとゴールとなりゲームは終わる。
すると三人の目の前が真っ白になり、プシュッ!!と言う音と共に目を開けるとブレイブ・シュミレーターの蓋が上がる。
「ん?‥‥戻ってこれた‥の?」
「そう‥みたいですね」
「はぁ~酷い目に遭った‥‥」
あれだけ走ったのだが、仮想空間だったので肉体的疲労は感じないが、ホラーが苦手な箒としてはどんでもない体験だった。
その後は水の中なのに呼吸できる魔訶不思議な海中ステージ
古代の地球を体験できる恐竜ステージ
江戸時代の街並みを再現した江戸ステージ
そして、お菓子の国ステージを体験した。
「このお菓子食べられるんですか?」
お菓子の国ステージは本物のお菓子の匂いがするステージで、食いしん坊な昴は仮想空間でも此処にある沢山のお菓子を食べる事が出来るのかをグランツに尋ねる。
「触角と嗅覚のアプローチには成功したんだが、味覚のアプローチは難しくてまだ出来ていないんだ‥‥」
すると、匂いを嗅ぐことは出来るが食べる事はまだ出来ないとすまさそうに答える。
「こんなに美味しそうなのに‥‥」
昴は大きなキャンディーを手に残念そうに呟いた。
「うぅ~こんなステージがあるならば最初からこっちへ案内してもらいたかった」
一方、箒の方がこれまで体験したステージからあの鬼ごっこのゲームよりも最初からこっちのステージを案内してくれと愚痴った。
箒、昴、星奈の三人はBRAVE DUELの様々なステージを堪能し、一般公開後もプレイしようと決め、グランツ研究所を後にした。
その日の夜‥‥
「す、昴‥‥」
「ん?箒姉?どうしたの?」
昴がもう寝ようとした時、昴の部屋に箒がやって来た。
「その‥‥今日は一緒に寝ないか?」
箒は昴と一緒に寝ないかと提案してきた。
箒がどうしてそんな事を提案してきたのか昴は直ぐに察した。
昼間に体験したBRAVE DUELの鬼ごっこが相当堪えたのだろう。
昴は箒の提案をOKして、この日は姉妹仲良く一緒に寝たのだった。
なお、余談であるが星奈はファリンと一緒に寝た。
次回より本編再開です!
再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥
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Dr.スカリエッティ
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アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様